庭や室内で育てている植物が根腐れかを起こしているかもしれないと思ったとき、どうやって見分ければよいのでしょうか?
この記事では根腐れを見た目で判断する方法、根腐れを起こしてしまったときの対処法をご紹介します。
植物の根腐れとは
そもそも根腐れとはどういった状態のことを指すのでしょうか?
根腐れが植物に及ぼす被害や根腐れの原因について、解説します。
植物の根っこが腐ってしまうこと
根腐れとは名前の通り、植物の根の部分が腐った状態をいいます。一気に腐るわけではなく、根の先端部分から少しずつ腐っていく症状です。
根腐れが起こると植物は呼吸を上手に行えません。呼吸を行うためには根っこから酸素を吸収する必要がありますが、根腐れが起きると窒息状態になってしまうのです。
呼吸ができないと植物は成長できません。そのため根腐れを起こした植物は、適切に処置してあげる必要があります。
放っておくと植物が枯れてしまう
植物が根腐れを起こすと呼吸ができなくなり、成長を妨げてしまいます。
そのままの状態で放置しておくと、根腐れがどんどん進行して枯れてしまうため、放っておかずにしっかりと対策することが大切です。
根腐れを見た目で判断する方法
根腐れが起きているかどうか、見た目から判断する方法はあるのでしょうか?
植物の変化や植えられている土の変化から見分けるコツを紹介しましょう。
葉っぱが茶色や黄色に変色した
根腐れを起こしているかどうかは、葉の見た目でも判断することができます。
本来緑色のはずの葉っぱが茶色や黄色に変わっている場合、根腐れを起こしている可能性があります。
もちろん季節によって色を変える葉っぱもあるため、秋で黄色に色付く植物であれば問題はありません。
しかし季節が原因でもなく変色が現れている場合、根腐れを疑った方が良いでしょう。
葉の変色は根腐れの初期段階であるため、改善の余地があります。
また変色だけでなく落葉が多く見られるケースも、根腐れになっている危険性があるため要注意です。
幹がぶよぶよしたり根元がグラグラする
幹の部分が柔らかくなっていたり、触ってみてぶよぶよした感触があったりするようなら、根腐れを起こしている可能性があります。
また根元の方を触ってみて不安定さを感じるようであれば、ある程度根腐れが進行してしまっていると考えられます。
根腐れは進行してしまうと元の状態へと戻すことは難しい場合もありますが、水やりを一時停止するなどして経過観察してみましょう。
土の表面にカビが生えている
葉っぱの変色や落葉は、比較的根腐れの初期段階といえます。それが進行すると幹がぶよぶよとした感触になり、根元がぐらついてきます。
さらにそこから根腐れが進んだ場合、腐った部分から悪臭が漂うようになってしまうのです。
被害は臭いだけでなく、腐食によるカビという形でも発生します。
ここまで進んでしまうと植物自体への影響はもちろん、植えている鉢や土にカビが生えてしまい、衛生的な問題が生じるため危険です。
根腐れが起こる原因
根腐れがなぜ起こるかについては、いくつか原因があります。
水やりをしすぎると土が湿気を多く含むようになります。
すると根っこが窒息し、呼吸がうまく行えなくなり根腐れを起こすのです。
水はけの悪い土を使っていた場合も同様に、水はけ後に本来生まれるはずの空気の隙間がふさがれてしまい、酸素不足に陥ります。
肥料を与えすぎても、根腐れは起きやすくなってしまいます。
通常であれば適量の肥料が根っこに吸収されますが、肥料過多になると根っこの水分が土の中に漏れ出て、根っこがしなびてしまうのです。
根腐れが起きたときの対処法
育てている植物が根腐れであることが判明した場合は、どうすれば良いのでしょうか?
実際に根腐れを起こしてしまった場合の対処法を紹介します。
植物に合った土を用意し植え替える
根腐れの症状が確認できたら、ただちに新しい土を用意して植え替えることが第一です。
すでに腐った土が根っこに付着しているため、しっかりと植え替え前に土を落としておくことが重要です。
また鉢から出したときに根っこ部分が腐っているのであれば、腐食部分をはさみで切っておくことも大切です。もし根っこと茎のバランスが崩れ、根っこが茎を支えられそうにない場合は、バランスを整えましょう。
植え替えた後は再び根腐れを起こさないよう、水やりを控えめにしつつ新芽が生えるのを待ちます。
臭いや変色が起こることなく、正常な状態に育っていることが分かったら、普段通りの頻度で水やりをしても大丈夫です。
植物の植え替え手順
具体的な植え替えの手順は、以下の通りとなります。
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植え替えるときのポイントは、植え替え先の土です。
植物が好む土はそれぞれ異なるため、対象となる植物に合った土を選んであげると良いでしょう。
根腐れを防ぐ方法
そもそも根腐れを起こさないようにするには、どうすれば良いのでしょうか?
水やりや管理場所の観点から解説します。
水をやりすぎない
前述の通り、水のやりすぎは根腐れが起こる原因となります。
観葉植物は基本的に、暑い地域が原産である種が多いです。そのため本来、観葉植物の多くは日本の冬の寒さに適していません。
根っこから水を吸い上げる力も、冬は弱まります。
吸い上げる力が弱まった状態で水を与えすぎると、吸収しきれずに根腐れが起こってしまうのです。
これを防ぐためには、水やりの方法を工夫する必要があります。
土の表面を観察し、乾いていることが確認できたら水を与えるようにするのがコツです。
風通しのいい場所に置き日光にあてる
湿度が高い場所は植物にとって悪影響なので、日当たりや風通しが良い場所に置いて日光にあてることが大切です。
もし間取りの都合上などで置き場所を自由に選べない場合でも、ベランダや窓付近へこまめに移動させてあげるだけで、ある程度は予防できます。
置き場所以外の注意点としては、土にも気を付けましょう。
水はけが悪い状態の土をいつまでも使用していると、それもまた根腐れの原因となります。
排水性が良い土を使って、排水性が落ちてきたと感じたら定期的に土を交換すると良いでしょう。
排水性が良い土は一粒一粒の間に十分な隙間があり、通気性・排水性・保水性のバランスが取れています。
土を握ったときに固まったり、固めた土を軽く指で押したときに崩れたりする土は良い土であるといえます。
根腐れかもと思ったらすぐに対処を
根腐れは、放置しておくとどんどん進行し、せっかくの植物をダメにしてしまいます。根腐れが起きると葉っぱの変色や根元のぐらつき、悪臭が発生するといった症状が現れます。
根腐れ対策として確実なのは植え替えを行うことなので、新しい鉢と土を用意して、植物にとって過ごしやすい環境を整えてあげましょう。
植物のためを思って水を与えすぎると逆効果にもなるので、水のやりすぎにも注意しつつ、風通しのいい場所に置くことで根腐れを防げます。