ツツジは生垣として民家、公共施設問わずよく植えられている植物です。元々日本に自生しており、自然樹形のままでも育ちますが、庭で育てるなら、樹形を整え、大きさを調整するための剪定が欠かせません。剪定には栄養を集中させて花付きをよくする効果や、風通しをよくして病害虫を防ぐ効果もあります。


この記事ではツツジの剪定時期や方法について解説します。
ツツジの剪定時期は5~6月がベスト
よく庭に植えられる園芸用のツツジはほとんどが常緑性ですが、中には落葉性のツツジもあります。どちらのタイプも、剪定に最も適した時期は5~6月です。ただし落葉性の場合は冬も剪定に耐えられます。
常緑性のツツジの剪定時期
ツツジの剪定に適した時期は5~6月頃です。ツツジは4~5月頃に花を咲かせ、咲き終わってすぐに翌年咲く花芽を付けはじめます。この新しい花芽を切り落とさないために、開花が終わった直後の6~7月頃に剪定するのがベストです。
なお翌年は花が咲かなくても構わないということであれば、花芽が付いてから剪定しても問題ありません。ただし本格的に暑くなってからは、剪定するとツツジに負担がかかり、枯れるリスクもあるので注意しましょう。
基本的に秋~冬にツツジの剪定をするのはおすすめしません。次の年に咲くツツジの花芽を切り落としてしまうリスクがあり、寒さにも弱いからです。秋~冬にツツジの樹形を整えたいときは、周りの枝から飛び出た枝だけを切るようにしましょう。
落葉性のツツジの剪定時期
ミツバツツジなど、冬に葉が枯れ落ちる落葉性ツツジの場合も、剪定時期は常緑性のツツジと同じく5~6月です。加えて、落葉樹なので冬期にも剪定ができます。
ただし、そもそも落葉性のツツジは枝分かれが少なく萌芽力が弱いので、ほとんど剪定の必要がありません。必要以上に枝を切ると弱ってしまうので、基本は自然樹形のまま育てて、大きくなりすぎたときに余分な枝だけ剪定しましょう。
ツツジの1種である「サツキ」の剪定時期も同じ
サツキは正式には「サツキツツジ」と言って、ツツジの1種にあたります。見た目だけでなく、開花の時期や花芽をつける時期などの生長サイクルもほとんど同じで、剪定は5~6月頃におこないます。
ただしサツキの方が開花時期が遅く、花が終わってから花芽をつけるまでに時間がありません。ツツジよりも剪定に適した期間は短いので、花が落ちたらすぐに剪定しましょう。
ツツジの基本的な剪定方法【刈り込み】
刈り込んで生垣などに仕立てているツツジは、以下の手順で剪定をします。
ちなみに落葉性ツツジの場合は、刈り込みをせずに間引きから行います。
①花がらを摘む
ツツジは開花期が終わってすぐ、翌年に咲く花芽の分化が始まります。また、花芽はこの時期に伸びる新梢につきます。
咲き終わったらすぐに花がらを摘んでおかないと、新しい枝が伸びてくるのが遅れてしまい、花芽が十分につくられないことがあります。
5月中旬から6月にかけて、花期の後半になったら咲き終わった花がらをすみやかに摘みましょう。刈り込みをすることでも花がらが取れます。
②枯れた枝や樹形を乱す不要な枝をつけ根から切り落とす(透かし剪定)
枯れた枝や生え方がおかしい枝、樹冠から飛び出した枝などを根元から切り落としましょう。
枝の数を減らすことで樹冠内部の日当たりや風通しをよくして、美しい樹形をつくる枝に養分をまわします。
枝が密集して湿気がこもると、樹木の病気につながったり、害虫が発生したりする原因になります。
剪定したほうがよい不要な枝の見分け方は以下の通りです。
不要枝の種類 | 不要枝の特徴 |
---|---|
ふところ枝 | 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。 |
かんぬき枝 | 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。 |
逆さ枝 | 幹に向かって伸びた枝。 |
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝。 |
下り枝 | 下に向かって伸びた枝。 |
絡み枝 | まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。 |
徒長枝 | 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。 |
車枝 | 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。 |
平行枝 | 同じ方向に伸びる上下2本の枝。 |
胴吹き枝 | 幹から新たに直接伸び出した枝。 |
ひこばえ | 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。 |
不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。
- 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
- 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
- 平行枝・胴吹き枝
- 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
- ひこばえ
- 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は切り取る
刈り込みの表面から飛び出た枝は、再び刈り込んでそろえることもできますが、勢いよく伸びている徒長枝であればつけ根から切っておきます。太い枝をそのまま刈り込むと、木の表面に切り口が目立ってしまい、きれいに見えません。
ツツジの大きさをおさえたいとき:切り戻し剪定
切り戻し剪定とは、枝の半分~3分の1程度を目安に途中で切り、木の生長を調整する剪定方法です。
不要な枝ではない枝を大きく切るので、ツツジに負担がかかるうえ、剪定も手間がかかります。毎年やる必要はないので、ツツジの生長具合をみながら行いましょう。
ツツジは手入れをせずに放っておくと3~4mほどの高さまで育ち、花付きが悪くなります。花付きを良くするには、1~1.5mほどの高さに整えるのがおすすめです。
切り戻しで切る枝には、新しい枝が伸びてくる芽が付いているので、切り落とさないように注意しましょう。残す芽より1~2cmほど上を切ることで、切り口から新しい枝が出てきて、樹が元気に育ちやすくなります。
③強めに刈り込む
刈り込みバサミを使い、樹冠全体の形を整えていきましょう。刈り込みのポイントは以下の通りです。
- 刈り込む前に樹形のイメージを固めておく
- 理想の仕上がりよりも3cmほど小さく刈り込む
- 下から上に向かって刈り込む
刈り込む前には、ツツジの形や大きさをイメージしておきましょう。ツツジの理想の樹形は「丸型(玉仕立て)」もしくは「四角型(角仕立て)」です。
ツツジは成長が早いため、イメージした仕上がりよりも3㎝ほど短く切るのがコツです。イメージ通りの長さにすると、翌年にはすぐに枝が伸びて不格好になってしまいます。少し難しいですが「少し枝が伸びたくらいにイメージどおりの形になる」よう意識してみましょう。
また刈り込みは「下から上へ」切っていくのがバランスよく切るコツです。頂部のほうが生長しやすいので、下部は深く刈り込みすぎず、頂部に向かって緩やかに丸みを作っていきましょう。
ずっと近い位置で見ているとバランスが崩れやすいので、こまめに少し離れた位置から観察して、ツツジの形がキレイな丸形(または四角)になっているか確認するのがコツです。
刈り込んだツツジの花が咲かないときの原因
常緑性のツツジは強剪定にも耐え、よく芽吹きますが、サイズを小さく仕立て直すために特に強く刈り込んだ場合は、翌年に花が咲かないことがあります。
また、ツツジの花芽がつくられた夏以降に刈り込むと、枝の先端についている翌年の花芽を切り落としてしまうので、この場合もまったく花が咲きません。
ツツジの剪定方法【自然樹形】
ツツジを自然樹形で育てている場合は、以下の流れで剪定をします。
①不要な枝を根元から切る
まずは枯れた枝や不要な枝を根元から切り落とします。
不要な枝の見分け方は前章の解説を参考にしてください。
自然樹形の場合は、刈り込みのように枝の途中で切ってしまうと見栄えが悪くなるので、必ず枝のつけ根から切るようにしましょう。
②花がらを摘む
咲いた後の花がらをつけたままにしておくと、新しい枝の伸長が遅れて、花芽の形成に間に合わないことがあります。咲き終わった花がらはすぐに摘み取りましょう。
③バランスを見ながら混み合った枝を間引く
不要な枝や花がらを一通り切り落としたら、ツツジ全体のバランスを見ながら、混み合った部分を間引いて枝の数を減らしていきます。具体的なバランスのとり方は以下が目安です。
- 主幹から四方にバランスよく枝が広がった状態にする
- 枝と枝の間隔をどこから見てもなるべく均等にする
「遠くから眺めたときに、枝の密度が均等になっているか」を確認しながら進めましょう。
ツツジの剪定に必要な道具
自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。
道具 | 用途 |
---|---|
剪定バサミ![]()
|
枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安) |
刈り込みバサミ![]() |
木の表面を刈り込むときに使用する |
植木バサミ |
特に細かい枝の切断に使用する |
剪定ノコギリ![]() |
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する |
園芸用の脚立![]() |
高い位置の枝を切るときに使用する 屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ |
園芸用の手袋![]() |
作業中の手を守る 軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ |
癒合剤![]() |
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る |
刈り込みバサミで広い面積を刈り込んだあと、植木バサミで整えます。枝を根元から切るときは、剪定バサミを使いましょう。
他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。
ツツジの花を咲かせるためのお手入れのコツ
ツツジをお手入れするには、以下のようなポイントに気を付けましょう。
|
それぞれについて詳しく紹介します。
①適度に日が当たっているか確認する
ツツジは日陰に置いておくと、光合成がうまく行えず花付きが悪くなります。そのため日の当たる場所に置いておくのが良いでしょう。
ただし夏場の直射日光は葉を焼いてしまいます。夏は、半日ほど陰に隠れるような場所に置いておくのがベストです。夏以外の季節であれば、ずっと日光の当たる場所でも大丈夫です。
②土を乾燥させない
ツツジは地表の近くに根を張るうえ細いので、土の乾燥に弱い性質があります。水をよく吸うことで生長できるので、とくに夏は1日2回の水やりを欠かさないようにしましょう。夏以外の季節は、土が乾燥したタイミングで水を与えればOKです。
③肥料を与えすぎない
基本的にツツジは肥料を与えなくても問題なく育ちます。前述したように根が浅いこともあり、肥料のやりすぎは「肥料焼け」につながるので注意しましょう。肥料焼けすると、場合によっては枯れてしまうこともあります。
ツツジに肥料を与えたい場合は、「休眠期に入る1月」「花が落ちたあとの5~6月」「株が充実する9月」のタイミングでおこないます。
即効性のある成分や、強すぎる成分は避けるようにして、幹からなるべく遠い場所に施肥をしましょう。
④害虫対策をしておく
ツツジにはアブラムシ、ゾウムシ、ハバチ、ハダニ、ケムシなどの害虫がつきます。害虫に葉を食べられて穴だらけになってしまう前に、害虫対策をしておきましょう。
また「うどんこ病」「黒星病」などの植物の病気に効くサプロールという成分も配合しているので、病気予防も可能です。
⑤剪定の時期を間違えない
ツツジは花が咲き終わってから次の芽がつくまで、期間が非常に短い植物です。芽がつく前に剪定をしておかないと、翌年に咲くはずだった芽まで切り落としてしまう可能性があるので、花付きが悪くなる可能性があります。
ツツジ自体そこまで剪定を必要とする植物ではないですが、剪定する場合は時期を見誤らないように注意しましょう。
挿し木でツツジを増やす方法
挿し木とは、ツツジの枝葉を地面にさして植えること。6~7月ごろにツツジの枝に新芽が付くので、その枝を使って鉢植えで育てるのです。
挿し木をするときは、ツツジを育てるための鉢を用意しておきましょう。手順は以下の通りです。
- 開花後の新芽が付いた枝を10cmほどの長さに切る
- 枝の葉は2~3枚残して、他の葉は捨てる
- 枝を1時間~1日程度水につけておく
- 水から取り出した後、切り口に植物成長調整剤を付ける
- 鉢に挿し木用土を入れる
- 準備した鉢に枝を挿す
これでツツジを育てていきます。挿し木を終えた後の鉢は、風通しの良い日陰で管理しましょう。
肥料は必要ありませんが、土が乾燥しないように水やりをしてください。水やりは暑い時期には1日2回、9月以降の涼しくなってきた時期は1日1回の頻度が目安です。
ツツジの剪定についてよくある質問
ツツジの剪定に適している時期は?
ツツジの剪定に適しているのは5~6月頃の時期です。5月頃に花が落ちたタイミングでおこないます。時期が遅れると、翌年に咲く花芽を切ってしまうことになるので注意しましょう。 ただし落葉性のツツジの場合は剪定すると弱りやすいので、大きくなりすぎたときの5~6月に行います。
ツツジを剪定するコツは?
ツツジを剪定するときは、「剪定後の形をイメージして、そのイメージよりも3cmほど短く刈り込む」こと。ツツジは生長が早いので、少し短めにするのがちょうどよいのです。
ツツジの剪定を庭師の依頼する場合の費用相場
ここまでの内容を見て「手間がかかりそう」「自分で剪定すると失敗しそう」と感じた方もいらっしゃるかと思います。もしご自身で剪定を行うのが不安・面倒であれば、剪定業者に依頼をするのも1つの手です。
ツツジはそこまで大きくならないので費用相場は比較的安く、3m未満の高さであれば2,500~5,000円、3~5mの高さであれば5,000~10,000円ほどが目安です。
プロに依頼するメリットは、樹木の特徴をしっかりと把握したうえで適切な剪定をしてくれること。剪定はただ切ればよいのではなく、その後の生長や花付きなども意識しなくてはいけません。プロならそれらを把握したうえで剪定できます。
また玄関や庭など、全体のデザインとのバランスを取りながら庭木の形を整えてくれるので、見栄えがよくなるのもポイントです。
ツツジの剪定はプロに依頼するのもおすすめ
「刈り込んだら花が咲かなくなってしまった」「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。
庭木の剪定料金相場
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
生垣の場合の料金目安は以下の通りです。
生垣の高さ | 幅1mあたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 660~840円 | 100~120円 |
1~2m以下 | 1,100~1,440円 | 190~240円 |
2~3m以下 | 1,900~2,400円 | 300~360円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
庭木の剪定をプロに依頼する流れ
庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。
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