ユーカリは葉の形がかわいく、爽やかな香りが特徴の植物です。成長スピードが早いため剪定は欠かせません。
ユーカリの剪定に適した時期や正しい剪定方法、お手入れのコツ解説します。
ユーカリの剪定時期は3~5月と9~10月
ユーカリは葉や枝の伸びるスピードが早いため、放置すると葉や枝が伸びて日当たりが悪くなったり、風通しが悪くなったりします。
適切な時期に剪定を行い、ユーカリの健康な生育を促してあげましょう。
ユーカリの剪定時期は春と秋
ユーカリの剪定は3~5月の春先と、9~10月の秋口に行うのが最適です。特に春はあっという間に伸びてしまうので、その前にしっかり形を整えておきましょう。
秋は春の剪定ほど切り込む必要はありません。夏に成長して密集した枝や葉を少なくし、密度を下げて風と日光が当たるようにします。
葉が密集して風通しが悪くなると、木が倒れやすくなったり害虫被害が起こったりするので、春だけでなく秋の剪定も必要な作業です。
ユーカリは成長スピードが早い植物
ユーカリは伸びるスピードが早く、自然界では25~50mもの巨木になる樹木です。短期間で大きくなる特徴を活かして、造林や公園によく植えられます。
家の雰囲気にも馴染みやすく邪魔にならないので、ユーカリをシンボルツリーとして植えるのもよいでしょう。
背が高い割に根が比較的浅いため、地上に伸びた部分の先端が大きすぎるとバランスが崩れて倒れやすくなる点に注意が必要です。定期的な剪定を行い、成長をしっかり管理しましょう。
ユーカリの剪定に必要な道具
ユーカリの剪定には剪定バサミ・太枝切バサミ・高枝切バサミ・ノコギリ・癒合剤があると便利です。
それぞれおすすめの商品もご紹介します。
剪定バサミ |
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太枝切りバサミ |
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高枝切バサミ |
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ノコギリ |
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癒合剤 |
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ユーカリの基本的な剪定方法
ユーカリの剪定は樹形を整えたり病気を予防したりするのに重要な役割を果たしますが、方法を間違えると木が弱るだけでなく、最悪の場合枯れてしまいます。
ユーカリを元気に育てる剪定方法と2つのコツを説明します。
3~5月:樹形を整える「摘心」
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ユーカリの剪定ではまず「摘心」をします。摘心とは枝先に新たに出てきた頂芽を摘み取る(ピンチする)作業です。植物は頂芽を優先して伸びていくので、この芽を摘むことで脇芽が育ちます。
摘心は果実を実らせたり、花をたくさん咲かせたりするのが目的ですが、ユーカリの場合、木の成長をコントロールして好みの樹形にするのが主な役割です。
正しい摘心で葉の数を減らせば、残りの葉に栄養が集中するので、ひとつひとつの葉がより大きくなる効果も得られます。
9~10月:風通しをよくする「透かし剪定」
「透かし剪定」は伸びて重なった枝や枯れた枝を切って、葉や枝に隙間を作る剪定方法です。日当たりや風通しを改善する効果があります。
あまり大胆に根本から切ってしまうと枝がスカスカになりすぎてしまうので、全体のバランスを見ながら作業しましょう。細い枝が密集するところを透かし剪定で間引く程度にします。
ユーカリを剪定するときは、葉の付け根あたりを切るようにしましょう。枝の真ん中を切ると木全体のバランスが悪くなります。
実際に切るべき不要な枝や幹は、以下の図解をご覧ください。主幹も密集しすぎる場合は、全体の形を見ながら強剪定を行いましょう。
枝が込み合った状態が続くと、病害虫を招く可能性がある点にも注意しましょう。枝が密集しすぎている部分に対して剪定を行い、風通しのいい形にすることで、病害虫のリスクを減らせます。
剪定で失敗しないコツ
剪定で失敗しないコツは2つあります。1つ目は、「先端部分の葉や枝もきちんとカットすること」です。2つ目は、「伸びすぎる前にカットすること」です。
ユーカリの根は細いため、葉や枝のバランスによってはすぐに折れてしまいます。先端部分が重すぎたり、横に伸びすぎてアンバランスになったりしないよう、きちんと剪定を行いましょう。
「上手く剪定できるか不安」という方は、庭の剪定業者に依頼するのもよいでしょう。ミツモアなら、自分にぴったりの庭業者をすぐに探すことができますよ。
伸びすぎたユーカリの剪定
ユーカリが大きくなりすぎてしまい、自分で剪定して整えるには難しい高さになってしまったという方もいらっしゃるかもしれません。
その場合、「業者に依頼して整えてもらう」か、手に負えなければ「伐採する」というのも1つの手です。
剪定業者に依頼する
2階の高さにもなるようなユーカリを剪定する場合、かなりの高所作業になります。自信がない場合は庭木の剪定業者に依頼して整えてもらうのがおすすめです。
慣れていないと、ハシゴにのぼりながら枝を見きわめて切るのは難しいでしょう。枝に気を取られているあいだに足場がぐらついて落下する危険性もあります。
業者に依頼した場合の費用の目安は以下の通り。
- 剪定の費用相場
木の高さ | 1本あたり費用 |
3~5m | 5,000~10,000円程度 |
5m以上 | 10,000~25,000円程度 |
思い切って伐採する
大きくなりすぎたユーカリが周りに危害を及ぼす可能性があったら、惜しいですが思い切って伐採したほうが良いでしょう。
隣の家に近い位置に木があると、越境してジャマになったり、倒れたときに家や庭の一部を壊してしまったりするかもしれません。電線にかかると感電や火災のおそれもあります。
業者に木の伐採や抜根を依頼したときの費用相場は以下の通り。
- 伐採の費用相場
木の高さ | 1本あたり費用 |
4~5m | 約10,000円 |
5~6m | 約15,000円 |
6~7m | 約20,000円 |
- 抜根の費用相場
幹の周囲 | 1本あたり費用 |
15cm以下 | 約10,000円 |
16~30m | 約15,000円 |
31~40m | 約20,000円 |
あまり幹が太くなければ、自分でノコギリを使って伐採することも可能です。ただし倒れた木が人や家にぶつかってしまうと、ケガをしたり修繕が必要になったりという事態にも。どの方向に倒すか決めて慎重に切りましょう。
ユーカリの病気・害虫対策
ユーカリは比較的育てやすい植物ですが、病害虫が全くないわけではありません。葉や木全体に元気がなかったり、白っぽくなっていたりする場合は病気や害虫の疑いがあります。
ユーカリがかかりやすい病気
ユーカリの葉に白い粉のようなものがついていたら、高い確率で「うどんこ病」です。うどんこ病の症状や対処法、予防方法は以下の通りです。
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うどんこ病
症状 |
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特徴 |
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予防方法 |
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対処方法 |
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うどんこ病は早期発見が大切なので、見つけたらすぐに対処しましょう。早期に見つけたら侵された葉を取り除けばいいのですが、処置が遅れると他の葉に症状が広がってしまいます。
うどんこ病を予防するには風通しをよくして日光を当てることです。そのためには、剪定が重要な役割を果たすのです。
ユーカリにつく害虫
ユーカリを元気に育てるには、主に「コガネムシ」「カイガラムシ」「ハダニ」に注意しましょう。
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コガネムシ
見た目 |
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特徴 |
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予防方法 |
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カイガラムシ
見た目 |
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特徴 |
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駆除方法 |
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ハダニ
見た目 |
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特徴 |
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駆除方法 |
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予防方法 |
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ユーカリを挿し木で増やす方法
剪定で落とした枝は挿し木にして、新しい苗を増やすのに活用できます。
挿し木を行う手順は以下の通りです。
①その年に伸びた枝を、先端から15㎝ほどを斜めにカットする | |
②葉を取り除き、数時間~1日水につける | |
③発根促進剤をまぶす | |
④赤玉土を湿らせる | |
⑤割り箸などの細い棒で中央に穴をあけ、挿し木を深めに挿す | |
⑥鉢に植え替える |
土の表面が乾いていれば水やりをし、発芽するまで動かさないのが重要です。
2~3カ月で新芽や根が出てくるので、根がしっかりと生育したのが確認できたら鉢や庭に植え替えましょう。
ビニールポットで育てている時はもちろん、植え替え直後の挿し木は根がそこまで強くありません。風で倒れやすく、根が傷つきやすいため、支柱やカバーをしてしっかりと苗を支えましょう。
ユーカリのよくあるトラブルとその対処法
ユーカリを育てるときに発生しがちなトラブルとその対処法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
枝がひょろひょろになった
ある程度の高さまでユーカリが育っているのに、枝がひょろひょろしている場合、対策を打つ必要があります。
- 追肥をする
- 剪定を行い、風通しと日当たりを良くする
- 支柱を立て、折れないようにする
上記の方法をを試し、幹や枝を太く育てましょう。
枝が折れた
栄養不足や、台風の影響で枝が折れた場合、しばらく放置しましょう。ユーカリは生命力が強いため、折れた部分から新しい枝が出てきます。
枝が折れてユーカリ全体のバランスが悪くなった場合は、軽く剪定を行い、左右のバランスを整えてください。
葉・枝が枯れた
葉が枯れる原因は、病害虫や水不足、根詰まり、風通しの悪さ、剪定不足など複数考えられます。
対策として、「丸坊主」にする剪定方法が有効です。丸坊主は、剪定の際に全ての葉っぱと枝を切り落とすことを言います。少々もったいない気もしますが、生命力の強いユーカリは、幹からでも再生することが可能です。
「赤くなったユーカリの葉は枯れていない」ということは覚えておいてください。ユーカリは落葉しない代わりに、冬頃になると一時的に葉が緑から赤色に変わります。葉が茶色の場合は枯れています。
ユーカリを健康に育てるコツ
剪定によって病害虫を防ぐ以外にも、ユーカリを元気に育てるコツがあります。ユーカリの特性を理解し、しっかりと育成していきましょう。
日当たりと風通しのよい場所に置く
ユーカリはオーストラリアやタスマニアなど、南半球にルーツがある品種がほとんどです。そのため日当たりのよい環境を好みます。
育てるにはベランダや窓際など、太陽光がよく当たる風通しのよい場所が理想的です。
反対に湿度が高く、暗い場所は育ちが悪くなります。寒さに弱い品種の場合は室内で管理を行い、結露が多い窓際から遠ざけるなどの対策をしましょう。
ユーカリは乾燥した環境を好むので、できるだけ水はけのよい土で育てるのもポイントです。ホームセンターなどに売っている園芸用の培養土なら、鉢植えのユーカリは問題なく成長できます。
水やりは土の表面が乾いてから
ユーカリをすくすくと育てるには適切な水やりも重要です。乾燥を好むユーカリは、水やりしすぎると枯れる可能性があります。
夏場は土の表面が乾いたら水やりをすればOKですが、くれぐれも与えすぎには注意しましょう。
暑い時期 | 早朝や夕方に水やりを行う |
寒い時期 | 日差しの強い日中に水やりを行う (頻繁行う必要はない) |
ユーカリを剪定して健康に育てよう
ユーカリは葉や枝の伸びるスピードが早いため、定期的に剪定を行う必要があります。春には樹形を整えるために摘心をしながら剪定をし、秋には密集した葉や枝を整理するために剪定をしましょう。
放置すると葉や枝が伸びて密集して日当たりが悪くなったり、風通しが悪くなったりします。特に秋の場合には、間引くように切る「透かし剪定」を行うことで、病気や害虫からユーカリを守れるでしょう。
剪定した枝は挿し木にして苗を増やすのに使用できるほか、乾燥させてリースにしたり、ブーケにしたりするのもおすすめです。
適切な時期に剪定を行い、ユーカリの健康な生育を促してあげましょう。
ユーカリ剪定のプロ探しはミツモアがおすすめ
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まとめ
ユーカリを剪定するのに適した時期は?
ユーカリの剪定は3~5月の春先と、9~10月の秋口に行うのが最適です。特に春はあっという間に伸びてしまうので、その前にしっかり形を整えておきましょう。
大きく伸びすぎたユーカリはどうやって剪定する?
先端の新芽を切り取る「摘心」を行います。切ったところから枝分かれして新芽が出て、横にも広がったきれいな樹形になります。放っておくと上に大きくなりすぎてしまうので注意しましょう。