ノウゼンカズラはオレンジ色の花が印象的なつる科の植物です。ポールやフェンスに誘引することで自分好みの形を作れるため、庭木として一定の人気があります。
本記事ではノウゼンカズラの剪定時期や仕立て方、お手入れの方法などを紹介します。
ノウゼンカズラの剪定時期は3月と9~10月
ノウゼンカズラは3月の暖かくなってきたころに「切り詰め剪定」など強い剪定を行い、9~10月の夏に不要な枝を取り除く「透かし剪定」を行いましょう。
ノウゼンカズラの花は春に新しく生えてくる枝に咲くため、3月までであれば花芽を気にせず剪定ができます。また3月に強剪定を行えば、新枝の生長も勢いづき、長期間オレンジ色の美しい花を楽しむことが可能です。開花中にどうしても剪定をしたい場合は、根本から切って負荷をかけすぎないよう注意しましょう。
ノウゼンカズラの剪定に必要な道具
- 剪定用手袋
- 剪定ばさみ
- 剪定用ノコギリ
- 脚立
剪定用手袋
ノウゼンカズラを剪定する際は剪定用の手袋を着用することをオススメします。ノウゼンカズラの花の蜜には「ラパコール」という毒が含まれており。手や目、口に触れてしまうと危険です。そのため剪定時は手袋はもちろん、マスクやゴーグル等も装着しておくとさらに安心できます。
剪定ばさみ
ノウゼンカズラのような細い枝を剪定するなら剪定ばさみが便利です。ペンチのような形をしており、切る際に握りこんで使う形状が多く、力が伝わりやすいように設計されているので、女性の方でも軽く握るだけで剪定できます。
握りの部分やサイズは多種多様にあるため、手の大きさに合わせて選ぶと良いでしょう。
剪定用ノコギリ
剪定バサミでは切れないような太い枝を切って、樹形を整える際は剪定用ノコギリを使いましょう。ただし強剪定はノウゼンカズラ大きな負担をかけるので3月に行いましょう。そのうえやりすぎには注意が必要です。
剪定用のノコギリは角材を切るような大きいノコギリではなく、軽量で持ち運びがしやすいので、脚立に乗りながら太い枝を切るときにも役立ちます。また折り畳み式や電動式、ピストル式といった剪定ノコギリもあるので、自分にあったものを探すと良いでしょう。
脚立
ノウゼンカズラはつる性の植物ですが、高さは大きいと6m を超えていきます。また壁伝いに誘引している際なども剪定時に脚立が必要になってくるかもしれません。
脚立を使った剪定は滑落の危険があります。使う前には月台には乗らないことや、ロックをしっかり確認するなど注意事項を見ておくことが大切です。慣れていない場合はプロに依頼して剪定してもらった方が安全でしょう。
ノウゼンカズラの剪定方法
ノウゼンカズラは「切り詰め剪定」や「透かし剪定」のほかにつるを誘引して様々な形に仕立てる剪定があります。誘引の仕方次第ではアーチ型などを作れるため剪定の醍醐味を味わえるでしょう。
伸びすぎた枝を切る「切り詰め剪定」のやり方
切り詰め剪定は3月に行う剪定です。葉が生え始める前に前年伸びすぎた枝を切り詰めます。新しい枝を多く出したい場合は付け根から3節ほど残して剪定しましょう。根元から切っても新しいつるが伸びるため問題ないです。
不要な枝を切る「透かし剪定」のやり方
9~10月の夏は不要な枝を取り除く透かし剪定を行いましょう。混みあって風通しを悪くしている枝や徒長枝などを切っていきます。風通しを良くすることで、花付きをよくしたり害虫対策の一環となったりします。
|不要枝の種類|枝の説明|
①腹切枝 | 幹と交差する太い枝。 |
②交差枝 | 他の枝と交差してしまっている枝。 |
③平行枝 | 複数の枝が平行に伸びてしまっているもの。 |
④車枝 | 枝の一部から多数の枝が出ているもの。 |
⑤懐(ふところ)枝 | 幹付近から伸びた弱々しい枝。害虫の温床になりやすい。 |
⑥ヤゴ・ひこばえ | 樹木の根元から生えてくる枝。 |
⑦下がり枝 | 垂れ枝ともいい、下に向かって伸びている枝。 |
⑧からみ枝 | 枝が絡み合ってしまっているもの。 |
⑨徒長(とちょう)枝 | 真上に伸びすぎてしまった枝。雨風で折れやすい。害虫の温床にもなりやすい。 |
⑩かんぬき枝 | 主幹を挟んで左右対称に生えている枝。樹形のバランスを考え、どちらか一つを剪定する。 |
⑪逆さ枝 | 幹に向かって生えているもの。 |
スタンダード仕立てとアーチ仕立てのやり方
スタンダード仕立ては太めのポールや支柱を立てつるや枝を絡ませる最も一般的な仕立て方です。枝が垂れていると花が付きやすくきれいに咲き続けます。また下部の枝は切り取っておくとより美しく見えるのでオススメです。
他にも支柱をアーチ状に立て、ノウゼンカズラを絡ませることで、きれいなアーチ仕立てにすることも可能です。花が咲くとオレンジ色のきれいなアーチが作れます。
ノウゼンカズラを剪定するときの注意点
ノウゼンカズラは生長力が非常に高く、正しく管理していないと外壁に根が張り付き、取り除けなくなってしまうことがあります。また冒頭で紹介した花の蜜に含まれる毒にも注意しなければなりません。
建物の壁近くや基礎に届かないよう剪定する
ノウゼンカズラは誘引していないと、壁や堀に張り付き根を巡らせます。一度外壁などに根付くと取り除くのが非常に困難で、外壁や基礎の材質によってはえぐられてしまうことがあります。
また上方向にノウゼンカズラが伸び、伝線などに絡んでしまうと、大きな事故になりかねないため、ノウゼンカズラを植えてから放置するといったことは絶対に避けましょう。
ノウゼンカズラの毒には細心の注意をする
冒頭でも紹介しましたがノウゼンカズラの花の蜜には「ラパコール」といわれる毒が含まれており、手に触れると軽いかぶれ、粘膜に触れると嘔吐やめまいなどといった症状が発症する場合があります。剪定や花がらを摘む際はゴーグルやマスク、手袋をしてから行うようにしましょう。
ノウゼンカズラのお手入れ方法
ノウゼンカズラは生命力が強く、害虫や病気によって完全に枯れてしまうケースはほとんどありません。ただし誘引や植える場所にはいくつか大事なことがあります。
つるは支柱やフェンスで誘引する
ノウゼンカズラを植えたらその上に支柱やフェンスなどを立てて、誘引先を作りましょう。何も絡みつく先がないと地面を這って育ち外壁や基礎に張り付いてしまいます。伸びたつるが絡まってきたら、紐や針金などで固定すると良いでしょう。
誘引する際は枝が下向きに垂れるようにしてあげると、つぼみが下向きにつき花が開花しやすくなります。ノウゼンカズラは一度巻き付く先が決まると、再び別の支柱などに誘引することが出いません。そのため最初の誘引先が重要であることを記憶に留めておきましょう。
日が当たらないと花が咲かないため植える場所に気を付ける
ノウゼンカズラの花は日光があり、つぼみが下向きについていないと咲きません。そのため植える位置はしっかりと日が差すところにしましょう。また枝が垂れるように剪定すると花芽が下向きにつき多くの花が開花します。
咲き終えた花がらはすぐに摘む
咲き終えて萎れたノウゼンカズラの花がらは摘みましょう。放置していると見た目が悪いうえ、病気の原因にもなりえます。見つけたらどんどん取り除いていきましょう。
ノウゼンカズラの病気・害虫対策
ノウゼンカズラは基本的に害虫や病気の心配をする必要はありませんが、アブラムシなどが大量発生することがあります。
アブラムシが増えすぎないように駆除する
アブラムシは植物に寄生し栄養を吸い取り、生長を邪魔する害虫です。アブラムシがノウゼンカズラに住み着いていたら、園芸用の殺虫スプレーなどを使い駆除しましょう。
木酢液や黒酢などはアブラムシを駆除することはできませんが、寄せ付けないよう予防につなげることができるため、予防薬として大変便利です。
業者にノウゼンカズラの剪定を依頼する場合の費用相場
剪定を業者に依頼する場合、費用の算出方法は2パターンあります。
日当制の場合は職人の単価×日数で金額が計算されます。日当制の相場は1日あたり1万5000~2万円です。職人のレベルや経験によって単価は大きく異なるのでチェックしておきましょう。
単価制の場合1本あたりの木の大きさで料金が変わります。たとえば高さ3m以下なら1,000~5,000円、4~7mであれば8,000~2万円が相場です。7mを超えてくると高所作業車などを使う必要がでてくるため、プロと相談しながら料金を決めることになるでしょう。
また剪定を依頼する際は果樹の剪定経験が豊富なプロなどに依頼すると良いでしょう。また見積もりはミツモアなどを使って、複数業者からもらい、サービスや費用を見比べながら決めるのがオススメです。
高さ | 費用相場 |
---|---|
3m以下 | 1,000~5,000円 |
4~7m | 8,000~2万円 |
7m以上 | 要相談 |
ノウゼンカズラの剪定に困ったらプロに依頼を
「ノウゼンカズラを綺麗に仕立てたい」「生長しすぎて手が付けられなくなりそう」といった方はプロに依頼して剪定をしてもらうのがオススメです。依頼者は労力と時間の節約になるうえ、ノウゼンカズラに大きな負荷を与えてしまう心配も少ないでしょう。
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