洗濯機から水が出ないと故障したのではないかと不安になりますが、故障以外の理由で洗濯機から水が出ないことも多くあります。
洗濯機から水が出ない9つの原因と対処法をチェックし、洗濯機を快適に使用できるようにしましょう。
洗濯機から水が出ないときまずチェックするポイント
洗濯機から水が出ないことに気づいたらエラーコードの表示の有無を確認しましょう。
エラーコードは取扱説明書などを参照すればどのような不具合が起きているのかがすぐ分かります。
修理が必要な症状であったとしてもエラーコードを伝えることでスムーズに修理依頼が進みます。
有名メーカーのエラーコードのうち、給水に関するものをご紹介します。
メーカー名 | エラーコード例 |
---|---|
Panasonic(パナソニック) | U14 |
HITACHI(日立) | 「水栓開確認」と C01またはC1 |
SHARP(シャープ) | E01 |
TOSHIBA(東芝) | C5 |
紹介したエラーコードはいずれも、水が出ていなかったり溜まらなかったりといった給水異常について知らせているものです。
メーカーのヘルプページには給水異常を解消する方法についても記載されているので、該当するエラーが表示されているのであればチェックしてみましょう。
洗濯機から水が出ない9つの原因
洗濯機から水が出ないときは9つの原因が疑われます。
簡単な対処法で水が出るようになることも少なくありません。
水が出ない原因 | 対処法 |
---|---|
給水栓が閉じている | 給水栓を開く |
緊急止水弁が作動 | 緊急止水弁のロックを外す |
給水経路のつまり | つまりを解消する |
給水ホースの破損 | 給水ホースの買い替え |
水道管などの凍結 | 氷を溶かす |
給水フィルターのつまり | 給水フィルターの掃除 |
排水弁が開いたまま | 排水弁を閉じる |
フタが閉じていない | フタを閉める |
基盤の故障 | 修理を依頼する |
原因と対処法を確認し、洗濯機から水が出るようにしましょう。
1.洗濯機の給水栓が閉じている
洗濯機は大量の水を使う家電なので、設置場所のすぐ近くに給水用の蛇口があります。
蛇口と洗濯機を給水ホースでつないであれば洗濯機は水を利用できます。
給水栓が閉じたままになっていて水が出ないことがあります。
洗濯機の給水栓は頻繁に開いたり閉じたりするものではありません。
多くの人は蛇口を開いたままにしておいて、いつでも洗濯ができるようにしています。
長期の旅行や大掃除をするときなど、なんらかの理由で給水栓を閉めたあと、開くのを忘れてしまうことがあります。
給水栓が閉じている状態では洗濯機は水を利用できないため、洗濯機から水が出ることはありません。
対処法は「洗濯機の給水栓を開く」ことです。
対処法:洗濯機の給水栓を開く
給水栓が閉まっていて水がでないときは給水栓を開きましょう。
給水栓を開いて水が出るようになれば問題ありません。
しかし給水栓を開いても水が出ない場合は3つの原因が考えられます。
1つは水道の元栓が閉まっていることです。水道の元栓は屋外にあります。
地面に「量水器」「水道メーター」「止水栓」などと書かれた四角いフタがあればその中に水道の元栓があります。
水道の元栓の位置や開閉するときの注意点などを詳しく知りたい方は関連記事もチェックしてください。
2つ目の原因は断水が起きていることです。
周囲で水道管の工事を行っていたり、建物の水道設備の点検を行っていたりすると、一時的に水道が使えなくなります。
断水が起きている場合は洗濯機だけでなく、家のすべての蛇口から水が出なくなります。
家中どこからも水が出ない時は断水を疑いましょう。
3つ目の原因は蛇口の中にある「コマパッキン」というパーツが固着してしまったことです。
コマパッキンは自分でも交換できますが、スパナなどの工具が必要なので業者に交換を依頼した方が手間がかかりません。
2.緊急止水弁が作動している
緊急止水弁つきの給水ホースを使っている場合は、何らかの理由で止水弁が作動しているケースが考えられます。
緊急止水弁とは蛇口を閉めていない状態で給水ホースが外れたときに、自動的に水を止める役割のものです。
止水弁が作動すると水が通らないようにブロックするので水が出なくなります。
再び水を出すには緊急止水弁のロックを解除する必要があります。
対処法:緊急止水弁のロックを外す
緊急止水弁とは、地震などの災害で給水ホースが外れてしまった時に水が出っぱなしにならないよう、水を止めるためのものです。
緊急止水弁の白い突起部分を押すとロックが解除できます。
しかし水圧によって押し込めないケースもあります。
そのような場合は以下の方法を試してください。
- 屋内の止水栓を閉める(見当たらない場合は屋外の元栓を閉める)
- 給水栓の蛇口を少し開いて水圧を下げる
- 緊急止水弁を押し込む
止水弁を押し込むときはタオルなどを巻くと押しやすくなります。
上記の方法を試しても緊急止水弁のロックを解除できない場合は水道修理業者に連絡しましょう。
3.給水経路がつまっている
洗濯槽内へ給水するために使っている経路のどこかにつまりが発生している場合も、水が出なくなったり水の出が悪くなります。
給水ホースだけでなく洗濯機内部の経路もチェックしないといけないため、一見どこに不具合があるか分かりづらいことが多いです。
給水経路のどこかに異常があったり、給水が遅すぎたりするとエラーコードが表示されるケースが多いです。
コードが示すことはメーカーによって異なるため、エラーコードが表示されていたら取扱説明書などで詳細をチェックしましょう。
対処法:給水経路のつまりを解消する
洗濯機への給水に使う経路がつまっていると水の出が悪くなってしまいます。
つまっている部分が特定できているのであれば、掃除をするなどしてつまりを解消しましょう。
排水不良によって給水がストップすることもあります。
排水ホースを取り外して水を流し、中にゴミが詰まっていないかチェックしましょう。
排水口周辺を掃除することも排水不良を解消するうえで効果的です。
4.給水ホースが破損している
長期間同じ給水ホースを使っていると経年劣化して破損することがあります。
蛇口との接続部分は特に破損しやすい部分です。
ホースを途中で無理に折れ曲がらせている場合は、曲がっている部分に強い負荷がかかってしまっているので、そこも破損しやすくなります。
給水ホースが破損してしまうと破損した部分から水漏れが発生します。
破損の大きさによっては水が一切給水できないことも考えられます。
対処法:給水ホースを買い替える
給水ホースが劣化・破損しているのであればホースを買い換えて新しいものに付け替えましょう。
給水ホースは一定の耐久性能があるとはいえ、長く使っていくとどうしても劣化してしまいます。
また設置状況によっては特定の部分のみ劣化が進んでしまい、破損してしまうこともあります。
ホースの買換えをするのであれば同時に設置状況の見直しをおすすめします。
ホースを無理に曲げて設置していないかをチェックして、なるべく長く給水ホースを使えるようにしましょう。
5.水道管や給水ホースが凍結している
冬期は屋外温度が非常に低くなるため、水道管が凍結することがあります。
屋外に洗濯機を設置している場合は給水ホースも凍結するリスクがあります。
水道管や排水ホースの内部で水が凍結するとスムーズに水が通らなくなってしまうため、洗濯機の洗い運転を使っても水が出なくなります。
対処法:水道管などを暖めて氷を溶かす
水道管が凍結して水が出ないのであれば、暖めて氷を解かす必要があります。
必要なものはタオルと40度程度の温度のぬるま湯です。
凍結している配管にタオルをかぶせて、ゆっくりとぬるま湯をかけます。
これで氷が溶けるのでまた水が出るようになります。
熱湯をかけると配管破損の原因になるので絶対にやってはいけません。
また水道管が凍結しないよう予防策を取ることも大切です。
凍結が予想される寒い日は以下の手順で洗濯機の水抜きをしましょう。
- 洗濯機の給水栓を閉じる
- 3~5分ほど脱水運転をする
- 洗濯機側の給水ホースを外す
- 給水栓側のホースを外す
- 洗濯機側の排水ホースを外す
- 排水口側の排水ホースを外す
ホースを外すときに水が出ることがあるので、接続口の下に雑巾を敷くことを忘れないでください。
6.給水フィルターが目詰まりを起こしている
普段利用している水道水にはカルキなどの様々な不純物が含まれています。
目に見えない小さなものから、肉眼で確認できるサイズのゴミまで様々です。
給水フィルターは水の中に含まれるそれらの不純物を取り除く役割を持ちます。
洗濯機を使い続けると不純物がフィルターの目に詰まってしまうことがあります。
フィルターに目詰まりが水がスムーズに通り抜けられなくなり、給水量が減るので水が出なくなったり出ても水の勢いが弱くなります。
対処法:給水フィルターの掃除をする
水中の不純物によって給水フィルターが詰まってしまうと、洗濯機からの水の出が悪くなってしまいます。
給水フィルターの掃除をしてつまりを解消しましょう。
給水フィルターの掃除方法は以下の通りです。
- 水栓を閉じる
- 電源を入れて標準運転を開始する
- 1~2分で給水ホースから水が抜けるので電源を切る
- 本体側の給水ホースを取り外す
- 歯ブラシなどで給水フィルターのゴミを取る
- 給水ホースを取り付ける
- 水栓を開き試運転をする
機種やメーカーごとに給水ホースの位置やホースの水抜きの方法が異なる可能性があります。掃除を始める前に公式サイトQ&Aなどから最新の情報を確認してください。
7.排水弁が完全に閉じていない
水が出る音がしているにも関わらず洗濯運転が開始されないときは排水弁が開いている可能性があります。
排水弁が開いたままだと給水された水は溜まらずに流れて行ってしまいます。
排水弁を閉じてみて、運転が開始されるか確認しましょう。
対処法:排水弁を閉じる
洗濯機の排水弁が開いたままだと水が溜まらず、運転が開始されません。
排水弁の閉じ方は洗濯機の機種やメーカーによって異なるうえ、閉じられない機種もあります。
たとえばシャープでは「ドラム式洗濯乾燥機 故障診断ナビ」にて、排水弁を閉じるために3分間の脱水運転を行うようアナウンスしています。
一方、日立では「お客様サポート」ページにて、洗濯槽に水が溜まらずそのまま排水される場合は本体故障の可能性があるとして、点検や修理を受けるように案内しています。
関連記事では洗濯機の水が溜まらない時の対処法なども詳しく解説しています。
8.洗濯機のフタが閉じきっていない
洗濯機のフタが閉じきっていないと、安全のため運転は開始されません。
フタの閉め忘れは意外とやってしまいがちなミスで、洗濯機が故障していなければきちんとフタを閉めることで運転が再開されます。
ドラム式洗濯機を利用しているのであれば、ドアに洗濯物を挟み込んでしまっていないかも確認しましょう。
薄手のシャツやタオルなどを挟み込んでしまい、半ドア状態になってしまうことがあります。
対処法:洗濯機のフタを閉める
洗濯機のフタを閉め忘れていて運転が止まってしまったのであれば、フタを閉めてスタートボタンを押しましょう。
洗濯機そのものが故障していなければ、問題なく運転が再開されるはずです。
もしフタを閉めても運転が再開できないのであれば、フタや外装フレームが歪んでしまい、フタが閉まったとセンサーが感知できていない可能性があります。
タテ型洗濯機を使っていて、洗濯機を使っていないときは中に洗濯カゴを入れている人は要注意です。
もしフタや外装フレームが変形しているのであれば、該当するパーツの交換か買換えが必要です。
修理業者やメーカーのサポートセンターに問い合わせてみましょう。
9.洗濯機の基板が故障している
基板が壊れている場合、洗濯機の運転の一部または全てに支障が出てしまいます。
水が出ない、排水弁が閉じないなどの症状のほか、運転の途中停止や異音など気になる点が複数あれば基盤の故障が疑われます。
基盤をはじめとした内部部品の故障は、該当するパーツの交換や買い替えになるケースが多いです。
交換を含めた修理を依頼するときは、メーカー修理と専門修理業者のどちらかに依頼します。
対処法:洗濯機の修理を依頼する
洗濯機の修理依頼をする先はメーカーか、民間の専門修理業者のどちらかです。
状況によってどちらに依頼するべきか異なります。
それぞれの修理業者の特徴を表にまとめると以下の通りです。
メーカー修理 | 民間の専門業者 | |
---|---|---|
作業料金 | 高価 ※保証期間内であれば無償 |
安価 |
修理後の保証 | 半年~1年が目安 | ないか、短期間 |
作業の質 | 比較的高い | 業者による |
購入時の修理保証の期間内であればメーカー修理、期間外であれば民間修理業者に依頼することが一般的です。
家電量販店で購入したときに、量販店独自の保証制度に加入した場合は購入した店舗または量販店の補償サービスの受付窓口に連絡をしましょう。
購入時の保証書や保証加入証明書の控えなどがあると、どこに問い合わせるべきか一目で分かるので手元にあれば確認してみましょう。
洗濯機の給水をスムーズに行うために気をつける5つのこと
洗濯機の給水がうまくいかない原因のいくつかは日ごろの使い方次第で回避できます。
以下5つの気をつけることをチェックして、洗濯機の給水の妨げにならないようにしましょう。
月1回給水フィルターのお手入れをする
洗濯機には給水フィルターや排水フィルターなど様々なフィルターがついています。
ドラム式洗濯機であれば乾燥運転ができる機種が多いので、そのような製品には乾燥フィルターもあります。
フィルターは空気中または水中にある不純物を通さないために設置されるもので、使っていくうちにどうしても不純物によって目詰まりを起こします。
月に1度など期間を決めて、こまめに清掃をしておくとフィルターの目詰まりが起きにくくなります。
なお井戸水や地下水などは不純物が多いので、水道水と比べるとフィルターが詰まりやすいです。
井戸水や地下水を使っているのであれば各種フィルターのチェックを習慣づけることをおすすめします。
月に1度洗濯槽洗浄をして槽内の汚れを減らす
洗濯槽内のカビ対策の基本はカビを生やさないことです。
1度カビが生えてしまうと、セルフケアでは除去しきれないためです。
洗濯槽内にカビを生やさないためには定期的な除菌が効果的です。
特にタテ型洗濯機の場合は洗濯機内が濡れている時間が長いので、1ヶ月に1度を目安に塩素系漂白剤を使った槽洗浄をおすすめします。
定期的な槽洗浄を行っていてもカビ臭が気になるのなら、洗濯機・洗濯槽クリーニングを依頼しましょう。
洗濯機をパーツごとに分解して洗浄するため、普段手が届かない部分までピカピカになります。
洗濯洗剤は規定量を守って使い溶け残りを発生させない
洗濯物をもっときれいにしたい、もっといい匂いをつけたいと考えて洗剤や柔軟剤を規定量以上使う人もいますが、これにはデメリットしかありません。
洗剤が水に溶ける量には限界があるので、規定量以上を入れてもきれいになるどころかかえって汚れの原因になります。
溶け残りの洗剤が洗濯槽内部に残ることでカビの栄養となり、カビが繁殖してしまいます。
柔軟剤も同様です。
たくさん入れたことにより洗ったばかりの洗濯物の手触りがぬるぬるしてしまう、香り付きのものはにおいが強くなりすぎてしまいトラブルの原因になるなど、様々なデメリットがあります。
規定量を守って使うことで最大の効果を得られることを覚えておきましょう。
洗濯機のフタはロックがかかるまで閉じる
洗濯機のフタはロックがかかるようになっている製品が多いです。
洗濯物や洗剤を投入し終わったらロックがかかるまで閉じましょう。
特にドラム式洗濯機はタオルなどの薄い洗濯物を挟み込んでしまって扉のロックがかからないことがあります。
カチッと音がするまで閉じることを習慣づけ、扉が重く感じるときなどは挟み込みが起きていないか確認することが大切です。
1度に大量の洗濯物を洗わない
洗濯機を回す回数をなるべく少なくしようとして、洗濯槽いっぱいに洗濯物を入れていませんか?
効率よく洗濯するためには洗濯槽の7~8割程度に洗濯物を入れるようにしましょう。
洗濯物をめいっぱい入れてしまうと、水や洗剤が十分に行きわたらず洗い残しが発生してしまいます。
洗い残しが発生しやすくなるほかにも、ドアを閉めたつもりが洗濯物を挟み込んでしまい、半ドア状態になることもあります。
また衣類の重さによって各パーツの消耗スピードが速くなり、結果的に洗濯機の寿命を縮めることにも繋がるので注意してください。
水が出ない原因がつまりなら洗濯機クリーニングで解消できる
洗濯機の水が出ないなど、一見故障のように感じられる不具合は洗濯機クリーニングで解決できることも多いです。
普段の洗濯で溜まってしまった糸くずなどのゴミが原因で運転が阻害されていることは珍しくありません。
洗濯機クリーニングを依頼するのであれば相見積もりを取って、業者の比較検討をしましょう。
安さだけでなくサービスが充実しているかもチェックするのが依頼後に後悔しないためのポイントです。
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