本記事では、庭の木をご自身で伐採する方法のほか、必要な準備や道具・注意点などについて解説します。


ご自宅に植えている庭木を定期的に剪定していても、多忙や体調によっては管理が追い付かないこともあるでしょう。いつの間にか大きく育ちすぎて「剪定では手に負えない」場合は、思い切って伐採するのも選択肢のひとつです。
ご自身で伐採する手順のほか、業者に依頼するかどうかの基準についても説明しているので参考にしてみてください。
自分で伐採?業者に任せる?判断基準は4つ

庭木の伐採をする時はDIYでしない方が良い場合があります。
自分で伐採するか、業者に任せた方がいいかの判断基準は以下の4つです。
①木の高さが3m以上あるか
自分で伐採できる範囲は高さ3m、幹の直径20cm以内が限界と言われています。それ以上に木が成長している場合は、取り扱いが難しいので業者に任せた方が安心でしょう。
また、目安の数字よりも木が小さい場合や幹が細い場合でも、一人でうまく伐採できるとは限りません。少しの不注意でケガにつながる恐れもあるので、伐採が初めての方は一度プロに相談してみましょう。
②木の材質が硬いかどうか
木の種類によって伐採の難易度が異なります。ケヤキ・マツ・カシといったように材質が硬い木は自分で伐採できる範囲でも切るのに労力がかかります。
伐採に取りかかる前にご自宅の庭木の種類を確認しておきましょう。
③木の生えている場所に電線や障害物がないか
木の生えている場所によっては、ご自身で対処することが難しいケースもあります。
生えている木の周りに障害物や移動が困難なものなどが置いてあると、木が伐採するタイミングで破損して思わぬ事故やけがにつながってしまいます。被害が出ないか心配な場合はまず業者へ相談するのが安全です。
他にもご自身で伐採してはいけない代表的な例として、木の枝や葉が電線に引っかかりそうになっている場合も挙げられます。
放置すると感電や火災の恐れがあり非常に危険であるため、むやみに触らず電力会社へ連絡して指示を仰がなければいけません。
④抜根をするかどうか
伐採は木を根本から切り倒すことを指し、抜根は伐採の時に残った根を掘り起こして引き抜くことを指します。伐採しただけでも見た目はすっきりとしますが、根を残したままだとシロアリが住み着く恐れがあるので、伐採と同時に抜根も行うのがベターです。
伐採を検討するレベルまで成長した木の抜根はかなりの重労働になるので、業者に任せた方がよいでしょう。
庭木の伐採を自分でする場合に必要な道具

庭木の伐採は自分で行うこともできます。ご自身で伐採する場合に必要なものはこちらです。
- のこぎりまたはチェーンソー(10,000~30,000円)
- ロープ(2,000円)
- スリングベルト(500円)
- 防護服、ヘルメット、防護メガネ、手袋(セットで20,000円前後)
- シャベル、スコップ(500~2,000円)
- ゴミ袋(100円前後~)
※括弧内の値段はおおよその目安です
(1)のこぎりまたはチェーンソー
細い庭木の場合はのこぎりのみで伐採できますが、木の幹が太い場合や、細くても本数が多い場合はチェーンソーが必要です。
チェーンソーを扱うのに資格は必要ありませんが、木の破片が飛んできたり、キックバックが起きたりする可能性もあるので、初心者は特に慎重に取り扱う必要があります。
大きさや性能にもよりますが、10,000円〜30,000円でホームセンターやオンラインで購入できます。
(2)ロープ
(3)スリングベルト
(4)防護服、ヘルメット、防護メガネ、手袋
(5)シャベル、スコップ
比較的小さめの木の根の場合はシャベルやスコップで掘り出すことができます。
(6)ゴミ袋
伐採した庭木を家庭ゴミとして処分する場合は用意しておきましょう。
自分で庭木を伐採する手順
自分で伐採する場合は事前にしっかりと手順を確認し、計画的に作業を行いましょう。
(1) 伐採する方向を決めてロープを張る
木を伐採する前に、木が倒れる方向を決めてロープを張ります。
何もせずにそのまま伐採してしまうと、木が思わぬ方向に倒れてケガにつながる恐れがあります。倒したい方向にロープを張ることで、倒れる方向をコントロールできて安全です。倒したい方向に障害物がないか、十分なスペースがあるか確認しましょう。少し手間がかかりますが、必ず実施して下さい。
(2) 「受け口」と「追い口」をつくって伐採する
伐採する木はいきなり切り倒すのではなく、まずは木の両側から切り込みを入れて安全に切り倒せるよう準備します。
受け口
まず、倒したい方向に「受け口」という切り込みを入れましょう。受け口の切り込みは幹の直径3分の1を目安に30度から45度の角度で入れます。
追い口
次に、幹の反対側に、「追い口」と呼ばれる、地面に対して水平になるよう切込みを入れます。追い口は、受け口の高さの3分の2くらいの高さに、幹の直径の3分の1までを目安にいれてください。
切り口を刻んだあと、追い口のほうから受け口のほうへ木を押すと、倒したい方向へ木が倒れます。これで伐採が完了です。
キックバックに注意
切り込みを入れるのにチェーンソーを使用する場合は、「キックバック」に注意しましょう。キックバックとは、作業者が意図しない方向にチェーンソーが跳ね上がる現象で、死亡事故にもつながる可能性があるため大変危険です。
作業者のみならず、周囲にいる人も危険に晒す場合があるので、チェーンソーを使用する際はあらかじめ使用方法をきちんと確認しましょう。チェーンソーはしっかりと両手で固定して持ち、木材以外の素材が近くにないことを確認してください。釘などの金属が刃に当たるとキックバックが発生しやすく大変危険です。
(3)伐採した木を処分する
伐採した木を放置すると、シロアリが大量に住みついてしまう場合があります。伐採した木はそのままにせず、迅速に処分しましょう。
伐採した木は、地域によっては燃えるゴミとして処分することも可能です。伐採した木が比較的小さく自分で処分できそうな場合はお住まいの自治体に問い合わせてみてください。
木が大きく、トラックで運搬する必要がある場合は、不用品回収の業者に依頼するのもひとつの手です。業者に依頼した場合、軽トラ積み放題プランなら18,000円から25,000円が相場です。
庭木を伐採する時期はいつが良い?
庭木をご自身で伐採する場合は特に、作業する時期を気を付けることで手間が大幅に減らしやすくなります。
本記事では簡単に、以下の点について解説します。
庭木の伐採は原則冬がおすすめ・夏は避けたほうが良い
木を伐採する場合のおすすめ時期は断然冬です。
冬は湿度が低くて樹木が乾燥していて、他の時期よりも切った後の木が軽く扱いやすくなります。特に他にも、冬に葉が落ちる落葉樹だと、葉っぱや幹の皮が落ちていてその分重さも軽減されるのもメリットです。
逆に夏は冬と真逆で、木が水分を含んでいる・葉っぱがついている分重さが増すので避けたほうが良いでしょう。
常緑樹の場合は秋や春前でもOK
常緑樹の場合でも、伐採は冬に作業するのがおすすめです。ただし葉っぱが落ちない分、落葉樹ほど明らかな重さの違いは感じづらいでしょう。
冬だと都合がつかない場合は夏だけ避けて、秋の空気が乾燥し始める時期・春の新芽が出始める前に作業しても構いません。
つちの日や土用の時期は避けた方がベター
つちの日や土用の時期は土に触れてはいけないとされています。こちらは日本に古来から伝わるものなので、他とは違い明確な根拠はないものです。
- つちの日(大つち):月ごとに異なる(森林組合連合会などのサイトに掲載)
- つちの日(小つち):大つち終了後、1日空けた7日間
- 土用の時期:立夏・立秋・立冬・立春に入る前の18日間
縁起にまつわる言い伝えのひとつなので、もしも気になるようならこれらの期間を避けるに越したことはないでしょう。
庭木の伐採を業者に依頼するときの費用相場
プロに依頼するときの相場庭木の伐採を依頼するときの一般的な相場をご紹介します。
木が生えている場所や状態により金額が変わる可能性がありますが、大まかな相場を把握しておくことで事業者に見積もりを依頼する時もスムーズです。
庭木の伐採にかかる相場
庭木の伐採にかかる費用の相場を木の高さ別にまとめました。
高さ3m未満 | 高さ3~5m | 高さ5m以上 |
3,000円~5,000円 | 15,000円~18,000円 | 25,000円から30,000円 |
追加費用の相場
伐採だけでなく抜根などを併せて依頼する場合は追加費用がかかります。
あらかじめ予算として想定しておきましょう。
抜根(幹周りサイズ)
30cm以下 | 31~50cm | 51~80cm | 81cm以上 |
6,000円~10,000円 | 15,000円~25,000円 | 25,000円~35,000円 | 35,000円~50,000円 |
幹の回収(高さ)
3m未満 | 3~5m | 5m以上 |
3,000円~5,000円 | 8,000円~10,000円 | 12,000円~15,000円 |
根の回収(幹周りサイズ)
30cm以下 | 31cm~50cm | 51cm~80cm | 81cm以上 |
3,000円~5,000円 | 5,000円~8,000円 | 8,000円~15,000円 | 10,000円~30,000円 |
庭木の伐採に関するよくある質問

以下では、庭木の伐採に関するよくある質問について紹介していきます。
伐採と剪定の違いや伐採に適したタイミングなど、伐採を検討している方から多く寄せられる疑問をまとめています。
伐採を自力で行うにはどのくらいの費用がかかる?
ゼロからご自身で道具をそろえる場合は、おおよそ35,000円前後からが目安です(必要な道具より最低金額を足した場合の概算)。
初期費用は業者へ依頼するよりも多くかかります。ただし、定期的に作業をする予定なら上記の金額でほとんど元が取れるとも考えられるでしょう。
ご自身の体力や環境・経済状況と照らし合わせて検討してみてください。
木の伐採で補助金はもらえないの?
お住まいの地域や伐採する木によって、行政から補助金が発生する可能性があります。
ご自身で森林を所有している場合・危険木(放置により被害が出る可能性のある木)の伐採も、条件によって補助金を受け取れるケースもあります。
以下の記事でも詳しく解説しているのであわせて確認してみてください。
伐採の前にお清めは必要?
木にも精霊が宿っているからお清めが必要だ、といわれる場合がありますが、必ずしも正式な形でお清めしてもらう必要はありません。
伐採する木に対し感謝を伝えたいと思えば、それぞれ個人のやり方で十分です。一礼するだけもいいですし、お酒と盛り塩を用意して手を合わす形でも構いません。もちろん神社等に依頼してもいいでしょう。
伐採するのに適したタイミングは?
庭木の伐採は冬に行うのがおすすめです。冬は空気が乾燥しているため、木から水分が抜けて軽くなっています。反対に、夏場は湿気を吸って樹木が重たくなっているので扱いづらいです。
また、落葉樹なら冬場はちょうど葉が落ちている時期なので伐採しても葉が散らからず、作業がしやすいというメリットもあります。
伐採するときの音は近所迷惑にならない?
チェーンソーの音は確かに静かとはいえませんが、作業前後の気遣いや工夫次第で気になりづらくすることは可能です。
チェーンソーの音は数値にすると、おおよそ90~100dBほどとされています。これはドライヤーやカラオケの店内、ガード下で電車が通り過ぎる時などに匹敵する大きさです。
ただしチェーンソーは、振動障害予防の観点から、連続での使用を避けることが推奨されています。1回の作業につき最長でも10分以下、1日2時間以下で作業が目安です。大きな音が鳴るのは比較的短時間といえます。
もちろんご自身で作業する場合は、時間帯や作業時間に気を付けることが前提です。加えてあらかじめ近隣住民に一声かけるなどの根回しをすれば、トラブルを避けやすくなるでしょう。
業者へ依頼する場合は、あらかじめ事業者に確認しておくと安心です。
参考:
自分で伐採するには道具・技術・体力が必要
業者に依頼せず個人で伐採する場合は、道具・技術・体力が必要です。
道具を持っていない方は1から道具を揃えなければいけませんし、伐採は剪定と違って木の幹から切り倒すので大がかりな作業で、技術も必要。また、伐採した後には木の処分などの後片付けもあるので、かなりの体力が必要といえます。
また自力で伐採するコストと手間を考えると、結果的には事業者に依頼する方がコストパフォーマンスがよかったというケースも多いです。
伐採を検討している方は自分で行った方がいいのかプロに依頼した方がいいのか、ご自身の状況に合わせて検討してみてください。迷っている方は一度見積もりを依頼してみてもよいでしょう。
伐採業者選びのポイント
「自分で伐採するのは難しそうだけど業者選びの基準が分からない」という方へ向けて業者選びのポイントをまとめました。
庭木の伐採を依頼するときは以下のことを注意して業者を選ぶと失敗することが少ないです。
見積もり料金システムが明瞭
予算内に収まると思っていても、知らない間に追加料金がかかっていて請求されてしまう場合があります。
後にトラブルにならないように、きちんとした料金システムを採用している業者に頼みましょう。また、複数の事業者に見積もりを依頼して相場と異なっていないか確かめることも重要です。
相談に快く乗ってくれる・きちんとヒアリングをしてくれる
どのように伐採・剪定してほしいかといった要望をきちんと聞かない事業者では依頼内容にすれ違いが発生し、理想と違った仕上がりになってしまうことも。
トラブルに発展しないように、見積もりの際に口コミを確認し注意して事業者を選びましょう。
処分を請け負ってくれるかどうか
庭木を伐採した後は、放置せずに処分しなければなりません。お住まいの地域によっては家庭ゴミとしての処分も可能ですが、自分で運ぶ手間やコストを考えると事業者に請け負ってもらった方がお得な場合があるでしょう。
処分を行ってくれる事業者が多いですが、処分を請け負ってくれない事業者も存在するので見積時に注意して確認しましょう。処分の際に追加費用がかかるかどうかも合わせて確認しておくと安心です。
庭木は自分で伐採せず、プロに依頼しよう
庭木の伐採は、大きさや生えている場所によってはプロにしか対応できないケースもあります。知識や技術が充分でない初心者が行うと、予期せぬケガや事故につながる可能性もあるので注意が必要です。
自分自身で伐採をできるかどうかを検討し、プロの力を借りたい場合はミツモアに登録している事業者に見積もり依頼を出してみましょう。