キキョウってどんな花?
風船のようなつぼみから、青い星型の鮮やかな花を咲かせます。色はピンク・白などの品種もあり、咲き方も一重咲き・二重咲き・絞り咲き種があります。
キキョウは育てやすい?
日本に自生している植物なので、気候の面からみても比較的育てやすいでしょう。耐寒性に強く、少し乾燥した環境を好みます。園芸店で売られているキキョウは矮性のものが多いです。
風船のようなつぼみから、青い星型の鮮やかな花を咲かせます。色はピンク・白などの品種もあり、咲き方も一重咲き・二重咲き・絞り咲き種があります。
日本に自生している植物なので、気候の面からみても比較的育てやすいでしょう。耐寒性に強く、少し乾燥した環境を好みます。園芸店で売られているキキョウは矮性のものが多いです。
涼し気な青紫の花を咲かせるキキョウは、古くから日本で親しまれてきました。
育てやすいことから園芸種としても人気です。まずはキキョウとはどんな花なのかをご紹介していきます。
植物名 | キキョウ |
学名 | Platycodon grandiflorus |
英名 | Balloon flower |
科名 / 属名 | キキョウ科/キキョウ属 |
原産地 | 東アジア(日本含む) |
開花期 | 6月~10月 |
花の色 | 青、紫、白、ピンク |
草丈 | 10~120㎝
(矮性種は10~50cm) |
日本をはじめ東アジアを原産とするキキョウは、キキョウ科キキョウ属の落葉性多年草です。
暑さにも寒さにも強く日本の気候になじむため、古くから山野に自生してきました。しかし近年は自然環境の変化によって自生種が育たなくなり、絶滅危惧種に指定されています。
園芸品種は6~10月に開花を楽しむことができ、茎の先に直径5~7cmの星形の花を1~10数輪つけます。またキキョウは雌雄同花といって、おしべとめしべが同じ花につく花です。最初はおしべだけが開き、おしべが熟しきるとめしべの先端が5つに開きます。
園芸店で売られているキキョウの多くは、草丈の小さい矮性種です。葉の色が特に濃いものは、矮化剤で背を低く育てている可能性が高いです。
にんじんのような見た目をしたキキョウの根は、プラチコジン(サポニン類)などの成分を含み、生薬・漢方薬としても使われています。のどの腫れや痛み、咳や声がれなどに効果があります。
白くて大きく、えぐ味(苦味に近い舌触りがざらざらする状態)の強いものが良い品であり、軽いものや砕けているものは劣等品です。
キキョウは古くから日本人に親しまれてきた植物で、秋の七草の1つです。
秋の七草は万葉集の山上憶良の歌が始まりで、歌に登場する「朝貌(あさがお)の花」がキキョウであるとされています。春の七草は七草粥にして一年の無病息災を祈るものですが、秋の七草はその美しさを鑑賞して楽しむものです。
キキョウの花言葉は「永遠の愛」「変わらぬ愛」「気品」「誠実」です。
「永遠の愛」という花言葉は、戦争から帰らぬ夫を10年も待ち続けた若い娘の名前が「桔梗」だったから・その娘の家紋が「桔梗」だったからなど、いくつかの説があります。また紫は古くから高貴なものとされてきたので、「気品」という花言葉はそこからついたのでしょうか。
色別の花言葉は以下の表のとおりです。
青紫のキキョウの花言葉 | 「永遠の愛」「変わらぬ愛」「気品」「誠実」 |
白いキキョウの花言葉 | 「清楚」「従順」 |
ピンクのキキョウの花言葉 | 「幸薄」 |
ここではキキョウがつぼみをつけてから開花し、枯れるまでの見た目を紹介します。
キキョウのつぼみは風船のような形をしています。英名の「バルーンフラワー」は、このつぼみの見た目から名付けられました。
ぷっくり膨らんだつぼみは、紙風船のようにも見えますね。
キキョウの花には一重咲き・二重咲き・八重咲き・絞り咲きというように、さまざまな咲き方の種類があります。それぞれの見た目を紹介しますので、キキョウの栽培を考えてる方は選ぶときの参考にしてみてくださいね。
花が終わると、根本が膨らんで実がなります。キキョウは自力で種を散布するので鳥や動物の目を引く必要がなく、花と比べて随分地味な印象です。
実をそのままにしておくと、やがて熟して上部が裂け、種が飛び出します。中には3~4mmほどの種子がたくさん入っています。
まっすぐに伸びた茎から、4 ~7cmの葉が互い違いに生えます。葉の縁がギザギザしているのが特徴です。茎や葉を切ると、中から白い液が出てきます。
庭花としてはもちろん切り花としても人気が高いキキョウは、初心者にも育てやすい植物です。しかし草姿が乱れやすいので、植物で幾何学模様をつくる整形花壇には向きません。
キキョウの好む環境を知り、育てる場所を考えましょう。
キキョウは日本で育ってきた多年草なので、あまり手をかけなくてもよく育ちます。
冬前になれば地表部分が枯れますが、春になれば再び芽吹いて花をつけます。
ただし直射日光が当たり過ぎる場所は避けましょう。特に夏の強い日差しは葉焼けを起こし、生育の妨げになってしまいます。
建物や樹木で半日陰になる場所が最適です。鉢植えの場合には、時間帯で移動させるのも良い方法です。
キキョウをうまく育てるためには、土作りにも気をつけるとよいでしょう。
キキョウの栽培にはやや酸性の土が適しているといわれており、pH値5~6を目安に調整しましょう。難しい場合には、使いやすく調整されている培養土を使うと便利です。
種まきにも弱酸性の土が使われることが多く、「赤玉土(小粒)1:バーミキュライト1:ピートモス1」にブレンドした土を使う方法が知られています。
鉢植えの土は「赤玉土(小粒)5:鹿沼土2:腐葉土3」でブレンドした土がおすすめです。
キキョウは育てやすい植物ですが、雨や花の重みで倒れることもあり、きれいな草姿に育てるのは意外と難しいです。
正しい手入れの方法を知って、立派なキキョウを育てましょう。
キキョウの種まきには春が適しています。3月中旬~4月中旬を目安に、種まき用のトレーで行うとよいでしょう。
種まきの手順 |
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種から育てている場合は、本葉が5~6枚になったら植え付けをします。春に売られている苗は5号鉢に1株を目安に植えましょう。
植え付けの手順 |
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植え替えは、芽が出る前の2~3月、もしくは10月がおすすめです。鉢の中の根がいっぱいになり、鉢の底から伸びてくるようであれば植え替え時です。
しかしキキョウは直根(根がまっすぐ伸びるタイプ)の植物で、植え替えを嫌います。そのため、根を折ったり傷つけたりしないように気をつけて行いましょう。
地植えの場合は3~5年に一度、プランターの場合は2~3年に一度、鉢植えの場合は1年に一度が目安です。
植え替えの手順 |
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株が増え過ぎていれば、根を傷つけないように注意して株分けを行いましょう。
▽株分けの詳しい方法やタイミングはこちら
地植えの場合、植え付け後と乾燥が厳しい夏以外は、水やりの必要はありません。鉢植えの場合も頻回の水やりは必要なく、表面が乾いてから水やりすれば十分です。
夏には多め、冬には控えめを心がけるとよいでしょう。
施肥は、つぼみができはじめる春に粒状肥料を与えるか、2~3週間に一度を目安に液肥を与えます。
キキョウは栄養が豊富だと、力強く大きな花を咲かせます。育ち過ぎると独特の繊細さが感じられなくなるため、肥料は適量を見極めることが大切です。
キキョウの栽培で気を付けたいのは、立枯病(たちがれびょう)と茎腐病(くきぐされびょう)です。暖かくなると発生しやすくなるので、よく観察しましょう。
気をつけるべきはアブラムシ、ハダニ、クロウリハムシなどです。クロウリハムシはウリ科の植物の近くで発生します。雑草にも気を配りたいものです。
原因不明の生育不良はセンチュウの可能性があります。根にコブができていたら、その苗は破棄し、土の入れ替えを行うことで被害を抑えることが大切です。
背が高いキキョウは、成長すると倒れやすくなります。風などで茎が折れてしまう前に、支柱を立てて保護しましょう。それぞれの茎に添えるのではなく、アサガオなどに使用するあんどん支柱を使ってまとめて立てると便利です。
花が枯れたらその都度摘み取りましょう。また初夏の花が終わったら、思い切って茎の2/3ほどまで切り戻すのもよいでしょう。秋頃には再び成長し、きれいな花を咲かせるはずです。
キキョウは種まき・株分け・挿し芽で増やすことができます。
種まきの方法は「種まきの時期とやり方」、株分けの方法は「植え付け・植え替えの方法」をご覧ください。
挿し芽の適期は5~6月です。図のような手順で行います。
挿し芽の手順 |
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日本で育った人なら、誰もが一度は目にしたことがあるキキョウ。爽やかな色をした星形のかわいい花は、和風の家にも洋風の家にもよく合います。
生育環境さえ整えば、誰にでも育てやすい品種です。矮性種も多く売られているので、ベランダなど狭い場所での鉢植えにもピッタリですよ。