水道代が高騰する原因のひとつに水漏れがあります。漏水調査により詳細を特定すると、水道代の心配がなくなる上に、近隣トラブルの解消や家を守ることにつながるでしょう。漏水調査の費用相場や適用保険、自分で調査する方法を解説します。
漏水調査の主な種類
漏水調査で用いられている方法は、主に2つの種類があります。いずれも漏水の音をたよりに箇所を特定する方法です。業者へ安心して任せるためにも、どのような方法があるのか理解を深めていきましょう。
音聴法
水漏れを知らせる音を聞き分けて水漏れ箇所を特定します。音聴法には大きく分けて2つの方法があります。
ひとつ目は音聴棒を止水栓や水道メーターなどに当て、水漏れ箇所を特定する「埋設管露出部音聴調査」です。
2つ目は「路面(埋設配管)音聴調査」です。埋設管露出部音聴調査の際に、地面に埋まっている水道管からの水漏れが疑われた場合に行います。調査の際に周囲の音が入ってこないようなノイズカット式漏水調査器を使用します。
漏水探知法
漏水探知法は配管経路が分かっている段階で取り入れられる方法です。管路データを入力して、漏水の有無を調査します。相関式漏水調査器を使用し、漏水音を検出したら音を増強させて場所を特定します。
人の耳で音を聴き分ける音聴法と比較すると、漏水探知法の方が調査担当者の経験によらず、一定の判断を下しやすいです。漏水探知法は漏水音をデータ化するため、調査の質が保たれやすい方法です。
漏水調査の費用について
漏水調査の費用相場や費用が高くなる場合の要因を見ていきましょう。あらかじめ費用を確認しておくことで、お金や気持ちの準備がしやすくなります。また費用に関する知識は適切な対応をしてくれる業者を選ぶための、予備知識としても役立てられます。
漏水調査の費用相場
費用は調査内容や方法により異なります。水漏れの有無を確認する音聴調査は8,000〜1万5,000円程度、漏水の事実を確認した場合は1万〜2万円程度、調査で漏水探知機を導入した場合は1万2,000〜1万5,000円程度、ガスを用いて加圧した後に漏水探知機を導入した場合は2万〜3万円程度です。
また業者によっては出張先までの交通費も、費用に含まれることがあります。特に離れた場所にある業者へ依頼する場合には、交通費が含まれるかどうかを依頼前に確認しておくことが大切です。
加えて水漏れが確認できなかった場合でも、調査費用を請求してくる業者もあるため注意しましょう。
漏水調査の費用が高くなる理由
漏水調査の費用は業者により異なります。その業者が用いる機器や方法によって左右されるためです。また漏水箇所を特定するのに時間がかかってしまうと、その分だけ費用がかさみます。
一般的に戸建てよりもマンションの方が、費用が高くなる傾向にあります。配管の構造がより複雑で、調査にかかる負担が多くなるためです。調査相場は一戸建てが4万〜5万円程度、アパートやマンションは7万円前後です。
業者へ依頼する際には、見積もりの内訳を具体的に記載してもらいましょう。専門機器を用いると費用が高くなることがあるので、具体的な調査方法を示してもらうと見積もり金額の根拠が明確になり、より安心して依頼できます。
漏水調査費用の保険について
マンションにおける漏水調査に適用できる保険について解説します。マンションは建物の構造が複雑であったり、近隣住民とのトラブルに発展しやすかったりするため、特有の保険が存在します。
またマンションの漏水状況によっては、補償で費用を賄いきれない場合もあるでしょう。現在の保険の補償内容が十分かどうかも併せて確認しておくことが大切です。
「水漏れ原因調査費用」とは
マンションの管理組合が加入している火災保険に、水漏れ原因調査費用の補償を付けることで漏水調査費用を賄えます。水漏れが起きている場所が個人の所有部分なのか、もしくは共有部分なのかを明らかにするために必要な補償です。
漏水箇所がはっきりしないままでは、責任の所在を特定することができません。しかし水漏れが起きている以上は調査をしなければならないため、スムーズに調査を依頼するために水漏れ原因調査費用の補償が役立ちます。
またあくまで水漏れ原因調査費用を補償するものであり、修理などの費用は対象外である点も注意しましょう。
例えば雨風の吹き込みなどによる損害は対象外ですが、漏水原因が雨風の吹き込みであった場合の調査費用は支払われます。
保険には限度額がある
水漏れ原因調査費用の補償には限度額が設けられているため、水漏れの事故が多いマンションは注意が必要です。1事故あたり100万円が支払い限度になり、長期契約の場合は1年間で100万円です。
もし1件の漏水事故の調査で100万円を超えてしまったら、期間内にまた事故が起きても調査費用が補償されません。
水漏れは住人トラブルにつながる可能性があるため、マンションの漏水事故を十分に賄える補償内容になっているかどうか確認しておきましょう。
漏水調査を自分でする方法
漏水調査は業者へ依頼しなくても、自分である程度状況を把握できる場合があります。調査費用を節約するためにも、自分で対処できる方法を把握しておきましょう。
目や音で確認する方法
急な水道代の高騰などで漏水が疑われる場合は、目や耳を使い水回りでトラブルが起きていないか確認しましょう。漏水ではなく別の不具合が発生している可能性もあるためです。
例えばトイレのタンク内部の部品に不具合が生じていることで、水が流れっぱなしになっているケースがあります。他にも洗濯機の給水栓と蛇口の接続の緩みや、屋外にある水道の蛇口の閉め忘れなどが挙げられます。
しかし使用していないにもかかわらず蛇口が濡れていたり、蛇口を止めても水が流れる音がしたりする場合は漏水の可能性があるでしょう。
またハンドル式の蛇口から振動音が聞こえたら、まだ漏水していなくても近いうちに漏水する可能性があります。早めに水栓コマと呼ばれるパッキンを交換し、漏水を防ぎましょう。
水道メーターで確認する方法
家の全ての蛇口を閉めた状態にし、水道メーターにあるパイロットを確認することで、水漏れ箇所を特定できることがあります。
水道メーターには「直読式」と「円読式」の2つがありますが、いずれもパイロットが動いている場合には水漏れが起きているでしょう。
もし水漏れが起きていたら家の止水栓を1箇所ずつ閉めていくと、場所を突き止められます。例えばトイレの止水栓を閉めてもパイロットが動いていたら、トイレ以外で水漏れが起きていると判断できるのです。
水道メーターの場所
一戸建ての水道メーターは宅地に入った辺りの地面にあります。メーターボックスの中にあり、「水道 メーター」「量水器」などの文字が表示された蓋を開けると埋め込まれているので確認してみましょう。
またアパートやマンションなどの集合住宅では、それぞれの家の玄関の左右どちらかにあるパイプスペースにあります。建物によって異なるため、漏水事故が起きる前に自宅の水道メーターの位置を確認しておくと安心です。
水漏れ箇所を特定する方法
水漏れ箇所を特定する方法を、水漏れが起きやすい場所ごとに紹介します。水漏れ箇所を迅速に発見することで、業者への修理依頼がスムーズになり早めの改善も見込めます。十分な知識を身に付けて、トラブル時も冷静に対応しましょう。
キッチンの場合
シンクの下か蛇口にトラブルがあることが多いです。原因は主に以下のものが考えられます。
- シンク・排水トラップのゴムパッキンの劣化
- 排水トラップと排水管・排水パイプのつなぎ目のナットの緩み
- 排水ホースのヒビや穴
- 給水管と蛇口の接続の緩み
蛇口が原因の水漏れの場合、蛇口の種類によって漏水箇所が異なります。ひとつのハンドルで水量と温度を調節できる「シングルレバー混合水栓」は、接続部分のパッキンや水栓内部の部品の劣化によるレバー・胴体からの水漏れが多いです。
また築年数の古い物件で見られる水とお湯に蛇口が分かれている「ハンドル混合水栓」の場合、接続部分のパッキン劣化やナットが緩むことで不具合が生じます。ハンドル・吐水口・水栓と給水管の間・吐水パイプがトラブルの起きやすい箇所です。
トイレの場合
トイレの水漏れ箇所を知るためにはいくつかの方法があります。例えば床へタオルを敷き、濡れている場所から判断する方法があります。水漏れによるカビや腐食を一時的に防止することにも役立つでしょう。
またトイレタンクと便器の間が濡れている場合は、他の場所が濡れていないかをタオルなどで拭き取って確認します。トイレタンクと便座の間のみが濡れていたら、トイレタンク内の部品の故障が原因の可能性が高いです。
お風呂の場合
お風呂は水を大量に使う場所であるため、水漏れに気が付きにくいです。カランやシャワーから水漏れしている場合、近くの床や壁も濡れています。換気扇を止めて静かな環境にした上で、違和感のある音が聴こえないか耳を澄ませてみるのもひとつの方法です。
またお風呂で水漏れが起きやすいのはシャワーホースや蛇口のほかにも、給湯器や浴槽があります。さらにお風呂には壁・床に複数の配管が通っており水漏れを起こすことがあるので、本来は乾いているであろう時間帯に確認するとよいでしょう。
洗面台の場合
洗面台の水漏れは蛇口・蛇腹ホース・給水管・止水管・排水パイプの経年劣化が考えられます。またホース・管のナットが緩んでしまうことや、排水パイプと排水口の接続部分が緩くなることも水漏れを引き起こすので確認してみましょう。
また詰まりによっても水漏れが起きている場合があります。通常時と比較して水の流れが悪いときには、排水管などの詰まりが原因の可能性も検討するとよいです。
水漏れの原因や箇所に関わらず、まずは水漏れ箇所の特定をするために知識を役立てるとよいでしょう。
漏水調査をして水漏れ原因を特定しよう
漏水調査をすれば水漏れ原因を特定でき、早期に修理することで水道代が上がる心配もなくなります。
漏水調査は音聴法や漏水探知法などがあり、方法により費用相場が異なります。マンションの場合は費用を保険で賄える場合があるので、事前に確認しておくと安心です。
また自分で漏水調査するには、目視・音で確認する方法と、水道メーターで確認する方法があります。いずれも専門知識を有していなくとも実践でき、費用もかからないため調査を依頼する前に実践してみましょう。
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