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ツツジの剪定は花後の5~6月に!刈り込みと間引きで樹形を整えよう

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最終更新日: 2024年06月28日

ツツジは生垣として民家、公共施設問わずよく植えられている植物です。元々日本に自生しており、自然樹形のままでも育ちますが、庭で育てるなら、樹形を整え、大きさを調整するための剪定が欠かせません。剪定には栄養を集中させて花付きをよくする効果や、風通しをよくして病害虫を防ぐ効果もあります。

この記事ではツツジの剪定時期や方法について解説します。

ツツジの剪定時期は5~6月がベスト

丸く刈り込まれたツツジ、満開

ツツジの剪定に適した時期は5~6月頃です。ツツジは4~5月頃に花を咲かせ、咲き終わってすぐに翌年咲く花芽を付けはじめます。この新しい花芽を切り落とさないために、開花が終わった直後の6~7月頃に剪定するのがベストです。

なお翌年は花が咲かなくても構わないということであれば、花芽が付いてから剪定しても問題ありません。ただし本格的に暑くなってからは、剪定するとツツジに負担がかかり、枯れるリスクもあるので注意しましょう。

ちなみによく庭に植えられる園芸用のツツジは、ほとんどが年中葉をつける常緑性のツツジです。冬に葉が枯れ落ちる落葉性ツツジの場合は、ほぼ剪定する必要がないとされているので注意しましょう。

落葉性のツツジは枝分かれが少なく、萌芽力も弱いとされていて、必要以上に剪定すると弱ってしまいます。基本は自然の樹形を保ち、大きくなりすぎたときに余分な枝だけ剪定しましょう。剪定時期は常緑性のツツジと同じく5~6月です。

秋~冬の剪定は必要最低限に

基本的に秋~冬にツツジの剪定をするのはおすすめしません。前述したとおり、次の年に咲くツツジの花芽を切り落としてしまうからです。

とはいえ不格好に伸びてしまう枝もあります。秋~冬にツツジの樹形を整えたいときは、周りの枝から飛び出た枝だけを切るようにしましょう。

枝を切るときは、周りの枝よりも短くなるように切りましょう。周りの枝と長さをそろえてしまうと、切り口から新しい枝が成長し、すぐにまた樹形が乱れてしまいます。

ツツジの1種である「サツキ」の剪定時期も同じ

サツキの花

サツキは正式には「サツキツツジ」と言って、ツツジの1種にあたります。見た目も似ていますが、開花の時期や花芽をつける時期もほぼ同じなので、剪定は5~6月頃におこないます。

ただしサツキの方が開花時期が遅いとされているので、ツツジよりも剪定に適した期間は短いです。花が落ちたらすぐに剪定しましょう。

ちなみにサツキは常緑性なので、常緑性のツツジと同じ剪定方法で枝葉を切ることができます。

関連記事:つつじとさつきの違いは?特徴や見分け方、育て方 | ミツモア

ツツジの剪定に必要な道具

ツツジを剪定するための道具を用意しましょう。おもに以下のものを用意します。

  • 刈り込みバサミ
  • 剪定バサミ
  • 軍手、ブルーシート、ゴミ袋など

ネットショッピングでも購入できますが、初心者の方はホームセンターなどで実際に触れて、自分の手のサイズに合ったものを選ぶのがオススメです。

刈り込みバサミ

高儀 TAKAGI アルミパイプ柄 総焼入れ|Amazon
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刈り込みバサミは、一度に広い範囲を切れる剪定道具です。ツツジ全体のバランスを見ながら枝をまとめて切り、樹形をキレイに整えていきます。

上画像の製品ように、1,000円前後で購入できる刈り込みバサミも多いです。柄がアルミ製なので軽くて持ちやすく、作業しやすいでしょう。

剪定バサミ

FORESIA 剪定ばさみ|Amazon
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剪定バサミは、庭木や植物をカットするのに適した、切れ味のよいハサミです。普通のハサミを使うと枝の切り口がつぶれてしまい、ツツジにダメージを与えてしまいます。

2,000円前後で購入できる剪定バサミもあるので、握りやすいサイズのものを探してみましょう。上画像の製品のように、フッ素コーティングで錆びにくく、開き幅を調節できる高機能な剪定バサミもあります。

軍手、ブルーシート、ゴミ袋

剪定、ブルーシートの上の枝を片付ける人

切った枝や葉でケガをしないように、軍手やゴム手袋は着用しておきましょう。また剪定するツツジの下にブルーシートを敷いておくと、地面が汚れず片付けしやすくなります。

燃えるごみとして捨てられる地域であれば、自治体指定のゴミ袋を用意しておきましょう。ただし地域によって切った枝の捨て方は違うので注意してください。

ツツジの基本的な剪定方法

ツツジの剪定方法はおもに以下の3つです。

剪定方法 目的
刈り込み剪定 表面を切りそろえて樹形を整える
透かし(間引き)剪定 不要な枝を切って風通しや日当たりを良くする
切り戻し剪定 木の大きさを調整する(毎年やる必要はない)

ちなみに落葉性ツツジの場合は、刈り込みをせずに間引きから行います。

ツツジ以外にも数種類の庭木を育てている場合は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:庭木の剪定・手入れ方法!最適な時期や頻度、目的に応じた切り方のコツを解説! | ミツモア
参考:ツツジの育て方|住友化学園芸

樹形を整えたいとき:刈り込み剪定

ツツジの刈り込み剪定

まずは刈り込みバサミを使い、全体の形を整えていきましょう。落葉性ツツジの場合はこの工程を飛ばし、次の間引き剪定から始めてください。

刈り込み剪定のポイント

  • 刈り込む前に樹形のイメージを固めておく
  • 理想の仕上がりよりも3cmほど小さく刈り込む
  • 下から上に向かって刈り込む

刈り込む前には、ツツジをどんな形・大きさにするかイメージしておきましょう。ツツジの理想の樹形は「丸型(玉仕立て)」もしくは「四角型(角仕立て)」です。庭木なら丸く刈り込むのが一般的ですが、生垣であれば四角く切るのもよいですね。

ツツジは成長が早いため、イメージした仕上がりよりも3㎝ほど短く切るのがコツです。イメージ通りの長さにすると、翌年にはすぐに枝が伸びて不格好になってしまいます。少し難しいですが「少し枝が伸びたくらいにイメージどおりの形になる」よう意識してみましょう。

また刈り込みは「下から上へ」切っていくのがバランスよく切るコツです。頂部のほうが生長しやすいので、下部は深く刈り込みすぎず、頂部に向かって緩やかに丸みを作っていきましょう。

刈り込みすぎるとスカスカに見えてしまい、かえって見栄えが悪くなるので注意。また花芽が付く枝まで切ってしまうと、翌年の花付きが悪くなる可能性があります。

関連記事:失敗しない刈り込みのコツ!剪定との違いや正しい手順を解説 | ミツモア

風通しや日当たりをよくしたいとき:透かし剪定(間引き剪定)

透かし剪定のイメージ

刈り込みで外側の形をある程度整えたら、内側の不要な枝を切って透かし剪定(間引き剪定)をします。ツツジ全体への風通しをよくする剪定方法です。

枝が密集して風通しが悪くなると、湿気がこもることで病気につながったり、害虫が出たりする原因に。樹の健康を維持するためにも、間引きは必要なのです。

不要な枝の種類と見分け方

このように生えている枝はほかの枝の成長を阻害したり、樹形の乱れの原因になったりするので、切っても構いません。

不要な枝を剪定するときの見分け方

不要な枝の例

  • 枯れている枝
  • 内向枝:内側に伸びている枝
  • 絡み枝:他の枝と絡んでいる枝
  • 平行枝:すぐ近くの枝と平行に伸びている枝
  • ひこばえ:主枝近くの地面から生えた不要な枝

間引き剪定のときは、不要な枝を付け根ぎりぎりでカットするのがポイント。生え際が残りすぎると再び枝が伸びて、ツツジの樹形が乱れる原因になります。

ツツジの大きさをおさえたいとき:切り戻し剪定

切り戻し剪定のビフォーアフター

切り戻し剪定とは、枝の半分~3分の1程度を目安に途中で切り、木の生長を調整する剪定方法です。

不要な枝ではない枝を大きく切るので、ツツジに負担がかかるうえ、剪定も手間がかかります。毎年やる必要はないので、ツツジの生長具合をみながら行いましょう。

ツツジは手入れをせずに放っておくと3~4mほどの高さまで育ち、花付きが悪くなります。花付きを良くするには、1~1.5mほどの高さに整えるのがおすすめです。

切り戻しで切る枝には、新しい枝が伸びてくる芽が付いているので、切り落とさないように注意しましょう。残す芽より1~2cmほど上を切ることで、切り口から新しい枝が出てきて、樹が元気に育ちやすくなります。

また剪定時期が遅くなってしまうと花を咲かす芽が付いていることも。その場合、花芽を切り落とすと花が咲かなくなってしまうので、残すようにしましょう。

ツツジを剪定するときのコツ

剪定をするときは、ツツジ全体の形をバランスよく整えるのが大事です。剪定中にはつい1か所だけに注力してしまい、一歩下がって全体を見たときにいつのまにか形が崩れていることがあります。

こまめに少し離れた位置から観察して、ツツジの形がキレイな丸形(または四角)になっているか確認しましょう。

そのほかのコツは前述してきたとおりですが、「芽や花芽を落とさない」ことをとくに意識して、生長したときの大きさ・形をイメージしながら剪定しましょう!

ツツジの花を咲かせるためのお手入れのコツ

ツツジをお手入れするには、以下のようなポイントに気を付けましょう。

  1. 適度に日が当たっているか確認する
  2. 土を乾燥させない
  3. 肥料を与えすぎない
  4. 害虫対策をしておく
  5. 剪定の時期を間違えない

それぞれについて詳しく紹介します。

①適度に日が当たっているか確認する

ツツジは日陰に置いておくと、光合成がうまく行えず花付きが悪くなります。そのため日の当たる場所に置いておくのが良いでしょう。

ただし夏場の直射日光は葉を焼いてしまいます。夏は、半日ほど陰に隠れるような場所に置いておくのがベストです。夏以外の季節であれば、ずっと日光の当たる場所でも大丈夫です。

②土を乾燥させない

ツツジは地表の近くに根を張るうえ細いので、土の乾燥に弱い性質があります。水をよく吸うことで生長できるので、とくに夏は1日2回の水やりを欠かさないようにしましょう。夏以外の季節は、土が乾燥したタイミングで水を与えればOKです。

③肥料を与えすぎない

基本的にツツジは肥料を与えなくても問題なく育ちます。前述したように根が浅いこともあり、肥料のやりすぎは「肥料焼け」につながるので注意しましょう。肥料焼けすると、場合によっては枯れてしまうこともあります。

ツツジに肥料を与えたい場合は、「休眠期に入る1月」「花が落ちたあとの5~6月」「株が充実する9月」のタイミングでおこないます。

即効性のある成分や、強すぎる成分は避けるようにして、幹からなるべく遠い場所に施肥をしましょう。

④害虫対策をしておく

ツツジにはアブラムシ、ゾウムシ、ハバチ、ハダニ、ケムシなどの害虫がつきます。害虫に葉を食べられて穴だらけになってしまう前に、害虫対策をしておきましょう。

住友化学園芸 殺虫殺菌剤 GFオルトランC|Amazon
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こちらの製品のように、園芸用の殺虫剤を使用しましょう。オルトランやスミチオンといった殺虫成分を、スプレーで手軽に吹きかけることができます。

また「うどんこ病」「黒星病」などの植物の病気に効くサプロールという成分も配合しているので、病気予防も可能です。

⑤剪定の時期を間違えない

ツツジは花が咲き終わってから次の芽がつくまで、期間が非常に短い植物です。芽がつく前に剪定をしておかないと、翌年に咲くはずだった芽まで切り落としてしまう可能性があるので、花付きが悪くなる可能性があります。

ツツジ自体そこまで剪定を必要とする植物ではないですが、剪定する場合は時期を見誤らないように注意しましょう。

挿し木でツツジを増やす方法

挿し木の手順を説明している図解

挿し木とは、ツツジの枝葉を地面にさして植えること。6~7月ごろにツツジの枝に新芽が付くので、その枝を使って鉢植えで育てるのです。

挿し木をするときは、ツツジを育てるための鉢を用意しておきましょう。手順は以下の通りです。

  1. 開花後の新芽が付いた枝を10cmほどの長さに切る
  2. 枝の葉は2~3枚残して、他の葉は捨てる
  3. 枝を1時間~1日程度水につけておく
  4. 水から取り出した後、切り口に植物成長調整剤を付ける
  5. 鉢に挿し木用土を入れる
  6. 準備した鉢に枝を挿す

これでツツジを育てていきます。挿し木を終えた後の鉢は、風通しの良い日陰で管理しましょう。

肥料は必要ありませんが、土が乾燥しないように水やりをしてください。水やりは暑い時期には1日2回、9月以降の涼しくなってきた時期は1日1回の頻度が目安です。

業者にツツジの剪定を依頼する場合の費用相場

ツツジの生垣を剪定する業者

ここまでの内容を見て「手間がかかりそう」「自分で剪定すると失敗しそう」と感じた方もいらっしゃるかと思います。もしご自身で剪定を行うのが不安・面倒であれば、剪定業者に依頼をするのも1つの手です。

ツツジはそこまで大きくならないので費用相場は比較的安く、3m未満の高さであれば2,500~5,000円、3~5mの高さであれば5,000~10,000円ほどが目安です。

プロに依頼するメリットは、樹木の特徴をしっかりと把握したうえで適切な剪定をしてくれること。剪定はただ切ればよいのではなく、その後の生長や花付きなども意識しなくてはいけません。プロならそれらを把握したうえで剪定できます。

また玄関や庭など、全体のデザインとのバランスを取りながら庭木の形を整えてくれるので、見栄えがよくなるのもポイントです。

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まとめ

ツツジの剪定に適している時期は?

ツツジの剪定に適しているのは5~6月頃の時期です。5月頃に花が落ちたタイミングでおこないます。時期が遅れると、翌年に咲く花芽を切ってしまうことになるので注意しましょう。 ただし落葉性のツツジの場合は剪定すると弱りやすいので、大きくなりすぎたときの5~6月に行います。

ツツジを剪定するコツは?

ツツジを剪定するときは、「剪定後の形をイメージして、そのイメージよりも3cmほど短く刈り込む」こと。ツツジは生長が早いので、少し短めにするのがちょうどよいのです。