引っ越しをしたら必ずやらなければならないのが、テレビを配線し直すことです。しかしテレビ配線はケーブルの種類がたくさんあったり、差し込み口が「入力」や「出力」に分かれていたりして分かりづらいですよね。レコーダーなどの周辺機器があると、さらに複雑になります。
「引っ越し先できちんとテレビを設置できるか不安」「引っ越し後に配線の接続方法が分からなくなってしまった」「配線を全て接続したのにテレビが映らない、原因がどこにあるのかも分からない」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
こちらではテレビやレコーダーの、配線の接続方法や必要な設定を解説します。短時間で終わらせるためのコツもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
テレビを引っ越し先に設置するために必要なもの・準備方法を解説
テレビの設置をスムーズに行うためには、準備を整えておくことが重要です。テレビの設置に必要なものや準備の方法をご紹介します。
テレビ本体の他に電源コードやB-CASカード、アンテナケーブルが必要
テレビで地デジの番組を視聴するために必要なものは「電源コード」「B-CASカード」「アンテナケーブル」です。
基本的には引っ越し前に使っているものをそのまま使用できますが、アンテナケーブルは種類や長さが異なる場合があります。配線の接続方法については後ほど解説します。
テレビの配線にテープで印をつける・配線をスマホで撮影する
「テレビの配線を抜いてしまったら、元通りに接続できる自信がない」という人は、配線が接続された状態で印をつけましょう。配線やテレビ裏の端子にマスキングテープやビニールテープを貼って番号を書く方法がおすすめです。
それでも不安という人は、テレビ裏や周辺機器・壁の端子の配線状況をスマホで撮影しておいてください。後から画像を見たときに、ケーブルの種類や端子の形状・テレビ裏の文字が認識できるように撮影しましょう。
ケーブル類やプラグは紛失しないようにまとめておく
テレビから外したアンテナケーブルや電源コードなどは、束ねたり袋に入れたりして紛失しないようにしましょう。
引っ越し先でケーブルを1本紛失するだけでも、テレビの視聴ができない場合があります。テレビ以外の機器のケーブル類と混ざると見分けづらくなってしまうので、すぐに取り出せるようにひとまとめにしておくのがおすすめです。
引っ越し先の部屋にテレビアンテナの端子があるか確認
物件を借りるときや購入するときは、内見でどの部屋のどの壁にテレビアンテナの端子があるか確認しておきましょう。テレビを置こうと思っている部屋に端子がない可能性もあるからです。
部屋にアンテナ端子がない場合は、ケーブルを伸ばしたりワイヤレスにしたりしてテレビを設置する方法もあります。詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
賃貸物件では基本的に建物に手を加える工事を入居者が勝手にやることができませんが、持ち家であれば、アンテナ端子を増設するというのも1つの手です。
引っ越し後に地デジを見るための配線方法を解説
テレビで地デジを見るための配線方法は、以下の通りです。
手順1.アンテナケーブルを接続する
アンテナケーブルを使ってテレビと壁のアンテナ端子を接続します。
テレビ裏にはアンテナケーブルを接続するための端子が2つ(地デジ用とBS/CS用)ありますが、地デジ用の端子に接続します。地デジ用の端子はテレビによって記載が異なり「地上デジタル入力」や「VHF/UHF入力」と書かれていることが多いでしょう。
手順2.B-CASカードを挿入する
テレビで地デジを視聴するにはB-CASカードが必要です。そのためテレビ1台につきB-CASカードが1枚付属しています。テレビの側面にある差し込み口へ、B-CASカードを挿入しましょう。
B-CASカードは挿入方向が決まっているため、カードの向きを確認しながら行ってください。
手順3.電源コードを接続する
テレビの電源を取るために、付属している電源コードを接続しましょう。「∞」の形状をしたプラグをテレビの裏へ、反対のプラグを壁のコンセントに接続するだけで電源が取れます。
引っ越し後にBS/CSを見るための配線方法を解説
BSやCSを視聴するためには、地デジのアンテナとは別にBC・CS用のアンテナケーブルを接続する必要があります。部屋によって壁の端子の数が異なるので、パターンごとに接続方法を解説します。
壁にBS/CS用のアンテナ端子がある場合は地デジの配線と同様
壁にアンテナ端子が2つある(地デジの端子とBS/CSの端子が独立している)場合、接続方法は地デジのアンテナと同じです。テレビ裏に「BS・110度CS入力」と書かれた端子があるので、アンテナケーブルを使って壁の端子と接続しましょう。
壁にアンテナ端子が1つしかない場合は「分波器」を使う
壁にアンテナ端子が1つしかない場合は「分波器」を使うことで、壁から出力される電波を「地デジ」と「BS/CS」の2つに分けることができます。
分波器の入力側(端子が1つ)と、壁の端子をアンテナケーブルで接続します。出力側は地デジ用の端子とBS/CS用(端子が2つ)があるので、それぞれをテレビ裏の端子と接続しましょう。
引っ越し後のブルーレイレコーダーの配線方法
ブルーレイレコーダーを使用している場合は、テレビと併せて配線を接続しましょう。ケーブルの本数が多くなるので一見難しそうに見えますが、接続方法さえ分れば自分でも行えます。
手順1.アンテナケーブルはレコーダーを中間に挟むように接続する
レコーダーがないときは、テレビと壁のアンテナ端子を直接アンテナケーブルでつなぎます。しかしレコーダーを接続する場合は、壁のアンテナ端子とテレビの間にレコーダーを挟む形で接続してください。
レコーダーの裏にはアンテナの入力端子が2つ(地デジ用とBS/CS用)と、出力端子が2つ(地デジ用とBS/CS用)あります。入力端子と壁のアンテナ端子、出力端子とテレビの端子をそれぞれアンテナケーブルで接続しましょう。
手順2.レコーダーとテレビをHDMIケーブルで接続する
アンテナケーブルをつないだだけでは、レコーダーの映像をテレビで見ることはできません。映像と音声の信号を送るため、テレビとレコーダーをHDMIケーブルで接続する必要があります。
やり方はレコーダーのHDMI出力端子と、テレビのHDMI入力端子をHDMIケーブルでつなぐだけ。テレビ側の端子は「入力1」「入力2」「入力3」と複数ありますが、接続する番号を覚えていればどこでも大丈夫です。
手順3.レコーダーの電源コードを接続する
付属の電源コードを接続し、レコーダーの電源を取ります。方法はテレビと同様で、レコーダー端子と壁のコンセントを電源コードでつなぐだけです。
配線の接続が終わったら、チャンネルの地域設定をする
地デジはチャンネルの地域設定が必要ですが、遠くへ引っ越すと以前設定していた地域から外れてしまい電波を受信できなくなる場合があります。テレビを起動したら再度チャンネルの地域設定を行いましょう。
設定はテレビのリモコン操作で簡単にできるので、引っ越し後は必ず行ってください。やり方はメーカーや機種によって異なるため、詳しくはテレビのマニュアルやメーカーのHPで確認しましょう。
設定例)
- メニューから「設定」に関する項目を表示させる
- 「チャンネル設定」から「地上デジタル」を選択する
- 「再スキャン」を選択して実行する
- 完了したら、きちんと映るかどうか確認する
テレビや周辺機器の設置が難しい場合は、業者へ依頼しよう
「もともとマニュアルなどを読むのが苦手。自分でできる気がしない」「設置したけれど映像が映らず、原因も分からない」という場合は業者に依頼するのがおすすめです。
テレビ配線を業者へ依頼したときの相場は2,000~6,000円。テレビの大きさや周辺機器の有無によって変わります。業者によって金額設定が異なるので、複数の業者に見積もりをとってから依頼した方がいいでしょう。
作業範囲はテレビの配線接続だけでなく、チャンネルの設定も含まれます。ですから業者に依頼すれば、テレビを視聴可能な状態になるよう作業してもらえます。
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引っ越し後によく起こる、テレビ設置の失敗例
引っ越しのときに起こりやすい、テレビ設置の失敗例と対応策をご紹介します。ひととおり接続が終わったけれどテレビがうまく映らない人はぜひ参考にしてください。
配線の接続方法を間違えている
引っ越し時に特に起こりやすい不具合が「配線の接続間違い」です。電源が入らなかったりアンテナを受信できなかったりする場合は、配線類のつけ忘れや接続位置の間違いがないか確認してください。
B-CASカードが抜けている、挿入方向が違う
地デジの受信ができない場合はB-CASカードが奥まで入っていない、もしくは挿入方向を間違えている可能性があります。B-CASカードを一度抜いて向きを間違えていないか、ICチップに損傷や汚れがないか確認しましょう。
引っ越し中にB-CASカードを紛失したり破損してしまったりした場合は、再発行できます。詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
地デジのチャンネルの地域設定をしていない
配線を適切に接続しても、チャンネルの地域設定を行っていないと地デジが受信できないことがあります。テレビのリモコン操作で簡単に変更できるので、引っ越し後は必ず住んでいる地域に合わせてチャンネル設定を行いましょう。
引っ越し先が電波の弱い地域だった
「テレビの接続に問題はないけれど、電波の受信が安定しない」という場合は、その地域の電波が弱い可能性も。電波塔に近い地域では強い電波を受信しやすいのですが、離れていくと電波は弱まってしまうのです。
アンテナケーブルを交換したり、ブースターをつけたりといった方法で改善することもあります。しかし原因の特定が難しい場合は、業者に調べてもらったほうがいいでしょう。
引っ越し先のアンテナに異常がある
屋外に設置されているアンテナに異常が起きているために、電波を受信できないことがあります。経年劣化でサビや破損があったり、強風や地震などで設置の向きが変わっていたりするときは、アンテナの交換や修理が必要です。目視でアンテナを確認できる場合は破損がないか、他の家と向きが同じかを確認しましょう。
アンテナに異常がある場合に自分で解決するのは難しいので、業者に依頼するのがおすすめです。
上記以外の失敗例や症状別の原因が知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてください。
引っ越し前のテレビ配線を外す方法と注意点
テレビや周辺機器に接続されているケーブルは、基本的に手で引っ張るだけで抜けます。電源を切った状態で配線を抜いていくだけなので、誰でも行えるでしょう。
ただしアンテナケーブルの先端には、S型(ストレート)プラグとF型(ねじ込み式)プラグがあります。ストレートプラグは引っ張るだけで抜けますが、ねじ込み式プラグは先端をスパナ等の工具を使って回転させなければ抜けません。無理に引っ張ると破損してしまうので、アンテナケーブルに合わせた適切な方法で抜きましょう。
またストレートプラグでも長年放置されていると、先端が固着して抜けづらい場合があります。強く引っ張っても抜けない場合は、左右交互に回しながら引っ張ると抜けやすいでしょう。
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