松を剪定するのに適した時期は?
松の剪定は春と秋の年2回行うのが良いとされています。年に2回も行うのはめんどくさいという方は、初夏に1回だけ行う剪定がおすすめです。
剪定を業者に依頼すると料金はいくらかかる?
単価制の場合は、樹の高さや種類によって差はありますが、松は1本あたり1万5,000~2万円程度。日当制の場合も職人の技能によって金額は異なりますが、1人あたりの1日の金額は1万5,000~3万円が相場です。
松の剪定は春と秋の年2回行うのが良いとされています。年に2回も行うのはめんどくさいという方は、初夏に1回だけ行う剪定がおすすめです。
単価制の場合は、樹の高さや種類によって差はありますが、松は1本あたり1万5,000~2万円程度。日当制の場合も職人の技能によって金額は異なりますが、1人あたりの1日の金額は1万5,000~3万円が相場です。
松の新芽を「ミドリ」といい、これを摘み取って間引くことを「ミドリ摘み」といいます。松には1ヶ所から数本の新芽が出る性質がありますが、すべて伸ばすとすぐに枝が混み合って樹形が乱れてしまうので、新芽がやわらかい春のうちに、2~3本残して付け根から摘み取ります。
「もみあげ」は松の古葉をもんで手作業でしごき取ることです。その年に新しく伸びた葉を残し、古い葉を取り除いて木の内部まで日が当たるようにします。このタイミングで、枯れた枝や混み合ってきた枝の透かし剪定も行います。
一般的に、松の剪定は春(4~6月)と秋(10~12月)の年2回行うのが良いとされています。ただし、年2回も剪定するのが難しい場合は、秋に行うのがおすすめです。古い葉の除去とあわせて、春にできた新芽がある程度伸びてから間引きます。
「庭に生えた松はきちんと管理したいが、年に2回も剪定するのが大変」という方は、秋に1回だけまとめて行いましょう。庭師に依頼する場合も、回数が年1回減るので、約15,000~30,000円ほど節約できます。
松の剪定に必要な道具や費用相場は以下の通りです。
道具 | 相場 | 使用目的 |
剪定バサミ | 約2,000円 | 太い枝を切る
一般的なハサミで松の枝を切ることは出来ない |
木バサミ | 約2,000~5,000円 | 細い枝を切る |
剪定ノコギリ | 約1,500~2,000円 | 剪定バサミでは切れない太くて固い枝を切る |
脚立(剪定用) | 約15,000~25,000円 | 高い場所に登る |
ゴミ袋 | 約1,000円~1,500円 | 切り落とした枝をまとめる |
手袋 | 約1,000~3,000円 | 手の保護
素手で作業をすると、かぶれを引き起こす可能性あり |
作業中は汚れてもいい服装を選び、安全を第一に考えた服を着ることが重要です。必ず長袖長ズボンを着用し、できるだけ肌が露出しないようにしましょう。
また、松の木の剪定では、衣類に必ずマツヤニ(松脂)が付着します。洗濯しても簡単には落ちないので、捨ててもよい服の着用をおすすめします。
切った枝葉が降りかかってくる場合に備えて帽子も被り、動きやすい靴を履いて作業することも大事です。
新芽が出る4~5月の春に、「ミドリ摘み」という作業をします。「ミドリ摘み」とは新しく出てきた新芽をかき取る作業です。
剪定方法 |
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新芽は時間が経つにつれて硬くなるため、手で摘み取れるくらい柔らかいうちに剪定します。硬い新芽は作業がしにくいため注意してください。
松が休眠する11~12月に、「もみあげ」と「透かし剪定」という剪定作業をします。それぞれの剪定方法について以下で詳しく紹介します。
もみあげでは、元気な葉や枝が十分に日光に当たるために枯れたり古くなったりした葉を除去します。これを行うことで、松の葉に密集する害虫の寄生を防ぐことができるのです。
剪定方法は簡単で、先端にある新しい葉を左右7~10枚ずつ残し、残りの葉を手でこするように取り除く(しごく)だけです。
松の葉が生い茂っていると、枝葉に十分な日光が当たらなくなってしまいます。また、生長を阻害する不要な枝が生えてきます。透かし剪定により、重なっている葉や不要な枝は切り落とすようにしましょう。
上記の写真のように葉同士が重なり合っている場合は、通気性を浴したり、日光を十分に当てるため、何本か間引くようにしましょう。また、根元部分から3分の1程の葉を取り除くことも忘れないでください。
不要な枝 | 特徴 |
ふところ枝 | 幹のそばで成長する |
車枝 | 1ヶ所から四方に枝が伸びる |
平行枝 | 複数の枝が平行に伸びる |
絡み枝 | 枝どうしが絡まっている |
逆さ枝 | 内側に向かって伸びる |
ひこばえ | 木の根元から伸びる |
胴吹き枝 | 幹や枝の中間に芽を吹いている |
下り枝 | 下に向かって伸びる |
かんぬき枝 | 左右対称に伸びる |
徒長枝 | 上に向かって真っすぐ伸びる |
上記の枝は、不要な枝であるため積極的に切るようにしましょう。
注意したい不要な枝は「平行枝」や「絡み枝」「かんぬき枝」です。必要な枝と不要な枝が平行になっていたり、絡みあっていたりするため、どちらの枝を切るべきなのか判断が難しいです。
このような時は「勢いのある枝を残して、もう一方は切る」と覚えておくと良いでしょう。
「松のお手入れをサボってしまった」「長い間留守でお世話できなかった」という方もいるのではないでしょうか。伸びすぎた松を小さく剪定する方法を紹介します。
主幹や太くなった枝は、ノコギリで切ります。樹皮も綺麗に切り落とすために、ノコギリは2回に分けて切る必要があります。
手順 |
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一度に多くの枝を切る「強剪定」を行うと、松に負担がかかってしまいます。3回に分けて小さく剪定するようにしましょう。
松の木を放置すると、枯れた枝葉だらけの雑木になってしまいます。枯れた葉を取り除くときは、元気な葉や枝、芽に触れないようにつまみ出すのがコツです。伸びすぎた松は栄養が不足している状態なので、芽に少し触れただけでも負担になってしまいます。
松の剪定は難易度が高い作業です。職人の間では「松の剪定ができれば一人前」といわれるほどです。
残すべき枝の選別には経験が必要で、手間もかかります。誤った剪定をすると松を枯らしてしまうため、素人が剪定をするのはリスクが高いです。
また、松の剪定は、脚立やはしごを使って高所で作業をしなければなりません。慣れている人にとっても非常に危険です。
作業中に思わずバランスを崩して、打撲や骨折をしてしまうケースは少なくありません。
松を剪定する際のポイント |
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松の剪定は、「上から下」「奥から手前」の順番で作業するのが望ましいです。
松の枝は、見た目の力強さとは裏腹に、とても脆(もろ)いです。剪定で枝を整理したときに、上から枝が落ちると、その負荷で下部の枝が損傷してしまいます。
また、枝や葉の奥から手前に向かって作業をしましょう。根元部分を剪定するとき、手前部分に手やハサミが当たり損傷してしまうからです。
剪定をするときは、枝をY字に揃えることを意識しましょう。枝が3方向に伸びている場合は真ん中の枝を切り、2本の枝がY字に伸びるように剪定してください。
それぞれの枝をY字に仕上げることで、松の木全体のバランスが格段に良くなります。
枝分かれしていたとしても、同じような向きに伸びた枝が多いと単調な印象を与える樹形になってしまいます。
将来の樹形に大いに関わる作業なので、面倒がらずに、多様な視点で見つめながら剪定を進めます。
剪定する枝を「遠くから」「上から」「下から」確認しましょう。それぞれの目的は以下の通りです。3方向から見ることで、残すべき枝を見極めることができます。
目的 | |
遠くから | 木全体と枝とのバランスを見るため |
上から | 枝の向きをチェックし、伸びていく方向をイメージするため |
下から | 枝どうし重なっていないか確認するため |
よくある失敗例 |
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樹形のバランスが悪い原因は主に2つあります。
不要な枝を取り除かないと、あっという間に樹形が崩れてしまいます。特に「絡み枝」や「下り枝」「徒長枝」を見つけたら、切り落としましょう。
樹勢(樹木の生長する勢い)が強い場合は、透かし剪定の回数を増やしましょう。秋冬の休眠期であれば剪定をしてもよいです。
枯れ葉や枯れ枝が増える原因は、枝葉同士の密集している部分を取り除けていないことが挙げられます。枝葉が密集すると日当たりや通気性が悪くなり、生長が鈍くなったり、枯れてしまったりするのです。
密集部分がないか複数の角度から確認をすることで、枯れた葉・枝が増えるのを防ぐことができます。
日本でよく見られる「五葉松」「赤松」「黒松」の特徴をお手入れのコツについて紹介します。
「五葉松」は姫子松ともいい、比較的小柄な種類といえます。そのため、庭木として植えられるだけでなく、盆栽としても広い人気を集めている品種です。
深い褐色の幹が黒松と似ていますが、松葉ひとつにつき5cmほどの針が5本ずつ付く点に違いがあります。卵のような楕円形をした松かさも独特です。
五葉松は蒸れやすいため、透かし剪定をきちんと行い、風通しを確保することが重要です。また、水を与えるときは、地面が完全に乾いてからにするとよいでしょう。
「赤松」は雌松とも呼ばれ、数ある松の中でも日本で目にする機会が最も多い種類です。幹全体が赤茶色であることから、赤松と名づけられています。
とても柔らかな葉を持ち、細くスラリとしている点に特徴があります。繊細さを感じさせる姿で、独特の美しさを備えた松です。
赤松は夏に樹勢がなくなりやすいため、必要に応じて肥料を与えてください。水の管理も重要です。寒さに強いため、冬に特別なお世話をする必要はありません。
雄松の別称もある「黒松」は、海岸沿いに植栽されるケースが多いです。とても丈夫で、松の中では幅広い環境に対応する力を備えているのです。
葉は硬く、先が尖っている形状のため、肌に触れると痛みを感じます。枝が太い点も特徴的で、手入れの仕方次第では高さ40mを超える場合もあるほどです。
黒松は耐寒性も耐暑性もありますが、他の種類と比べて害虫に弱いです。害虫に寄生される前に、薬剤を使用して病気・害虫の対策を行っておきましょう。
松は一度剪定したら二度とその場所から新芽が芽吹かないので、樹形を美しく作るのがとても難しい庭木です。今後の樹形づくりを意識した剪定は、プロの植木屋・庭師に依頼するのがおすすめです。
松は定期的なお手入れが必要な庭木です。剪定を依頼する場合は、長く付き合える業者を選びましょう。次のような点を考慮して選ぶことをおすすめします。
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リスクを極力減らしたいという方は、松の剪定を業者に依頼しましょう。