電気温水器の周辺が水で濡れている場合、水漏れが起きている可能性が考えられます。水漏れを対処せずにそのまま放置すると、さまざまなリスクが考えられるでしょう。
電気温水器に水漏れが発生する具体的な原因と、適切な対処方法について解説します。
電気温水器とは
そもそも電気温水器とはどのようなものを指すのでしょうか。電気温水器の特徴やお湯が出る仕組み、種類について解説します。
お湯が出る仕組み
電気温水器とは風呂場・洗面所・キッチンなどで活用するお湯を沸かす設備を指します。電気を使い電熱器と呼ばれるヒーターによって、水を温める仕組みです。
火を使わないため、基本的には不完全燃焼・ガス漏れ・一酸化炭素中毒などのリスクがなく、ガス給湯器と比べて安全面で優れているといえるでしょう。
また蛇口のすぐ近くに設置でき、お湯が出るまでの時間が短い点もメリットで、熱効率が高くコストパフォーマンスも優秀です。オール電化の普及にともなって、電気給湯器の需要は増加しつつあります。
瞬間式と貯湯式の2種類
電気温水器は構造の違いによって「瞬間式」と「貯湯式」の2種類に分類されます。
「瞬間式」は給湯栓をひねったタイミングで加熱して、瞬時に水を沸かすタイプの電気温水器です。コンパクトなデザインが特徴で、比較的狭いスペースでも設置できます。また設置に時間と手間がかからないのも、うれしいポイントでしょう。
一方「貯湯式」はタンクの中にあらかじめ加熱したお湯をためておくタイプです。
瞬間式と比べて広い設置面積が必要になり、また湯切れを起こす可能性もあるものの、お湯が出るまでの時間はかなり短縮されます。電源容量も小さくコストパフォーマンスの高い電気温水器です。
電気温水器を設置する際は、瞬間式・貯湯式の特徴を見極めた上で、よりニーズに近い方を選ぶようにしましょう。
水漏れする主な原因
電気温水器の水漏れは放置しておくと、部品の劣化を早めたり漏電につながったりといったリスクがあります。水漏れにできるだけ早めに対処をするためにも、まずはなぜ水漏れをしているのか、原因をしっかりと見極めましょう。
水漏れの代表的な原因を四つ紹介します。
経年劣化による破損や故障
電気温水器を長年にわたって利用している場合、部品の劣化によって破損・故障が起きている可能性があります。特に劣化しやすいのはプラスチック製の部品、あるいはパッキンや後ほど解説する減圧弁といったゴム製の部品です。
また外気の温度が低い場合には、タンク・配管が凍結してヒビが入ってしまうケースもあります。
これらの故障を見つけたときはすぐに、専門業者に電気温水器の修理・交換を依頼するようにしましょう。
減圧弁の故障
減圧弁とは配管に取り付けられることが多い部品で、電気温水器の給水圧力を適切に調節する役割を担います。給水圧力は場所によって力が偏ることがあるため、減圧弁によって圧力を均一にする必要があるのです。
減圧弁はゴム製の部品のため、経年劣化によって故障する可能性が高まり、水漏れの原因になりえます。
もし故障した際には新たな部品への交換が必要です。
逃し弁の不具合
逃し弁の不具合も電気温水器の水漏れを引き起こす原因の一つといえるでしょう。逃し弁とは、蒸発した水を排出することでタンク内の圧力を一定に保つ機能を担う調節弁です。
不具合を見極めるポイントとしては、水を排出するタイミングが挙げられます。本来であれば夜間に稼働するはずの逃し弁が昼間に水を排出している場合、故障の可能性が高いと考えられるでしょう。
接合部の施工ミスや劣化
電気温水器の施工ミスによって、数年ほどで接合部から水漏れが発生してしまうケースがあります。
このようなリスクを防ぐためには、設置・修理・交換を依頼する業者をしっかりと見極めることが重要です。具体的な判断方法については、後ほどくわしく解説します。
また施工ミスがない場合でも、部品の劣化により接続部から水漏れする場合もあるでしょう。その場合にはやはり電気温水器の修理・交換が必要です。
もし水漏れを発見したら?
もし電気温水器からの水漏れを発見したときは、どのように対処すべきなのでしょうか。最初にとるべき具体的な行動を紹介します。
水漏れ箇所をしっかり確認する
水漏れを発見したときには、まず電気温水器のどの箇所からの水漏れなのかをしっかりと確認しましょう。水漏れしている箇所が明確になれば、その後の修理・交換の作業がスムーズになります。
また故障している箇所によっては、業者に依頼しなくても自分で部品交換ができるかもしれません。具体的なチェックポイントは以下の通りです。
- タンク
- 配管
- 給水ホース
- 部品の接続部分
- 減圧弁
- 逃し弁
パッと見ただけでは気が付きにくい場合もあるため、上記の箇所は一つずつ確実に点検しましょう。その際には感電リスクを避けるために、電源は必ずオフにした状態で確認作業を行います。
ただし部品を分解してしまうと、素人では元に戻すのが非常に困難です。自分自身で確認・交換ができない箇所から水漏れをしている場合や、大量に水漏れをしている場合にはすぐに業者に連絡することをおすすめします。
少量の水でも放置はNG
たとえ水漏れが少量だったとしても、修理・交換をせずに電気温水器をそのまま放置するのはNGです。
電気温水器の水漏れには、部品の劣化を早めたり、水道光熱費が上がったり、漏電につながったりといったさまざまなデメリットがあります。そのため水漏れが発覚したら、水濡れ箇所をチェックした上で、迅速に対処していくことが欠かせません。
水漏れの際の具体的な対処方法については、次でくわしく解説します。
水漏れしたときの対処方法
ここからは電気温水器が水漏れしたときの、具体的な対処方法を紹介します。実際の水濡れによるリスクに備えるためにも、しっかりと把握しておきましょう。
専門の修理業者に依頼する
自分では修理できない電気温水器の水漏れがあるときは、信頼できる専門業者に修理・交換を依頼しましょう。
自分で修理を行うのが不安な場合にも、やはりプロに任せることをおすすめします。慣れない修理作業では施工が不完全になってしまい、根本的な解決につながらない可能性もあります。
修理業者を選ぶ上では、ミツモアが探しやすいでしょう。無料で見積もりもとれるので、まずは候補となる業者をピックアップしましょう。
保証・アフターフォローが充実している業者であれば、万が一施工ミスがあった際にも対応してもらえるので安心です。加えて過去の利用者が業者をどのように評価しているか確認することも、トラブルの回避につながるかもしれません。
業者によっては即日で対応してくれることもあるため、迅速な問題解決が可能です。
賃貸の場合は大家や管理会社に連絡を
集合住宅では水漏れを放置しておくと、ほかの部屋に被害が広まる可能性があるため、迅速な対応が必要です。とはいえ賃貸物件の場合には勝手に電気温水器の修理・交換を進めてしまうと、トラブルに発展する可能性が少なくありません。
業者よりも先にまずは大家や管理会社に、水漏れしている旨を連絡をしましょう。原因にもよるものの自分の過失でなければ、基本的には修理・交換の費用も貸主が負担してくれるケースがほとんどです。
寿命なら買い替えも検討する
電気温水器の寿命は一般的に15~20年ほどとされています。この期間を過ぎると部品の劣化により、故障の確率が高くなるでしょう。その場合たとえ部品単位で修理・交換をしたとしても、またすぐに別の部品が故障してしまうケースがあります。
場合によっては何日にもわたり自宅でお湯が使えないという事態に陥る可能性も、ゼロではありません。そのため15年以上利用している電気温水器については、本体の買い替えを検討するのも一案です。
水漏れを発見したときも修理ではなく買い替えの方が、結果的に費用を安く抑えられるケースもあります。また少しでも寿命を長引かせるためにも、3年に一度くらいは定期点検を行うのがおすすめです。
電気温水器からの水漏れは早めに対処しよう
電気温水器は部品の劣化や施工ミスなど、さまざまな原因によって水漏れを引き起こします。水漏れをそのまま放置しておくと、部品の劣化を招いたり、漏電につながったりといったリスクがあるでしょう。
水漏れを発見したらどの箇所からの水漏れかを確認した上で、迅速に修理・交換など対処することが必要です。まずはメーカーや信頼できる業者への連絡をおすすめします。
平均寿命を過ぎている電気温水器については、買い替えを検討するのも一つの手でしょう。
給湯器の交換・修理・取り付けのプロを探すならミツモアがおすすめ
ミツモアでは豊富な経験と知識を持った給湯器交換のプロに見積もりの依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?