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スピーカーケーブルを選ぶときのポイントは?接続の注意点もチェック

最終更新日: 2024年06月28日

音質に影響を与えるスピーカーケーブルは、音楽を楽しむ上で重要なアイテムです。ケーブルの素材や構造・端子の形状などの選定ポイント、接続方法を解説します。自分に合った商品の選び方を押さえ、よりよいサウンドを楽しみましょう。

スピーカーケーブルを変えるメリット

スピーカー

スピーカーを購入したときに、安く買えるようなケーブルが付いてくる場合もあります。別売りのケーブルを使うメリットは何なのでしょうか?より快適に音楽を楽しむための選定基準もチェックしましょう。

質の高いサウンドを楽しめる

サウンドの質はスピーカーやアンプだけでなく、スピーカーケーブルの性能にも左右されます。

電気抵抗が少ないケーブルを利用すれば、信号を伝送するときに発生する「信号のロス」を減らせるため、機器からスピーカーにより多くの信号を伝送できます。

性能の低い付属のスピーカーケーブルを高性能なものに変えれば、より快適に音楽を楽しめるでしょう。部屋のオーディオだけでなく、カーオーディオにも同じことがいえます。

スピーカー同士の距離を変えられる

左右に長さの違うケーブルをつなぎ、スピーカー同士の距離を変えられるのもメリットの一つです。それぞれのスピーカーの位置を調節すると、臨場感のあるサウンドを実現できます。

左右のスピーカーは必ずしも同じ音が出ているとは限りません。周りの環境によっては音質の差が大きくなるため、左右でケーブルの長さを変えた方がよいケースも多くあります。

付属されているケーブルの長さは、長くても1.5mほどという場合がほとんどでしょう。スピーカーケーブルの中には自分で長さを変えられたり、別のケーブルにつなげて延長したりといった工夫が可能なものもあります。

選び方のポイントを押さえて音質向上

スピーカーケーブルの選び方を押さえれば、自分が欲しているサウンドを実現しやすくなります。選ぶときに着目したい基準は主に次の五つです。

  • 素材
  • ケーブルの構造
  • 端子の形状
  • ゲージ(太さ)
  • 長さ

音質と扱いやすさに大きく影響するのは、「素材」「ケーブルの構造」「端子の形状」の三つです。

ゲージの数値は大きいほどケーブルが細くなります。細すぎると音に雑味が出やすく、太すぎると高音域がきれいに出にくくなるのが特徴です。特にこだわりがないのであれば、一般的な12〜16ゲージを選びましょう。

ケーブルの長さは短いほど信号が伝達されやすいため、音質は上がります。使い勝手がよく長すぎないケーブルを選ぶのがポイントです。

適したモデルは目的や利用シーン・接続機器によっても異なります。実際に購入する前に、どのような環境で利用するのか明確にしておきましょう。

ケーブルの素材で選ぶ

ケーブルの先端

スピーカーケーブルは、素材によって得意な音域が異なります。どのようなサウンドを楽しみたいかによって、適した素材を選びましょう。使われているのは主に「銅」「銀」「複合型」の3種類です。

低音に強い銅

銅素材のスピーカーケーブルは、低音域に強いのが大きな特徴です。特に不純物となる酸素がほぼ含まれていない「OFC(無酸素銅)」は、音のクオリティが高く落ち着いた低音のサウンドを楽しめます。ただし銅素材の中では価格が高めです。

安さを重視したい場合には「TPC(タフピッチ銅)」がおすすめです。OFCと比べてノイズが増えやすく高音域のクオリティが下がるものの、重低音は迫力のあるサウンドになります。

高音が得意な銀

ハイクオリティな高音域を楽しみたいなら、導線が銀で作られたスピーカーケーブルが適しています。

純度が高いほどサウンドの質がよくなり、特に高音がなめらかに出力されるようになります。クオリティに比例して値段も上がっていくので、予算を考慮して最適なモデルを選びましょう。

ただし銀素材は音をまとめるために高度な技術が必要になるため、製品数は銅素材と比べて少なめです。

クオリティの高い複合型

「複合型」は銅素材と銀素材を組み合わせたケーブルで、別名「ハイブリッド導体」とも呼ばれます。

性質の違う両素材が弱みを補い合って、低音と高音どちらの質も高いハイバランスなサウンドを実現しています。とにかく音質にこだわりたい人におすすめです。

クオリティが高い分、銅素材や銀素材と比べて値段は高めです。またメーカーごとに大きく性能が異なるため、購入の際には好みのモデルをしっかりと見極める必要があります。

ケーブルの構造で選ぶ

スピーカーの差込口

スピーカーケーブルが採用している構造は、音質だけでなく扱いやすさにも関係する要素です。「並行型」「ツイスト型」「4芯型」三つの構造について、それぞれの特徴を解説します。

初心者も扱いやすい「並行型」

2本のより線を並行に並べた「並行型」は、スピーカーケーブルに最も多く採用されている構造です。

柔軟性に優れ取り回しがしやすい・被膜がむきやすい・お手頃価格で入手できる点から、初心者にも扱いやすいといえるでしょう。よりの強さ・線の太さ・外側を覆う材質によって、好みの音質に調節できるのもメリットの一つです。

ただ音質は明るく華やかではあるものの、より線同士の干渉がサウンドの劣化につながる場合もあります。音質を最重視するユーザーは、並行型だと満足できない可能性が高いでしょう。

ノイズを低減できる「ツイスト型」

「ツイスト型」は1対のより線をねじり合わせて、対角上にある導線の相互作用を中和する構造です。信号を伝送するときの電気抵抗を極力減らせるため、外部から雑音が入りにくく高い音質を実現できます。

特に高音が安定しており、全体的に音質がマイルドな点が特徴です。ミドルからハイエンドモデルのスピーカーケーブルにも、ツイスト型の構造が多く採用されています。

ただし振動にはやや弱く、価格が並行型と比べて高めなのが難点です。中級から上級者向けの構造といえるでしょう。

音質にこだわる上級者向け「4芯型」

「4芯型」の構造は4本の導線を使い、対角線方向の2対を並行に並べたスピーカーケーブルです。

導体の断面積が大きいため音質のバランスが良くマイルドで、低音が重厚に響きます。サウンドにこだわりたいユーザーには特におすすめです。ツイスト型よりもさらに外部からのノイズに強い構造になっています。

1対ずつ高域・低域に分ければ、1本の線でもバイワイヤリング接続と同じように使えるのも強みです。

性能が高い分価格は他の構造と比べて高価になります。また被膜を剥がす際に並行型・ツイスト型と比べて時間がかかり、セッティング方法が複雑なモデルも多いため、音質を最重視する上級者向けの構造です。

機器に合った端子の形状で選ぶ

ケーブル端子

スピーカーケーブルに使われている端子には、さまざまな形状があります。使う機器やシーンに合わせて選ぶのがポイントです。代表的な三つの特徴を見ていきましょう。

安定性に強み「バナナプラグ」

スピーカーケーブルの端子の形状として最も多いのが、直径数mmで中ほどが膨らんだ円筒型の「バナナプラグ」です。

抜き差しがしやすく使い勝手の良い端子で、導線の接触によるショートが起きにくいのがメリットです。実用性の高さから、スピーカーのセッティングを頻繁に変えるスタジオでも広く使われています。

接続時の安定性に優れており、振動など外部からの影響を受けにくい構造も強みです。自宅で音楽を楽しむ場合にも、サウンドの質を向上させるアイテムとして役立つでしょう。

挟んで接続できる「Y型プラグ」

「Y型プラグ」はオーディオ機器に先端部を挟み込むことで接続するタイプの端子で、その名の通りY字型をしているのが特徴です。バインディングポスト端子にも対応しており、幅広く使えるのが特徴です。

セッティングは簡単で、しっかりと安定した接続によって優れた音質が実現できます。線の酸化を防止してくれるため、同じく挟み込んで使う端子なしのケーブルより長く使えるのもメリットです。

ただし接続部分が小さいため、気が付くと緩んでいたというケースもあります。価格はバナナプラグと比べるとやや高価で、製品数も少なめです。

PA機器向け「フォーンプラグ」「スピコンプラグ」

「フォーンプラグ」や「スピコンプラグ」は、主にPA機器(スピーカーやミキサーなどの音響機器)を接続するケーブルに使われる端子です。

フォーンプラグはヘッドホンやイヤホンの端子にも使われています。ノイズに影響されにくく接続が簡単なため、スタジオやライブ会場など頻繁に抜き差しする場面で役立ちます。

スピコンプラグは接続部分を回転させてロックできる形状の端子です。大きな出力で抜けてしまう心配がなく、高い安定感を発揮します。音質が高くハイグレードな端子です。酸化やショートの心配もないため、長く機器に接続しておけます。

スピーカーケーブルを接続しよう

ケーブルをつないだスピーカー

スピーカーケーブルをつなぐときには、気を付けなければならないポイントがあります。基本的な接続手順と注意点を確認しましょう。個人でつなぐのが難しければ、プロの力を借りるのがおすすめです。

つなぎ方と注意点

スピーカーケーブルは最初にスピーカー、次にアンプの順番につなぎます。ネジ式の場合は端子を緩めて下から導線を差し込み、再び端子を締めて固定します。レバー端子であれば、レバーを押してからケーブルを差し込みましょう。

端子がないスピーカーケーブルをつなぐときは、先端を3cmほどむいてプラス・マイナスの導線を取り出します。

高音域・低音域の端子が独立したバイワイヤ対応のスピーカーなら、スピーカーケーブルを2本使うかバイワイヤ仕様のスピーカーケーブルを利用します。

スピーカーとアンプの接続部にはプラス・マイナスの極性とL(左)・R(右)があるため、組み合わせを間違えないようにしましょう。端子が緩んでいると音質が下がるので、しっかりと締めるのもポイントです。

ノイズの原因となるスピーカーケーブル同士の接触を避けて音質を統一させるために、左右のスピーカーとの距離とケーブルの方向性もそろえます。

難しければ業者への依頼も選択肢

スピーカーケーブルの配線が難しいときは、専門業者に依頼するのも一つの方法です。単純に音楽を楽しむだけでなく、ホームシアターのサウンドをよくするためにスピーカーケーブルを使う場合もあるでしょう。

ホームシアターで臨場感のあるサウンドを楽しむためには、スピーカーケーブルだけでなくサウンドシステムやスピーカー・アンプなどの知識が必要です。機器やケーブルの扱いに慣れていないと、簡単にできるものではありません。

見た目をすっきりさせるために壁内配線を行う場合も、プロに任せるのが無難です。専用の道具が複数必要で、すべてを自分で行うのはかなりの手間と時間がかかるでしょう。プロの業者に任せれば、時間的なコストをかけずに理想的な音響環境が整います。

スピーカーケーブルで質のよいサウンドを

家に音響施設を作る

スピーカーケーブルを付属のものから新しいモデルに変えれば、より質の高いサウンドを楽しめます。音質と扱いやすさの両方を考慮して、利用シーンにマッチしたスピーカーケーブルを選ぶのがポイントです。

特に「素材」「構造」「端子の形状」の3点を基準にすると、理想的なスピーカーケーブルが見つかりやすくなります。毎日の音楽体験をより豊かにするためにも、用途を明確にした上でスピーカーケーブルを選びましょう。

接続時に分からないことや難しい点があれば、業者に頼むのがおすすめです。

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