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食べられる雑草カラスノエンドウ!基本情報とおすすめレシピ、育て方

最終更新日: 2021年01月23日

カラスノエンドウは一般的に雑草として認識されますが、春にはきれいな花を咲かせ、食用としても楽しめます。日本国内の広い範囲で観賞・採取でき、調理や栽培も容易です。基本情報や注意点、簡単レシピや栽培方法を解説します。

カラスノエンドウはどんな植物?

カラスノエンドウ

カラスノエンドウは一部寒冷な地域を除いて、日本全国に広く分布する野草です。サヤを笛にして遊んだ経験がある人も多いのではないでしょうか。身近な野草カラスノエンドウの基本情報を解説します。

ピンクの花を咲かせる野草

カラスノエンドウは、春に紅紫色の花を咲かせる、マメ科ソラマメ属の野草です。巻きひげやエンドウのようなサヤを持ち、小葉の先端はくぼんだ形状をしています。

矢の末端の弓弦にかける部分を矢筈といい、小葉の形状が矢筈に似ていることから、和名を「ヤハズエンドウ」といいます。学術的にはそう呼びますが、カラスノエンドウという呼称が一般的です。

国内では本州・四国・九州・沖縄に広く分布します。温暖な地域を好むので、北海道ではあまり見られませんが、一度は目にしたこと、採ったことがある人も多いでしょう。

烏野豌豆(カラスノエンドウ)の花言葉

カラスノエンドウの花言葉は「小さな恋人たち」や「喜びの訪れ」が知られています。10mm前後の小さな花が並んで咲くさまや、春になると辺り一面に花を咲かせるさまが、そういったイメージを持たせるのでしょうか。

他にも「未来の幸せ」「絆」といった花言葉もあります。厳しい冬を越して開花する繁殖力・生命力や、巻きひげで絡み合うさまも、カラスノエンドウの特徴です。

食べられる雑草でもある

カラスノエンドウは日本全国に自生していますが、特に四国・九州・沖縄といった暖かい地域でよく見られます。

原産地は地中海沿岸部で、エンドウと同様に食用として栽培されていた歴史もあります。現代の日本では雑草と捉えられますが、葉・花・サヤ・実を食べられるので、きちんと下処理をすれば食用として問題ありません。

旬は春ごろです。例えば、汚れを落とした穂先を天ぷらにしたり、天日干ししてから煎じて薬膳茶として飲んだりすることができます。

カラスノエンドウを摘む際の注意点

カラスノエンドウ

カラスノエンドウはいたるところで発見でき、観賞や採取は容易ですが、摘む際にはいくつか注意点があります。採取場所や汚れ・虫の付着に気をつけて、必要な部分だけを摘みましょう。

摘む場所や虫の有無

カラスノエンドウは道端や空き地に自生していますが、基本的には雑草なので、摘む際には状態に注意しましょう。

例えば、道路沿いは排気ガスを吸いやすく、人やペットのせいで汚れているケースもあるでしょう。除草剤や農薬を撒かれているなら、食用にするのはリスクがあります。

また、私有地にカラスノエンドウが自生しているケースや、近隣住民が趣味で栽培しているケースもあります。摘む場所が禁止区域かどうか、立て看板や近隣住民から情報を得て判断しましょう。

なお、春先のカラスノエンドウは、新芽の部分にアブラムシがびっしりと付着している場合もあります。アブラムシを食べるためにテントウムシが付着しているケースもあるので、摘む際には虫の有無も確認しましょう。

根っこは残しておく

カラスノエンドウを採取する際は、地上部の食べられる部分だけを摘むのが基本です。根こそぎ抜いてしまうと植生に影響を与えるため、場所によってはマナー違反に当たります。

カラスノエンドウは繁殖力・生命力が旺盛なので、根を残しておけば再生できます。食べられる部分を全て摘むとしても、根は残すのが基本と考えましょう。

また、葉だけでなく花も食べられますが、開花の後はサヤ・種子(豆)が生長します。必要なければ茎を残しておきましょう。

食べる前の下準備

カラスノエンドウ

カラスノエンドウを採取したら、調理前に下準備をしましょう。しっかり汚れを取り除いて、アクが気になるなら下茹でします。

汚れを取り除く

カラスノエンドウを持ち帰った段階ではフレッシュですが、暖かい室内で保存すると蒸れて退色したり、アクが出て黒く変色してしまったりします。状態が悪くなる前に、なるべく早く下準備をしましょう。

採れたてのカラスノエンドウには、汚れや虫が付着しています。大きめのボウルやタッパーに水を張り、10〜15分ほど浸けておきましょう。虫は下に沈むので、ザルにかけて水洗いをすれば汚れを取り除けます。

アクが気になる場合は下茹で

野草はアクの強いものが多いので、適度に下茹でしてアク抜きするのが基本です。カラスノエンドウはクセが強くなく、豆苗のような味と食感が楽しめます。

アクは少ないので、ザルに敷いて熱湯をかけるだけで十分です。アクが気になるなら、熱湯を張った鍋でサッとひと茹でしましょう。このとき鍋に塩を少々入れておくと、鮮やかな色味を生かしておいしく仕上がります。

カラスノエンドウを使ったレシピ

豆ごはん

カラスノエンドウはクセが強くなく、豆苗のような味わいが楽しめます。簡単に調理するなら、天ぷら・かき揚げやごま和え、豆ごはんやお茶にするのがおすすめです。それぞれのレシピを解説します。

天ぷら・かきあげ

天ぷらやかき揚げは、カラスノエンドウを簡単においしく楽しめる調理方法です。以下の材料は天ぷらの場合ですが、かき揚げなら好みの野菜・魚介類も用意しましょう。

  • カラスノエンドウの若芽とサヤ(適量)
  • 水溶き天ぷら粉
  • 揚げ油(適量)

水溶き天ぷら粉は、天ぷら粉と水を4:5か9:10の割合で混ぜるのがおすすめです。天ぷら粉は小麦粉と片栗粉(小麦粉の半量)でも代用できます。調理の手順は以下の通りです。

  1. カラスノエンドウをしっかりと洗って水気を拭き取る
  2. 鍋に油を入れ、170〜180℃程度まで熱する
  3. カラスノエンドウに水溶き天ぷら粉をつけ、全体的にパリッと仕上がるまで揚げれば完成

ごま和え

ごま和えもカラスノエンドウを簡単においしく楽しめる調理方法です。若芽はもちろん、茎ごと使えるので無駄がありません。材料と調理の手順は以下の通りです。

  • カラスノエンドウ(適量)
  • 擦り白ゴマ(適量)
  • 砂糖(適量)
  • 醤油(少々)
  • 塩(少々)
  1. カラスノエンドウをしっかりと洗って水気を拭き取る
  2. 鍋に湯を沸かして塩を少々入れておく
  3. カラスノエンドウを1分ほど茹でてから、ザルに並べて流水をかけ、よく絞る
  4. 食べやすいサイズに刻み、擦り白ゴマ・砂糖・醤油を和えれば完成

これは塩茹でにするシンプルなレシピですが、カツオ節も和えるなど、好みのアレンジで楽しみましょう。

豆ごはん

カラスノエンドウは花が咲いた後に小さな実(豆)をつけるので、サヤを採取すると豆ごはんにも使えます。豆ごはんの材料・調理の手順は以下の通りです。

  • 炊いたごはん(茶碗1杯分)
  • カラスノエンドウのサヤ(20〜30g)
  • 塩(少々)
  1. 緑色でぷっくりとした厚みのあるサヤを採取する
  2. サヤの筋に沿って押さえて豆を押し出す
  3. 塩を少々まぶした熱湯で豆を湯がき、網じゃくしなどですくう
  4. 豆をごはんに混ぜて完成

使うのはサヤだけなので、葉や茎を採取する必要はありません。豆を押し出す作業は多少時間がかかりますが、手軽に春らしい見た目・味が楽しめる調理方法です。

お茶

カラスノエンドウは食べ物としてもおいしくいただけますが、煎じると健康茶としても楽しめます。根以外は全て使えて無駄がない上、カラスノエンドウ以外の材料は必要ありません。調理の手順は以下の通りです。

  1. 汚れや傷みがひどい部分は取り除き、水洗いする
  2. 巻きひげをほぐしながら、3・4回水を入れ替えて汚れを取り除く
  3. 水気をしっかり拭き取り、ザルの上に広げる
  4. そのまま天日干しにする
  5. 十分に乾燥したら、カラスノエンドウを細かく刻む
  6. 刻んだカラスノエンドウをフライパンで煎る

できあがったら急須に入れ、お湯を注ぐとカラスノエンドウ茶がいただけます。香りが出てきたらカップに注ぎましょう。緑茶や玄米茶など、他のお茶とのブレンドもおすすめです。

カラスノエンドウを育てよう

カラスノエンドウ

カラスノエンドウは自生するものを簡単に観賞・採取できますが、生命力・繁殖力が強いので栽培も容易です。ただし、繁殖し過ぎには注意しましょう。カラスノエンドウの生長サイクルや栽培方法を解説します。

年間サイクル

カラスノエンドウは9〜10月が種まき・発芽の時期で、小さな状態で冬を越し、翌春に大きく生長します。3〜5月ごろに開花するので春が見頃です。

開花後にエンドウのようなサヤ・豆が生長して、夏前に黒く熟して弾け、種子を飛ばします。生長サイクルで見れば一年草ですが、年をまたぐので「越年草」と呼んで区別します。

水やりはほぼ不要

カラスノエンドウは非常に生命力が強く、根付いてからは水やりの必要がありません。雨水だけでも十分に生長するので、乾燥が続いた場合のみ水やりをしましょう。光合成も盛んで水が不足するとしなびますが、水をやれば復活します。

また、肥料も基本的に必要ありません。肥沃な土壌のほうが生長は盛んですが、痩せ地でも十分に生長します。肥料を与えるなら、基本的に土壌を痩せさせないためだと考えましょう。花を長持ちさせるなら、米のとぎ汁を撒くのが効果的です。

栽培は広い場所で

カラスノエンドウの草丈は春に60〜150cmまで伸び、巻きひげが周囲のものに絡みつく場合もあります。茎は直立しますが、カラスノエンドウ同士が絡み合うと自重で垂れ下がり、地面を這うように生長するのが特徴です。

また、カラスノエンドウは繁殖力が高く、種子は勢いよく飛散します。想定外のスピードで生育範囲を広げる恐れがあるので、広い場所で栽培するのが基本と考えましょう。

低木や垣根でスペースを区切ると、根や茎を伸ばしにくく、また種子が飛散しにくいので、繁殖を抑えやすい傾向があります。日陰では生長が鈍化するので、日当たりのコントロールも効果的です。

見ても食べても楽しめるカラスノエンドウ

カラスノエンドウ

カラスノエンドウは雑草という認識が一般的ですが、春に咲く小さな紅紫色は観賞用として楽しめます。葉・茎・花・サヤの全てが食用になり、天ぷらにしても薬膳茶にしても春を感じるのに最適です。

自生しているカラスノエンドウは採取に注意点もありますが、お金をかけず、さまざまな楽しみ方ができるのは利点ではないでしょうか。栽培も容易なので、春の風物詩としてお楽しみください。