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グランドカバーにおすすめの植物16選!植えてはいけない植物も紹介

最終更新日: 2024年01月31日

「グランドカバーを植えたいけど、どんな植物を選べば良いのかわからない」
「花壇の空いている部分に雑草が生えて困っている」

這うように育つ植物で地面をおおうことを「グランドカバー」といいます。この記事では、グランドカバーの役割や目的に応じたおすすめの植物を紹介します。

グランドカバーとは?庭に植える3つのメリット

グランドカバー、クリーピングタイム

「グランドカバー」とは土の部分を植物や砂利などでカバーすること。地面を覆うように生える背丈の低い植物であれば、ハーブや草、花など様々な種類がグランドカバーになります。例えば庭の土をカバーする芝生もグランドカバーの一種です。選ぶ際は成長スピードが早く、多少踏まれても耐えられる植物がよいでしょう。

グランドカバーには、景観をよくするだけではなく、以下のような役割があります。

  • 雑草が生えにくく手入れが楽になる
  • 泥はねやほこりの飛散が抑えられる
  • 暑さ対策になる

雑草が生えにくく手入れが楽になる

土がむき出しになっていると、雑草が生えやすくなります。グランドカバーをすれば雑草が生えるスペースは減少し、結果的に庭の手入れが楽になります。

雑草対策には地面をしっかりと覆うように生える植物や、根が土中に密集しながら伸び広がる種類のものを選びましょう。密度が高ければ高いほど隙間ができず、雑草の種が飛来してきても、成長しにくい環境となるため育ちません。

泥はねやほこりの飛散が抑えられる

土が乾燥して風が吹くと砂埃となって舞い上がり、雨が降れば雨水が泥と混ざりあって泥はねで汚れが飛び散ります。

グランドカバーをすれば土の表面が植物に覆われるため、風や雨による汚れの影響を受けにくく、泥やホコリの飛散が最小限に抑えられるのもメリットのひとつです。

蒸散作用で暑さ対策にも効果的

植物は根から水分を吸収することで、水中に溶けた養分も体内に取り込み、成長します。主に葉の表面から吸収した水分を排出して、体温や水分量の調節をしています。この働きが「蒸散」です。

蒸散の過程において、水分が気体になるときに周囲から熱を奪いますので、周辺の気温が下がります。

またアスファルトやコンクリートの地面は、太陽の照り返しが非常に強く、気温を上昇させる大きな要因です。グランドカバーをした庭は、何も対策をしていない庭の温度と比較すると約5度も低いと言われています。

自宅に適したグランドカバーの選び方

グランドカバー

グランドカバーと一口に言っても、地面を這うように成長する植物は数多く存在します。「植えたい場所にぴったりの種類をどうやって選べばよいのか分からない・・・」という方もいるかもしれません。

人それぞれどんな環境の庭に植えるのか、どんな役割を期待しているのかが異なると思いますが、グランドカバーにする植物を選ぶときに基準にすべきポイントをいくつか紹介します。

【確認するポイント】

  • 日の当たり方
  • 成長の仕方
  • 踏みつけへの耐性

【日向・日陰】 日の当たり方を確認

ひとつ目のポイントは、日の当たり方です。グランドカバーをする場所の日当たりは、植物の成長に大きく影響するので、確認しておきましょう。

日光が少ない場所でも育つかどうかは、植物の種類で異なります。適した生育環境で育てることが大切です。「クローバー」や「シバザクラ」などは日向~半日陰で、「クリスマスローズ」や「ギボウシ」は半日陰~日陰でも丈夫に育ちます。

成長の仕方を考える

種類ごとの成長の仕方が異なるため、スペースや目的に合った植物を選ぶとよいでしょう。成長スピードや繁殖方法などの特性を理解せずに植えてしまうと、予想外に広がり過ぎるなど、手に負えなくなることもあります。

グランドカバーとして利用する植物は、年中常緑が楽しめる「多年草」や、冬季のみ地上部が枯れ春になると再び常緑が楽しめる「宿根草」が人気です。

また「一年草」は成長スピードが早く、1年で枯れます。そのため毎年違ったグランドカバーで、庭をデザインしたい人に向いているでしょう。

踏みつけに対する耐性も確認しておこう

踏み付けに対するダメージにも、注意が必要です。丈夫な品種は通路に植えても問題ありません。一方、弱い品種は直接踏まない通路脇などに植えるなど、工夫してみましょう。

【日陰でも育つ】おすすめグランドカバー4選

あまり日が当たらない部分にグランドカバーを敷き詰めたい場合は、耐陰性のある植物を選ぶ必要があります。日陰の環境でも比較的育ちやすい種類を3つ紹介します。

丸い葉がたくさんつく「ディコンドラ・エメラルドフォールズ」

ディコンドラ・エメラルドフォールズ

地面を這うように丸っこい葉を伸ばすディコンドラ。

耐陰性は品種によって異なり、日陰で湿度が高い場所に適しているのは緑の葉をつける「ディコンドラ・エメラルドフォールズ」。銀色の葉の「ディコンドラ・シルバーフォールズ」は乾燥した日当たりのよい場所を好みます。

踏みつけにはあまり強くないので、人通りの多い場所には植えないようにしましょう。

手のかからない多肉植物「セダム」

セダム

小さくぷっくりした肉厚な葉が特徴的なセダム(マンネングサ)。常緑の植物で、一年中明るい緑が庭を彩ってくれます。初夏には黄色い花をつけます。

日陰でも育ち乾燥にも強く、植えっぱなしでも育つので手がかかりません。根が深くないので、植え替えもかんたんです。

成長は比較的ゆっくりなので、庭全体というよりは限られた範囲のグランドカバーに向いているでしょう。

葉の斑模様が美しい「ハツユキカズラ」

ハツユキカズラ

葉に雪が乗っているような見た目がかわいらしいハツユキカズラ。ピンクから白の斑入りの新葉が現れ、緑一色に変化する過程を楽しめます。5~6月に白い花も咲かせます。

半日陰の環境でも育ちますが、適度に日が当たる環境に置くことで葉の斑模様がきれいに現れます。ただし直射日光を当てすぎると葉焼けしてしまうので注意。

リシマキア・ヌンムラリア・オーレア

リシマキア・ヌンムラリア・オーレア

グランドカバー向きのさまざまな品種があるリシマキア。その中でも「リシマキア・ヌンムラリア・オーレア」は水を含んだ湿り気のある環境を好み、日陰のじめっとした場所にも適応してくれる品種です。ただし蒸れには弱いので、風通しが悪い場所は要注意。

葉は明るい緑色で、小さな黄色の花を咲かせるのが特徴。なお日射しが強いほど葉に黄色味が出て、鮮やかな発色になります。

冬のあいだは葉が赤茶色に変化しますが、春になるとまた緑色の新芽を出して成長を再開します。常緑ではありませんが、季節感を感じられるグランドカバーです。

【踏みつけに強い】おすすめグランドカバー3選

植えたい位置によっては、グランドカバーが踏まれるリスクが高いこともあります。人通りの多い場所に植えるのであれば、踏みつけにも耐えられる植物を選びましょう。

踏まれても大丈夫なグランドカバーを3つ紹介します。

白い小花を咲かせる「クラピア」

特徴

  • 春~夏にかけて白い小花を咲かせ、花畑のようになる
  • 常緑ではなく、休眠期である冬は茶色になる
  • 手入れが楽

「クラピア」は冬以外の季節に、白くて丸い子花を咲かせる植物です。日本に古くから繁殖している「イワダレソウ」を品種改良して誕生しました。

成長スピードが早く、種をつけずに水分と土中の養分だけで、地面に広がりながら繁殖します。特別な手入れは不要なので、手間をかけずにグランドカバーをしたい人にぴったりです。

丸みを帯びた葉っぱ部分は丈夫で、踏まれても大きなダメージを受けません。素足で歩けるほどやわらかく、花の季節が過ぎたら、刈り込んでみてもよいでしょう。まるで緑の絨毯の上を歩いているような気分が楽しめます。

ちなみによく似た品種であるヒメイワダレソウ(リッピア)は、クラピアよりも安価に手に入りますが、繁殖力が非常に強く、植えたい範囲を超えて広がることも多いので注意が必要です。

濃い緑の葉をもつ「タマリュウ」

タマリュウ

特徴

  • 常緑性
  • 手入れが楽
  • 日陰でも育てることができる

「タマリュウ」は常緑の植物で、冬になってもあざやかな緑色で庭を彩ってくれます。

グランドカバーとして使われる植物のなかでは、比較的踏みつけに強い種類です。

ただし、少し踏まれたくらいでは枯れないというだけで、継続的に強い踏圧がかかるとダメージを受けてしまうので注意が必要です。日常的に上を走り回ることは避けましょう。

グランドカバーとしても使われる苔の一種「ハイゴケ」

ハイゴケ

地面を這うように繁殖する様子から名づけられたハイゴケ(這苔)。日本にも自生する植物で、和風の庭にもマッチします。

乾燥にも強いですが、基本的には多湿な環境を好むのでしっかり水をやりましょう。ただし蒸れには弱いので、生い茂ってきたら適度に剪定すると良いです。

苔なので根がなく踏みつけにはとても強いですが、地面にしっかり根付いていない分、はがれてしまう恐れもあります。はがれた箇所は元に戻しておけば大丈夫です。

【花を咲かせる】おすすめのグランドカバー6選

花を咲かせる植物なら、雑草対策をしながら季節ごとに華やかな庭を楽しめます。ここではグランドカバーにおすすめの花を紹介します。

鮮やかな花が広がる「シバザクラ」

「シバザクラ」は春になると、桜に似た淡いピンクの花を咲かせることから、名づけられました。濃いピンクや白、藤色もあり種類が豊富です。名前から日本生まれと思われがちですが、原産地は北アメリカ東部です。

地面に這うように広がる茎の節目から発根して繁殖し、高さは10cmほどになります。花や茎は踏まれるとダメージを受けるため、歩くスペースには植えないようにしましょう。

湿気が苦手なので、根付くまでは土表面が乾いてから、たっぷりと水やりします。きちんと根付いたあとは、とくに水やりは必要ありません。

「タピアン」

タピアン

サントリーが開発したブランド苗であるタピアンは、春から秋にかけて白やピンク、紫の花を咲かせる背の低い植物です。雑草よりも早く咲き広がり、お庭の雑草対策にも適しています。

冬になると茶色く枯れたような見た目になりますが、春になるとまた花を付け始めます。手入れの手間はかからず、ほぼ植えっぱなしでも問題ありません。

「ベロニカ・オックスフォードブルー」

ベロニカ・オックスフォードブルー

ベロニカ・オックスフォードブルーは3~5月に青紫色の花を一面に咲かせます。葉は常緑ですが、寒い時期には葉の色がやや濃くなります。

繁殖力は強すぎず扱いやすいですが、きれいに花を見せるには少し切り戻して整えてあげるのがおすすめです。

踏みつけには強くないので、花壇や人が立ち入らない位置のグランドカバーとして植えましょう。

「プラティア」

プラティア

プラティアは小さな星型の花が特徴的。白や青紫の花が細かく咲き、満開時には花のカーペットを敷いているような見た目になります。また春と秋の年2回開花を楽しめるのも魅力です。

雑草を抑制する作用もあるので、雑草対策としてグランドカバーを検討している方にもおすすめです。

直射日光に当たりすぎると葉焼けのおそれもあるので、半日陰から日向で、適度に水を与えて育てましょう。

「イブキジャコウソウ」

イブキジャコウソウ

タイムの仲間で、葉からはハーブのような香りがします。その香りと、伊吹山に自生していることから名づけられ、漢字で書くと「伊吹麝香草」です。

開花期は6~7月が最盛期で、10月頃までちらほらと花が続きます。土壌の酸度が花の色に影響する植物で、アルカリ性が強いとピンク寄り、酸性が強いと薄い紫色になります。葉の色は季節によって変化し、春から秋にかけては緑色、冬は銅色です。

雑草を抑える効果もあり、植えてから1年以上経つとだんだん雑草の発生が減ります。

「イオノプシジウム」

イオノプシジウム

4枚の薄い紫色の花びらが特徴的な「イオノプシジウム」。開花期は3~6月頃と比較的長いです。

一年草なので花を咲かせた後は株が衰えて枯れてしまいますが、こぼれた種からまた発芽し、新しい株が成長します。

踏みつけには強くないので、花壇や人が立ち入らないエリアでの栽培がおすすめです。

【虫除けになるハーブ系】おすすめのグランドカバー3選

風が吹くたびに、さわやかな香りを楽しみたい人にはグランドカバープランツにハーブを植えてみましょう。ハーブの香りには、リラックス効果やリフレッシュ効果、虫除けの効果があります。

また料理に使えるハーブなら、無農薬で育ててみてはいかがでしょうか。おすすめのハーブを3種紹介します。

縦に花を咲かせる「アジュガ」

「アジュガ」は春から初夏にかけて、直立した花穂に青紫やピンクの花を咲かせる「シソ科」の多年草植物です。耐陰性が強いため、日陰でも丈夫に育ちます。

ただし根が浅いことから、夏の強い日差しが苦手です。直射日光が当たらない場所に植えるとよいでしょう。

アジュガの美しさは花だけではありません。葉色は緑やブロンズ、白い斑点の入ったものやピンクがかったものなど、品種によって様々です。暖かい季節には花を、寒い季節には葉っぱを楽しめるでしょう。

料理に添えたい「ローズマリー」

「ローズマリー」は大きく以下の3種類に分けられます。

  • 上に向かって伸びていく立地性
  • 地面を這うように広がる半ほふく性
  • 垂れ下がって生えるほふく性

グランドカバーとして植える場合には、半ほふく性を選びましょう。耐寒性もあるため、関東から南側の地域では屋外での栽培が可能です。ローズマリーの花は、青色や薄紫色が多く、2~10月頃に開花します。日陰でも日向でも育つ、丈夫なハーブです。

葉は、鼻に抜けるようなシャープでさわやかな香りを楽しめます。肉や魚の臭み消しとして料理に使ったり、乾燥させてサシェとして部屋に飾ったりと大活躍するでしょう。

ピンクの花もかわいらしい「クリーピングタイム」

タイムの品種は大きく分けると、立地性とほふく性の2種類です。「クリーピングタイム」は英語で、「creeping(這いまわる) thyme(タイム)」と表記されます。名前からもわかるように、ほふく性の代表的な品種の一つです。

繁殖力が旺盛かつ常緑多年草なので、特別な管理や手入れは必要ありません。葉は、清々しいさわやかな香りを放ちます。

踏み付けによるダメージを受けやすく、夏の暑さと湿気が苦手です。歩くスペース以外の風通しのよい半日陰に植えましょう。4~6月には小さなピンク色の花を咲かせて、フラワーカーペットのように華やかな雰囲気も楽しめます。

植えてはいけない?繁殖力の強すぎる植物5選

クローバーの葉

グランドカバーとして育てる植物は、基本的に丈夫でよく成長してくれるものが適しています。

ただし、中には予想以上に繁殖力が強い植物もあります。広がりすぎて手に負えなくなってしまい、植えてから後悔する・・・ということがあるかもしれません。

一度繁殖してしまうと除去がとても大変なので、植える前によく植物の特性を理解しておきましょう。

繁殖力が強く、取扱い要注意な植物

繁殖力の強い品種はすぐに広がってしまうので、管理が非常に大変です。ほかの植物のエリアまで侵食して成長を阻害してしまったり、塀や家屋を覆うまでに広がったりする場合もあります。

かなり大きな庭であったり、広大なエリアをおおうグランドカバーを植えたい場合には適しているかもしれませんが、個人宅の庭に植える場合は十分に注意しましょう。

グランドカバーとして使われることがあり、高い繁殖力を持つ植物を5つご紹介します。

写真 植物名・特徴
ワイヤープランツ ワイヤープランツ

ワイヤーのように絡み合う枝が特徴的。

ヒメイワダレソウ ヒメイワダレソウ(リッピア)

クラピアと同系統の品種。

クローバー クローバー(シロツメクサ)

公園や土手にも自生する。

ツルニチニチソウ ツルニチニチソウ

ニチニチソウとよく似た花を咲かせる。

アップルミント アップルミント

香りが虫除けになる。

グランドカバーでお庭コーデを楽しんで

明るいカラーリーフが綺麗なロニセラレモンビューティー

グランドカバーは庭の空いたスペースに植物を栽培して、雑草対策をしながら景観を整える役割があります。手入れに手間をかけたくない人は、常緑種の丈夫な品種がおすすめです。

またグランドカバープランツには花が咲くものや、香りがするものなど選択肢がたくさんあります。自分好みの植物を選んで、お庭コーデを楽しみましょう。