ソヨゴは秋に赤い小さな実をつけるのが魅力的で、初心者でも扱いやすいシンボルツリーとして大人気です。


樹木の生長はとても緩やかなうえ、剪定作業もそこまで苦ではありません。この記事ではソヨゴの剪定の時期や注意点、お手入れ方法などを解説します。
ソヨゴの剪定時期はほぼ通年
常緑樹であるソヨゴの剪定時期は、4月中旬~5月中旬を除いたほぼ通年です。
ただし、ソヨゴは生長が緩やかで自然に樹形が整うため、強剪定を行う必要はありません。2年に1回ほどのペースで、樹形や樹高が気になるようであれば剪定しましょう。
上に伸びすぎた徒長枝や横に張り出した枝、古い枝やひこばえなどを切り取ります。古い枝を切る際は、つけ根のふくらみよりも上で切るようにしましょう。
ソヨゴの剪定方法
ソヨゴはほぼ通年で剪定を行います。剪定の流れは以下の通りです。
①徒長枝やひこばえなど不要な枝を根元から切る
ソヨゴに生えやすい徒長枝やひこばえなどの枝を切り落とします。
切り落とす枝の見分け方は以下の通りです。
不要枝の種類 | 不要枝の特徴 |
---|---|
ふところ枝 | 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。 |
かんぬき枝 | 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。 |
逆さ枝 | 幹に向かって伸びた枝。 |
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝。 |
下り枝 | 下に向かって伸びた枝。 |
絡み枝 | まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。 |
徒長枝 | 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。 |
車枝 | 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。 |
平行枝 | 同じ方向に伸びる上下2本の枝。 |
胴吹き枝 | 幹から新たに直接伸び出した枝。 |
ひこばえ | 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。 |
不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。
- 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
- 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
- 平行枝・胴吹き枝
- 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
- ひこばえ
- 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は地際で切り取る
②横に張り出した枝を分岐点で切り戻す
横に強く張り出した枝も切り、広がりすぎないようにします。枝は途中で切らず、細い枝との分かれ目で切り取りましょう。
③古い枝を根元から切って更新する
古くて太くなった枝はこれ以上生長しないため、つけ根から切り落としましょう。新しい枝が出るようになります。
なお、ブランチカラーと呼ばれる枝のつけ根下側にあるふくらみは切り落とさないようにしましょう。ブランチカラーの内部には腐朽菌を中に入れないよう働きかける組織があるため、切り落とすと枯れやすくなるからです。
④混みあった部分の枝を整理する
ここまでの過程を経ても枝が混みあい、密集している箇所がある場合は間引き・整理を行います。対になっている枝の片方を切り取ったり、下向きの枝や極度に上を向いている枝、樹冠の内側に向かっている枝を切り取ったりしてください。
⑤必要に応じて芯止めする
ソヨゴの樹高をおさえたい場合は、必要に応じて芯止めを行いましょう。
芯止めのやり方は簡単で、ソヨゴの最も高い位置にある枝の先端を切るだけです。これにより成長力の高い枝がなくなり全体に栄養がいき、樹木が高くなりすぎることを防げます。
ソヨゴの剪定に必要な道具
自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。
道具 | 用途 |
---|---|
剪定バサミ![]()
|
枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安) |
植木バサミ |
特に細かい枝の切断に使用する |
刈り込みバサミ
![]() |
刈り込みを行う際に使用する |
剪定ノコギリ![]() |
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する |
園芸用の脚立![]() |
高い位置の枝を切るときに使用する 屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ |
園芸用の手袋![]() |
作業中の手を守る 軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ |
癒合剤![]() |
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る |
他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。
ソヨゴを剪定するときの注意点
ソヨゴは簡単に育てられるシンボルツリーですが、強い剪定をしてしまうと枯れてしまう恐れがあるので注意が必要です。
強い剪定は枯れる恐れがあるので慎重に
基本的に剪定は樹木に大きな負担を与えます。特にソヨゴは頻繁な剪定を前提としていないシンボルツリーです。一度に多くの枝を剪定しすぎると元気がなくなったり、枯れてしまったりする可能性があります。
太い枝を切った際は、細かい枝の剪定はなるべく控えるなど、できるだけソヨゴの負担を考えて剪定することが大切です。
メスの木にしか赤い実はならない
ソヨゴは雌雄異株という木にオスとメスがある品種です。メスにしか赤い実はならないので、植える前に生産者や販売店にメスの木かどうか確認しておきましょう。
また近くにオスの木がないと受粉ができず実はできません。通常はメスの木だけを植えても、風によって運搬された花粉によって自然に受粉できますが、周囲に一切ソヨゴがない地域だと受粉できないケースもあります。
雌雄セットでソヨゴを育てれば、実もなりますし、増やすことも容易になるのでオススメです。
ソヨゴの剪定以外に必要な日ごろのお手入れ方法
水やりは植えてから2年経つとほとんど必要なくなり、種まきや接ぎ木といった方法で簡単に増やすこともできます。
植えて2年以上経過しているなら水やりの必要なし
ソヨゴを植えてから1、2年はしっかりと水やりをする必要があります。ただし年数が経って根付いてくれば、気温が高すぎる場合を除いて、基本的に水をやる必要はありません。
実からソヨゴを増やすことができる
ソヨゴは接ぎ木で増やすこともできますが、赤い実を利用して種まきをするのが簡単でオススメです。実を収穫したらつぶして種を取り出し、湿らせたガーゼなどに包んで保管しておきます。
春ごろになったら、保管していた種をまいて芽が出るのを楽しみに待ちましょう。
ソヨゴの病気・害虫対策
すす病の原因になる害虫の付着に注意
ソヨゴの葉や枝にすすのような黒いカビが付着してしまうことがあります。これはすす病といい、ソヨゴの光合成を邪魔し、枯れさせてしまうため、黒い枝や葉は見つけ次第取り除いてすす病が拡大しないようにしましょう。
すす病の主な原因はカイガラムシなどの排泄物が原因です。ソヨゴにダメージがない殺虫剤などをまいておくと、すす病を予防できます。
褐斑病を見つけたら摘み取って対応
褐斑病はカビが原因で褐色の斑点ができる病気です。湿度が高い環境で発症しやすく、水はけが悪い土に植えている場合、菌が繁殖しやすくさらに発症するリスクが高まります。
褐色の斑点を見つけたら、まずはすぐに摘み取って取り除きましょう。また取り除いた葉はそのまま放置せず、ビニールに入れて処分するかソヨゴから離れた地点の土に埋めると再発防止に繋がります。
ソヨゴの剪定はプロに依頼するのもおすすめ
「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。
庭木の剪定料金相場
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
庭木の剪定をプロに依頼する流れ
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