レッドロビンは「カナメモチ」とも呼ばれ、鮮やかな赤い新芽が特徴の美しい生垣用の人気な庭木です。しかし、放っておくと枝が伸びすぎて不格好になり、せっかくの生垣が崩れてしまいます。美しい姿を維持するために欠かせないのが、定期的な剪定です。
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この記事では、レッドロビンの剪定方法や、剪定に必要なアイテム、注意点などをわかりやすく解説します。
レッドロビンの剪定時期と頻度は?
3~4月・5~6月・9~10月に剪定できる
レッドロビンの剪定に適した時期は、以下の年3回です。
- 気温が上がってきて新芽が伸びる前の3月中旬~4月上旬
- 新芽の伸びが落ち着き暑くなる前の5月中旬~6月
- 寒くなる前の9月中旬~10月中旬
夏や冬など「常緑樹が苦手な時期を避ける」と覚えておきましょう。
このタイミングに剪定を行うことで、枝の伸びすぎを抑えつつ、赤い新芽を楽しむことができます。春〜秋までの成長期を中心に剪定を行うと、健康で美しい姿を保つことができます。
レッドロビンは回復力の強い樹木であるため、あまり気にしすぎる必要はありません。
年2〜3回の剪定がおすすめ
レッドロビンは年に2〜3回剪定するのが理想的です。成長のスピードがとても早く、放置しているとすぐに枝が伸びてしまうためです。
こまめに手を入れることで、綺麗な形を維持しやすくなり、燃えるような赤い新芽を楽しむことができます。枝の伸び具合が気になり始めたら剪定で整えて、生垣の形を美しい状態で保ちましょう。
レッドロビンの剪定方法
レッドロビンを剪定する手順は下記の通りです。
①徒長枝を切り戻す
樹冠から飛び出した徒長枝を、樹幹内部の葉が付いている上で切り取ります。
②内枝・下向きの枝などの不要な枝をつけ根から切る
木の内側や下に向かって伸びている枝をつけ根から切り取ります。
切り落とす枝の見分け方は以下の通りです。
不要枝の種類 | 不要枝の特徴 |
---|---|
ふところ枝 | 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。 |
かんぬき枝 | 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。 |
逆さ枝 | 幹に向かって伸びた枝。 |
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝。 |
下り枝 | 下に向かって伸びた枝。 |
絡み枝 | まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。 |
徒長枝 | 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。 |
車枝 | 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。 |
平行枝 | 同じ方向に伸びる上下2本の枝。 |
胴吹き枝 | 幹から新たに直接伸び出した枝。 |
ひこばえ | 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。 |
不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。
- 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
- 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
- 平行枝・胴吹き枝
- 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
- ひこばえ
- 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は地際で切り取る
③長い枝を小枝との分かれ目で切る
細かな枝を増やした方が見栄えが良くなります。長い枝は、小枝との別れ目で切りましょう。小枝の枝先も切っておけば、さらに細かな枝が増えやすくなります。
④太い枝を切り戻して新しい枝を出させる
新しい枝を出すために、太い枝を切ります。こうすると赤い新芽が楽しめます。
⑤剪定バサミを使って刈り込む
形を整える際は、病気を防ぐために剪定ばさみを使って刈り込みを行いましょう。他の道具だと切り口が荒れてしまい病気の原因となる菌が入り込みやすくなってしまいます。
また、水糸の使用も便利です。目安となる水平ラインを設定し、ラインに沿って剪定すると仕上がりが安定しやすくなります。特に初心者の場合はまっすぐに整えることは難しいので、水糸を活用がおすすめです。
レッドロビンの剪定に必要なアイテム
自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。
道具 | 用途 |
---|---|
剪定バサミ![]()
|
枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安) |
植木バサミ |
特に細かい枝の切断に使用する |
剪定ノコギリ![]() |
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する |
園芸用の脚立![]() |
高い位置の枝を切るときに使用する 屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ |
園芸用の手袋![]() |
作業中の手を守る 軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ |
癒合剤![]() |
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る |
他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。
レッドロビンの下がスカスカなときはどう直す?
レッドロビンは上向きに生長するため、手入れの方法によっては下側の葉が足りず、スカスカになってしまう場合があります。
このような状態を防ぐためには、樹高が高くならないように定期的に剪定・刈り込みを行うのが大切です。
樹高が理想的な高さに達したら芯止めを行って、上に伸びないように抑えましょう。この作業で横に広がる美しい生垣が作れます。枝が密集し、葉数が増えることで目隠し効果も高まるので、好みの樹高で成長をコントロールしてください。
レッドロビンを剪定するときの注意点
以下では、レッドロビンを剪定するときの注意点を解説します。
レッドロビンを剪定する際は、上記のポイントに気をつけて進めましょう。
枝を切りすぎないようにする
レッドロビンは育てやすい庭木として人気ですが、それでも太い枝を短く切りすぎると、枯れてしまうリスクがあります。
特に太い枝は、軽めの剪定を心がけて切り落とすようにしましょう。木の内部構造に負担をかけないよう、慎重に進めることが大切です。不安な場合は、プロへの依頼も検討してみてください。
こまめに剪定する
レッドロビンは成長が早く、年に一度の剪定では間に合わないこともあります。枝が硬くなってしまうと、刈り込みばさみで切りにくく、より剪定が大変になってしまいます。
こまめに剪定することで枝が柔らかく、形も整いやすくなるので、少なくとも年2回以上の剪定をおすすめします。
刈り込みは必ず剪定ばさみで行う
レッドロビンの刈り込みは必ず剪定ばさみを使用して行いましょう。
刈り込みバサミだと切り口が荒れてしまい、ごま色斑点病が発生する原因になってしまいます。電動バリカンも同様に使用を避けてください。
全体の仕上がりを意識する
生け垣として人気のレッドロビンですが、剪定しているうちに細かい部分に集中しすぎて全体像を把握しにくくなってしまうこともあります。
剪定を進める途中で、定期的に数歩離れて全体を確認するようにしましょう。一つ一つの枝だけでなく、全体のバランスを見ながら仕上げていくことがコツです。
レッドロビンの剪定はプロに依頼するのもおすすめ
「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。
庭木の剪定料金相場
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
庭木の剪定をプロに依頼する流れ
庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。
「ミツモア」では、地域で活躍する植木屋・庭師をかんたんに見つけられます。
「依頼内容」「希望の日程」「作業場所」などの質問に答えると、最大5社から自動であなたにカスタマイズされた見積もりが届きます。
見積もりの料金や口コミ評価を比較して、気になる庭師に剪定を依頼してみましょう。正式な依頼前に、チャットで疑問点を相談することもできます。
自動の見積もりをもらうだけなら無料でできるので、自宅の庭木の剪定料金を確認してみてはいかがでしょうか?
レッドロビンの剪定に関するよくある質問
最後に、レッドロビンの剪定に関するよくある質問をまとめました。
それぞれ見ていきましょう。
レッドロビンを剪定しないとどうなる?
レッドロビンを剪定せずにそのまま放置していると、樹形の乱れや枝枯れに繋がります。
レッドロビンは成長が早いため、何も手を加えないとすぐに枝が伸びすぎてしまい、樹形が乱れます。見映えが悪くなるだけでなく、庭のデザイン全体のバランスも崩れてしまうでしょう。
また成長しすぎた枝によって全体に十分な日光や風が行き渡らなくなり、下のほうの枝や葉が枯れてしまうことがあります。下部がスカスカになり、生垣の目隠し効果が失われてしまうと、せっかくのレッドロビンが本来の役割を果たさなくなってしまいます。
レッドロビンで気をつけるべき害虫は?
レッドロビンによく見られる害虫は、アブラムシやハマキムシなどです。レッドロビンは丈夫な植物ですが、春から夏にかけて害虫が発生しやすくなるため注意が必要です。
アブラムシは新芽や葉の裏に寄生し、植物の栄養を吸い取ってしまいます。これにより葉が弱り、成長が阻害されるだけでなく、新芽の美しい赤色も損なわれてしまいます。被害がひどくなると、葉がしおれてしまうこともあるため、見つけたらすぐに駆除することが重要です。
また、ハマキムシも葉の裏に寄生し、栄養を吸い取って葉を白く変色させます。アブラムシと同様に見た目が悪くなるだけでなく、レッドロビンの健康にも影響を及ぼします。アブラムシやハマキムシの発生を防ぐためには定期的に葉の裏をチェックし、必要に応じて薬剤を散布しましょう。