ミツモアメディア

オオイヌノフグリの別名や名前の由来は?ネモフィラとの違いも紹介

最終更新日: 2021年01月22日

「オオイヌノフグリ」は道端で見かけることも多い、小さな青い花のことです。日本全国に分布しているため、一度は目にしたことがあるでしょう。オオイヌノフグリの名前の由来やどのような花なのか、ネモフィラとの違いについても紹介します。

オオイヌノフグリとは?

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリは小さな青い花びらが特徴的な植物です。花びらの大きさはおよそ7~10mmしかありませんが、とても丈夫で繁殖力が強いといわれています。

秋に発芽し、雪や霜といった冬の厳しい環境にも負けずに、春の開花までじっと耐えるタフな植物です。茎や葉にはまばらに毛が生えており、茎が分岐して横に横にと広がるように花を咲かせます。

オオイヌノフグリは日が当たるときだけ花を咲かせる一日花です。翌日にはしぼんでしまいますが、しぼんだ後に実ができます。熟すと種がはじけて飛び、周辺に芽吹いて増えていくのです。

日本全国に分布

オオイヌノフグリはもともとヨーロッパが原産で、日本では明治のはじめ(1887年頃)に東京で発見されました。その繁殖力の強さから日本全国に広がり続け、空き地や道端などで見かけるなじみ深い植物です。

現在では日本だけでなく、ヨーロッパからアジア、南北アメリカまで世界中に分布しています。

小さな青い花が咲く

オオイヌノフグリは4枚の花びらからなる青い花が特徴です。花の中央部分はやや白に近く、外に向かって青色の筋が目立っています。花が咲く時期は1月~4月頃で、見ごろは3月です。

高さは10~20cm程しかなく、地面いっぱいに広がるように咲き誇ります。鮮やかで小さな青い花はなんともかわいらしい印象です。

花言葉は忠実・信頼・清らか

オオイヌノフグリの花言葉は忠実・信頼・清らかです。花言葉はオオイヌノフグリの学名「Veronica persica」が、「聖女ベロニカ」の綴りと同じであることが由来といわれています。

聖女ベロニカは、磔の刑にされるためにゴルゴダの丘へ向かうキリストに、スカーフを差し出した女性です。

十字架を背負うキリストの姿に心を打たれた聖女ベロニカがスカーフを差し出したところ、キリストの顔の汗を拭ったそのスカーフにキリストの顔が浮かび上がったといわれています。

この聖女ベロニカの敬虔な行動にちなみ、忠実・信頼・清らかといった花言葉が付けられたそうです。

名前の由来

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリは植物学者である「牧野富太郎」が発見し、その名を付けました。あまり聞きなれない花の名前ですが「オオイヌノフグリ」の由来について紹介していきます。

イヌノフグリより大きいことから

オオイヌノフグリは、日本に古くからある在来種「イヌフグリ」によく似ており、イヌフグリよりも大きい花だったためこの名が付いたといわれています。

イヌフグリの花の見た目はオオイヌノフグリにそっくりですが、花びらの大きさはおよそ3~4mmしかありません。花は薄いピンクがかった色をしています。

しかし、繁殖力の強いオオイヌノフグリに生育地を奪われており、近年はほとんど見かけることはないでしょう。絶滅危惧II類にも指定されています。

フグリは犬の陰嚢のこと

オオイヌノフグリの「フグリ」とは、犬の陰嚢のことをいいます。実の形が「犬の陰嚢=フグリ」に似ていることからこの名が付いたそうです。実際の実はハートの形をしています。

「星の瞳」とも呼ばれる

俳人・高浜虚子(たかはまきょし)の一句に「犬ふぐり星のまたたく如くなり」という句があります。これは「地面いっぱいに咲くオオイヌノフグリの小さな花達が、まるで空から降ってきた星のようだ」という意味の句です。

日の光に当たって輝く花びらが星のように見えることから、別名「星の瞳」とも呼ばれています。

オオイヌノフグリの栽培方法

オオイヌノフグリ

では、実際にオオイヌノフグリを栽培したい場合、どのように育てればよいのでしょうか?ここからはオオイヌノフグリの育て方について解説します。

繁殖力が高く難易度は低め

オオイヌノフグリは繁殖力が非常に高いため、初心者でも育てやすく難易度は低めです。育て方のポイントは、よく日の当たる場所に置いておくことです。日が当たらない場所ではきれいな青色が発色しません。

もともとが野草なので、こまめな水やりも不要です。土が乾燥していたら水やりをする程度で十分でしょう。花が枯れた後も土の中の根は生きているので、3~5月の開花時期以外も水やりを続けることが大切です。

秋に入り気温が低くなるとまた芽を出し、冬にかけて成長していきます。1年だけでなく、何年にもわたって楽しめる植物です。

地植え、鉢植えどちらも可能

オオイヌノフグリは地植え・鉢植え問わず、育てやすい植物です。ただし成長のスピードが速いため、地植えをおすすめします。鉢植えやプランターで育てると横へ横へと広がっていくので、平鉢に植えると上手く育てやすいでしょう。

強い繁殖力をもつオオイヌノフグリは、肥料や土にこだわらなくても問題ありません。肥料を与えたい人は、地植えの場合は土に肥料をすき込む程度にまきます。鉢植えの場合は、赤玉土5:腐葉土5などの草花培養土に植えればOKです。

草花培養土とはあらかじめ肥料が混ぜてある土のことで、ホームセンターなどで売られています。植物が育ちやすい環境に調整されているため、園芸初心者でも扱いやすいでしょう。

さまざまな植物に使える草花培養土と、バラや野菜などといった植物ごとに配合を変えた専用培養土があります。

ネモフィラとの違いは?

ネモフィラ
↑ネモフィラ
オオイヌノフグリ
↑オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリにはイヌフグリとは別に、「ネモフィラ」というよく似た花があります。

ネモフィラは北アメリカが原産で、淡いブルーの花びらが特徴的な植物です。「瑠璃唐草(るりからくさ)」という、オオイヌノフグリと同じ別名を持っていることでも知られています。

花びらの色や実がそっくりなこの2つの花には、何か違いがあるのでしょうか?ここでは、ネモフィラとの違いについて見ていきましょう。

オオイヌノフグリは花が小さい

ネモフィラとの見分けは、3つあります。1つ目は、オオイヌノフグリの方が花が小さいということです。草丈さはほぼ同じですが、花びらの大きさが7~10mmしかないオオイヌノフグリに対して、ネモフィラは2cm程あります。

2つ目の違いは、花を咲かせる時期です。オオイヌノフグリはまだ寒い3月頃から咲き始めます。一方のネモフィラは、花を咲かせ始める時期が4月~5月頃と遅いのが特徴です。

さらに、葉っぱの形をよく見てみましょう。たまご型の丸い葉っぱが特徴的なオオイヌノフグリに対して、ネモフィラはギザギザとした葉っぱの形をしています。

青い花畑が話題のネモフィラ

ネモフィラといえば、あたり一面に鮮やかに咲き誇る青い花が印象的です。そんなネモフィラの花畑を見られるのが茨城県の「国営ひたち海浜公園」内にあるみはらしの丘です。

2020年に拡張された約4.2ヘクタールの丘には、約530万本のネモフィラが植えられてます。例年の見ごろは、ゴールデンウィークの5月頭です。あたり一面に咲き乱れる青い花畑は一見の価値があります。

身近でかわいい花を咲かせてくれる

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリは小さいながらも、鮮やかでかわいい花を咲かせる野草です。繁殖力が強いからこそ、道端や田んぼの近くで目にする機会も多いでしょう。

今までその存在を意識したことがなかった人も、名前の由来や花言葉を知ることで、より身近に感じられるかもしれませんね。種子を採取できたら、庭や鉢植えで育てるのもおすすめです。