庭があると一度は悩むのが、雑草対策ですよね。雑草対策には色々なものがありますが、ウッドチップを敷くというのもその1つの方法。しかも、他の雑草対策に比べると断然おしゃれです。
- ウッドチップだけで雑草対策はOKなの?
- ウッドチップの効果や注意点を詳しく知りたい!
- どんな風に敷けばおしゃれな庭になる?
そんな疑問がある方のために、ここではウッドチップを使って庭の雑草対策をするメリットやデメリットをご紹介。またウッドチップを使ったおしゃれな庭作りに関しても詳しく解説していきます。
ウッドチップで庭の雑草対策をするメリット!6つの効果を解説
ウッドチップを使った雑草対策は、他の方法と違いメリットがたくさんあります。雑草を防止できるのはもちろんのこと、他にも以下のような効果があります。
- 庭の雑草を抑制する
- 庭やエクステリアをおしゃれにする
- 土表面の温度変化を緩和する
- 泥跳ねを防止する
- リラックス効果をもたらす
- 消臭効果がある
効果①庭の雑草を抑制する
ウッドチップを庭に敷き詰めることで、土には日光が当たらなくなります。また風にのって飛来した種も土に着地することができず、芽を出せません。こういった理由から、ウッドチップは雑草対策に有効なのです。
ただし、頑固で頑丈な雑草にはウッドチップだけだと効果が高いとは言えません。そんな時は防草シートを敷いてから、ウッドチップを敷き詰めてみましょう。こうすれば大体の雑草は出て来られなくなりますよ。
効果②庭やエクステリアをおしゃれにする
庭土がむき出しの状態に比べて、ウッドチップが一面にまかれた庭や花壇は各段におしゃれです。ウッドチップから良い香りが立ち上る上、葉の緑や花の色がウッドチップの白っぽい茶色にとても映えます。木の温かみがある穏やかな雰囲気を簡単に出せますよ。
効果③土表面の温度変化を緩和する
ウッドチップはマルチング材(表面を覆い隠すもの)としても優秀です。ウッドチップを敷けば直射日光が当たらないため、夏場に土表面が高温になったり冬場に霜が降りたりするのを防げます。
効果④泥跳ねを防止する
ウッドチップがあれば、雨が当たってぬかるんだ道を歩くこともありませんし、犬や子供が庭で遊んだ際には泥跳ね防止にもなります。また泥跳ねによって病気になることがあるバラなどに対しては、株元にウッドチップをまくことで病気予防にもつながります。
効果⑤リラックス効果をもたらす
ウッドチップの多くは良い香りを発します。敷いてしばらくはチップからでる良い香りが広がり、森林浴と同じくリラックス効果をもたらします。ただし、香りの種類や強さは原材料となる木材によって違いますので、お好みの香りを見つけてくださいね。
おすすめはヒノキです。自律神経の中でも特に副交感神経に作用し、呼吸を正常に整えて、不眠を解消するといった効果があります。
効果⑥消臭効果がある
ウッドチップには消臭・防虫・防カビ・抗菌の効果があるため、犬が糞尿をしても大丈夫。尿はチップが吸収しますし、糞はチップごと取り除けて始末がしやすいでしょう。さらに木から出る成分で雑菌の繁殖を防ぎ、消臭してくれます。
ウッドチップのデメリット・注意点4つ!購入前に必ず確認
では、ウッドチップのデメリットや注意点も見ていきましょう。気を付けたいのは、以下の4つです。
- 虫やキノコが発生することもある
- コストが高め・1年~2年ほどで補充もしなければならない
- 土の表面が見えなくなる、植物を育てづらくなる
- 風で飛ぶことがある
注意点①虫やキノコが発生することもある・じめじめした所には適さない
ウッドチップは木材なので、日当たりのよくない場所や雨季などには、内部に湿気がたまってじめじめしやすくなります。するとキノコやカビ・虫(※)が発生する可能性があるのです。
また、あまりにも安いウッドチップだと、しっかり乾燥されないまま売られていることがあります。その場合も虫やキノコなどが発生しやすいので、購入時・使用前にしっかりと品質を確認しておきましょう。
ウッドチップは基本的に日当たりが良く、風通しが良い場所に敷くようにします。虫を予防するなら木酢酸という忌避剤をまくことも有効ですが、においがするため苦手な方もいるかもしれません。
※ナメクジやダンゴムシなど
注意点②コストが高め・1年~2年ほどで補充もしなければならない
ウッドチップはおしゃれでエコ素材ですが、雑草対策としては他の方法よりもコストがかかります。相場はウッドチップ50Lあたり2,500円前後、100Lあたり5,000円前後で購入できることが多いでしょう。必要数の計算方法は後半で詳しく解説しています。
また、ウッドチップの耐用年数は一般的に1年~2年ほど。経年劣化で土へと還っていくため、量が減って土が見え始めます。お庭の条件によっては半年程度で補充が必要となるので、その度にウッドチップを購入しなければなりません。
注意点③風で飛ぶ(散らばる)ことがある
ウッドチップは防草シートとは違い、しっかりと固定するわけではありません。そのため、どうしても強風で飛んでしまうというデメリットがあります。しっかり管理していないと近所からクレームが来てしまうこともあるので、注意してくださいね。
風に飛ばされて困る場合は、柵を張って全てのチップが止まるようにするのがおすすめです。
注意点④土の表面が見えなくなり、植物を育てづらくなる
ウッドチップを敷くと、土の表面が見えなくなるため、育てている植物に水やりや施肥が必要かどうかの判断がしづらくなります。多くの植物は土の表面が乾いたら水やりの合図ですが、それが分かりにくくなってしまうのです。
また、施肥もしにくくなるでしょう。土に穴を掘るとチップが流れ込むため、施肥のたびにチップをある程度退けてから肥料をやらなくてはなりません。
庭にウッドチップを敷くとシロアリが寄ってくるのでは?
ウッドチップはシロアリの巣になるには厚みが足りません。しかし、シロアリは土の中に巣を作り、ウッドチップの木を餌とします。そのため、場合によってはシロアリが発生してしまうこともあります。
シロアリを寄せ付けないようにするには、防虫効果の高い木材を使ったり、日当たりの良い場所に敷いたりするなどの対策が必要です。また、シロアリはマツの木を好むので、ウッドチップを選ぶ際はマツを避けるのが無難。
「ヒバ」や「ヒノキ」のウッドチップであればシロアリが寄り付きにくいですよ。人工的に防虫効果を施したチップもありますので、心配な方はそういうものを使うのも良いでしょう。
ウッドチップの種類!庭に使うのにおすすめの種類は?
ウッドチップは種類が豊富でいろんな商品が販売されていますが、代表的な素材は「ヒノキ」「ヒバ」「杉」「サワラ」の4つ。この4つの特徴を一覧にしてみました。
ヒノキ | ヒバ | 杉 | サワラ | |
香り | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
消臭 | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
防虫 | ○(ダニ・ノミ・シロアリ) | ○(蚊・シロアリ) | × | × |
防カビ | ◎ | ◎ | ○ | × |
除菌 | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
参考価格(50L) | 1,680円 | 3,500円 | 1,680円 | 1,480円 |
サワラは単品ではなく、杉などと混ぜられて「ナチュラルウッド」といった商品名でよく販売されています。手頃な価格ですが防虫や防カビ効果はなく、香りや消臭力もさほど高くありません。
おすすめはヒノキのウッドチップ。香り・消臭・防カビ効果に優れており、防虫と除菌効果もあります。ヒバよりも価格が安いというメリットもあります。
ウッドチップとバークチップの違いは?
ウッドチップを調べるとバークチップという言葉がよく出てきますよね。バークチップはウッドチップの一種。用途はほぼ同じですが、原材料や効果が違います。
種類 | ウッドチップ | バークチップ |
特徴 | ・木の内側を使用 ・軽くて小さい |
・木の皮を使用 ・丸みを帯びた形で大きめ |
色 | 白っぽく清潔感がある | 赤っぽく重厚感がある |
使用木材 | ヒノキ・杉・ヒバなど | 赤松や黒松 |
メリット | 消臭・抗菌などの効果がある | ・コストが安い
・虫食いに遭いづらい |
バークチップの方が1つずつのサイズが大きいため、ウッドチップより使用量が少なく済みます。ただしバークチップは乾燥させると欠けやすくなってしまうのがデメリット。購入する時には見た目か効果かコスト面か、自分が優先するものを決めて選んでくださいね。
砂利とウッドチップ、どちらがいい?
ウッドチップやバークチップのほかにも、庭の整地に砂利が使われることもあります。
砂利はウッドチップのように定期的な補充が必要なく、手軽に使用することができます。またウッドチップと同様に雑草対策にもなります。
あまり細かい手入れが得意ではない人にとっては砂利の方がいいかもしれません。
砂利には「砕石」「玉砂利」「瓦砂利」といった様々な種類のものがあるので、こちらも検討してみるといいでしょう。
ウッドチップを使った庭の作り方
ウッドチップを使って、庭をおしゃれに作っていきましょう。まずはウッドチップの敷き方から説明します。防草効果を重視したい方は、防草シートありのやり方を参考にしてください。
ウッドチップの敷き方・防草シートなしの場合
庭や花壇、鉢植えで土の上にそのままウッドチップを敷くやり方です。
- ウッドチップを敷く場所の雑草を徹底的に抜く
- 雑草を掘った穴を埋めて平らにする
- 地面から10㎝程度厚みをもたせてウッドチップをまく
- 竹ぼうきなどを使って表面をならしたあと、ウッドチップの上を歩いて踏み固め、ホースで水を全体にまいてなじませる
歩き固めてホースで水をまくと、地面になじみやすくなります。さらに風に飛ばされにくくもなるため、念入りに踏み固めましょう。
鉢植えのおしゃれ目的で使う場合・マルチング目的で使う場合は、土が隠れる程度(厚さ3cm程度)でOK。踏み固める必要はありません。
ウッドチップの敷き方・防草シートありの場合
続いて、雑草対策で防草シートを併用するやり方です。
- ウッドチップを敷く場所の雑草を徹底的に抜き、小石や釘などを取り除いたあと防草シートを敷き詰める
- 防草シートは固定ピンを使ってしっかりと止める
- ウッドチップを防草シートの上に5cm程度の厚みでまく
- ウッドチップの上を歩いて踏み固め、最後に全体にホースで水をまいてなじませる
防草シートはウッドチップの量を少なくできるため、広い所での施工ではコスト削減になります。
シートが重なった部分から雑草がはみ出してこないように、テープなどでふさいでおきましょう。シートの端など、不要な部分をカッターやはさみで切り取るのがおすすめです。
ウッドチップの必要量の計算方法
ウッドチップは雑草対策に使おうと考えると、相当の量が必要です。先にコスト面を計算しておくと、金銭的な「こんなはずじゃなかった」を防げますよ。
まずは必要な厚みを決めます。雑草対策の場合、土にそのまま敷くなら10㎝の厚み、防草シートを併用するなら5㎝の厚みが必要です。厚みを出したら体積を計算します。
<計算式>
縦(m)×横(m)×厚さ(m)=体積 ※cmではなくm(メートル)で計算する |
ウッドチップはリットルで売られているので、体積をリットルに変換する必要があります。以下の式で計算し、必要リットルを求めましょう。
体積×1,000=必要リットル(L)
一般的には1袋50Lで販売されていることが多いので、上記の計算結果を元に必要数を購入しましょう。5,000L必要だった場合、50Lの袋を100個購入すれば良いというわけですね。
50Lあたり2,500円前後、100Lあたり5,000円前後で購入できることが多いでしょう。
ウッドチップで作る庭の手入れ方法
ウッドチップのみの場合にも、防草シートを併用した場合にも、敷きっぱなしで放置してはいけません。時々全体をかき混ぜるようにほうきなどで動かしましょう。そうすれば裏側・下側の湿ったチップが表面に出され、乾燥させられます。カビや害虫の発生を防ぎつつ、劣化を遅らせることができますよ。
また、日照りが続いてチップがカラカラに乾いたり子供や犬が遊んで砂や土にまみれてきたりすれば、水をまいて汚れを取りましょう。庭全体の見栄えも良くなります。
おしゃれな庭にするためのウッドチップの使い方
ウッドチップを使うとエクステリアや庭全体がおしゃれで温かな雰囲気になりますが、コスト面や手間を考えてたくさん購入できない場合もあるでしょう。
ウッドチップを使って簡単にエクステリアや庭をおしゃれにしたい時は、砂利やカラーストーン・レンガなどを組み合わせてみましょう。
たとえば全体的には砂利を敷き、花壇の周囲をレンガで囲って、花壇の中のみウッドチップにする方法です。境目がハッキリしている上、チップの使用量も少ないので手間もコストもかかりません。砂利とレンガ・ウッドチップで色彩もカラフルになって見る人の目を楽しませてくれます。
また、地面ではなくハンギングをしている(上から吊るしている)植物にのみウッドチップを使うのもおすすめ。ポトスなど鮮やかな緑色の植物と組み合わせれば、とてもおしゃれに見えますよ。