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マホニアコンフューサを庭で育てよう!特徴や育て方・剪定方法を解説

最終更新日: 2021年03月05日

マホニアコンフューサはガーデニングや鉢植えの観葉植物として、人気の低木です。常緑性で冬にも花を咲かせるので、花が少なくて寂しく見えがちな冬の庭を、鮮やかに彩ってくれます。

丈夫な性質を持ち、病害虫も少ないことから手入れがしやすく、初心者から上級者まで育てる人を選びません。マホニアコンフューサの特徴や育て方、剪定方法など、育てる際のポイントを解説します。

マホニアコンフューサの特徴

マホニアコンフューサ

マホニアコンフューサとはそもそもどのような植物なのでしょうか?マホニアコンフューサが持つ特性や、葉や花の特徴を見ていきましょう。

育てやすい常緑低木

マホニアコンフューサは常緑樹で、冬でもきれいな緑色の葉を鑑賞できます。半日陰でも育つうえに病害虫も少なく、初心者でも扱いやすい庭木です。エスニックな雰囲気が魅力的で、単体でも寄せ植えでも風景に馴染みやすいため、ガーデニングにも気軽に取り入れられるでしょう。

植物名 マホニアコンフューサ
学名 Mahonia confusa
科名 / 属名 メギ科 / マホニア属
原産地 中国
開花期 4~5月、10~12月
花の色 黄色
樹高 1~2m
特性 常緑性、耐暑性、育てやすい

マホニアコンフューサは樹木の高さが1~2m程度と低く、丈夫な性質から植え込みに使用されることも多いです。公園やショッピングモール、リゾートホテルなどの植栽でもよく見られる、人気の庭木です。

細長く少しトゲがある葉が特徴

マホニアコンフューサは5~12㎝ほどの細長い葉を茂らせます。ノコギリのような形のトゲがあるため、硬そうなイメージですが、実際は柔らかくてトゲに触っても痛くありません。

出始めの葉は赤く、次第に濃い緑色に変わります。寒い時期には再び赤く変わることもあり、成長の度合いや気温の影響によって色の変化を楽しめるのも魅力です。

細長い葉が特徴のマホニアコンフューサですが、葉がさらに細いタイプの「清流 (青龍)」という品種もあります。

鮮やかな黄色い花が印象的

マホニアコンフューサの花は黄色く丸い形をしており、ひとつの枝に房のようになって咲きます。開花の時期には、つややかな緑色の葉と鮮やかな黄色のコントラストを楽しむことができます。

細長い葉に小さく丸い花が集まって咲く様子も印象的です。開花時期は4~5月と10~12月の年2回で、特に10~12月は他の花が少ないこともあり、庭を華やかに見せる植物として重宝されています。

花が終わると緑色の実ができて、熟すと紫色に変わります。見た目がブルーベリーに似ていますが、食用には適さないため注意しましょう。

花言葉は「優しい暖かさ」

マホニアコンフューサの花言葉は「優しい暖かさ」です。柔らかな細長い葉の優しい印象と、小さくて黄色い花の色味から温かさが連想されますね。花言葉に感じられる穏やかな気持ちを乗せて贈り物にしたり、育てている際に時折思い出したりしてみてはいかがでしょうか。

マホニアコンフューサの育て方

ジョウロで水を撒く

マホニアコンフューサを育てる前に、植え付けに適した環境や普段の手入れの仕方を押さえましょう。

土壌・水やり・施肥の時期など、マホニアコンフューサを健やかに育てるためのポイントを解説します。

日当たりのよい場所で育てる

マホニアコンフューサは日陰に強い庭木として人気ですが、日当たりのよい場所を好みます。また乾燥には弱く、乾くと葉が黄色くなってしまいます。西日や直射日光が当たり続ける環境は避け、半日陰で管理するとよいでしょう。

またマホニアコンフューサの耐寒温度は-10℃です。よほどの寒冷地でなければ、寒さ対策も特に必要ありません。寒風に当たると葉が赤くなりますが落葉することはなく、春には新芽が出てきます。

植え付けは3~4月か9~10月に

マホニアコンフューサの植え付けは暑さや寒さが弱まる、3~4月または9~10月が適しています。庭に植える場合は、土にあらかじめ腐葉土と完熟堆肥を混ぜて、なじませておきましょう。

堆肥には土を柔らかくする効果があり、マホニアコンフューサの根が張りやすくなります。水はけをよくするためには赤玉土も入れてあげるとよいでしょう。鉢植えの場合は一般的な培養土で十分です。

土が用意できたら根の長さの2倍ほどの深さに穴を掘って植え付けます。完全に根付くまでは、水やりを忘れないようにしましょう。

水やりは基本的に不要

マホニアコンフューサに必要な水分は降雨でまかなえるため、水やりの必要はほとんどありません。水を与えすぎると根腐れの原因にもなってしまうため、土が乾燥しているタイミングで水やりをするようにしましょう。

なおマホニアコンフューサの葉が黄色くなっていたら乾燥のサインです。葉の色や土の表面の様子を見て、乾燥が激しいときは水やりをするようにしましょう。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、鉢底から流れるくらいの水を与えます。

水を多く消費する開花の時期や、日差しが強い夏は乾燥しやすいため、特に注意しましょう。

施肥のタイミングは2~3月

マホニアコンフューサには2~3月に緩効性の固形肥料を寒肥として与えます。寒肥は春の開花に必要な栄養分を補給する大切な肥料です。施肥が遅れると開花に影響するため、忘れずに与えましょう。

基本的に寒肥だけで十分ですが、成長が遅い場合は11~12月頃に追肥して様子を見ます。

挿し木での増やし方や剪定方法

マホニアコンフューサ

マホニアコンフューサは挿し木で簡単に増やせます。あまり手をかけなくても健康的に育つので、気軽に挑戦できます。挿し木のやり方や剪定のコツを見ていきましょう。

挿し木で増やす方法

マホニアコンフューサを増やすときは挿し木がおすすめです。種から増やすことも可能ですが、育つまでに相当な時間がかかってしまいます。

挿し木は6~7月が適期です。元気な枝を10cmほど切り取り、中心の刃を数枚残して他の葉は取り除きましょう。

切った枝を数十分ほど水に浸してから、培養土を敷いた鉢に植え付けます。日陰に置いて水をたっぷりと与え、根が付いたら庭や大きな鉢に植え替えましょう。

剪定のポイント

マホニアコンフューサは上に向かって成長するため、枝が伸び過ぎると本来の低木らしいスタイルが崩れてしまいます。苗木が小さいうちから、毎年1度は茎の先を剪定する「摘芯(てきしん)」を行いましょう。

剪定時期は新芽が付く前の3月頃か、春の花が終わった後の6月頃が目安です。枝の先端から1節下の位置を目安に枝を切るとよいでしょう。同じ時期に定期的に実施すれば、背が高くなり過ぎず、美しい形状を保てます。

剪定には木を若返らせて花付きをよくする効果もあります。古くなった枝は根元より手前から切り落として、新しい枝が伸びるのを待ちましょう。また下の葉が枯れてきたら、その都度取り除きます。

マホニアコンフューサの病害虫

マホニアコンフューサ

植物を育てていると病気や害虫の被害が心配になります。また花や実を求めて有害な害虫が集まってくることもあり、注意が必要です。

マホニアコンフューサの場合はどうでしょうか。育てる際の注意点を見ていきましょう。

害虫はほとんど付かない

マホニアコンフューサには害虫がほとんど付きません。普段あまり気にすることはありませんが、湿気の多い季節には「カイガラムシ」が付く可能性があるので注意しましょう。

カイガラムシの成虫は殻に覆われていて、見つけにくいのが特徴です。殺虫剤が効かない種類もいるため、対策として固めのブラシなどを用意しておき、発見した場合は軽くこすって落とすようにしましょう。

「うどんこ病」と「立ち枯れ病」に注意

マホニアコンフューサは病気の心配も少ないですが、「うどんこ病」と「立ち枯れ病」には注意が必要です。

うどんこ病は葉に白いカビが生える病気で、広がると花が咲かなくなるおそれがあります。カビの生えた葉を見つけたら、他の葉に広がらないように早めに取り除きましょう。

また立ち枯れ病にかかると赤や黄色のカビが現れ、茎が茶色く変色して腐ってきます。治す方法はなく、悪化すると枯れてしまうため、発症した部分は速やかに切り取りましょう。

スズメバチに要注意

マホニアコンフューサの花にはスズメバチが寄ってきます。理由は以下の2点です。

  • 舌が短いスズメバチでも蜜を吸いやすい形状
  • 開花時期がスズメバチの活動時期と重なっている

スズメバチが来ていることに気付かず、うっかり木に触るとハチが驚いて攻撃することもあります。発見した時は静かにその場を離れ、子どもやペットが近付かないように気を付けましょう。

もしもの時のために、スズメバチ用の殺虫剤を常備しておくのもおすすめです。ただし一度に多くのスズメバチが飛んできたり、巣を発見したりした場合は、無理せず専門の駆除業者に連絡しましょう。

どんなお庭にも馴染むマホニアコンフューサ

マホニアコンフューサ

シャープな葉と丸くて黄色い花のコントラストが楽しいマホニアコンフューサは、どんなお庭にも馴染みやすい植物です。

手入れが簡単で病害虫の心配も少ないため、スズメバチにさえ気を付けていれば、年間を通じて美しい姿を鑑賞できるでしょう。

手入れが簡単な庭木をガーデニングに取り入れたい方は「宿根草」の栽培もおすすめです。地上部分が枯れてしまっても地中の根が生きており、毎年同じ時期に花を咲かせるため、忙しい方やガーデニング初心者の方でも手軽に育てられます。

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庭の植栽を充実させて、色とりどりの花木に囲まれたガーデニングを楽しんでみてはいかがでしょうか。