洗面所で顔を洗おうと洗面台を見たら、薄汚れてた──。
朝から気分が落ち込みますよね。洗面所は水回りの中でも一日に使う頻度がダントツに高く、どうしても汚れがちです。お掃除をしてピカピカになると気持ち良く洗面所を使えますが、週に何度もお掃除するのは面倒くさいもの。何とかして、汚れにくくして掃除の手間を省きたいところですよね。
実は洗面台にコーティングを施すことで、汚れやカビ、水垢をつきにくくすることができるんです。本記事では洗面台の汚れを軽減する「コーティング」について解説いたします。ご自分で行う作業手順やおすすめコーティング剤もご紹介。洗面台のお掃除が楽になりますよ!
水垢とは
ちゃんと掃除しても、どうしても水回りに「水垢」ができてしまいます。
水垢の正体は、カルシウムやナトリウムなどのミネラル分が乾燥し、石炭化したものです。
これらの成分は水道水に含まれています。洗面台に水道水が残っていると、水分が蒸発し、ミネラル分が固まり、水垢になるのです。
また石鹸カスや手垢が洗面台に残っていると、油脂成分がミネラル分に反応し、金属石鹸という白い汚れができます。この金属石鹸は頑固で取りにくく、厄介な汚れです。
たとえ洗面台をしっかり掃除したとしても、水で濡れたままだと水垢や金属石鹸などができてしまいます。
対策として洗面台を使用する度、水をふき取る方法がありますが、コーティングで水を弾く力を高めるのも方法です。
コーティングでなぜ水垢が防げるのか
洗面台にコーティングを施すことで、水垢を防ぐことができます。
コーティング剤は洗面台の撥水性を高めるアイテムです。
水を弾くフッ素やシリコンでできた樹脂を含み、洗面台にバリアのような膜を張ります。
洗面台の撥水性が高まるので、水や汚れが溜まりにくくなり、水垢ができにくいです。
コーティングをすることで、洗面台のツヤや光沢を復活させることにもつながります。
汚れが溜まりにくいと、雑菌やカビも繁殖しません。コーティングすることで洗面台が黒ずんだり、臭いが出にくくなります。
洗面台に水垢や石鹸カスなどの汚れが付きにくくなるので、掃除が楽になるのもメリットです。
DIYと業者への依頼、どっちがいいの?
DIYに向いている人
コーティング剤はホームセンターやAmazonなどの通販サイトにて、1,000~2,000円で購入することができます。多少時間は掛かりますが、難しい作業を伴わずに施工できるコーティング剤もありますよ。ご自分で行えば作業費がタダですので、コスパを重視する方に向いています。
業者への依頼が向いている人
一方業者に頼むと、費用は掛かりますが確実に質の高いコーティングを施工してもらえます。またコーティングは施工前のクリーニングが大事です。業者に頼むと頑固な水垢まできれいに落としてくれますので、コーティングのノリが違います。
予算を気にせず、とにかくきちんとコーティングしたい方に向いています。
コーティングの種類
コーティングには主に以下の2種類あります。
- スプレータイプ
- 塗るタイプ(液体・布タイプ)
スプレータイプのコーティング剤は、スプレーしたあとふき取り、少し乾かせばコーティングが完了します。お手軽に済ませたい方にオススメです。
また吹きかけるだけの簡単なお手入れなので、洗面台だけでなく窓ガラスや外壁、浴室、浴槽などに使いやすい点もメリット。
しかしスプレータイプのコーティング効果持続する期間は、2週間~1ヵ月と短いので注意しましょう。塗るタイプ(液体・布タイプ)であれば約3年程、撥水効果があります。スプレータイプで洗面台をコーティングするなら、定期的に散布しておくのがよいでしょう。
塗るタイプのコーティング剤には、布タイプと液体タイプがあります。布タイプは、すでにコーティング剤が染み込ませてある布で、洗面台を拭くだけです。また液体タイプだと、ふきんやスポンジにコーティング剤をつけてから塗ります。
塗るタイプのメリットは持続効果が長いことです。逆にデメリットは、施工から半日ほどは乾かす必要があること。長時間洗面台が使えなくなってしまうので、施工するタイミングを考える必要があります。またコーティング剤の匂いが、スプレータイプよりも強いのもデメリットです。
賃貸の場合は注意
賃貸の方は設備管理の関係で、長期間のコーティングが禁止されている場合があります。
「試しにコーティング剤を使ってみたい」「賃貸だけどお掃除が面倒」という方には、スプレータイプがおすすめですよ。
洗面台の素材とコーティング剤の相性
洗面台に使われる素材は主に以下の3つです。
- 陶器
- 人工大理石
- ホーロー
洗面台に使われる素材として、陶器がもっとも多いです。また人工大理石などアクリル樹脂などで固めた素材や、金属の土台をガラス剤をコーティングしたホーローも、洗面台の素材として使われます。
陶器製の洗面台ならほとんどのコーティング剤を使用できます。しかし洗面台が人工大理石やホーロー製なら、シリコーン系のコーティング剤は使用不可の場合があるので、注意しましょう。もし相性が悪いコーティング剤を使うと、シミや汚れの原因になります。
人工大理石やホーロー製の洗面器には、「変性シリコーン系」の洗剤なら使用可能です。普通のシリコーン系とは成分が違うので、大理石などに染みこみにくく、問題なくコーティングできます。
コーティングを行う前は洗面台の素材を必ず確認しましょう。
自分で洗面台コーティングをする方法を解説!
ここでは業者への依頼ではなく「自分で洗面台コーティングしよう」とご決心された方のために、コーディングの手順をご説明します。
コーティング剤を使用の際には、必ず換気しましょう。ゴム手袋もお忘れなく。また作業を始めてから洗面台が使用できるようになるまでに6~8時間掛かる場合がありますので、お時間に余裕のある時に作業なさってください。
①汚れをきれいに落とす
初めに洗面台をお掃除して汚れを落とします。汚れをきれいに落とさないと汚れごとコーティングされてしまいますので、必ずお掃除してくださいね。
洗面台の汚れは皮脂・整髪料など酸性の油汚れと、水垢・石鹸カスなどアルカリ性の汚れに分かれます。酸性の汚れにはアルカリ性の重曹、アルカリ性の汚れには酸性のクエン酸が有効です。また研磨作用のあるメラミンスポンジもおすすめします。
汚れが気になる部分に重曹の粉をふりかけ、同量のクエン酸をふりかけてから水を含ませるように少量掛けると発砲します。少し時間を置いてから水で流し、メラミンスポンジでやさしくこするとすっきりキレイになりますよ。
最後に水でよく流しきれいな雑巾で水を拭き取ったら、完全に乾くまで時間を置きましょう。
②コーティング剤を塗る
洗面台の掃除が完了したら洗面台をコーティングしましょう。
前述したようにコーティングする時、賃貸に住んでいる人は、スプレータイプを使いましょう。
スプレータイプを使う場合はサッとお掃除してスプレーするだけです。また効果は2週間~1ヵ月ほどなどで効果がきれたら定期的に使用しましょう。
また長期にわたり効果がみられる塗るタイプを使う場合は、布巾やスポンジにコーティング剤を付けて塗っていきます。ムラになるので塗り直しはできません。また施工の際にコーティング剤をしっかり落としてから施工しないと新しいコーティング剤が定着しないなど、取り扱いがスプレータイプよりも慎重になります。
③乾燥させる
塗るタイプを使った場合は、塗り終わったらコーティング剤を硬化させるため6時間ほど乾燥させます。またスプレータイプの場合は2~3分くらいです。コーティング剤によって時間が変わることがありますので、商品の表記を良くお読みになってくださいね。
硬化する前に水が掛かるとコーティング効果が上手く発揮されませんので、洗面台を使わないよう気をつけましょう。
おすすめのコーティング剤は?
フッ素とシリコンコーティングの違い
コーティング剤の素材でも「フッ素」と「シリコン」の2種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
種類 | 素材 | 撥水効果 | 防カビ効果 |
フッ素コーティング | フッ素樹脂 | 〇 | X |
シリコンコーティング | 防カビ材を含んだシリコン | 〇 | 〇 |
フッ素コーティングは防カビ効果がありません。しかしフッ素とシリコンを混合させたタイプがあります。変性シリコーンの場合だと人工大理石やホーロー製も対応していますが、素材によって使えない場合があります。洗面台の素材と使用できるコーティング剤の相性は注意しましょう。
それでは、おすすめのコーティング剤を見ていきましょう。
WAKI 3年美キープ
WAKIの「3年美キープ」は、フッ素・シリコン混合タイプです。専用クリーナーが付属していてお掃除しやすいのが特徴です。陶器洗面台専用ですので、大理石や人工大理石などへの使用は避けましょう。
また名前の通り、効果は3年ほど持続します。
ティポス 超撥水コーティング剤 弾き
ティポスの「超撥水コーティング剤 弾き」も上記の商品同様、フッ素・シリコン混合タイプです。スプレータイプで使いやすい特徴を持ちます。ただし使用の際には細かい溶剤が飛ぶことがありますので、十分な換気とともにマスク・ゴーグルの着用をおすすめします。
効果は2週間から1ヵ月ほどです。2週間に1回、軽くスプレーしておくと汚れや撥水効果を維持できます。
お掃除ソムリエ 戦隊ヒーロー
お掃除ソムリエの「戦隊ヒーロー」もフッ素・シリコン混合タイプです。ひとつ目と同じように、専用クリーナーとコーティング剤がセットになっています。この商品は、人工大理石にも使用ができるタイプで、効果の持続は3年です。
ぬりぬりガラコ ハヤデキ
シリコンタイプです。車用の撥水剤ですが、「水回りにも効果がある」との口コミで人気です。太めのチューブ状の商品で、先端にフェルトがついており、液を押し出しながら塗ることができます。素材がシリコーン系でできているため、陶器でできた洗面台のみに使用可能です。
コーティングした後も洗面台をキレイに保つには
コーティングをしていても、洗面台を使っていれば水垢や石鹸カスなどの汚れは徐々に付いてくるものです。洗面台をなるべく長く綺麗に保ち、水垢ができないようにしましょう。
洗面台を綺麗に保つポイントは以下の4つです。
- 洗剤はよく流す
- 洗面台を使用した後は水をふき取る
- 掃除するときは柔らかいスポンジや布を使う
- 研磨剤の入った洗剤を使わない
洗剤などを使ったあとは、洗面台の表面にカスが残らないように、念入りに水洗いしましょう。そして使用した後は雑巾などでふき取り、水気を取っておくのがポイントです。
また洗面台を硬いスポンジでゴシゴシと擦ってしまうと、コーティングに傷がついたり、剥がれてしまいます。せっかくコーティングをしたのに、剥がれてしまっては意味がありませんよね。掃除するときは、柔らかいスポンジや布などを使うのがおすすめです。
クレンザーなど研磨剤の入った洗剤を使うと、コーティングにダメージを与えてしまいます。ほかにもコーティング剤によって、塩素系・酸素系の漂白剤や洗剤に反応し分解してしまう場合があります。コーティング剤の成分によって反応しやすい薬剤は違うので、事前に確認しておきましょう。
洗面台コーティングを業者に頼む
洗面台コーティングの手順やおすすめのコーティング剤をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。ご自分では手に負えそうにない、汚れがひどくてお掃除しても落ちないなどDIYに不安がある場合は、業者に依頼することも考えましょう。
ここでは業者に頼むメリットと料金相場についてご説明いたします。
業者に頼むメリット
手順でもご説明しましたが、コーティングは前準備であるお掃除がセットになります。汚れを落とさないと、汚れごとコーティングされてしまいキレイに仕上がらなかったり撥水効果を得られなかったりするからです。業者に頼む場合も、ほぼクリーニングとコーティングがセットになっています。
プロは専門の資機材を使い熟練の技術で施工するので、クリーニングもコーティングも素人の施工とは比べ物にならないくらい質が高いです。防汚・防カビ効果の持続時間が長く、よりピカピカに仕上げてくれます。ご自分で施工するとどうしても失敗することがありますが、その心配がありません。
また、作業中は付き添う必要がありませんので、その時間を好きに使うことができます。
料金相場
洗面台コーティングを頼む際は、クリーニングがセットである旨をご説明しました。つまり料金にもクリーニング代が含まれるわけです。そのため、どうしても高額になってしまいます。洗面所クリーニングの相場は7,500円~10,000円で、大抵の場合洗面台だけでなく洗面所の床などを含む料金となります。
コーティングはクリーニングを依頼した上での「オプション」という扱いになるため、プラス料金であることが多いです。ただし洗面台を全体的にキレイにしてからきっちりとコーティングしますので、キレイの持続性やその後のお手入れの楽さはDIYと比べ物にならないほどハイクオリティです。決してコストパフォーマンスが悪いわけではないのです。
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オプションで防カビのコーティングも選択できますよ。