ミモザ(アカシア)の基本情報
庭木として人気が高いミモザ。まずはミモザ(アカシア)の基本情報を紹介します。
植物名 | ミモザ |
学名 | Acacia baileyana |
科/属 | マメ科 / アカシア属 |
原産地 | オーストラリア南部 |
開花時期 | 3~4月 |
分類 | 半落葉~常緑高木 |
「ミモザ」はマメ科アカシア属の総称!
ミモザという名前は、黄色い花を咲かせるマメ科アカシア属の植物の総称です。
ミモザは本来マメ科オジギソウ属の学名ですが、一般的には混同されて使われています。
アカシアがミモザといわれる理由としては、見た目が似ていることが由来しています。ヨーロッパにアカシアが伝わった際に、ミモザに似ていることから「ミモザアカシア」と呼ばれたことが始まりとされているのです。
ミモザの花は芳香が高く、かわいらしい黄色の花を長く楽しむためにドライフラワーやリースとして飾るなど活用されます。また種類によっては香水の香りの原料にもなるのです。
花と葉の色のコントラストが美しく、庭木や公園樹、街路樹などとして人気があります。
一般的なミモザの種類はギンヨウアカシア
日本で「ミモザ」といえば、一般的にギンヨウアカシア(銀葉アカシア)のことを指します。
3〜4月が開花時期で、黄色いポンポンのような花をたくさんつけます。また成長が早く、2〜10m程度まで大きくなります。
常緑高木で「シルバーリーフ」と呼ばれる銀色がかった緑の葉も特徴です。
サイズが小さめな四季咲きミモザ
四季咲きミモザと呼ばれる「アカシア デアネイ」という種類は、他のミモザよりもコンパクトです。
地植えならば樹高は2.5~6mの常緑低木で、開花の時期も5~10月と長めなのが特徴です。
サイズの小ささと管理のしやすさから、ミモザの中でも栽培に人気の種類となっています。
ミモザの栽培カレンダー
ミモザを育てるときに気になる植え付け・開花期・剪定・肥料の時期を、以下のカレンダーにまとめました。
ミモザを剪定する時期は?
ミモザを剪定する理由や適切な時期について見ていきましょう。きれいに花を咲かせて健康的に育てるためには、ミモザの特性を知った上で適切なタイミングで剪定を行うことが大切なのです。
5月から6月が剪定のタイミング
ミモザは花を咲かせ終えた5〜6月の剪定が適しています。遅くとも7月までには済ませましょう。
ミモザは花が咲き終わるとすぐに新しい花芽をつけ始めます。
花がすべて散るのを待っているともう翌年の花芽ができ始めてしまうので、咲き切った時点で剪定をするのがおすすめです。
新しく芽吹いた花芽を誤って切らないように早めに終わらせましょう。
時期を間違えると花がつかない原因に!
ミモザの剪定で最も気をつけるべきことはやはり「時期」です。
花芽ができたあとに剪定してしまうと、翌年に花が咲かなくなってしまいます。
また、真夏や真冬に剪定してしまうと木が負担に耐え切れずに枯れてしまう可能性があります。
より健康的な花を翌年以降も付けるために、剪定時期は守るようにしましょう。
ミモザの剪定方法
ミモザの剪定方法には「芯止め」「透かし剪定」「切り戻し剪定」の3種類があります。正しいお手入れ方法について学び、上手に育てるコツを学んでいきましょう。
小さく育てるための「芯止め」
「芯止め」は、ミモザをある程度の大きさにとどめておきたい時に使われる剪定方法です。図のように、主幹の頂点部分を切り落とします。
そうすることで、上に幹が伸びるのを抑え、高さの成長を制限することができるのです。
また、芯止めを行うと幹が太い木になるので、元々ひょろひょろの細いミモザの木を風に強くすることができます。
木を健康に保つための「透かし剪定」
木の内部の風通しをよくするために、図のように枝の根本から切り落とす剪定方法を「透かし剪定」といいます。
幹から細くひょろひょろと伸びている枝は、思い切って切りましょう。また内側に伸びていたり、病気になっていたりなど、成長を妨げると思われる枝も同様に切っていきます。
ミモザは成長と共に枝が増えて、枝葉が茂りやすい植物です。そのため毎年5〜6月に透かし剪定を行い、人の手で枝の数を減らす必要があります。
透かし剪定のコツは以下の三つです。これらの法則に従うことで全体のバランスが整いやすくなります。
- 樹木の上から下に向かって切る
- 太い枝から順番に切るこ
- 左右のバランスに気を付ける
日当たり具合などによって枝の付き方が偏っている場合があるので、今後の成長の仕方などを考えた上で切るとよいでしょう。
形を丸く綺麗に整えるための「切り戻し剪定」
切り戻し剪定とは、枝を根本から切らないで途中で切り落とす剪定方法のことです。
どの長さで枝をカットするかによって、樹形をきれいにコントロールします。
むやみに切ると切った枝から細かい枝が生えてきて逆に形が乱れてしまうので、長めに成長している枝を慎重に選抜して進めていきます。枝の途中で切り取る場合は、新芽のすぐ上から切り取るようにします。
上から下に向かって徐々に長くなるように剪定すると、見た目を丸くきれいに整えることができますよ。
枝が分岐している根元から切り落とし、比較的短めの枝は切らずに残すのがポイントです。
ミモザの剪定に関するポイント
剪定をするにはいくつかポイントを押さえましょう。もしも剪定に自信が持てない人は、思い切って専門業者に依頼してみるのも一つの方法です。
強剪定はしない方がよい?
強剪定とは、太い枝や多くの枝をバッサリ切り落とすことです。
ミモザは、若木のうちの花後であれば強剪定をしても大丈夫です。
しかし10年ほど経ったミモザになると、強剪定をすると木が剪定の負担に耐え切れずに枯れてしまうことがあります。
数年剪定をしていなかった場合、まとめて一気に剪定することは避けましょう。まずは不要枝を剪定するなどにとどめて風通しを確保します。そして今後の小まめなお手入れを心掛けることが大切です。
ミモザの剪定を数年怠ってしまった場合には、専門業者に依頼するのも一つの方法です。
高所作業は足場に十分に気を付ける
ミモザの剪定は高所での作業になることがあるため、落下事故などに注意しましょう。脚立の上での作業が不慣れであったり広範囲の作業になったりするなど、素人にとっては怪我のリスクも発生します。
ミモザはそれほど高くならない種類もありますが、2m以上になる場合ははしごのサイズも高くする必要が出てくるため、高所作業には十分気を付ける必要があります。
綺麗な形になるか不安なら業者へ依頼しよう
専門業者に任せることで、美しく樹形を整え成長を促す剪定を行ってくれます。もし自分で剪定することに不安を感じている場合には、経験と実績のある業者へ依頼しましょう。
ミツモアなら依頼者に安心安全なサービスを届けるための取り組みをしています。実績や資格に基づいた専門業者がそろっていて、評価や特徴などが依頼者にとって分かりやすいように提示しています。24時間365日全ての依頼内容を確認する体制を整えている点も安心です。
簡単な質問に答えるだけで、最大5件の業者から無料で見積もりが届くので、相見積もりや業者の選定もしやすいでしょう。
適切に剪定しないとどうなる?
成長しすぎてしまう
ミモザは成長スピードがものすごく早く、恐ろしい速度で巨木化していきます。なんと、1年で1m以上伸びることも。
枝葉が成長を続けると、やがて重みに絶えきれず枝が折れてしまったり、風で樹木そのものが倒れてしまったりすることもあります。樹木にかかる負担を減らすためにも、伸び過ぎた枝葉は毎年剪定しましょう。
また大きくなればなるほど、業者に依頼した場合の剪定費用が高めになるというデメリットもあります。
枝枯れを起こしたり害虫がつきやすくなる
剪定をしないままにすると、日当たりのよい上部の枝ばかりが伸びていきます。下部の枝に日光や風が届かずに弱ってしまったり、枝や葉が密集することで病気や害虫も発生しやすくなります。
ミモザに付きやすい害虫は「イセリアカイガラムシ」です。糞がすす病を引き起こします。具体的な症状や対処方法など、詳しくは「ミモザの栽培でよくあるトラブル-虫がついてしまった!」をご覧ください(クリックするとページ内にジャンプします)。
ミモザの育て方で気をつけること
移植ができない!
ミモザは根が浅く、根っこへのダメージに弱いので移植をすると枯れてしまうことがあります。
鉢植えの場合は植え替えができますが、地植えの場合は移植しない方がよいでしょう。そのため、庭に植えるときはよく場所を考えてから植えてくださいね。
強風に弱いので支柱が必要!
ミモザは根が浅い上に幹が細い植物です。気つけないと、風に煽られて折れてしまいます。それを防ぐためにも、若木のうちは支柱を立てて木を支えてあげましょう。
竹や細い丸太、針金、縄を使い、ミモザと地面を固定します。
支柱の立て方には八つ掛け、鳥居支柱、布掛け支柱などがあります。
水やりは必要最低限に
ミモザは乾燥気味を好みます。地植えの場合、根付いてからは特に水やりをしなくても元気に育ちます。真夏の高温乾燥が続く日にはたっぷり水をあげてください。
鉢植えの場合は、土が乾いて一日ほど経ったらたっぷりを水をあげましょう。
肥料は4~5月にあげよう
基本的に、ミモザに肥料を多く与える必要はありません。地植え・鉢植えどちらの場合にも、花が咲き終わる4~5月にリン酸やカリが多く窒素が少ない化成肥料をあげるとよいでしょう。ちなみに窒素が少ないものがよい理由は、ミモザが窒素を吸収する力を持っているからです。
挿し木をしておくと安心
挿し木とは、植物の株の一部を切り取って、それを別の場所で発根させて増やすことです。
ミモザは日本の夏にあまり強くなく、突然枯れてしまうことがあります。剪定の際に切った枝を挿し木にしておくと、万が一枯れてしまっても2代目を育てることができます。保険のようなものですね。
水揚げして下葉を取り除き、枝の部分を赤玉土に挿して、水やりしてあげましょう。
ミモザの栽培でよくあるトラブル
ミモザを育てていてよく起こるトラブルをあらかじめ知っておけば、事前に防いだり、すぐに適切に対処することができます。以下の3つを確認しておきましょう。
強風で傾いてしまった!
ミモザは幹が細いので、強い風が吹くと傾いてしまうことがあります。自分で傾き直しをするのが不安であれば、遠慮なく造園業者や植木屋に依頼した方が安心です。
ひとまずこれ以上傾かないように自分で応急措置をする場合には、次のような方法があります。
- 木の上部が重くなっていたら、軽く剪定する
- ロープでフェンスや柱とくくりつけておく
- 根が見ていたら、土をかぶせておく
- 仮の支柱をたてておく
ロ―プや、支柱に使える竹・丸太はホームセンターで入手することができます。
葉がたくさん落ちた!
鉢植えでミモザを育てている場合、根詰まりを起こしていることが考えられます。
根詰まりとは木が成長して、植木鉢の中が伸びた根っこでいっぱいになった状態を指します。
こうなるとうまく根から水分を吸収できずに乾燥してしまったり、根が腐ってしまったりして、葉をたくさん落とすことがあります。大きな鉢に植え替えてあげましょう。
花が咲かなかった!
花が咲かない原因は、剪定の時期が適切でなかったか、まだ花が咲く年数ではない場合が考えられます。
ミモザは、花が終わるとすぐに来年の花の芽ができ始めます。花の芽がついた枝を剪定で切り落としてしまうと、翌年に花が咲かなくなってしまうことがあるのです。
また、苗を植えてからすぐの場合には、まだ花をつけません。ミモザが開花するのは苗を植えてから1~3年後なので、もう少し気長に待ってみてくださいね。
虫がついてしまった!
ミモザの栽培で気をつけなければいけない害虫は、イセリヤカイガラムシです。白と茶色の見た目をしている小さな虫で、ミモザの葉の裏に寄生して樹液を吸います。カイガラムシの排泄物が葉につくと、ミモザは「すす病」という葉がカビで黒くなる病気に感染してしまいます。
カイガラムシは薬剤で駆除し、すす病に感染してしまった木は水で洗いながらティッシュや歯ブラシでこすりましょう。
小まめな剪定でミモザの花を楽しもう
ミモザは「豊かな感受性」という花言葉をもつ植物で、ポンポンに似た黄色い花と、銀色の葉のコントラストが美しく、庭木や街路樹として目にすることも多いでしょう。
ミモザの剪定時期は決まっており、5〜6月か少なくとも7月には終わらせることが大切です。8月ごろには翌年に花を咲かせる花芽を付けるため、その時期までには剪定を終えましょう。
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