「もしかしたら水漏れしているかも……」と気づいても、どうやって対処するか、判断が付きにくいものですよね。
壁のシミやポタポタ音で気づくこともあれば、水道代の請求金額に違和感を感じて気づくこともあるでしょう。それぞれのケースに合わせて、本当に水漏れしているかどうかの判断基準や、自分でできる対処法を解説していきます。
水漏れが起きたら最初にすること
水漏れが起きたら、すぐに以下の2つの行動に移りましょう。
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「止水栓」もしくは「元栓」を閉める
水漏れが起こったときには、蛇口付近にある「止水栓」もしくは家全体の水道を止める「元栓」を閉めましょう。
少ししか水漏れしていないからといって放置しておくと、思わぬトラブルになります。賃貸の場合には、階下に被害を与えることで損害賠償を請求される可能性もあるので、すぐに直すようにしましょう。
水道の元栓は、一戸建ての場合メーターボックスの中にあります。メーターボックスは敷地内の地面に埋まっています。アパートの水道の元栓は、廊下や駐車場などの共用スペースを探してみましょう。マンションの場合は、玄関を出てすぐの壁にある扉のついたボックスの中にあります。
大家さんや管理会社に連絡する
賃貸で水漏れが起こった場合、まずは大家さんや管理会社に連絡しましょう。
修理業者を手配してくれたり、場合によっては修理費用を負担してくれたりする場合があるからです。
水漏れの修理費用が入居者負担になるか家主の負担になるかどうかは契約内容によって異なります。
一般的には、経年劣化の場合家主側の負担、入居者の過失がある場合自己負担になるケースが多いです。
物件によっては、小さい修繕は自己負担となっていることもあります。水漏れのあとでも少し時間があれば、契約書を確認してから連絡するとよいでしょう。
水漏れしている箇所がわからない場合の特定方法
まずは水漏れの原因にアタリをつけてみましょう。部品の劣化などが原因であれば、自分で簡単に修理できるかもしれません。
以下の3点について解説していきます。
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水漏れしやすい箇所を目視で確認する
水漏れ箇所を目視で確認するときは、おもに「部品の劣化」「つまり」「雨漏り」の3つを疑いましょう。
蛇口 |
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排水口 |
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排水管 |
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トイレ |
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天井 |
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壁 |
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家の外の地面 |
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蛇口や給水管などの接続部には、ゴムパッキンなどの部品が使われています。長年の使用による摩耗などによって劣化すると、接続部に隙間ができるのでそこから水漏れしてしまいます。
また天井や壁、家の外の地面などにシミを確認した場合は、内部に埋め込まれている水道管や給水管、排水管などが損傷している可能性が高いです。排水設備がつまって、水があふれているケースもあります。
またマンションやアパートなどの賃貸なら、天井や壁のシミは、上階の水漏れが原因かもしれません。この場合は大家さんや管理会社に連絡しましょう。
水道メーターの動きを見る
家の蛇口をすべて閉めるか、もしくは水道の元栓を閉めて、家への給水を止めましょう。水漏れしていない場合は、水道メーターが動かなくなります。
水道メーターのパイロット部分がくるくると回り続けている場合は、どこからか水が流れている証拠です。
水道メーターは、以下のような場所に設置されています。
一軒家 | 賃貸 |
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家の外にあるフタの中 | 玄関横のメーターボックス |
これらの場所をあけると、パイロットが動いているかどうかが分かります。
パイロットは、上画像の位置にある部品です。ここがクルクルと回転しているときには水が出ているサインです。家の蛇口や元栓を閉めきっているのに動いている場合は、水漏れしている可能性があります。
トイレや洗濯機、ベランダなどの蛇口は見逃しやすい場所なので注意してください。
業者に漏水調査を依頼する
水漏れ修理のプロに依頼すると、専門的な漏水調査をしてもらうことができます。壁内や天井などの、原因が分かりにくい場所でも水漏れ箇所を把握することが可能です。
- 音聴棒を使った調査
- 漏水探知機を使った調査
どちらも音によって漏水箇所を特定する方法ですが、音聴棒は人間の耳で、漏水探知機は電子機器で判断するという点が違います。
調査費用の相場は、およそ10,000~15,000円ほど。業者によっては無料になることもあります。有料の場合には、交通費などが加算されるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
自力で水漏れを修理できるかどうかの判断基準
業者に依頼せず、自力で水漏れを修理することも程度によっては可能です。DIYできるかどうかの判断基準を知っておきましょう。
パッキンなど部品の交換だけで済む
自分で修理する前に部品の使用年数を確認しましょう。蛇口の寿命はおよそ10年といわれており、それを過ぎた部品は今後のことを考えて交換をしたほうが良いでしょう。
漏れの箇所 | 交換する部品 |
水栓の先からの水漏れ | コマパッキンの交換 |
ハンドルの根元からの水漏れ | 三角パッキンの交換 |
パイプの根元からの水漏れ | Uパッキンの交換 |
パイプの先からの水漏れ | カートリッジの交換 |
シャワーヘッドとホースの付け根から水漏れ | Oリング、Uパッキンの交換 |
修理に必要な工具がそろっている
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修理に必要な工具を自分でそろえられるかというところもポイントです。必要な工具はホームセンターなどで比較的簡単に手に入りますが、急いでいるから買いに行く時間がないという場合もあるでしょう。
もし手元に工具がないのであれば、業者に依頼して早く修理をしてもらう方がスピーディーかつ確実です。
業者に水漏れ修理を依頼する場合の料金相場
水漏れはどこまで被害が広がっているかわかりづらいため、業者に頼んだ際の修理費用が気になる方も多いでしょう。
しかし水漏れ箇所や修理内容によって、相場はある程度決まっています。
業者に依頼した場合の価格相場は細かい作業内容によって異なりますが、おおむね以下の通りです。
作業内容 | 相場価格 |
洗面所の修理 | 5,000〜10,000円 |
洗面所の蛇口・排水管交換 | 25,000〜50,000円 |
風呂場の修理 | 5,000〜15,000円 |
風呂場の蛇口交換 | 50,000〜60,000円 |
キッチンの修理 | 5,000〜15,000円 |
キッチンの蛇口交換 | 25,000〜50,000円 |
トイレの修理 | 5,000〜10,000円 |
トイレタンクの部品交換 | 15,000〜30,000円 |
この他にも、出張費、作業費が別途かかる場合があるため事前に確認しておきましょう。
必ず相見積もりをとる
水漏れが起きると慌ててしまうかもしれませんが、焦って一社のみの見積もりで依頼業者を決めるのは避けましょう。
提示された見積もりが適切な費用なのか、相場からかけ離れていないかを確かめるためにも、必ず相見積もりをとってください。
数社から見積もりをとることで、相場感を掴むことができるため、悪徳業者にだまされることがなくなります。安すぎたり高すぎたりする業者には要注意です。
また、口コミ評判のチェックも欠かせません。依頼しようとしている業者が、本当に信頼できるのかどうかを知るために重要な材料になるからです。
実体験を見て、最適な施工を行ってくれる業者なのかを確かめましょう。
自分で水漏れを修理する方法
DIYで水漏れを修理する方法を知っておくと、突然の水漏れにも慌てずに対応することができます。ぜひ知っておきましょう。
必要な道具
マイナスドライバー
ネジを回すのに使用します。ネジの大きさによって使用する種類は変わります。
モンキーレンチ
ボルトを緩める工具です。ボルトのサイズに合わせて調節可能ですが、購入前にボルトのサイズを確かめてから購入しましょう。
ピンセット
蛇口内部のパッキンなどの細かい部品を取るときに使います。
ゴム手袋
修理箇所によっては汚水が出るときもあるので、衛生対策でゴム手袋を着用しましょう。
作業前の準備
作業前には必ず元栓や止水栓を閉めて行いましょう。また洗面台下の排水口を修理するときにはバケツがあったほうがよいです。
修理箇所によっては一気に水が出てくることもあるため、多めのタオルを用意しておくことをおすすめします。
また自分で作業する際、無理に行うと故障を悪化させることがあります。作業が難しいと感じたら、無理せずに中止することも大切です。
蛇口の水漏れ
蛇口から水が漏れている場合は、パッキンの劣化・故障が考えられます。
パッキンの消耗は他の部品と比べ早いです。パッキンの交換をして水漏れを修理しましょう。ナットがゆるんでいる場合は、締め直すだけで直ることもあります。
パッキンの交換なのか、給水管自体の交換が必要なのか、判断して交換修理しなくてはなりません。
写真のような単水栓や、ツーハンドル水栓の場合、パイプの先から水漏れしている場合「コマパッキン」の交換を行いましょう。ハンドルの根元が水漏れしている場合、原因は「三角パッキン」にあります。パイプの根元から水漏れしているときは、「Uパッキン」の交換が必要です。
シャワーの水漏れ
シャワーヘッドからの水漏れは、接続部からの水漏れやヘッド内部の残留水が原因であることが多いです。接続部の補修や、ヘッドを分解して水を抜くことが必要です。
シャワーヘッドとホースの付け根から水漏れしている場合、「Oリング」と「Uパッキン」の交換をしましょう。また、シャワーヘッドの止水ボタンから水漏れしているのであれば、シャワーヘッドそのものを交換しなければなりません。
トイレの水漏れ
トイレタンクからの水漏れは以下の原因が考えられます。
- 結露
- タンク内部部品の劣化
- 便器のひび割れ
結露の場合は、タンクの周りを拭いたり、結露防止スプレーを使ったりしてみてください。
トイレタンク内部部品が劣化している場合、以下の内部構造を参考にしながら、水漏れの原因を発見しましょう。
便器は25〜30年使用しているとひび割れることがあります。自分では修理できないため、業者に依頼して便器を交換してもらいましょう。
なお、パッキンの交換の際には、サイズをよく確認してください。もし今使われているパッキンが隙間なく密着しており、まだ新しいようなら、パッキンが水漏れの原因ではない可能性があります。
また、ナットを外す前には、水漏れ箇所の下にバケツを置いておきましょう。加えて、床にビニールシートを敷いておくと安全に作業することができます。
トイレの水漏れ原因と対処法を詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
シンク下の水漏れ
キッチンでは、シンク、排水管・給水管のつまりに注意しましょう。シンクの下には排水管・排水トラップがあります。
この排水管をつたって水が漏れている場合は、シンクと排水管のつなぎ目にあるパッキンの劣化、ナットの緩みが原因です。パッキンは寸法を測れば、ホームセンターで同じものを購入できるでしょう。
また排水ホース自体が破損しているケースも。この場合はパテ埋めをしたり、排水ホースを交換したりする必要があります。
排水トラップがつまっている場合は、排水口のゴミ受けなどを取り外し、掃除しましょう。
排水ホースと排水トラップのつなぎ目、シンクと排水トラップのつなぎ目にあるナットは、手で回すよりもトラップレンチという工具を使うと、より簡単に回すことができます。
なお、排水まわりの修理を行うときは異臭に気を付けましょう。十分に換気をしてから作業を行うようにしてください。
住宅で水漏れが起こるおもな原因
心当たりがないのになぜ水漏れが起きてしまったのかと疑問に思うかもしれません。住宅で水漏れが起こる原因は主に以下の3つです。
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蛇口の部品が劣化している
蛇口の付近で水漏れしている時には、おもに以下のような原因が考えられます。
- パッキンの劣化
- 水栓コマ、スピンドルなどの劣化
- ナットなどの緩み
- シールテープの劣化
蛇口の水漏れ原因でいちばん多いのは、内部のパッキンが劣化しているケースです。ハンドル部分やパイプ接合部など、蛇口の内部にはゴムパッキンが多く使われています。
また水栓コマやスピンドルという、水量・水勢を調整してくれる部品が劣化することもあり得ます。
シールテープは、壁との接合部に使われている部品です。壁と蛇口との隙間から水漏れしないようにテープが巻かれていますが、これが劣化することで隙間から水が流れてくるのです。
これらの部品が原因なら、比較的かんたんに自分で修理することができます。自分で修理できるなら300~500円ほどで収まるので、安く済むのがメリットです。以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
水道管が損傷している
水道や蛇口にものが落ちてしまったり、建物に衝撃が加わったりした場合でも水漏れは起きます。
屋外の水道管では、自動車や工事による振動が水道管に衝撃を与えて破損することもあります。
また大きい地震が起きた場合は、しばらくは被害がなくても水道管にダメージが蓄積されることがあるため、注意が必要です。
とくに室内において、水漏れしていないのにもかかわらず水道料金が高額になっている場合は、衝撃による水漏れを疑ってみてください。
排水桝が詰まっている
排水桝とは、家庭から流れてきた排水を一時的に溜めて、ゴミや汚れを沈めてろ過する場所のことです。
下水道や排水溝にゴミが流れていくのを防ぐ役割があります。しかし長年放置していると、排水桝のなかにもどんどん汚れが溜まってしまうので、定期的な清掃が必要です。
清掃せずに放置していると、つまった水が逆流したり、排水桝から溢れてきたりしてしまいます。
水漏れの原因によっては火災保険が適用される
賃貸物件の場合、水漏れの被害が自室のみ、かつ自分の落ち度であった場合には、火災保険の補償を受けることができます。
もし上階や階下の住人が原因で水漏れの被害を受けた場合は、その人が加入している個人賠償責任保険あるいは施設賠償責任保険で対応可能です。この場合、自分が加入している火災保険で補填することもできます。
水漏れの原因が配管にある場合、共有部・専有部問わず配管そのものの修理費用は火災保険では補填されません。
水漏れで高騰した水道代は免除されることもある
水漏れによって高騰した水道代を減額、あるいは一部免除するための制度として「減免制度」というものがあります。
賃貸物件の場合は、止水栓から蛇口までが管理者の管理責任部分です。どこから水漏れしているのかを調べれば、減額される可能性があります。
止水栓から蛇口までの仕組みは外からではわからないため、大家または管理会社に連絡して、水漏れの箇所を探しましょう。
なお、修理完了してから申請期限が過ぎてしまった場合には減免制度が適用されません。あらかじめ申請期限を自治体に確認する必要があります。
水漏れが起こると1か月でどれくらい水道代が増えるのか
「水道料金」=「基本料金」+「従量料金」という式でできています。
地域によって、基本料金や従量料金は異なるので注意が必要です。
漏れの程度によって、月に100円から、多ければ3,000円程度加算されることもあります。
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