ユキヤナギは、春になると庭先を真っ白に染めてくれる美しい庭木です。その美しさを毎年楽しむには、適切な時期に剪定をしなくてはなりません。美しい姿をキープするためのユキヤナギの剪定方法を三つ確認しましょう。


ユキヤナギの剪定時期は4月下旬~5月上旬と11月~2月
落葉樹であるユキヤナギの剪定は、樹木の休眠期にあたる11月~2月と、開花後の4月下旬~5月上旬に行います。
11~2月:間引き剪定し、ひこばえを取り除く
落葉後の11月から2月は、不要な枝や枯れ枝、樹形を乱す枝を処理する間引きを行うのがおすすめです。混みあった枝や内向きに生えた枝、ひこばえなどを切り取りましょう。
ただしこの時期にはすでに花芽が形成されているため、強く剪定する必要はありません。枝のバランスをよく考えつつ、花芽を切り落とさないよう注意して剪定しましょう。
4月下旬~5月上旬:伸びた枝を切る
ユキヤナギの強剪定の時期は花が咲き終わった4月下旬~5月です。
2~3年に一度、開花後にすべての枝を地際から切り取り、新しい枝に更新しましょう。枝を全て切り取らない年は、5月ごろに樹冠から飛び出してしまっている枝のみを、つけ根から切り取って樹形を整えます。
古くなった枝や細い枝が多いと花つきが悪くなってしまうため、この時期の剪定は欠かさず行いましょう。
ユキヤナギの剪定方法
冬剪定の方法
冬剪定では、内向きや絡み合った枝などの不要な枝や、混み合っている枝を根元から切り落とす「透かし剪定」を行い、風通しや日当たりを改善します。
不要枝の見分け方は以下を参考にしてください。
不要枝の種類 | 不要枝の特徴 |
---|---|
ふところ枝 | 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。 |
かんぬき枝 | 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。 |
逆さ枝 | 幹に向かって伸びた枝。 |
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝。 |
下り枝 | 下に向かって伸びた枝。 |
絡み枝 | まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。 |
徒長枝 | 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。 |
車枝 | 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。 |
平行枝 | 同じ方向に伸びる上下2本の枝。 |
胴吹き枝 | 幹から新たに直接伸び出した枝。 |
ひこばえ | 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。 |
不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。
- 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
- 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
- 平行枝・胴吹き枝
- 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
- ひこばえ
- 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は切り取る
不要な枝を一通り切り落としたら、全体のバランスを見ながら、混み合った部分を間引きます。ユキヤナギは枝が混みやすいので、枝数をある程度減らすことを意識しましょう。
具体的なバランスのとり方は以下が目安です。
- 主幹から四方にバランスよく枝が広がった状態にする
- 枝と枝の間隔をどこから見てもなるべく均等にする
この時期には翌年に咲く花芽がついているので、透かした後の枝に花が咲く様子をイメージして枝の量を整えます。
春剪定の方法(4~5月)
ユキヤナギは株が古くなってくると花つきが悪くなります。春にユキヤナギの花が咲き終わったら、すべての枝を幹の根元から切り取り、株をまるごと更新しましょう。
2~3年に一度のペースが目安ですが、株を大きくしたくない場合は毎年行います。
切った直後はみすぼらしく見えるかもしれませんが、元気なユキヤナギであれば、時期が来れば再びたくさんの花を咲かせてくれます。
夏剪定の方法(5~6月)
春に地際からの切り戻しを行わなかった場合は、夏に伸びた枝の剪定を行います。
樹冠から飛び出している枝をつけ根から切り落としましょう。
このとき枝の途中で切り戻してしまうと、そこからいろんな方向に枝が伸びてきてしまい、樹形が乱れます。
ユキヤナギの剪定に必要な道具
自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。
道具 | 用途 |
---|---|
剪定バサミ![]()
|
枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安) |
植木バサミ |
特に細かい枝の切断に使用する |
剪定ノコギリ![]() |
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する |
園芸用の脚立![]() |
高い位置の枝を切るときに使用する 屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ |
園芸用の手袋![]() |
作業中の手を守る 軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ |
癒合剤![]() |
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る |
他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。
ユキヤナギの増やし方
剪定で切り取った枝を挿し木にする
ユキヤナギは生育環境をあまり選ばないため、初心者でも比較的簡単に挿し木で増やすことができます。
時期 | 3月ごろ |
---|---|
手順 |
|
注意点 | 秋に挿し木を行うと、冬に苗木が枯れてしまうことがあるので注意 |
「株分け」による増やし方
大きく成長したユキヤナギなら株分けで増やすことも可能です。
時期 | 2~3月/10月~11月 |
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手順 |
|
注意点 | 株の成長が早いので根詰まりを起こさないよう広めに間隔を取って植える |
ユキヤナギの上手な育て方
ユキヤナギを元気に育てるために覚えておきたいポイントを紹介します。
育てやすいといわれるユキヤナギですが、適切な管理の下で育てればユキヤナギを長持ちさせることができるでしょう。
日当たりと風通しの良い場所に植えよう
基本的に丈夫な植物ですが、たくさんの花を開花させるには日当たりと風通しの良い場所が良いです。
また、成長速度が速く、株も増えやすい植物なので広いスペースを用意できるとよいでしょう。密生した場所に植えると風通しが悪くなり、病害虫の原因になります。
土づくり、水やり、肥料のやり方のポイント
ユキヤナギは日ごろのこまめな手入れは不要です。その分、常に適切な環境を与え続けられるよう観察しておくことが大切です。
土づくり | 長期的な湿度に弱いため、水はけのよい土を保つ |
水やり | 長期的に乾燥する場合を除いて、水やりは不要 |
肥料のやり方 | 花が咲き終わったころに緩効性の化成肥料をやる
1月~2月に寒肥をやる |
ユキヤナギの剪定はプロに依頼するのもおすすめ
自分で剪定するのが不安な場合には、プロへの依頼がおすすめです。最初はプロのやり方を観察することで、剪定のコツをつかむことができるかもしれません。
庭木の剪定料金相場
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
庭木の剪定をプロに依頼する流れ
庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。
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