ビワは甘くておいしい果実はもちろん、美しい花々を咲かせることで人気な果樹です。初めて庭木を育てる方でも簡単に育てられますが、生長しやすいため、低くしたりきれいな樹形を保つにはいくつかコツが必要です。
本記事では甘くておいしいビワを作るための剪定のコツを紹介します。
ビワの剪定時期は樹齢によって異なる
ビワの剪定は樹齢によって12~2月に剪定する場合と8~9月に剪定する場合の2パターンが存在します。
実が成らない若木のビワ:12~2月に剪定
ビワの実をまだつけたことがない若木なら12月~2月に花芽を残しながら剪定しましょう。花芽の判断に自信がない人は、花が開花する2月に剪定を始めれば、花芽の場所がわかりやすいのでオススメです。
実をつける成木のビワ:8~9月に剪定
ビワの実がなったら早めに収穫を行い剪定に移りましょう。8~10月には花芽ができ始めてくるので、早い段階で日当たりや風通しを考えて枝を間引くのがオススメです。
ビワの剪定に必要な道具
- 剪定バサミ
- 剪定ノコギリ
- 癒合剤
ビワの剪定をする際はガーデニング用のハサミやノコギリを用意しておきましょう。また枝を切った際は癒合剤を塗ることでビワの木が病気にならないように対策できます。
剪定バサミ
ビワの木の枝を切る際に使う園芸用のハサミです。ペンチのような形をしており、少しかたい枝や太い枝も、手で握りこむようにして力を加えるので難なく切れて便利です。
剪定用ノコギリ
剪定用ノコギリは材木を切るための大きめのノコギリとは異なり、軽くて携帯しやすいのが特徴です。折り畳み式や握りやすいピストル型など種類も豊富にあるので、自分にあった剪定ノコギリを探してみましょう。多少値が張りますが電動の剪定ノコギリはサクサク簡単に枝が切れるので初心者にもオススメです。
癒合剤
ビワを剪定した際に切り口が大きいとそこから細菌が入ってしまいビワの木が病気になってしまうことが良くあります。とくに切り戻し剪定など、ビワの木に負担がかかるような剪定をした際はダメージを軽減してくれる癒合剤を必ず塗りましょう。
ビワの剪定方法
ビワを剪定する際は基本的に間引き剪定を行います。ただし、ビワの木は高くなりすぎることがあるので、その際は樹高を低くするために切り戻し剪定をすると良いでしょう。
通常のお手入れ:間引き剪定
ビワを剪定するときは、混み合っている枝を根元から切り落とし、枝が重なり合った状態をなくす間引き剪定を行いましょう。枝の量を減らすことで、ビワの木の日当たりと風通しがよくなり、おいしい実を結びます。
切り落としても良い枝の見分け方は、以下の図を参考にしてください。
樹高を低くしたい:切り戻し剪定
切り戻し剪定は伸びすぎた枝を根元からではなく途中で切り落とす剪定方法です。切り戻し剪定で定期的にビワの木の高さやボリュームを抑えておけば、木のお手入れや実の収穫がしやすくなります。
ただし、切り戻し剪定は木に負担をかけやすく、過度に行うと実が付きにくくなってしまいます。切り戻しをする際は枝の先端をよく確認し、なるべく花芽がないものを選んで剪定しましょう。
樹高が高くなるのを防ぐ:芯止め
ビワの背丈が高くならないようにしたいなら、主幹の先端を切り落とす「芯止め」を行いましょう。
すでにかなり樹高が高くなっている場合は、安定した脚立などを用意して、安全に気を付けて作業をしましょう。危ないようであれば、プロに頼るのがオススメです。
ビワを剪定するときの注意点
ビワの木をトラブルなく剪定するためには、以下のポイントに気を付けましょう。
剪定は花が咲いているうちにやる
剪定の適切な時期は若木であれば12~2月、実を付けたことがあるなら8~9月がベストです。花が咲いていると剪定すべき枝の判別がつきやすいです。
またすべての花芽を切らずにとっておくと、ビワの実がなりすぎて収穫が大変になります。ただし、実に栄養がいきわたらず美味しく育たないため、適宜花芽のある枝も間引いていくことが大切です。
強剪定に弱いので切り方に注意が必要
剪定の中でも切り戻し剪定はビワの木にダメージを与えやすいです。枝の途中で切る際は50cm以上切らないようにしておくと良いでしょう。また切った後は、癒合剤を木の断面に塗り、細菌の侵入を防ぎつつダメージを回復させることが重要です。
ビワのお手入れ方法
ビワの木の楽しみの1つは実を食べることでしょう。ここでは実を良く育てるためのお手入れの仕方と、ビワの木の増やし方を紹介します。
摘蕾と袋がけでおいしい実が作れる
美味しいビワを作るなら摘蕾(てきらい)と袋がけが大切です。摘蕾とはつぼみの数を減らすことで、栄養がつぼみにいきわたりやすく、大きい実が付きやすくなります。また摘蕾をすることで、ビワの実の数が安定し、毎年の収穫量にバラつきがなくなるので、適宜間引いていきましょう。
袋がけは、ビワの実に専用の袋をかけてあげることです。風や鳥による実の落下を防げるうえ、虫も付きにくくなるので実が育ってくる3月くらいに袋がけを始めましょう。袋がけをする際は傷があるものや形の悪いものを摘果しておくとより、大きくきれいに育ちます。
ビワは接ぎ木、挿し木、種まきで増やせる
ビワの木を接ぎ木、挿し木、種まきと3つの方法で増やすことができます。接ぎ木とはほかの植物を土台に、切り取ったビワの枝や芽をつなぎ合わせてテープで固定する方法です。
挿し木とはビワの木の中で良く伸びている枝をカットし、何日か水に浸け、土に直接挿して育てる方法です。また食べたビワの種をまくことでもビワの木を増やすことができますが、果実を実らせるまでに10年ほどかかるため、時間がかかります。
ビワの病気・害虫対策
ビワを育てる際はモモチョッキリという害虫と灰斑病に注意しましょう。すぐにビワの木がダメになることはありませんが、モモチョッキリは果実をダメにし、灰斑病は樹勢を弱くしてしまいます。ここではこれらの害虫と病気に対する対処法を紹介します。
モモチョッキリには袋がけで対策できる
モモチョッキリは4月下旬~6月上旬に実が膨らみ始めた際に現れる害虫です。実に穴をあけて産卵し、幼虫はその果肉を食べて成長していきます。
ビワの実に穴を開けさせないためには袋がけをして対策しましょう。ネットの場合はなるべく細かい目のものにすると多少対策になります。
灰斑病には殺菌剤で対処
灰斑病はビワの葉に発症しやすく、葉に灰白色の斑点が現れてきます。発症すると、冬に落葉が激しくなり木の元気がなくなります。
病気にかかった葉は見つけ次第、取り除き殺菌剤を使うと良いでしょう。基本的には日当たりが良く適切な剪定をしていれば発症しないので、ビワの木を放置せずしっかりと管理してあげることが大切です。
業者に剪定を依頼する場合の費用相場
ビワの木の剪定に自信がなければ、プロに頼ることが確実です。庭木の剪定の料金は主に2つのいずれかの方法で算出されます。
1つ目は日当制です。職人の単価×日数で金額が計算されます。日当制の相場は1日当たり1万5000円~2万円です。職人のスキルや経験にも左右されるので事前に見積もりをもらうのがオススメです。
2つ目は単価制です。1本あたりの木の大きさで料金が変わります。たとえば高さ3m以下なら1,000~5,000円、4~7mであれば8,000~2万円が相場です。
ビワの剪定に困ったらプロに依頼を
「ビワの実があまりつかなくなってしまった」や「病気がちになってしまった」といった場合、剪定がうまくできていない可能性があります。日光の当たり具合や枝の間引き方次第ですぐに元気を取り戻すかもしれません。
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