オリーブを美しく健康に育てるためには剪定が欠かせません。2~3月に、不要な枝を中心に間引き剪定を行いましょう。
自分で剪定を行うのが不安であれば、1本2,500~25,000円ほどで業者に依頼することもできます。
ひょろひょろのオリーブを太くするには?
葉がついている部分で枝を切り詰め、新芽を増やして伸ばす工程を繰り返します。新しい枝がたくさん伸びるごとに、根と幹が同時に太く成長するのです。
剪定するべき枝の見分け方は?
元の枝から垂直方向に伸びている枝や、幹に向かって伸びている枝など、樹形を乱す枝を切っていきます。記事内では剪定すべき不要枝の図解を載せています。
オリーブの剪定時期
オリーブの剪定に適した時期と、剪定には向かない時期を解説します。
2~3月:バッサリ切る強剪定
強剪定とは、樹形に影響する幹や太い枝を根元から取り除く剪定方法をいいます。また主幹を剪定することも強剪定に含まれます。
オリーブの強剪定は2~3月の寒い時期に行うのが一般的です。
オリーブは春先に大きく成長するため、強剪定は成長への負担が少ない「休眠期」である冬の間に行いましょう。
3~4月:枝の量を調整する間引き剪定
3月になってからは強剪定は行わず、気になる枝や不要な枝を間引く剪定を行います。
間引き剪定は、枝の根元から切り落とします。枝の途中で切る「切り落とし」は、花芽まで落としてしまうので行わないようにしましょう。
こんな枝を間引こう |
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5~10月:できるだけ剪定は行わない!
初夏から10月頃まではオリーブが大きく成長する生育期のため、植物への負担が大きいバッサリと枝を切る剪定は行わないようにしましょう。
樹形を細かく整えるため、伸びてしまった枝を切りそろえる「切り戻し」を行います。
全体のバランスを見ながら不要な枝を切っていきましょう。
たくさんの枝を切ってしまうとオリーブに負担がかかり、翌年の実りに影響が出るおそれがあるので注意が必要です。
適した時期以外に剪定しても大丈夫?
「忙しくて剪定の時期を過ぎてしまった!」「夏だけど樹形が乱れているので整えたい」など、冬~春先以外の時期に剪定を行いたいと思う人もいるのではないでしょうか。
もちろん剪定しないのが一番ですが、どうしてもという場合には最低限の弱剪定を行いましょう。
その際に今年伸びた枝は来年実をつけるので、残すようにしましょう。
また、以下のような場合も必要に応じて、適宜枯れた枝を中心に切り戻し剪定をしましょう。
株の調子が悪いときは葉の量を減らして回復を早めよう |
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オリーブを剪定する3つの目的
オリーブは成長力が強い樹木なので、剪定は欠かせません。主に以下の3つの目的があります。
- 大きくなりすぎないように樹形を調整する
生命力の強いオリーブは、10m近い大木に成長するケースもあります。大きくなりすぎると手入れが大変になるため、剪定で枝の広がりを押さえることが重要です。
- 日当たりや風通しを改善して病害虫を防ぐ
剪定せず伸び放題にしておくと、オリーブの内部に枝や葉が密集します。日当たりが悪くなったり、蒸れて害虫や病気が発生しやすくなったりするため、健康に育てるためにも剪定は欠かせません。
- 枝の若返りを促して花や実をつけやすくする
実を収穫するためにオリーブを栽培している場合は、古い枝を剪定して新陳代謝を促すことで、花や実がつきやすくなります。
オリーブの剪定方法
ここでは以下の内容についてご紹介します。
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オリーブ剪定の基本
オリーブの剪定は次の3つのステップで実施します。
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枝の数を減らしたり枝の長さを調節したりして、オリーブを理想的な樹形に仕立てます。
オリーブの木は根の部分と、幹や枝の部分がバランスをとりながら成長します。例えば一度に50cm以上もばっさり切ると、根とのバランスをとるために切り口から不要な枝が多く生えてしまうことがあります。
一度にたくさんの枝を切るのではなく、数年に分けて切りそろえていきましょう。
剪定の際に用意するもの
オリーブを剪定するときに必要になる道具はこちらです。
名称 | 用途 |
剪定バサミ | 太さ1.5㎝くらいまでの枝をカットするのに使う 大きさは180㎜のものが一般的。 |
剪定ノコギリ(必要な場合のみ) | ハサミで切れない太い枝を剪定するときに使う |
癒合剤 | 太い枝を切った後に切り口に塗って、病気を防ぐ |
掃除道具 | 切り落とした枝や葉を片付ける |
剪定する枝の選び方【必ず切る枝はどこ?】
剪定では、樹形の乱れにつながる枝や風通しを悪くする枝を切り落としていきます。
枝が密集している箇所や、葉が生い茂って日当たりが悪くなっている箇所は要注意です。
また20㎝以上の長い枝には花や実がつきにくいので、必要に応じて切り落とします。
オリーブは生命力が強い樹木のため、思い切って剪定しても新しい枝が次々に生えてくるので大きな問題はありません。
以下の図と育てているオリーブを見比べて、当てはまる特徴のものを探してみてくださいね。
ふところ枝 | 幹から伸びた枝。日当たりがわるく、害虫がつきやすい。 |
徒長枝 | 枝から真上に向かって伸びすぎた枝。雨風で折れやすく、害虫がつきやすい。 |
かんぬき枝 | 主幹から左右対称に生えている枝。左右どちらかを切り落とす。 |
絡み枝 | 他の枝に絡まってしまっている枝。枝同士で傷つけ合ってしまう。 |
下がり枝 | 下に向かって伸びている枝。 |
胴吹き枝 | 幹の根元付近から上に伸びた枝。木の上部に栄養が回らなくなってしまうため早めに剪定する。 |
ひこばえ | 樹木の根元から生えてくる枝。樹形の見栄えが悪くなる、木の上部に栄養が回らなくなってしまう |
車枝 | 1つの箇所から複数の枝が出ているもの。車輪のような見た目 |
平行枝 | 複数の枝が平行に伸びてしまっている枝。放置すると下の方の枝に日が当たらず、虫がつきやすくなる。 |
逆さ枝 | 幹に向いて伸びている枝。 |
オリーブ剪定の手順
オリーブの剪定手順は次の通りです。
芯から四方に枝が広がっていくように樹形を整えていくのがポイントです。芯から外に向かって伸びている枝は残しておくようにしましょう。
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オリーブには上にスリムに伸びる「直立型」の品種と、横に広がる「開帳型」の品種があります。品種ごとの元々の自然な形に近づくように樹形を整えてあげるとよいでしょう。
どこからハサミを入れればよいのかわからない場合は、切りやすい枝から落としていくのがおすすめです。落とすべき枝が見分けやすくなり、剪定がしやすくなります。
ひょろひょろしたオリーブの幹を太くする剪定
オリーブの幹や枝がひょろひょろと細いことが気になっている方もいるのではないでしょうか。太く育てるための剪定方法や、剪定後にひょろひょろになってしまう原因を解説します。
若いオリーブは剪定することで幹が太く丈夫になる
植え付けてから間もない若いオリーブは、幹や枝がひょろひょろで細いです。成長旺盛なので細い枝がどんどん上に伸びますが、枝が長くなっても幹や枝は太くなりません。
幹を太く育てるには、葉がついている位置で枝を切り詰める剪定を繰り返しましょう。
オリーブは根と枝が同時にバランスをとって成長するので、枝を太くするには根が太くしっかり張るようにしなければなりません。少ない枝がひょろひょろと上に伸びるだけでは、根を太くするのに成長の勢いが足りないのです。剪定して新芽をたくさん伸ばせば、根も幹も太くなります。
手でかんたんに折れないくらい太くなるには2~3年、がっしりした樹木になるまではもっとかかります。
せっかく伸びた枝をばっさり切るのはダメージが心配になるかもしれませんが、若い木は思い切って切り詰めましょう。
ひょろひょろに育ってしまったオリーブの対処法
ひょろひょろのまま大きくなってしまったオリーブはどうすれば良いのでしょうか?
主幹が細いまま樹高が高くなると、枝や葉の重みに幹が耐えられません。オリーブが倒れないように支柱で支えながら、枝を剪定して新芽の増加を促し、地道に幹を太くすることが必要です。
成長を促したいからといって水や肥料を与えすぎると、蒸れたり肥料やけを起こして株が弱ったりするので注意しましょう。
剪定後にオリーブがひょろひょろになってしまう理由
剪定後にオリーブの元気がなくなった場合、オリーブへの負担が大きい方法で剪定をしてしまった可能性が高いです。具体的には以下の2つが考えられます。
- 剪定の時期を間違えた
- 剪定で枝を切りすぎた
剪定しても影響が出にくい休眠期(2~3月)に剪定を行いましょう。成長期(5~10月)に枝を切ると、切り口がふさがるのが遅れたり、新芽が一気にどんどん伸びて樹形が乱れたりします。
またオリーブは基本的に成長旺盛ですが、枝を切りすぎるとダメージは受けます。若い苗木の場合は全体の3割程度、5年以上経つ成木の場合は1割程度の枝を切り落とすのが目安です。
二股に分かれてしまったオリーブはどうする?
オリーブを育てていると、根元に近い部分から枝が二股に分かれて成長してしまうことがあります。
そのままにしても大丈夫ですが、見栄えが悪いと感じたり枝同士がぶつかっていたりする場合は「細い方の枝」を剪定しましょう。
剪定直後はくの字のように曲がった見た目になりますが、支柱を立てて矯正することができます。
支柱に主幹の曲がっている部分をくくりつけ、週1〜月1のペースで誘引し直していきましょう。
支柱を立ててから1か月ほど経つと、だんだんと支柱の方向に育ち始めます。 |
ちなみに切り落とした方の枝は、挿し木にして増やすこともできますよ。
オリーブを鉢植えで育てるときの剪定
オリーブを鉢植えで育てて室内で楽しみたいという方もいらっしゃるかもしれません。
健康に育てるには、カラッと水はけのよい土壌で日光に当てることが大切なので、ずっと室内に置いておくのはあまりおすすめできません。
ただし冬に-10℃を下回るような寒さの厳しい地域では、室内に移動できるよう鉢植えで育てるのも良いでしょう。
高くなりすぎないよう剪定で樹高を調整する
鉢植えでオリーブを育てる場合、あまり高さを出さない方がよいでしょう。高さがあると安定感が失われ、鉢ごと倒れる危険性があります。
樹高は1~2m程度を目安にして、主幹を剪定していきましょう。
地植えで育てている場合も、大きくなりすぎてお手入れが大変だと感じるようなら主幹を剪定するという選択肢があります。
主幹をある程度の高さまで切ることで、大きく成長しすぎるのを防げるでしょう。
オリーブは生命力がとても強いため、主幹を剪定しても問題ありません。
剪定でオリーブを枯らさないための4つの注意点
オリーブを枯らしてしまうことの無いよう、剪定の際には次の4つの注意点を意識して実施してください。
①枝を切る際は芽の上5mmを残す |
オリーブの枝を切る際は、芽の上5mmほどを残して剪定しましょう。残す枝の長さが適切でないと、オリーブが枯れる原因になってしまいます。 |
②枝を切った後は「切り口癒合剤」を塗る |
切り口癒合剤は、枝が枯れないように切り口を保護する役割をします。病気の元となる細菌が入らないよう防ぐ効果もあります。 |
③幼木のオリーブの剪定は避ける |
成長が乏しい段階で剪定してしまうと、オリーブに必要以上のダメージを与えてしまいます。幼木の剪定は、上向きで外側に向かって伸びている枝を残しつつ、樹形を整える程度に剪定するだけで十分です。 |
④剪定後に虫が出てきたら |
剪定後、枝に穴を見つけたら害虫かもしれません。オリーブにつく害虫はオリーブアナアキゾウムシかカミキリムシが多いです。カミキリムシやテンポウムシ用の、幹の穴に噴射するタイプの殺虫剤を使いましょう。 |
不安に思ったら業者に剪定を依頼しよう
きれいな樹形に整えられるか不安なときや、オリーブが大きく育ちすぎて自分で剪定するのが不安なときは、庭師や造園業者に剪定を依頼すると安心です。
剪定の相場は1本25,00~25,000円ほど。
もちろん木の大きさや生えている場所によって値段は変わります。
例えば以下のような料金設定があります。
~3m | 2,500~5,000円/本~ |
3~5m | 5,000~10,000円/本~ |
5~7m | 10,000~25,000円/本~ |
業者によって金額やサービスはバラバラなので、複数の業者に見積もりを取って、一番自分に合うなと思う業者を選ぶことをおすすめします。
▽費用相場をもっと詳しく知りたい!どんな業者を選んだらいいかわからない!という方はこちら
業者選びには一括見積もりサービスの利用がおすすめ
値段やサービスの内容は、業者ごとに全然違います。依頼したい内容にあった業者を見つけるためにも、複数の業者から見積もりをとることをおすすめします。
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切った枝は挿し木にして増やせる
剪定した枝は挿し木で増やすことができます。
挿し木とは、切った枝を土に挿して、根をはらせて育てることです。
しかしどの枝でも挿し木として活用できるわけではありません。挿し木に向いた枝の選び方や方法について紹介します。
挿し木の適期は3~4月(暖地)・4~5月(寒地)
挿し木は、オリーブの木が休眠している時期に行う「休眠挿し(きゅうみんざし)」が一般的です。
オリーブが休眠している時期に行うことで、挿し木の成功率がアップします。
挿し木を行う時期は地域や温度によって異なります。
- 暖かい地域では3~4月
- 寒い地域では4~5月
に挿し木を行いましょう。
桜が咲く頃を目安にするのがおすすめです。
挿し穂には若い枝を選ぶ
挿し穂とは挿し木のためにカットした枝のことです。
剪定で切り取った枝を低い温度の中で保存した枝、あるいは挿し木の直前に切り取った枝から作ります。
剪定で切り取ったすべての枝が挿し穂に使用できるわけではありません。
前の年に伸びた若い枝を使うことが挿し木を成功させるポイントです。元気のある枝を清潔な枝切りばさみでカットしましょう。
挿し木の手順と上手な育て方
挿し木を行う際の手順について紹介します。
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上手に育てるコツは枝が伸びてきても、しっかりと根が生えるまでは土を触らないようにすることです。むやみに触ってしまうと、挿し穂が弱ってしまいます。
翌年の3月頃までは、そのまま様子を見ましょう。
ミツモアで庭木の剪定を依頼した人の口コミ
「ミツモア」を通してを庭木の剪定を依頼した利用者からの口コミを紹介します。
「オリーブの特性や、剪定方法についてもとても親切に教えていただきました」
- 利用時期:202年3月
- 評価:★★★★★ 5
庭のオリーブの木1本の剪定をお願いしました。チャットのやり取りも迅速スムーズで、当日来ていただいたご担当の方もすごく感じの良い方でした。オリーブの特性や、剪定方法についてもとても親切に教えていただきました。カミキリ虫にやられていることも判明し、薬剤での措置もしていただきました。初めて業者さんに剪定を依頼しましたが大変満足です。さすがプロですね!!また何かあれば○○さんにお願いしたいと思います。
説明の丁寧さ | 評価5 |
仕上がりへの満足度 | 評価5 |
料金・費用の納得感 | 評価5 |
対応の早さ | 評価5 |
日程調整のしやすさ | 評価5 |
「要望に添った仕上がりで大変満足しております」
- 利用時期:2022年3月
- 評価:★★★★★ 5
今回、大きくなり過ぎたオリーブの剪定をお願いしましたが、こちらの要望に添った仕上がりで大変満足しております。 荒れた庭のご相談にも乗っていただき、前向きな気持ちになり楽しみが増えました。 また、お願いしたいと思っています。 ありがとうございました。
説明の丁寧さ | 評価5 |
仕上がりへの満足度 | 評価5 |
料金・費用の納得感 | 評価5 |
対応の早さ | 評価5 |
日程調整のしやすさ | 評価5 |
「掃除や片付けも丁寧にしていただきました」
- 利用時期:2022年12月
- 評価:★★★★★ 5
庭木の剪定をお願いしました。 丁寧でこちらの要望にも迅速に対応していただき大変感謝しております。 同居している両親も綺麗な仕上がりにとても喜んでいました。 掃除や片付けも丁寧にしていただきました。 何より今回来ていただいた○○さんのご対応が大変好感が持てました。 是非末永いお付き合いをお願いしたいと思います。 本日はお世話になり本当にありがとうございました。
説明の丁寧さ | 評価5:それぞれの樹木に合った剪定をきっちりと説明していただきました。 |
仕上がりへの満足度 | 評価5:ご近所の方も綺麗になったと言われるほど、仕上がりには大変満足しています。 |
料金・費用の納得感 | 評価5:お一人での作業で掃除までしていただいてるので充分納得のできる料金です。 |
対応の早さ | 評価5:日程の打ち合わせや作業について迅速に対応していただきました。 |
日程調整のしやすさ | 評価5:ショートメール等で随時ご連絡いただき、調整をしてもらえました。 |
剪定のプロ探しはミツモアがおすすめ
庭木の剪定を業者に依頼したい場合、地域のプロを探す際はミツモアの一括無料見積もりをご利用いただくと手間なくご自身の希望通りの業者を見つけることが可能です。
ぜひミツモアを利用してみてはいかがでしょうか。
ミツモアで簡単な質問に答えて見積依頼
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