床下を湿度の高い状態にしておくと、住宅基礎にも悪影響を及ぼします。床下の湿気対策にも換気扇の設置が効果的です。
この記事では床下換気扇の種類やメリットデメリット、設置する方法を紹介しています。効果的な使い方も押さえておきましょう。
床下に換気扇は必要なの?
床下換気扇とは文字通り、床下の空気を吸引・排出する換気扇です。
モーターでファンを回して湿度を調節したり、吸気口と排気口で空気を入れ換えたりして床下の空気を循環させたりする役割を持っています。
大手メーカーや換気扇専門の業者から販売されており、大きさやパワーもそれぞれです。欲しい性能や床下の広さ・予算を考えて、自宅にあった製品を選びましょう。
床下に湿気がたまることによるリスク
床下に湿気がたまることで害虫が住みつくようになります。
クモやゴキブリが発生しやすくなるだけでなく、シロアリが発生することも。
特にシロアリは家の木材を食べるため、被害が後を絶ちません。他にも、腐朽菌と呼ばれる菌が木材を分解してしまいます。
絶対に床下の湿気を放置しないようにしましょう。
床下換気扇を設置することによるメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・湿気を取り除ける ・害虫の発生を防ぐ ・木材の腐朽を防ぐ ・換気不足を防ぐ |
・電気代が高くなる可能性がある |
故障してしまえばメンテナンスや再購入の費用もかかってしまうため、メリットと比較しつつ設置を検討することがおすすめです。
特に床下換気扇にを設置した方が良い家とは
床下に設置した方がいい家の特徴は以下の通りです。
|
1つでも当てはまるものがある場合には、床下換気扇の設置がおすすめです。
コンクリート住宅は気密性や断熱性に優れていますが、湿気が発生しやすくなっています。
床下排気口だけでは湿気を取り除けない
ほとんどの木造住宅では、床下排気口がついています。
床下排気口は、床下の湿気を取り除く役割を持っていますが、湿気を完全に取り除くことはできません。
床下換気扇などを使用することによる湿気防止対策が必要です。
床下換気扇の設置にかかる費用
本体価格(1台) | 取り付け費用 | |
床下換気扇 | 7,000円~10,000円 | 100,000円~300,000円 |
業者に床下換気扇の設置を依頼する場合、本体料金のほか設置や配線の作業費用もかかります。
業者によっては、見積もりに書いてある作業内容が同じでも、費用に大きく差が出ます。
床下換気扇の設置費用をおさえるには、複数の業者を相見積もりして、自分にあった業者を見つけることが大切です。
見積もりが面倒という方はミツモアをご活用ください。換気扇を交換する業者が多数登録しているミツモアでは、無料で最大5社の見積もりを取ることができます。
床下換気扇の種類は3タイプ
床下に換気扇を設置するときに考えておきたいのが、設置する換気扇のタイプです。床下換気扇は大きく次の3種類に分かれます。
- 給排気型
- 拡散型
- 攪拌(かくはん)型
給排気型は、外の空気を取り入れたり、床下の空気を排出したりする換気扇です。床下の通気口(換気口)の近くに設置します。
拡散型と攪拌型は床下の空気をかき混ぜて循環させるタイプです。湿気が滞りやすい隅などに設置すると、床下全体の空気を流れやすくします。
基本的には給排気型と拡散型を組み合わせれば、床下湿気への対策は十分です。
どのタイプが必要なのか判断に困ったときは、業者に相談してみるのがおすすめです。
床下換気扇は何台必要?
30坪程の広さであれば、2〜4台程が目安です。
台数を多くすれば、効率よく換気できるわけではありません。必要以上に床下換気扇を設置してしまうと、空気の循環を悪くしてしまいます。
業者に必要以上の台数の設置を勧められた場合には、はっきりと断ることが必要です。あまりにも強く勧められた場合には、違う業者に依頼するようにしましょう。
電気代は月100円程度
床下換気扇はランニングコストも低く、月100円程度で稼働させることができます。1年で計算してみても1,200円程度で済むので、安価です。
電気代をもっと安くしたいという方はソーラーファンがおすすめです。電気代がかからなくなるだけでなく、効率よく湿気を取り除けます。
床下換気扇はDIYできる?
結論から言うと、床下換気扇のDIYは可能です。しかし初心者である場合は、DIYを避けるようにしましょう。
基本的には業者に依頼する
DIYで床下換気扇を設置するのは、おすすめできません。
床下換気扇がが効果的に機能するためには最適な場所への設置が必要となるからです。
DIYでは設置場所を間違えると、床下換気扇の効果を半減させる原因になります。換気効果を効率よく得たいなら専門業者へ依頼するのがおすすめです。
DIYで設置する場合の手順
床下換気扇を用意したら次の順序で設置を進めましょう。
- 床下に入りダクトを通す
- 床下換気扇の設置・配線を済ませる
- リモコンを設定する
最初に床下に出入りできる入口を探し、換気をしたい場所と床下換気口をつなげるイメージでダクトを通します。
あらかじめ床下換気口側のダクト先端をステンレスワイヤーで固定しておくと、床下換気口からダクトが離れる心配がありません。
次に床下換気扇を設置して固定した方と反対側のダクトをつなげます。
床下換気扇の配線をして、床上のコントローラーを使用可能な状態にすれば作業完了です。
配線やリモコンの設定方法は製品によって違いますので、取扱説明書を手元に置きながらすすめるようにしましょう。
おすすめ換気扇2選
床下換気扇での有力メーカーである三菱とPanasonicの床下換気扇について紹介します。
三菱電機 床下用換気扇 V-09FF3
大手家電メーカーの三菱が販売している床下換気扇です。
世界最小コンデンサモーターである「minimo」の搭載により高い効率で運転することができます。
また、風量を強くしても、静かに作動するため、騒音に悩まされる心配もありません。
希望小売価格 | 28,600円 |
適用床面積 | 30坪以下:3台
30~40坪:4台 40坪以上:5~10台 |
消費電力(W) | 50Hz/5.6
60Hz/6.4 |
電圧(V) | 100 |
換気風量(㎥/h) | 50Hz/160
60Hz/180 |
騒音(db) | 50Hz/30
60Hz/33.5 |
質量(kg) | 1.5 |
埋め込み寸法 | 縦:120~170
横:260~470 |
Panasonic (パナソニック) 床下用換気扇 FY-08FFA1
大手家電メーカーであるパナソニックが出す床下用換気扇です。
排気プロペラファンで、送風量が多く、音も静かです。
シロアリなどの害虫の発生を抑えることができます。また、カビの発生を防ぐ効果もあるため、湿気防止対策にもつながります。
希望小売価格 | 28,600円(税込み) |
適用床面積 | 30坪まで:3台
40坪まで:4台 40坪以上:5~6台 |
消費電力(W) | 50Hz/6.5
60Hz/8.5 |
換気風量(㎥/h) | 50Hz/160
60Hz/170 |
騒音(db) | 50Hz/36
60Hz/37.5 |
質量(kg) | 2.4 |
埋め込み寸法 | 縦:125~170
横:235~470 |
床下換気扇以外にもある湿気対策
床下換気扇以外にも床下の湿気を取り除く方法があります。
具体的には、床下調湿材や防水シートを使います。以下で詳しく紹介します。
床下調湿材を使う
床下調湿材は、床下の湿度が高い時には低く、湿度が低い(乾燥)時には適切な湿度に調整する役割を持っています。
費用は50,000円~100,000円です。
比較的湿度がそこまで高くない場所で使用するのがおすすめです。
床下調湿材を使用しても永久に使えるわけではなく、定期的に交換する必要があります。
防湿シートを使う
防湿シートを敷くと土壌から水分が上がってくるのを防ぐため、高い効果を発揮することができます。
しかし、防水シートは一度床下をはがしてから、全面に敷く必要があるため費用は高額になりがちです。
家の大きさによっても異なりますが、費用相場は100,000円~500,000円です。
また、建物の構造上、設置が難しい場合もあるためリフォーム会社の調査が必要です。
床下換気扇を効果的に使うには?
床下換気扇は設置するだけで最大限の効果を発揮するわけではありません。
設置に失敗して費用を無駄にしないためにも、設置前に知っておくべきポイントを紹介します。
効果的な位置に設置する
床下換気扇の効果が特に発揮される場所は、トイレやキッチンといった水回りの床下です。
家の北側も設置におすすめの場所として挙げられます。北側は湿気が多く、湿った空気を効果的に逃がせるためです。
業者に依頼する場合は正確な見積もりを受け取るためにも、家の間取りや日当たりを伝えておくとよいです。
換気口まわりの物や雑草を撤去する
床下にある換気口とは、床下の湿気がこもらないようについている通気口(通風穴)です。空気が床下換気口からスムーズに出入りしないと、十分な効果を見込めません。
基礎部分に設けられている通気口まわりは、風通しが良くするため、荷物や雑草で塞がらないようにしましょう。
何も置いていないと思っていても、雑草が伸びてしまっている場合があります。床下換気扇の導入を決めた段階で、一度チェックしておくと確実です。
床下換気扇で湿気を対策しよう
床下に湿気がたまっている場合は、床下換気扇を設置して対策する必要があります。床下の湿気を放っておくと、住宅基礎の腐食やシロアリ・害虫の発生など多くのトラブルが発生することを覚えておきましょう。
床下換気扇を設置すれば効率的な床下の換気が可能です。ただし電気代やメンテナンス費用がかかるデメリットもあるため、メリットと比較して導入するか判断します。
床下換気扇の設置はDIYでもできますが、より効果的に換気をしたいならプロに頼むのがおすすめです。経験のある業者に頼めば適した場所に換気扇を設置でき、十分な湿気対策につながります。
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