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もみじの剪定は11月~2月に!正しい剪定方法やお手入れのコツ

最終更新日: 2025年02月13日

季節の移ろいにあわせて、葉色を紅色や黄色へ美しく変化させるもみじ。ただし、もみじの剪定には「やってよい時期」「避けるべき時期」があります。

この記事ではもみじの剪定時期と方法をわかりやすく解説します。正しい剪定で、もみじの美しい樹形を心ゆくまで楽しみましょう。

もみじの剪定時期は11月~2月

モミジの剪定時期カレンダー

落葉樹であるもみじの剪定は、が落ちて休眠期に入る11月~12月をメインとして5月中旬~7月にも行うのがおすすめです。

11月~12月:樹形を整える剪定

もみじは「早寝早起きの木」と言われ、一般的な落葉樹よりも早く休眠期に入ります。そのため11月~12月にメインの冬の剪定を行いましょう

冬は葉が落ちて枝ぶりを確認しやすいため、古い枝や太い枝を剪定し、しなやかな樹形に整えます。

5月中旬~7月:不要な枝を間引く剪定

もみじの花が終わった5月中旬~7月には、樹形からはみ出した枝や混みあった枝を間引く剪定を行います。この時期に不要な枝を整理しておくことで、秋になれば美しい紅葉を楽しめるでしょう。

もみじの成木の剪定方法【図解】

透かし剪定のビフォーアフターイラスト

もみじは休眠期である11~12月に以下の手順で剪定を行います。

  1. 上部で勢いよく飛び出した枝を切り戻す
  2. 枯れた枝や不要な枝を根元から切り落とす
  3. 対に生えている枝の一方を切り落とす
  4. 枝の切り口に癒合剤を塗る

5月中旬から7月にかけて行う夏剪定では、不要枝を取り除く程度にとどめます。木の活動期に太い枝を切るとダメージが大きく、切り口から病気になりやすいので、夏は太い枝の剪定を避けましょう。

①上部で勢いよく飛び出した枝を切り戻す

木の上部は枝が勢いよく伸びやすいです。飛び出した枝は、枝分かれしている位置まで切り戻しましょう。

②枯れた枝や不要な枝を根元から切り落とす

枯れた枝や樹形を乱す不要な枝を剪定して取り除いておきましょう。

カサカサに乾いていたり、樹皮の中まで茶色く変色している枝は枯れています。枯れ枝を放置すると病気や害虫の原因になるので、最優先で取り除きましょう。

次に、以下のような生え方をしている不要な枝を切り落とします。

不要な枝を剪定するときの見分け方

不要枝の種類 不要枝の特徴
ふところ枝 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。
かんぬき枝 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。
逆さ枝 幹に向かって伸びた枝。
立ち枝 真上に向かって伸びた枝。
下り枝 下に向かって伸びた枝。
絡み枝 まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。
徒長枝 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。
車枝 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。
平行枝 同じ方向に伸びる上下2本の枝。
胴吹き枝 幹から新たに直接伸び出した枝。
ひこばえ 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。

不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。

  • 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
    • 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
  • 平行枝・胴吹き枝
    • 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
  • ひこばえ
    • 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は切り取る

枝が横方向にひろがるような樹形をイメージして、枝先を切るときは水平に伸びている枝を残しましょう。

徒長枝の図解

上方向に伸びているような太い枝があれば、ダメージが少ない冬のうちに切り落とします。

もみじの小枝を剪定するときのコツ

新しい枝や細い枝を剪定する場合は、手で折っても構いません

もみじの剪定では、のこぎりや枝打ちバサミなどの大きな刃物はできるだけ避けるべき、と言われています。頻繁に金属の道具で手入れをすると、枯れたり葉の色が悪くなったりします。

③対に生えている枝の一方を切り落とす

もみじは枝の左右から対生に細かい枝が出る性質があります。

バランスを見て片方をつけ根から切り取り、透かしていきましょう。

④枝の切り口に癒合剤を塗る

病原菌や害虫が侵入しないように、剪定が終わったら枝の切り口に癒合剤を塗りましょう。断面のゴミを取り除いて、切り口全体に薄く均一に塗り広げます。

癒合剤を使ったほうが良いのは以下のケースです。

  • 枝の切り口が大きいとき(直径3cm以上)
  • 主幹から直接生えた枝や近い枝を切り落としたとき(3cm以内)
  • 病気になりやすい木(サクラ、果樹など)

基本的には自然にはがれ落ちるので、塗った後はそのままにしておいて大丈夫です。

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もみじの若木の剪定方法

もみじの木が若いうちは、樹形をつくる剪定を行います。

①徒長枝や立ち枝をメインに切り、水平に伸びた枝を残す

樹形をつくる骨組みとなる枝を伸ばし、樹形からはみ出るような枝を切っていきます。

横に広がるように、水平に伸びた枝を残し、上方向に伸びた徒長枝や立ち枝は根元から切り落としましょう

②対生枝を互い違いに切り落とす

もみじを含むカエデ類は、枝や葉が1ヶ所から左右対称に生えてくる対生の性質を持っています。

互い違いになるように枝を切り落とすと、混み合いすぎずバランスの良い見た目になります。

細い枝を切るときも、枝の途中ではなくつけ根から切りましょう。

もみじの盆栽の剪定方法【図解】

ヤマモミジの盆栽

盆栽の剪定方法について紹介します。

葉透かし/葉刈り/葉切り

盆栽のもみじを剪定するときは、「葉透かし」と「葉刈り」「葉切り」をすることが多いです。

葉透かし

もみじの剪定方法(葉透かし)

葉透かしは、通気性を良くすることが目的です。大きく重なっている葉や枝を切りましょう。

葉透かしは、5~7月上旬に行うのがおすすめです。

葉刈り

もみじの剪定方法(葉刈り)

葉刈りは、盆栽の大きさを小さく整えたり、小枝を増やしたりします。葉の根元をハサミで切るだけでよいです。

葉刈りは負担が大きい剪定方法なので、葉透かしで定期的に手入れをするのがおすすめです。

葉切り

もみじの剪定方法(葉切り)

葉切りは、葉刈りができないくらい老いた盆栽にする剪定方法です。葉の先端を切るだけです。葉切りと葉透かしをセットで行うと、効率よく日光を得られます。

芽摘みも忘れずに

もみじの新芽
もみじの新芽

もみじの新芽が柔らかくなる4月頃に、ピンセットで芽摘みをしましょう。1つの芽だけを残して、残りは全て摘み取ります。

芽摘みをすることで、枝が太りすぎるのを防ぐことができます。

もみじの剪定方法(芽摘み)

もみじの剪定で失敗を防ぐコツ

もみじの剪定で失敗を防ぐコツをまとめました。

  • 夏の成長期に剪定しない
  • 暴れたもみじの木は冬まで待って強剪定
  • 枝の途中で切り戻さず、根元から切り落とす
  • 一度にたくさんの枝を切りすぎない
  • 適切な量の枝を剪定する

夏の成長期に剪定しない

夏場はもみじは休眠していません。枝をバサバサと落としてしまうと、かえって枝が伸びやすくなります。枝が急激に成長することによって栄養が枝に集中し、もみじの樹勢が弱まってしまいます。

結果、秋にきれいな紅葉が見られなくなるのです。コンディションを適切に保つために、夏場の大掛かりな剪定は避けた方がよいでしょう。

また夏場は、枝を切ると樹液(水分)がにじみ出てしまう点にも注意が必要です。

夏場はもみじにとって水揚げと呼ばれる時期に当たります。この時期に大きな枝を伐採すると、樹液が止まらなくなります。樹液の水分で、もみじの切り口が塞がりにくくなる点もデメリットです。

暴れたもみじの木は冬まで待って強剪定

夏の成長期に大きく剪定すると、反動で勢いよく成長する「暴れ」が起こってしまいます。剪定する時期と、剪定方法には十分気をつけてください。

暴れたもみじの木は、冬まで待って強剪定をしましょう。太い枝を切ることになるため、剪定後は切り口に癒合剤を塗ってくださいね。

枝の途中で切り戻さず、根元から切り落とす

枝をカットするときには、枝分かれしている根元から切り落としましょう

元気な枝を途中で切ると、そこから反抗するように複数の枝が伸びてきます。上や下、横にいくつかの枝が伸び放題になり、見た目が悪くなります。

そのため不要な枝は必ず根元から切り落とし、そこから新しい芽が出てこないようにしましょう。

一度にたくさんの枝を切りすぎない

木の成長力を越えて剪定すると、そのまま枯れてしまうこともあります。
複数回にわけて剪定することを心がけましょう。

適切な量の枝を剪定する

あまりにも切る量が少なかったり、剪定をさぼったりすると、もみじの木は枯れてしまいます。

剪定量が不足すると、通気性が悪くなったり、日が隅々まで当たらなかったり、栄養が足りなくなったりするからです。

もみじの剪定に必要な道具

もみじの剪定には剪定バサミ・太枝切バサミ・高枝切バサミ・ノコギリ・癒合剤があると便利です。

それぞれおすすめの商品もご紹介します。

剪定バサミ

  • 主に枝を切るときに使うハサミ
  • 頻繁に使うので、自分の手にフィットする切れ味のよいものを選ぶ
太枝切りバサミ

  • 不要な枝をバッサリ切るときや、太めの枝を切るときに使うハサミ
  • 「剪定バサミだけでは手が疲れるしノコギリでは時間がかかる」というときに便利
高枝切バサミ

  • 3m程度までの植木に最適
ノコギリ

  • 太い主幹を切るときに使う
  • コンパクトなタイプが便利
癒合剤

富士商事 カルスメイト|Amazon
富士商事 カルスメイト|Amazon
  • 主幹など大きな切り口に塗ると、水分や養分の流出を抑えられる
  • ペースト状のものがおすすめ

もみじを健康に育てるためのお手入れ

秋の禅林寺 (永観堂)の紅葉 ライトアップ 京都市左京区

もみじを育てていく上で、どのような点に注意すればよいのでしょうか。もみじを世話するポイントを見ていきましょう。

害虫や病気に弱いためケアが必須

害虫

もみじの木には、よく「カイガラムシ」や「アブラムシ」が繁殖します。どちらも木の汁を吸い、もみじの成長を妨げます。もみじが枯れてしまう前に、早急に専用の殺虫剤で駆除しましょう。

病気

もみじの木は「うどんこ病」と「黒紋(こくもん)病」にかかりやすいです。

うどんこ病
うどんこ病

うどんこ病は、葉が粉を拭いたように白くなる病気です。 カビが原因で梅雨にかかりやすいです。日当たりをよくすることで防ぐことができます。感染が広まる前に対処しましょう。

黒斑病(黒紋病)
黒紋病

黒紋病は、葉の表面に茶色や黄緑色のブツブツができる病気です。黒紋病もカビが原因で、夏にかかりやすいです。放置すると紅葉しなります。「ベンレート水和剤」という殺菌剤を使うとよいでしょう。

 定期的なお手入れを忘れない

もみじはデリケートな落葉樹ですが、「水やり」「肥料」「剪定」の3つをきちんとすれば、神経質になる必要はありません。水やりと肥料について説明します。

水やり

土の表面が乾いたら水やりをしましょう。冬は2~3日に1回、春と秋は1日1回、夏は1日2回が目安です。

肥料

肥料はもみじが休眠している1~2月に与えます。有機質肥料とゆるく長く効果が持続する緩効性肥料がおすすめです。

もみじの剪定はプロに依頼するのもおすすめ

「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。

庭木の剪定料金相場

単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。

庭木の高さ 1本あたりの料金相場 剪定ゴミの回収料金
1m以下 950~1,200円 950~1,200円
1~2m以下 1,900~2,400円 950~1,200円
2~3m以下 2,900~3,600円 950~1,200円
3~4m以下 4,200~5,400円 1,400~1,800円
4~5m以下 5,700~7,200円 1,900~2,400円
5~6m以下 8,600~10,800円 2,900~3,600円
6~7m以下 12,400~15,600円 3,800~4,800円
7~8m以下 16,200~20,400円 5,000~6,000円

※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出

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庭木の剪定をプロに依頼する流れ

庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。

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ミツモアでプロに仕事を依頼する流れの図解

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