襖の壁紙張替は襖の上から壁紙を貼る方法(剥がさずに上から貼る方法)であれば、比較的簡単に自分でも行えます。
この記事では、そんな自分でできる襖リメイクの方法を解説。必要なものや手順を説明していきます。
時間のある日に自分でできる簡単なリメイク方法なので、襖の見た目に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
まずは貼り替えたい襖の種類を理解しよう!代表的な4つを紹介
襖に壁紙を貼りつける前に、まずは代表的な襖の種類を把握しておきましょう。襖の造りや材質によって、選ぶべき壁紙や難易度が異なるからです。
壁紙を探す前に、必ずご自宅の襖の種類を確認してください。
- 本襖(ほんふすま)
- 襖(とぶすま)
- 発泡スチロール襖
- ダンボール襖
本襖(ほんふすま)
「本襖」は障子のような木の骨組みに下地・襖紙を貼りつけた襖です。表面に少し力を加えながら触れると、内部に組み木の凹凸があることが分かります。
戸襖(とぶすま)
「戸襖」は骨組みと下地の間にベニヤ板が挟まれている襖です。和室と洋室の区切りとして使用され、表面が襖紙の面とそうでない面(木材など)になっています。
和室側には和風の襖紙を、洋室側には洋室に合うクロスなどを貼ります。
発泡スチロール襖・ダンボール襖
「発泡スチロール襖」では木の骨組みの代わりに、発泡スチロールを芯材として使っています。同じように「ダンボール襖」もダンボールを使用している襖です。
本襖や戸襖よりも軽いことが特徴で、賃貸住宅の和室にもよく取りつけられます。襖の引き手が釘で固定されていない場合、発泡スチロール襖かダンボール襖のどちらかです。
襖のDIYに使う壁紙はどうする?選び方を解説
襖の種類が分かったら、それぞれに適した壁紙を探していきましょう。リメイク用の壁紙を選ぶ際に重要なポイントは大きく分けて2つです。
- 襖の種類に適した壁紙を使う
- なるべく国産壁紙を使う
①襖の種類に適した壁紙を使う
市販の壁紙のほとんどは、以下の4つの貼りつけ方をするタイプです。
- のりで貼るタイプ
- 両面テープで貼るタイプ
- 裏面がシールになっているタイプ
- アイロンで裏面ののりを溶かしながら貼るタイプ
しかし発泡スチロール襖とダンボール襖には、のりで貼るタイプの壁紙を使用することができません。芯材の発泡スチロールやダンボールが木材ほど頑丈ではなく、のりに含まれる水分で弱りやすいためです。
さらに発泡スチロールは熱でも溶けてしまうので、アイロンで貼るタイプの壁紙も使用できません。「襖は軽いけど芯材が発泡スチロールかダンボールかまで分からない」という場合はアイロンタイプも避けることをおすすめします。
両面テープとシールタイプは4種類どの襖にも使用できる壁紙です。以下の表に襖の種類と壁紙タイプの相性をまとめたので参考にしてください。
それぞれの貼りつけ方の詳細は「具体的な手順やコツ」のところで説明しています。
本襖 | 戸襖 | 発泡スチロール襖 | ダンボール襖 | |
のり | 〇 ※ | 〇 | ✕ | ✕ |
両面テープ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
シール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アイロン | △ | 〇 | ✕ | 〇 |
※ のりの水分で襖が反ってしまうため、「本襖×のりタイプ」の場合は必ず両面に貼りつける必要があります。
アイロンタイプはその名の通り、アイロンを当てることによって壁紙を貼る方法です。
両面テープタイプは1度貼ると修正がしにくいため、4タイプの壁紙の中ではもっとも難しい方法です。
②襖に貼るのは国産壁紙がおすすめ
襖に貼る壁紙はなるべく国産のものを探すようにしましょう。国産の壁紙は襖の幅に合う大きさ(92cm)で作られている製品がほとんどです。
一般的な住宅で使用される襖の幅は、周囲の木枠の部分を含めて約90cm。国産壁紙なら1枚をそのまま貼りつけるだけで綺麗に全面を覆うことが可能です。海外製の輸入品は幅40~50cm台のものが多いため、襖には複数枚を貼る必要が出てきます。
ちなみに、壁紙の長さ(高さ)は数m単位で販売している場合がほとんど。壁紙が襖の高さに足りるかどうかは心配いりません。
自分で襖に壁紙を貼る方法!具体的な手順やうまく貼るコツ
襖の壁紙リメイクに必要なものと手順をひとつずつ説明していきます。壁紙タイプ別の貼り方やコツも簡単に記載しているので、壁紙選びの参考にもしてみてください。
【必要なもの】
- マスキングテープ
- カッター
- なでバケ
- 定規
- 雑巾
なでバケは襖と壁紙の間の気泡を抜くための道具。そのほか必要なものは壁紙タイプなどによって適宜変わります。「壁紙施工道具セット」も販売されているので、まとめて購入してみるのもおすすめです。
手順①:もとの表面を拭き上げる
まずはリメイクしたい襖を外していきましょう。複数枚の襖を同時にリメイクする場合はきちんともとの位置に戻せるよう、番号などをふっておくのがおすすめです。
襖を取り外したら、壁紙を貼っていく前に襖の表面を綺麗にします。濡らした雑巾をしっかり絞って、付着しているホコリや汚れを拭き取りましょう。
手順②:引き手を外す
この作業はお好みで省略も可能です。引き手は釘で固定されているので、「外すのが面倒・不安」という方は引き手を外さずに壁紙を貼っていきましょう。
引き手を外してから作業をしていく場合は、以下の手順で取り外しを行います。
- てこの原理で引き手を少し持ち上げる。
- 緩んだ釘を曲がらないように引き抜く。
- 引き手を外す。
1や3で引き手を持ち上げる作業には金属ヘラやマイナスドライバーを、釘の引き抜きにはペンチなどを使いましょう。使う道具は自宅にあるものでも十分です。もっと便利な器具が欲しい場合は専用の「引き手外し」を購入するのも良いでしょう。
ただ、釘がついていないタイプの引き手(発泡スチロール襖など)は接着剤で固定されている場合があるようです。取り外しが難しそうなら無理はせず、そのまま次の手順に進みましょう。
手順③:壁紙を貼る
壁紙の貼りつけタイプに関わらず、基本的な流れは以下の通りです。
- 壁紙のサイズを襖よりひとまわり大きい程度に整える。
- 周囲の枠をマスキングテープで保護する。
- 壁紙を貼りつける。
2は壁紙がのり・アイロンで貼るタイプの場合のみ必要になってきます。手順②を省略して引き手を外さなかった方は、引き手も忘れず保護してください。
3は襖の貼り方のタイプによってやり方が異なります。
両面テープで貼るタイプの壁紙なら、まず襖の方に20cm間隔の格子状で両面テープを貼ってください。そのあとテープの台紙を剥がしつつ、上から慎重に壁紙を貼りつけます。1度貼ると修正がしにくいため、4タイプの壁紙の中ではもっとも難しい方法です。
アイロンタイプの壁紙はその名の通り、アイロンを当てることによって貼り付けます。初めに壁紙の位置調整が行えるのがメリット。マスキングテープで固定したり、ふちに折り目をつけたりしておきましょう。気泡が入らないよう、アイロンは内から外へ空気を逃がすイメージでかけてください。
のり・シールタイプの壁紙は裏面の台紙を剥がし、そのまま襖に貼っていきます。のりが別添えの場合は自分で塗らなければいけません。簡単ですが気泡が入りやすいタイプなので、大まかに接着できたらなでバケを使ってしっかり貼りつけましょう。
手順④:枠・引き手付近を整える
無事に壁紙を貼りつけられたら、最後に細かい部分を整えましょう。襖からはみ出た余分な壁紙を、枠の内側に沿って定規とカッターで処理してください。
手順②で引き手を取り外さなかった場合は引き手まわりを綺麗な円形にカット。先に中央に切り込みを入れておくとやりやすいです。
引き手を外したのであれば真ん中あたりを少し切り抜き、最初と同じように引き手を取りつけてください。襖の釘は普通の金槌だとやりにくいので、専用の釘打ちを購入するのがおすすめです。
DIYが難しいと感じたら業者に頼むのがおすすめ
ここまでの内容を読んで「やっぱり壁紙を自分で綺麗に貼れる自信がない」「ちょっと難しそう」と感じたら、襖リメイクの業者に依頼するのもおすすめです。
費用は1枚2,000~5,000円程度が相場です。しかし業者によって異なるうえ、どんな壁紙を使うかによっても変わります。そのため正確な金額が知りたい場合は、まずは問い合わせてみましょう。
襖のリメイクを依頼したい場合は、ぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアは郵便番号や求める条件を入力するだけで、複数の業者が仮の見積もりを出してくれるサービスです。各社の費用を比較することで適正価格が分かり、より安いところに依頼できますよ。
おしゃれにしたい!襖リメイクのためのアイデア
人気の柄は白地や木目
襖に貼るものとしておすすめな柄は白地や木目です。リメイクといえど襖も壁のうちなので、やはりシンプルなデザインの方が開放感は生まれます。
特に、白無地の壁紙なら上から重ねてウォールステッカーを貼ってみるのも素敵です。ただ既存の壁紙を貼りつけるより、リメイクの自由度とオリジナリティが高まりますよ。
襖を木目調にした場合は、それだけで一気に洋風へと近づけるのが魅力です。木目の壁紙は「和室っぽさをなくしたい!」という悩みを簡単に解決してくれます。
壁紙に合わせた引き手に替えてみよう
襖の引き手は黒や茶色をしているものが多いです。しかし貼りつけた壁紙の色によっては引き手が目立ちすぎたり、浮いてしまったりするかと思います。
そんなときは、この機会に引き手も新しく替えてみるのがおすすめ。白い木目の襖にしたなら引き手も白くしてみましょう。引き手単体で安く売られているので、ぜひ購入してみてください。
賃貸住宅の襖に壁紙を貼りたいときは?
マンションやアパートの襖をリメイクしたい場合は「原状復帰できるかどうか」が重要です。しかしのりやシールで貼ってしまうと、剥がしたときにもとの襖がボロボロになってしまうことがほとんど。
対策としては「両面テープで貼るタイプの壁紙を選び、襖と両面テープの間にマスキングテープを貼る」などが考えられます。ただし、マスキングテープがちゃんと剥がれるかどうかの確認は忘れずに。襖に限らず、賃貸住宅のリメイクは慎重に行うようにしてください。
まずは大家さんに襖のリメイクをしても良いか事前に聞いてみるのが良いでしょう。
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