代表的な品種は?
カラタネオガタマの代表的な品種は「ポートワイン」です。赤ワイン色の花を咲かせ、甘い香りを楽しめます。
剪定は必要?
カラタネオガタマは成長スピードが遅いため、剪定をしなくてもきれいな樹形に育ってくれます。密集している枝を取り除く場合は、開花後の6~8月頃に行うとよいでしょう。
カラタネオガタマの代表的な品種は「ポートワイン」です。赤ワイン色の花を咲かせ、甘い香りを楽しめます。
カラタネオガタマは成長スピードが遅いため、剪定をしなくてもきれいな樹形に育ってくれます。密集している枝を取り除く場合は、開花後の6~8月頃に行うとよいでしょう。
カラタネオガタマはモクレン科に属する植物で、公園など日常の様々な場所で見かけます。
原産地や由来と併せて、花や木がどのような特徴を持っているのかについて紹介します。
植物名 | カラタネオガタマ |
学名 | Magnolia figo |
科名 / 属名 | モクレン科・オガタマ属 |
原産地 | 中国 |
開花期 | 4~5月 |
花の色 | 黄、クリーム、紫、ワインレッドなど |
樹高 | 3~5m |
葉にはツヤがあり、つぼみは茶色い毛に覆われています。
葉脈は、主脈だけ裏面に隆起します。
葉柄には濃い黄金色の毛がびっしり生えています。
縁の紫色が特徴的な、2~3cmの花を咲かせます。
小ぶりでかわいらしい花のため、観賞用として高い人気があります。
薄めの黄色をしているものが多いですが、品種によっては深めの赤色や紫色の花をつけるものもあります。
花はモクレンに似ており、開花するとモクレン科であることがよくわかります。
花の寿命は短く、3日ともたずに散ってしまう場合が多いです。
しかし、花が咲くペースが早いため、一度開花を始めたら1週間以上は楽しめるでしょう。
実は、未熟なうちは硬くて緑色をしています。
10~11月には、熟して写真のように鮮やかなオレンジ色になります。
カラタネオガタマの木は、遠くから見ると半円のような形をしています。
モチノキやサザンカに似ています。
カラタネオガタマの原産地は中国の南部です。
別名をトウオガタマ(唐招霊)といいます。
中国では薬として用いられることもあり、消化不良や鼻炎を改善する効果が期待できるとされています。
1年を通して葉をつけている常緑樹で、観賞するため庭などに植えられることが多い植物です。
成長すると3〜5mほどの高さになりますが、カラタネオガタマの成長スピードはそれほど早くありません。
その分、剪定を頻繁に行わなくて済みますので、管理が楽で育てやすい植物といえます。
カラタネオガタマは手入れの負担が少なく、生垣や庭木としても人気の植物です。
成長スピードがゆっくりなので、頻繁に剪定しなくてはいけないといったこともありません。
オガタマは新芽が出て葉が茂ると、古い葉は一斉に落葉するので、縁起の良い木とされています。
神社にもよく植えられています。
神様に供える木であることから「招霊(おがたま)」と呼ばれていたことに加え、中国原産の植物のため「唐(から)」を頭につけて、カラタネオガタマと命名されたそうです。
またカラタネオガタマの花の香りはバナナに似ていることから「バナナツリー(バナナの木)」と呼ぶこともあります。
カラタネオガタマと比べて、葉も樹高も大きいのが特徴で、割と容易に見分けることができます。
カラタネオガタマ | オガタマノキ | |
樹高 | 3〜5m | 15~20m |
葉の大きさ | 約4〜8cm | 約10cm |
花は葉に埋もれるように咲き、あまり目立ちません。また花の色は白く、香りはカラタネオガタマほど強くありません。
▼オガタマノキについてもっと詳しく知りたい方はこちら
ギンコウボクはインドネシア、フィリピンなど熱帯アジアを原産とする、モクレン科の植物です。
カラタネオガタマ | ギンコウボク | |
樹高 | 3〜5m | 5~10ⅿ |
葉の大きさ | 約4〜8cm | 20cm~ |
葉が大きいのが特徴で、革質で厚みがあります。
カラタネオガタマのうち、メジャーな品種を紹介します。
ワインに近い色ですが、あくまでカラタネオガタマの一種のため、匂いはバナナのような甘い香りです。
香りが高いという特徴もあるため、ほかの品種よりも甘い匂いを感じ取りやすいかもしれません。
家で育てる際は、玄関の近くに植えると、通る度に良い香りを楽しめるでしょう。
なお、同名のポートワインと呼ばれるワインも存在しています。
ポートワインと並び、カラタネオガタマの中でメジャーな品種が「深山含笑(ミヤマガンショウ)」です。
咲いた花が開ききらず、まるで含み笑いをしているように見えることから名付けられたという説もあります。
深山含笑の特徴は、ほかのカラタネオガタマよりも白い花を咲かせることです。
花の大きさは10cmほどのものが多いようです。木のサイズはほかと比較するとやや小ぶり。
そのサイズ感ときれいな花の色から、かわいらしい雰囲気を求める方におすすめです。
金葉含笑(キンヨウガンショウ)はその名の通り、葉の裏が金色をしています。
カラタネオガタマを自分の家で育てる場合、気をつける点がいくつかあります。
どのような環境を好むのかや、適切な植え付け時期などの性質を理解して、上手に成長させる方法を紹介します。
カラタネオガタマは日当たりの良い場所でよく育ちます。
午前中に日が当たり、午後からだんだんと日陰になるような場所が理想です。
水はけが良い環境も、カラタネオガタマが育ちやすい条件として重要です。
雨水が溜まったままにならない場所を選びましょう。
水はけが悪いと湿気が増してしまい、根が腐ってしまう恐れがあります。
カラタネオガタマは一度植えたら植え替えが難しい植物です。
そのため日当たり・水はけが良い場所をあらかじめ見定めてから植えましょう。
カラタネオガタマの植え付けは、春に行うのが最適です。
遅くとも夏前には植え終えておくことをおすすめします。
乾燥の激しい真夏と、寒さの厳しい冬を避けましょう。
4〜6月の間に植え付けを行えなかった場合は、暑さのピークが過ぎた9月頃でも大丈夫です。
カラタネオガタマを植えるときに使う土は黒土がおすすめです。
黒土とは火山灰が混ざった黒い土のことで、保水性があります。
そのため乾燥を防ぎ、カラタネオガタマの成長を助ける役割があります。
保水性が高いため水はけはやや悪くなりますが、腐葉土を混ぜることで水はけの悪さが改善されます。
腐葉土はホームセンターや園芸店のほか、ネットショップなどでも購入可能です。
様々な分量の商品が販売されているため、使用する範囲に合わせて適したものを選びましょう。
カラタネオガタマには手入れを行う際のコツがあります。肥料の与え方や害虫への対処法、上手な剪定のやり方などを紹介します。
カラタネオガタマに肥料を与える場合には、タイミングが重要です。
2月頃に寒肥、8月頃にお礼肥の2回、肥料を与えます。
寒肥とは新芽・花芽を増やし、1年間の健康を維持するための肥料です。
お礼肥は開花後の疲労回復、健康維持のための肥料です。
春になる前に肥料を与えると、芽が育ちやすくなるためおすすめです。また、開花してから夏までの間も良いタイミングでしょう。
肥料の種類は即効性よりも持続性があるものを使いましょう。有機肥料がおすすめです。
カラタネオガタマは根の先端部分から栄養を摂取します。
そのため、幹の周囲ではなく根が伸びているあたりに肥料を置くと、効率よく栄養を与えられます。
イメージとしては、幹の周りに円を描く形で肥料をまく様子を想像しましょう。
肥料は地面に埋めますが、その際に地面に開ける穴は10cmを目安に間隔を空けましょう。
カラタネオガタマを育てる上では、カイガラムシに気をつけましょう。写真のように黒い種類もいれば、真っ白な種類もいます。非常に小さく、体長は2.5~6㎜ほどしかありません。
カイガラムシがついた場合、木の成長に悪影響が出る恐れがあります。
また、カイガラムシの排泄物により「すす病」にかかることもあります。すす病にかかると木自体が枯れてしまうリスクがあるため、カイガラムシを見つけたら早急な対策が必要です。
カイガラムシを見つけたときは、ブラシなどで木から払い落としましょう。
カイガラムシは密集した枝につくので、枝が密集してしまっている場合には剪定をしておくと予防になります。
カラタネオガタマは成長の速度が遅いので、剪定を行わなくてもきれいな樹形に整ってくれます。
そのため基本的に剪定はあまり必要ありません。
カラタネオガタマは1年を通していつでも剪定をしてよい植物ですが、開花後の6月~次の花芽をつけ始める前の8月頃に行うのがおすすめです。
細い枝を切るときには植木バサミ、太い枝を切るときには上の写真のような剪定バサミを使うと便利です。
下の図のように絡まっている枝や、密集している枝が剪定の対象です。
カラタネオガタマは常緑樹ですが、育てていると葉が黄色くなったり、落葉したりすることがあります。
大量に葉が落ちてしまったら「枯れてしまったのかな?」と心配になりますよね。
ここではカラタネオガタマが落葉してしまう原因として考えられるものと、その対策をご紹介します。
肥料を与えすぎると、葉が黄色く変色してしまうことがあります。
肥料は2月頃と8月頃に与えるだけで十分ですよ。
カラタネオガタマは、乾燥した冷たい風が苦手です。
冬場に風に晒される場所に植えていると、落葉したり枯れてしまう恐れがあります。
風よけをつくるか、植える環境をよく考えるようにしましょう。
モクレンに似たかわいい花とバナナの香りが特徴のカラタネオガタマは、日当たりと水はけに気をつけることで上手に育てられます。
肥料や剪定などのメンテナンスも行い、害虫がつかないようにすることで、長持ちさせることも可能です。
春を迎えたら自宅の庭にカラタネオガタマを植え、視覚と嗅覚の両方で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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