スギやイチョウなど、プロの業者に大きな木の伐採を依頼すると、費用相場は木の高さや周辺状況などによって大きく変わります。コンボをはじめとした重機を使って抜根したり、木の種類、高さによっては30,000円以上かかる場合があります。
大きな木の伐採にかかる費用相場はいくらでしょうか。費用を安く抑えるコツや自分で伐採するときに必要な道具、方法も含めて詳しく解説します。
大きな木の伐採費用の相場はいくら?
大きな木の高さや幹の太さなどによって費用が変わりますが、伐採にかかる費用相場は下記のとおりです。
大きな木の伐採にかかる費用相場
大きな木の伐採作業にかかる費用はおおむね以下の通りです。木が高いほど作業が難しくなるので、費用も上がります。
木の高さ | 伐採費用 |
---|---|
低木(~3m) | 3,000~5,000円 |
中木(3~5m) | 15,000~18,000円 |
高木(5m~) | 25,000~30,000円 |
このほかに、抜根作業や重機の使用、木の処分に対する費用が加算されます。
大きな木の抜根にかかる費用相場
大きな木を伐採して完全になくしたいときは、木の根(切り株)を取り除く抜根作業もあわせて行います。放置するとシロアリが棲みつくリスクもあるので、理由がない限りは早めに抜根してしまうことをおすすめします。
幹回りのサイズ | 抜根費用 |
---|---|
30cm以下 | 6,000~10,000円 |
31~50cm | 15,000~25,000円 |
51~80cm | 25,000~35,000円 |
木の太さを計測する場合は、直径ではなく木の外周を測るのが一般的です。外周の長さのことを幹周りと言い、直径20cmの木であれば幹周り約60cmになります。
大きな木の伐採費用の決まり方と内訳
大きな木の伐採にかかる費用は、各作業費と重機の使用費でおおむね決まります。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
伐採作業 | 3,000円~/本 |
抜根作業 | 4,000円~/本 |
整地 | 300円~/㎡ |
木の処分 | 2,000円~/本 |
木の運搬 | 3,000円~/本 |
クレーン車使用 | 50,000円~/日 |
伐採・抜根作業のほかにも、跡地をととのえる整地の費用や、切り倒した木を運搬・処分する費用などがかかってきます。
またクレーン車による吊り上げが必要になると一気に費用が上がります。1日あたりの使用費で計算されるので、何本伐採しても使用費は変わりません。
なお項目ごとに費用を加算する方法とは別に、以下のような計算式に基づいて決まることもあります。
木の高さ × 工賃 × リスク数値+ その他オプション = 伐採にかかる費用
リスク数値は作業の危険度を表しており、0.5~2.0で表されます。周りに障害物がなく自由に作業ができる場合は0.5、電線や建物が多い場合は2.0です。たとえば高さ15mの木を伐採するとき、一般的な作業内容で周りに電線や建物が少しある場合、以下のような計算式になります。
15m(高さ) × 10,000円(工賃) × 1.0(リスク) = 15万円
あくまで目安なので、敷地まわりの状況によっても大きく金額が変動します。正確な金額を知るには実際に見積もりをとってみることをおすすめします。
大きな木の伐採費用が高くなるケース
基本的には、作業の危険度や難度が上がるのに比例して伐採費用も高くなります。
- 伐採する木が高く、幹が太い
- クレーン車などの重機を使う必要がある
- 周囲に電線や建物などがあり、木を倒すのが難しい
- 庭の近くまで車両が入れず運搬に手間がかかる
前述のとおり、周りに電線や建物などの障害物が多いと、クレーン車で吊り上げる必要が出てきたり、運搬が大変になったりして追加コストがかかることを知っておきましょう。
加えて、木の種類によって枝の伸び方が異なるため、伐採作業の手順が変わってきます。たとえばスギとケヤキの写真を見比べてみると枝の伸び方が異なり、ケヤキのように枝が分かれて広がっている高い木は、伐採する前の調整に手間がかかります。
枝のバランスによって木の倒れる方向が変わるため、狙いの方向に重みがかかるように枝の調整をしなければいけません。
大きな木の伐採費用を安くおさえる3つのコツ
大きな木の伐採費用を安くおさえるには、以下3つの方法があります。
1.伐採後の木を木材として買い取ってもらう
伐採した木の状態が良く、品種に需要があれば、木材として買い取ってもらえる可能性があります。買取金額を伐採にかかった費用と相殺することで、大きな木の伐採費用を安く抑えられます。
買い取ってもらえる可能性が高い木材は以下の種類です。
広葉樹 | ケヤキ、クスノキ、ヤマザクラ、コナラ、クヌギ |
---|---|
針葉樹 | イチョウ、ヒノキ、スギ、カヤ、マツ、モミ |
さらに買い取ってもらうには木材としての利用価値が残っていることが必要です。見た目は立派な樹木でも、内部が虫に食われている場合があるので注意しましょう。
あわせて、木材を買い取ってもらうときは長さを揃えましょう。伐採する木1本から採寸できる長さのバランスを見て切断する必要があり、買い取りを依頼する前に伐採業者に相談することが大切です。
2.可能な範囲で自分で伐採する
高さが3mに満たない木で、幹回りもそこまで太くなければ、自分で伐採するのも選択肢のひとつです。
大きな木の伐採に必要な道具は、低木1本の伐採を業者に依頼するのと同じくらいの料金で用意できます。業者に依頼する場合は抜根や整地、その他オプションの料金が加わるため、さらに高額になることがほとんどです。自分で伐採することで数万円の節約になる可能性があります。
ただし伐採するときは、必ず2人以上で作業しましょう。1人で伐採しようとすると事故のおそれがあるからです。加えて、高さが3m以上の大木や幹が太く伐採が難しい場合は、専門の業者に依頼しましょう。
3.相見積もりをとって比較する
大きな木の伐採は業者によって費用が変わるため、最低でも3社から見積もりを取っておきましょう。依頼する内容によっては10万円以上の差が出るケースもあります。
複数の業者から見積もりが届いたとき、伐採費用の内訳はもちろん、詳細な作業内容や実績などを比較・検討したうえで依頼したい業者を決めましょう。。
自分で大木や高木を伐採する際の費用
自分で大きな木を伐採するときに必要な道具と価格は、以下のとおりです。
用意する道具 | 価格 | 使用目的 |
---|---|---|
のこぎり、またはチェーンソー | 約10,000円 | 幹を伐採する |
ロープ | 約3,000円 | 木を倒す方向を調整する |
スリングベルト | 約10,000円 | ロープを固定する |
軍手、ヘルメット | 約2,000円 | 幹や枝から手や頭を守る |
スコップ | 約1,000円 | 木の根を掘り起こす |
上記すべての道具を買い揃えたときの合計金額は8,000〜10,000円で、追加でチェーンソーを用意すると、10,000〜30,000円かかります。
すでに必要な道具を揃えていたり、自分でやるほうが安いと思える場合は、検討してもいいでしょう。
自分で大木や高木を伐採する7つの手順
大きな木の伐採を自分でやる手順は、下記のとおりです。
1. 大きな木を伐採する前にお祓い・お清めをする
大きな木を伐採する手順の1つ目は、お祓い・お清めをすることです。
日本では木に神や精霊が宿るという信仰があり、長い樹齢を持つ「御神木」は、神社やお寺で大切にされています。伐採前に以下の手順でお清めをおこなってから作業しましょう。
- 木の周りに酒と塩を少量撒く
- 感謝と謝罪の気持ちを込めて手を合わせる
ただし、お清めについては信仰する宗派にもよるため、必ずやらないといけないわけではありません。
2. 大きな木を倒す方向を決める
大きな木を伐採する前に倒木する方向を決めます。ロープを使用して自宅や通行人に危害を与えないように倒木しましょう。作業を行う際、周囲に他の木がない方向を選んでおくと安心です。
3. 不要な枝を切る
大きな木を倒す方向が決まったら、伐採の邪魔にならないように、剪定バサミやノコギリで横向きに伸びている枝や幹の下に生えた枝などを切りましょう。
邪魔な枝を事前に切っておくことで、伐採する際に木が引っかかることや周りの木にダメージを与えることを避けられます。
4. 木を伐採する
不要な枝を切った後は、細い木(幹の直径が10〜15cm程度)に倒したい方向と反対側に切り込みを入れます。深く切り込むと木が自然に倒れるので、伐採する前に作業を進める前に人や物がないことを確認しておきましょう。
太い木(幹の直径が20cm以上)の場合は、切り倒す側に「く」の字型の切り込みを入れ、30〜45度の角度で幹の1/3まで切り込みます。その後、反対側から切り始め、中心近くまで切り込みをいれると自然に木が倒れます。
伐採した木は一定の重量があるため、分割して伐採しましょう。直径5〜10cmの木は肩の高さで一度切り、再度根本近くを切るのが最適です。また根元を切る際、土から10cmほど残しておくと抜根作業がしやすくなります。
5. 抜根する
木の伐採作業が終わったら、抜根作業を行います。自分で大木の切り株を抜根する方法は、下記のとおりです。
- 切り株をスコップで直接掘り起こす
- 切り株除去剤で腐らせて砕く
- 薬剤で切り株を枯らしてから掘り起こす
いずれも伐採のように危険で高い技術が必要な作業ではありませんが、一定の労力と時間がかかります。
6.伐採した木を処分する
抜根作業が終わったら、伐採した木の枝や根っこを処理します。自分で処理する方法は、以下の3つです。
- 粗大ごみとして回収してもらう
- 地域のごみ処理場に運搬する
- (山林や畑であれば)そのまま置いておく
ただし自治体によっては、一定以上の大きさや量の回収を受け付けていないところがあります。その場合は、伐採業者に処分を依頼しましょう。
加えて、自分で伐採した木は自治体の可燃ゴミで回収してもらえますが、長さを短く切って揃えなければいけません。地域によって回収の決まりが違うため、必ず確認してから処分しましょう。
7.伐採・抜根した場所を整地する
抜根すると地面に穴が開き、落下の危険があるため、整地を行いましょう。スコップなどを使って穴に土を入れ直し、板や足で踏み固めることで穴が埋まります。
ただし、業者に整地をしてもらう場合でも費用は300〜600円/㎡が相場です。範囲が狭ければ、そこまで大きな節約にはならない可能性があります。
自分で伐採するのは控えたほうがよい大きな木とは?
自分で大きな木を伐採するなら、高さ3m以内の木にとどめておくと安全です。経験のない人が伐採するのは技術的に難しいほか、重機やトラックを用意すると、数万円の費用がかかります。
ちょっとした道具を揃えるだけでも費用が高いため、基本的には業者に大きな木の伐採を依頼するのがおすすめです。
木の伐採のベストタイミングは?おすすめは冬?
高い木を伐採するなら、冬の時期に行いましょう。空気が乾燥して木の水分量が少なくなることで軽くなり、伐採作業がしやすくなるからです。
加えて花が咲く樹木は、花が咲く前に伐採することでハチなどの害虫被害を防げます。
業者に大きな木の伐採を依頼する際の注意点
なるべく安い費用で、作業品質に信頼が持てる業者を選ぶとき、下記のポイントに注意しましょう。
地域密着の小規模事業者を選ぶ
大きな木の伐採を依頼するときは、なるべく現場の近くで営業している事業者を選ぶのがおすすめです。
伐採した木や抜根した根っこを運搬するトラックや重機を用意する必要があるため、遠方の業者に依頼すると、移動にかかる費用がかさんでしまいます。
見積もり依頼時に状況を細かく伝える
伐採費用は大木の状況や周辺環境によって変わります。業者に見積もりを依頼するときは、以下4つのポイントを伝えましょう。
- 伐採したい木の種類、大きさ(●階の高さ、●m など)
- 伐採したい木の状態
- 困っていること(隣地に越境している、屋根に当たっている など)
- 敷地周辺の状態(道路の幅、建物の状況 など)
相見積もりで大きな木の伐採ができる業者を探そう
大きな木を伐採する際、木の高さや幹の太さだけでなく、事業者によって設定費用が異なります。相場と比べて高すぎる業者を見分けるためには、複数の業者から見積もりをとり、利用者から寄せられた口コミや、同じ条件下での料金を比較することが大切です。
ミツモアでは、伐採したい木の種類や面積、住所など、簡単な質問に答えるだけで最大5つの業者から見積もりが届きます。契約する前にサイト内のチャットで見積もりに関する質問や相談ができるので、不安を解消したうえで依頼できます。