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失敗しない刈り込みのコツ!剪定との違いや正しい手順を解説

最終更新日: 2021年04月23日

庭で茂っている木の刈り込みはどのようにすればうまくできるのでしょうか?

刈り込みの基本的な知識を知ったうえで、実際に行うときのコツをチェックしましょう。剪定との違いや、メリット・デメリット、業者へ依頼するときの相場なども紹介します。

刈り込みの基本について

刈り込みを行う人

専用の鋏(はさみ)を使って行う刈り込みには目的があります。なぜ必要なのかという点や、刈り込みをするのに向いている木の種類について見ていきましょう。

刈り込みは見た目を整えるもの

刈り込みは見た目を整えるために伸びた枝葉を切る作業のことを言います。面が平らに仕上げられている生け垣や、こんもりと丸く形作られているツツジなどは、刈り込みによって見た目を整えられている樹木の一例です。

単純に形を整えることが目的のため、混み合った枝や芽の方向などは気にせず、表面を整えます。表面を整えるためだけに行うので、比較的手軽にできる手入れです。

なぜ刈り込みが必要なのか

樹木は時間が経つとどんどん枝葉が伸びていきます。植え付けられている環境によっては、伸び方にムラができることもあるでしょう。すると木全体の形が崩れてしまいます。

そこで表面の形を整え美しさをキープするために、刈り込みが必要なのです。また定期的な刈り込みにより、表面をボリューム感のある状態に整えるためにも役立ちます。

刈り込みに向いている木の種類は

見た目の美しさのために必要な刈り込みですが、木の種類によって向いているものと向いていないものがあります。きれいな仕上がりのためにも、刈り込みに向いている樹木で行うことが大切です。

例えば小さな葉が密集している「セイヨウツゲ」や「イヌツゲ」などのツゲ類は刈り込みに向いています。また生け垣になっている樹木もほとんどが刈り込みで整えられる樹木です。

「ヤマモモ」「モチノキ」「シラカシ」などの大径木は、剪定とともに刈り込みを行うことで作業効率アップにつなげられます。

刈り込みと剪定は何が違う?

剪定された木

同じように枝葉を切り整える刈り込みと剪定ですが、同じものではありません。目的が異なりますし、それぞれ違うメリット・デメリットがあるのです。

作業の目的が異なる

刈り込みは見た目を整えるために行います。そのため表面をきれいにできればOKです。芽の向きや枝葉の混み具合を確認しながら作業を行うことはしません。

一方、剪定は植物の成長をコントロールする目的で実施します。枝を切るときには芽の向きを確認しつつ作業しますし、枯れ枝や徒長枝など不要な部分を選んで取り除くのです。

そのため剪定後は見た目が整うだけでなく、不要な部分がきれいに整理され必要な部分に栄養を送れるようになり樹木が成長しやすくなります。

刈り込みのメリット・デメリット

表面を美しく整える刈り込みを実施すると、形をはっきり整えられる点がメリットです。また目的に合わせて濃く仕上げることもできるので、生け垣のように目隠しとしても使えます。

また芽の向きや不要な枝の見極めをせずに作業を進められるため、比較的短時間で仕上げられるのもポイントです。ただしデメリットもあります。例えばサイズを小ぶりにしたい場合には向いていません。

さらに内部の枝葉を整理しないため、風通しが悪くなり病害虫が発生しやすい環境になるのです。葉や枝を途中で切ることになるため、切断した部分が枯れて茶色くなってしまうのもデメリットと言えます。

剪定のメリット・デメリット

不要なものを取り除きながら樹形も整える剪定は、樹木の健康に役立つという点がメリットです。内部の枝も整理するため風通しが改善され、病害虫の予防につながります。

伸び放題の枝葉を切り取ることで、必要な箇所に養分が行き届きやすくなるのも良い点です。花が咲く樹木では花付きが、果実がなる樹木では果実の肥大が期待できます。

不要な枝葉への養分が要らなくなるため、周囲の樹木に養分が行きわたることも期待できるでしょう。

ただし作業に時間が掛かる点や、内部まで整理するためごみが多くなりやすい点はデメリットと言えます。

刈り込みの正しいやり方

刈り込み

実際に刈り込みを行うときには、どのように作業をすれば良いのでしょうか?刈り込みの適期や手順、鋏の扱いについて確認しましょう。

刈り込みに適した時期に行う

刈り込みをするときにまず注意するのは、樹木の種類ごとに適期があるという点です。これから刈り込みしようと考えている樹木にとって、適した時期に作業をしましょう。

「針葉樹」は10~11月と4~5月ごろが向いています。常緑樹は新芽が伸びる5~6月ごろと成長が休止する9~10月、落葉樹は7~8月と落葉後の11~3月が適期です。

また植物の種類によっても刈り込みに向いている時期は異なります。「ツゲ」であれば6月・9月を目安に年2回の刈り込みが適切とされます。

「サツキ」「ツツジ」などの花が咲く樹木は、花後すぐが刈り込みのタイミングです。花芽が付き始める7月より前に刈り込むと、翌年も花が咲きやすくなります。

下から上に刈り込むのが基本

作業をするときには「下から上に」刈り込むことを意識して進めましょう。下から上へ刈り込んでいく理由は、樹木の芽吹く力が上枝の方が強いからです。

上から下へ刈り込むと下枝を必要以上に刈り込んでしまうことがあります。すると芽吹きにくい下枝はうまく芽を出せず、枯れてしまうかもしれません。

見た目を整えるための刈り込みで美しさが半減してしまうことがないよう、必ず下から上へという方向を守り刈り込みます。

刈込鋏の使い方が仕上がりを決める

美しく刈り込みを仕上げられるかどうかは、刈込鋏の使い方に左右されます。使い慣れない道具ですが、取り扱いのポイントを押さえることで、きれいに仕上げやすくなるはずです。

鋏の柄を左右の手で持つ刈込鋏のことを「両手刈込鋏」といいます。このタイプの鋏を使いこなすには、左手は固定し右手を動かして刈り込みましょう。

細い枝葉は刃の先端で、太めの枝は奥を使うとスムーズです。全体を両手刈込鋏で整えたら「片手刈込鋏」で狭い場所や細かな手直しをして仕上げます。

刈り込みで準備しておきたい道具は

刈り込み道具

樹木の刈り込みをするときには、事前に道具を用意して実施しましょう。安全に作業するためにも、適した道具を選ぶことが大切です。

刈込鋏

まず必要なのは「刈込鋏」です。その名の通り刈込専用の鋏のため、樹木の枝葉をきれいに切り取れます。

刃が長く大きいことから、重く扱いにくいアイテムだと感じる人もいるでしょう。

商品によっては軽量で使いやすく改良されているものもあります。例えばハンドルがアルミでできているものであれば、軽く扱いやすいはずです。

脚立

樹高の高い木を刈り込む場合「脚立」がなければ作業になりません。ただし四脚は地面に凹凸がある庭で使うには不向きです。足場が不安定な場所では、左右の揺れに弱く作業中に転倒する可能性があります。

そこで凹凸のある地面でも安定して使いやすい三脚を利用します。四脚より横揺れに強いため安定していて倒れにくいのが特徴です。

また三脚であれば1本脚の部分を木の方へ向けることで、より近い距離で作業しやすくなります。

熊手

作業後には刈り込みで切り取られた枝葉をかき集めなければいけません。そのときに使うのが「熊手」です。ほうきでも枝葉を集められますが、同時に土や砂も集めてしまいます。

地面が土の柔らかい場所であれば、熊手の方が効果的です。土や砂に入り込んだ枝葉がある場合でも、隙間から土や砂を逃がしごみだけを回収できます。

刈り込みは業者にも依頼できる

手入れされた庭を眺める人

自力での刈り込みも可能ですが、より美しく仕上げることを考えるなら、業者に依頼する方法もあります。料金の相場も紹介するため、利用を検討するときの参考にしましょう。

プロならではの美しい仕上がりに

初めての刈り込みでは形をうまく整えられないこともあるものです。切り方を誤ってしまい、枯らす部分が出る可能性も考えられます。より美しく刈り込みをするには、専門業者に任せる方法も検討しましょう。

樹木の仕上がりがきれいなことはもちろん、切り取った枝葉のごみまで全て処分してもらえます。加えて刈り込みにかかる時間をぐっと短縮可能です。自力で作業するときと比較して、手間が掛からず圧倒的に美しくなります。

刈り込みを依頼した場合の相場は

業者に刈り込みを依頼する場合、「高さ」「幅」「危険性」を考慮して見積もりを出すのが一般的です。相場は業者ごとに異なりますが、例えば生け垣の刈り込みは下記の通り幅で値段が決められるケースが多くあります。

  • 1.5m以上:1,800円
  • 2m以上:2,500円
  • 2.5m以上:3,500円
  • 3m以上:別途見積もり

円筒形に仕立てる場合は樹木の高さと危険性が基準です。一例として2m以下1,700円・3m以下2,800円・4m以下4,400円というように、高くなるほど1m当たりの金額が高く設定されている業者もあります。

段物と呼ばれる複雑な仕立て方になると、同じ高さでもシンプルな円筒形より高めに値段が設定されます。例えば2m以下4,500円・3m以下7,500円・4m以下10,500円といった価格です。

刈り込みに詳しくなって手入れに生かそう

刈り込みを行う人

樹木の刈り込みは、表面を整え美しい見た目にするために実施する手入れです。枝葉を切り取る点では剪定と同じですが、不要な枝や芽の向きを考慮しないという点で異なります。

内部の風通しが悪くなりやすく病害虫が発生しやすい点は刈り込みのデメリットといえますが、その反面スピーディーに仕上げられてごみが少ないという点がメリットです。

自分で刈り込みをするには、刈込鋏・脚立・熊手を用意して作業しましょう。ただし初めての刈り込みでは思ったほどうまくできないこともあります。

美しい仕上がりを重視するなら、専門業者に依頼するのもよいでしょう。自宅に合う方法で刈り込みを実施することで、樹木を美しく保てます。

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