防音対策で意外と見落としがちな換気扇。
この記事では、外からの音漏れが気になる場合、換気扇自体の稼働音が気になる場合の原因や対策をご紹介します。
外の騒音が気になる!音漏れの原因は換気扇かも?
「窓を閉めているのに外の音がうるさい…」
「室内の音が外に漏れていないか心配」
など、住居の音漏れに関する悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
その音漏れの原因は「換気扇」かもしれません。
住居の換気システムを簡単に説明すると下の図のようになっています。
換気扇は、小さいので目立ちませんが窓やドアと同じように外と直接つながっています。
換気口が音の通り道となってしまうのです。
自分でできる換気扇の防音対策
大がかりな工事を行わなくても、換気口にフィルターを取り付けたり、部品を防音のものに交換することで防音対策ができます。
賃貸の場合、換気扇自体の交換は勝手にできないことがほとんどでしょう。
そこで、自分で手軽にできる換気口の防音対策をご紹介します。
防音スリーブ
吸気口や、換気扇のダクトに取り付ける防音スリーブは、取り外し可能なので賃貸の人でも安心です。
防音パイプとも呼ばれます。
amazonなどのECサイトやホームセンターで、500円前後で購入することができます。
素材によって、どんな音を抑えられるか、どんな環境に適しているかが異なります。組み合わせて使うことも可能です。
ウレタン製のものは高音のカットに優れているため、虫の鳴き声が気になるという人にはこちらをおすすめします。
工事でひと工夫する
換気口や換気扇まわりの部品の交換など、簡単な工事で防音性能を高めることもできます。
費用や工事の規模は、取り付ける商品や換気扇のタイプによって異なります。
防音フード
吸気口の外壁側に取り付けます。
換気口のフードには、雨やゴミの侵入を防ぐという効果もあります。
素材に消音材を用いているフードに交換することで、優れた遮音効果を発揮します。
防音チャンバー
ダクトに設置する部品です。
吸音材を備えた箱型の本体をダクト内に設置することで、外部からの音を軽減します。
ビルの空調管理などで活躍するもので、一般家庭で使用される機会はあまり多いとはいえません。しかし効果は大きいため、一考の価値はあります。
防音レンジフード
レンジフードとは、キッチンの換気扇についているカバーのようなものです。
このレンジフードを防音性のものにすることもできます。
換気扇も交換するか、フードのみ交換にするかで値段や工事の規模が変わります。
また、自分で選ぶ場合はキッチン用の油や湯気の対策がされている商品を選ぶようにしてくださいね。
防音対策は窓も合わせて行おう!
換気扇だけでなく、窓も外部音の侵入や室内の音漏れの経路になります。
換気扇・換気口だけでなく窓の防音対策も一緒に行うと、より防音効果が期待できます。
防音透明シート
窓に貼り付けることで、防音効果を発揮します。
窓ガラスとのあいだに空気層を設ける、湿度の低い日に行うなど注意点がありますので、取り付け方を事前に調べておきましょう。
換気扇自体の音がうるさい原因は?
音漏れでなく、換気扇自体の稼働音が気になることもありますよね。
もちろん今まで紹介した方法で換気扇自体の音を抑えることもできますが、明らかな異音がする場合や換気扇が振動している場合は、換気扇に異常が起きている可能性もあります。
換気扇に不要な音が発生してしまう原因には何があるのでしょうか?
ホコリや汚れ
ファンやプロペラにホコリや汚れが付着しているのが原因というケースがあります。一部分にたくさんの汚れが付いて回転時のバランスが崩れ、不安定な動きによって音が発生するのです。
扇風機をイメージしてみると分かりやすいでしょう。羽根の取り付けが甘く、回転がスムーズでないと不必要な音が鳴るものです。
キッチンは油汚れが付きやすい環境といえます。油汚れがホコリやチリを吸収し、それらが堆積することで換気扇の動作バランスをおかしくしてしまうのです。
また、浴室の高い湿気によって積み重なったホコリも、動きを不安定にする要素といえます。
潤滑油の不足
「キュー」という金切り音のような異音は、金属どうしの摩擦によって生じているケースが考えられます。
「キーキー」とうるさい場合は、羽根を回転させる軸の部分に潤滑油が足りていないケースが多く見られます。この部分には動きをスムーズにするための潤滑油が使用されていますが、時間とともに油が劣化・減少していくのです。
そのまま放置すると異音がするだけでなく、故障の原因にもなるので注意が必要です。
換気扇内部のサビ
浴室やキッチンなど湿気が多く、金属がサビやすい場所にある換気扇でよく見られる現象です。
サビは細かい部分にまで侵入した湿気が引き起こし、手が届きにくく対処できない場所でも生じるため、なかなか予防しにくいものでもあります。
サビは1カ所に発生すると、どんどん広がっていきます。細部の奥深くにまでサビが連鎖してしまうと、完全に除去するのは難しいでしょう。
換気扇の異音を放置するとどうなる?早めに交換を!
「異音がしているけれど大きな音ではないしな」と、つい放置してしまう場合も見られます。
しかし換気扇から異音がする場合、あまりにも稼働音が大きい場合はできるだけ早期に対応するべきです。放置すると思ってもいなかった状況に発展してしまうかもしれません。
近隣住民とのトラブルに
マンションなどの集合住宅では、ささいな音が隣や上下階の世帯に予想外に響いている場合があります。自分では気にならない音でも、周囲の部屋に住む人にとっては耳障りであるかもしれません。
「カタカタ」「ギリギリ」という不快な音がしょっちゅう聞こえてくると、耐えられない人もいるのです。
「戸建て住宅だから少しぐらいの音なら迷惑をかけないだろう」と考える人もいますが、一概にそうとはいえません。不快な音の基準は人それぞれ違ううえ、自分が思う以上に響いている可能性についても自覚すべきです。
故障の原因に
異音の放置は換気扇そのものの故障を引き起こす原因にもなりかねません。
異音が潤滑油不足によるものであれば、パーツの摩耗を促進してしまいます。
プロペラの回転バランスが悪ければ、本来かからない場所にまで作動時の負荷が生じていることもあります。無理な動きによって故障してしまう可能性もあるのです。
異音のほかにも換気扇が振動していたり、吸引力が低下していたりしたら詳しく点検した方がよいでしょう。
換気扇の防音対策や交換は業者に依頼しよう
換気扇の交換やパーツの取り付けは自分では難しいですよね。
ひとりであれこれ悩むよりも、専門家のサポートを受けた方が満足のいく防音対策ができるでしょう。
ここでは、上手な業者選びのポイントについて説明します。
依頼すべき業者の特徴
どんな工事のを希望するかによって依頼する業者も変わってきます。
外の騒音が気になる場合は、住宅設備機器の設置を専門とする業者やリフォーム会社に依頼することができます。
「音に関する専門家」を常駐させているリフォーム会社もあります。音の悩みに確実に応える体制を整えているのです。
換気扇の稼働音が気になる場合は、汚れがひどいなら清掃のプロに依頼するのが効果的です。
パーツの劣化や消耗に関しては修理業者に相談する必要があります。工務店や家電量販店、製造メーカーに問い合わせてみるのがよいでしょう。
換気扇を交換する場合の費用相場は以下の記事をご参照ください。
まずは見積もりから
業者に依頼するにはまずは見積もりからスタートします。作業内容と費用を明確に理解できなくては、安心して発注できません。
ミツモアに相談すると不具合の内容をしっかりと相談したうえで、見積もり依頼に移れます。すべてサイト経由で行えるため、時間を気にせずコンタクトでき、対人でのやり取りに不安がある人でも安心です。
さらにミツモアでは最大5件の見積もり内容を比較できます。自分に合った業者を確実に探せるでしょう。