窓に何らかのトラブルがあると隙間風が入ってきます。気温の下がる夜や冬場も快適に過ごせるよう、適切な対策を取って隙間風を解消しましょう。この記事では自力でできる対処法や、隙間風の軽減に効果のある小規模リフォームについて解説します。
最終更新日: 2021年08月05日
窓から隙間風が入ってしまう原因
窓から隙間風が入ってくるのはなぜなのでしょうか？正しく対策するためにも、複数ある原因をチェックしておきましょう。窓自体の劣化やゆがみが原因の場合は交換・修理が必要になるため、原因に見当を付けておくと予算計画に役立ちます。
窓のゴム部分が劣化している
隙間風の大きな原因として考えられるのが、ゴム部分の劣化です。窓ガラスと窓枠の境界には、気密性を高めるためのゴム部品が備え付けられています。
ゴムがしっかり付いていると部屋の空気が外に逃げたり、外の空気が室内に入ってきたりするのを防止できる仕組みです。
しかしゴム部品は日光の影響や経年によって劣化します。劣化してくると徐々に気密性が弱まってくるため、隙間ができて風が入ってきている可能性があります。
わずかな隙間から入った冷気が目立つ
窓自体に何の問題もない場合に考えられるのが、家自体の気密性が高いためにわずかな隙間風が気になるという理由です。実際は窓から風が吹き込んでいなくても、暖かいはずの部屋に冷気が入ると窓が原因ではないかと考える場合もあります。
空気は1mmに満たない隙間でも通り抜けていきます。特に台風や悪天候の影響で強い風が吹いていると、屋内にあるわずかな隙間から外気が侵入してきている可能性も考えられるでしょう。
風が侵入する場所は玄関のドアやトイレの窓・換気扇のほか、壁や天井に生じた隙間も挙げられます。「窓は締め切っているはずなのに…」と違和感があるときは、室内でお香やお線香を焚くと煙の動きから隙間がある場所を特定できるかもしれません。
窓枠がゆがんでいる
窓から隙間風が入る原因はゴム部品の劣化だけでなく、窓枠が何らかの要因でゆがんでいる可能性も考えられます。
施工不良や家全体のゆがみは、窓枠が変形する要因の一つです。しかしチリや砂ぼこりがサッシにたまり、窓がズレてしまっている場合も多くあります。
窓には開閉をスムーズにするための「戸車」という部品が付いており、戸車がチリや砂ぼこりによって持ち上げられることで窓全体が傾いてしまうのです。
窓を動かしてガタガタとした感覚があれば、窓枠のゆがみを疑いましょう。変形した窓枠が原因の場合は、基本的に業者に修理を頼むか新しい窓に付け替えるかすれば隙間風が解消します。
グッズを使ってできる対策
窓から隙間風が入ってくると部屋の温度が冷えてしまいます。ゴムの劣化や窓枠のゆがみは交換や修理・リフォームでしか解決できませんが、寒気への一時的な対策であればグッズの活用がおすすめです。
カーテンで寒気を遮る
窓からの隙間風をブロックするための手段として、カーテンは役立つアイテムです。ただしカーテンを閉じきったときに窓が見えてしまう状態だと、十分な効果を得られません。
空気はほんのわずかな隙間からでも侵入しますので、しっかり窓が隠れるサイズの製品を選びましょう。窓の寸法を測ってジャストサイズよりも大きめのものを選ぶと安心です。
また薄すぎると布越しに冷気が入り込んでしまうため、十分な厚さがあるカーテンを選びます。断熱効果のあるアイテムのほか厚手の遮光カーテンもおすすめです。
カーテンの隙間を完全にふさぎたいという場合には、カーテンボックスを使うという手もあります。カーテンレールと壁の間にできた隙間を埋められ、窓から入る風をさらに抑えられるでしょう。
隙間テープで気密性を高める
100円ショップやホームセンターで購入できる「隙間テープ」は、窓の気密性を高める上で非常に役立つグッズの一つです。
ハサミを使って好きな長さに調整が可能で、さまざまなサイズの窓に対応できます。複雑な形状の窓にできた隙間を、手軽にふさげるのも魅力です。
テープを貼り付ける前に、貼りたい部分をあらかじめ掃除しておきましょう。汚れが付いたままになっていると粘着力が落ちて、剥がれやすくなってしまいます。
断熱シートで室温を保つ
断熱シートを窓に貼って室温の低下を和らげる方法も、一時的な隙間風対策に役立ちます。シートにはさまざまな種類があるため、厚さや貼り方からニーズにあった商品を選ぶのがポイントです。
シートは厚ければ厚いほど保温効果が高く、薄くなればなるほど光を通しやすくなります。厚すぎて部屋が暗くなってしまわないように、断熱効果とのバランスを見ながら選びましょう。
水で貼るタイプのシートは何度も貼れて手軽ですが、霧吹きでぬらす手間がかかるほか乾くと剥がれやすいのが弱みです。粘着剤タイプは手軽に貼れて効率的なものの、一度貼ると剥がしたときに跡が残りやすいというデメリットがあります。
一時的な対策として短期間だけ貼っておくなら、窓へのダメージが少ない水タイプの方がよいでしょう。
ただしすりガラスなど凹凸のある窓には断熱シートを貼れません。隙間風が気になる窓が複数あるならどの場所に使えるかを調べ、購入する数を決めると無駄を減らせます。
窓の隙間風対策に役立つリフォーム
グッズでの対策では不十分な場合は、窓のリフォームでより本格的な隙間風対策をしましょう。賃貸や分譲の住宅で窓やサッシの交換が難しい場合でも、試せるリフォームを二つ紹介します。
二重窓や二重サッシを取り付ける
隙間風を防止するためのリフォームとしてよく挙げられるのが、二重窓や二重サッシを設置する方法です。窓の隙間をカバーするだけでなく空気の層を作り、冷気によって部屋が冷えるのを防げます。
二重窓・二重サッシは既存の窓に重ねて取り付ける設備で、冬場に氷点下を下回る地域では標準的に備わっている家屋も珍しくありません。近年では省エネルギーにも有効とされ、全国的に普及し始めています。
窓を2枚重ねると隙間風が侵入するのを防げるだけでなく、遮熱性や遮音性の向上にも効果的です。外の音が気になる人にもおすすめのリフォームです。
雨戸を設置する
防寒対策として雨戸を取り付けるのも一つの方法です。窓の部分に複数の仕切りと空気の層ができるため、二重窓と同様の効果を期待できます。
雨戸は本来強い雨風から窓を守るために設置するものですが、防寒や防犯対策としても役立つ設備です。台風などの災害時に飛んでくるものから窓を保護する効果もあります。
手作業で開閉するのが面倒な人は、電動式の雨戸を採用するのも一つの手です。手動のタイプより費用はかさみますが、防犯性が高いというメリットもあります。
リフォーム業者選びのポイント
納得できる窓のリフォームを行うためには、業者選びが重要です。どのようなポイントを意識して選ぶと失敗を減らせるのでしょうか？信頼できる依頼先を見つけるためにも、選び方を押さえておきましょう。
業者を比較できるサイトを活用する
リフォームを依頼する上で、信頼できる専門の業者に依頼することは重要です。しかし自力で1社ずつ連絡をして料金や作業の質を見極めるには、手間も時間もかかります。
効率的に業者選びを進めたいなら複数の業者から見積もりを取って、比較できるサイトを活用しましょう。地域のリフォーム業者とマッチングできるミツモアでは、無料で複数社からの見積もり提案を受け取れます。
見積もり金額だけでなく過去に利用した人の口コミもチェックして、依頼先を決める前に比較検討すれば失敗を減らせるはずです。
窓リフォーム費用の相場
窓を二重窓にリフォームする費用の相場は、窓の大きさによって変わります。トイレやキッチンの小窓であればトータルで70,000円ほどから依頼できますが、居間の窓なら110,000円以上かかるのが一般的です。
ガラスの種類やグレードによっても差が出ます。一軒家だとマンションよりも施工箇所が多くなり、高額になるのが通常です。複数社からの見積もり額を確認して、自分の場合にかかる費用の相場を見極めましょう。
雨戸を設置するリフォームでも雨戸の種類や窓の形など、複数の要素によって費用が変わります。見積もりの段階で詳しく状況を伝えておくのがおすすめです。
窓の隙間風を対策して快適な暮らしを
窓からの隙間風を解消できると寒さを感じにくくなり、電気代もある程度抑えられるようになります。隙間風の影響が軽度・すぐにリフォームができないという場合は、カーテンや隙間テープ・断熱シートといったグッズを活用しましょう。
窓の隙間から吹き込む風で生活に大きな影響が出ているなら、より本格的に対処できる窓のリフォームがおすすめです。二重窓・二重サッシを設置するほか雨戸の取り付けでも、空気の層と仕切りの効果で隙間風の影響が軽減されます。
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