ミツモアメディア

柚子の剪定時期は?剪定方法や樹齢ごとの育て方のコツ

最終更新日: 2025年02月10日

柚子の果実をうまくつけるには、正しい時期に剪定や摘果を行い、適切な数量の果実に養分を行き渡らせるのがポイントです。

柚子の生育サイクルに基づく剪定に適した時期や、剪定方法をお伝えします。

柚子の剪定時期は3月中旬~4月上旬

柚子の剪定時期カレンダー

柚子の剪定は収穫が終わり、翌年の花芽が形成されたあとの3月中旬~4月上旬に行います。

収穫直後に剪定すると、花芽のつく位置を確認できず、翌年実をつけるための花芽をたくさん切り落としてしまう可能性があります。

また、果樹の中でも落葉樹は冬に剪定を行いますが、柚子は常緑樹であり寒さに弱いので、真冬の剪定は避けましょう。日照時間の少ない冬に葉を減らしてしまうと、光合成で生成される養分の量が足りなくなり、柚子の木が弱ってしまいます。

樹齢3年目までの柚子の剪定方法(樹形づくり)

樹齢3年目くらいまでの柚子は、実をつけて収穫するよりもまず枝の成長を優先させます。

無理な剪定はせずに、成長を妨げる枝を取り除き、実がなりやすく収穫がしやすい樹形に育てましょう。

「開心自然樹形」になるように仕立てる

柚子は「開心自然樹形」に樹形を整えるよう意識するのが、剪定のポイントです。

3本の主枝から、開心自然形は成り立ちます。中心に伸びる主枝1本と、両サイドに伸びる主枝が各1本です。サイドの主枝は横に広がるよう誘引しましょう。

亜主枝(主枝から分岐した枝)を各主枝に1本配置します。主枝と亜主枝、側枝(亜主枝から分岐した枝)のバランスを見て、全体が二等辺三角形になるのが理想です。

不要な枝や実を切り落とす

不要な枝を根元から切り落として、樹形の芯になる必要な枝に養分を集中させましょう。

カサカサに乾いていたり、樹皮の中まで茶色く変色した枝はすでに枯れています。枯れ枝を放置すると病気や害虫の原因になるので、最優先で取り除きましょう。

次に、以下のような生え方をしている不要な枝を切り落とします。

不要な枝を剪定するときの見分け方

不要枝の種類 不要枝の特徴
ふところ枝 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。
かんぬき枝 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。
逆さ枝 幹に向かって伸びた枝。
立ち枝 真上に向かって伸びた枝。
下り枝 下に向かって伸びた枝。
絡み枝 まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。
徒長枝 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。
車枝 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。
平行枝 同じ方向に伸びる上下2本の枝。
胴吹き枝 幹から新たに直接伸び出した枝。
ひこばえ 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。

不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。

  • 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
    • 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
  • 平行枝・胴吹き枝
    • 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
  • ひこばえ
    • 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は切り取る

柚子の木が育ってくると、花や実をつけ始めます。養分が分散してしまうので、この時期はまだ花や実を摘み取って枝に栄養を回しましょう。

樹齢4年目以降の柚子の剪定方法(実を育てる)

柚子

柚子が4年以上経って大きく育ってきたら、充実した実をつけるために、樹形を維持して養分を回すための剪定を行います。

3月中旬~4月上旬:剪定

春先に行う柚子の剪定では、枝の切り戻しや芯止め、誘引で樹形を整え、実付きがよくなるように促します。主な手順は以下の通りです。

  1. トゲを半分くらいの長さに切る
  2. 長く飛び出した枝を切り戻す
  3. 主幹を切り戻す
  4. 上に立ち上がった枝を誘引する
  5. 混み合った枝を間引く
  6. 古くなった枝をつけ根から切る(数年に一度)
  7. 枝の切り口に癒合剤を塗る

①トゲを半分くらいの長さに切る

柑橘類には、害獣から実を守るためにトゲがついている種類が多く、特に柚子のトゲは鋭く長いです。

剪定作業をするときは、剪定バサミでトゲの先端から半分くらいの位置で切り取り、とがった部分をなくしましょう。トゲの根元ギリギリで切ると、枝が弱ってしまうので注意してください。

なお、トゲを切っても柚子の実付きや成長には影響を与えません。

②長く飛び出した枝を切り戻す

樹冠から長く飛び出した枝は、1/3あたりの位置で切り戻します。切るときは外側を向いた芽のすぐ上にハサミを入れましょう。

③主幹を切り戻す

柚子の木が高くなりすぎないように主幹を芯止めします。1~2mくらいの高さを目安に、枝分かれしている部分で切り詰めましょう。

④上に立ち上がった枝を誘引する

上に勢いよく伸びた徒長気味の枝には、実が付きにくいです。枝数が多い場合は付け根から切り落としてしまって構いません。

枝数が少ない場合は無理に間引かず、ひもなどで縛って、横向きに伸びるように誘引してもよいでしょう。

⑤混み合った枝を間引く

枯れた枝や不要な枝を間引き、柚子の木全体の日当たりや風通しをよくします。

切ってもよい不要な枝の見分け方は、前章「不要な枝や実を切り落とす」を参考にしてください。

⑥古くなった枝をつけ根から切る(数年に一度)

年月が経って太くなった枝は実付きが悪くなるので、数年に一度のペースで枝の更新をします。

普段は不要な枝として切り取る胴吹き枝(主幹から新たに直接伸びた枝)を残して育て、古くなった枝を根元から切り落としましょう。

⑦枝の切り口に癒合剤を塗る

病原菌や害虫が侵入しないように、剪定が終わったら枝の切り口に癒合剤を塗りましょう。断面のゴミを取り除いて、切り口全体に薄く均一に塗り広げます。

特に果樹は比較的病気になりやすいので、以下のようなケースはなるべく癒合剤を使うことをおすすめします。

  • 枝の切り口が大きいとき(直径3cm以上)
  • 主幹から直接生えた枝や近い枝を切り落としたとき(3cm以内)

基本的には自然にはがれ落ちるので、塗った後はそのままにしておいて大丈夫です。

6月中旬~7月上旬:摘果

柚子の木にたくさん実をつけたまま育てると、1つ1つの実が小さくなります。また、エネルギーを消費して木が消耗するので、翌年の実付きが悪くなります。

実がつきはじめた6月中旬~7月上旬にかけて、小さな実や傷がついた実を中心に取り除きましょう。

庭木の剪定サービスの内容を見る

柚子の剪定に必要な道具

自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。

道具 用途
剪定バサミ

FORESIA 剪定ばさみ | Amazon
FORESIA 剪定ばさみ | Amazon

 

枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安)
植木バサミ

特に細かい枝の切断に使用する
剪定ノコギリ

高儀(Takagi) シャークソー | Amazon
高儀(Takagi) シャークソー | Amazon
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する
園芸用の脚立

アルインコ(ALINCO) 三脚脚立 | Amazon
アルインコ(ALINCO) 三脚脚立 | Amazon
高い位置の枝を切るときに使用する
屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ
園芸用の手袋

POTATOガーデニング手袋 | Amazon
POTATOガーデニング手袋 | Amazon
作業中の手を守る
軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ
癒合剤

富士商事 カルスメイト 150g|Amazon
富士商事 カルスメイト 150g|Amazon
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る

他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。

剪定した枝の処分方法

柚子

剪定して柚子の木がすっきりしても、まだ切り落とした枝の処分が残っています。剪定前に枝の処分方法を確かめ、剪定後に困らないようにしましょう。

自治体の回収方法を確認しよう

剪定した枝を安く処分するには、自治体の回収方法を確認しましょう。

枝の長さや量に制限を設けている場合が多く、回収費用が有料の場合、費用は自治体によって異なります。2つの自治体の具体例を、確認しましょう。

東京都杉並区の場合、1回につき45Lの袋で3袋までは、無料で回収してもらえます。太さ10cm、長さ50cmを超える枝の場合、有料(1kgあたり40円)で粗大ごみとして回収可能です。

大阪府茨木市の場合、枝の太さに制限はありません。長さの制限は1m未満で、袋に入れるのではなく紐で縛ります。1回で回収できる上限は3束です。

参考:よくある質問 自宅で剪定をした庭木がたくさんあるのですが。|杉並区公式ホームページ
参考:粗大ごみ/茨木市

トゲの付いた枝は怪我に注意

あまり知られていませんが、柚子の枝にはトゲがあります。怪我の恐れがあるため、トゲの付いた枝には注意しましょう。

柚子のトゲは約2cmと長めです。トゲの放置は収穫時の怪我につながるだけでなく、柚子の実を傷つける恐れもあります。

トゲは切っても再生しないため、気づいたら早めにトゲを切ると、安全に収穫・剪定可能です。

柚子を収穫したりトゲを切ったりするときは、園芸用の厚手の革手袋をしましょう。剪定時にトゲごと枝を切り落とした場合は、処分にも注意が必要です。

庭木の剪定はいくらでプロに依頼できる?

柚子の剪定はプロに依頼するのもおすすめ

「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。

庭木の剪定料金相場

単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。

庭木の高さ 1本あたりの料金相場 剪定ゴミの回収料金
1m以下 950~1,200円 950~1,200円
1~2m以下 1,900~2,400円 950~1,200円
2~3m以下 2,900~3,600円 950~1,200円
3~4m以下 4,200~5,400円 1,400~1,800円
4~5m以下 5,700~7,200円 1,900~2,400円
5~6m以下 8,600~10,800円 2,900~3,600円
6~7m以下 12,400~15,600円 3,800~4,800円
7~8m以下 16,200~20,400円 5,000~6,000円

※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出

柚子の剪定料金を確認する

庭木の剪定をプロに依頼する流れ

庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。

「ミツモア」では、地域で活躍する植木屋・庭師をかんたんに見つけられます。

ミツモアでプロに仕事を依頼する流れの図解

「依頼内容」「希望の日程」「作業場所」などの質問に答えると、最大5社から自動であなたにカスタマイズされた見積もりが届きます。

見積もりの料金や口コミ評価を比較して、気になる庭師に剪定を依頼してみましょう。正式な依頼前に、チャットで疑問点を相談することもできます。

自動の見積もりをもらうだけなら無料でできるので、自宅の庭木の剪定料金を確認してみてはいかがでしょうか?

柚子の剪定をプロに依頼する