自分でオリーブの剪定に挑戦するとき、ポイントは以下の3点です。


- 最も剪定に適した時期は3月
- 萌芽力が強いので、枝数を思い切って減らす
- 根が浅いので、倒れないように高さを抑える
成木のお手入れに加えて、幹が細い幼木のオリーブを立派な樹形に育てるまでのポイントも解説しているので、参考にしてみてください。
オリーブの剪定時期
オリーブの剪定に適した時期と、剪定には向かない時期を解説します。
強剪定を行うのに適しているのは3月
気温が上がってオリーブの生長が活発になる前の3月頃が、太い枝を切るなどの強めの剪定に最適です。太い枝を切るときはオリーブに大きなダメージを与える可能性がありますが、この時期であれば比較的早く回復します。
暖かい地域が原産の常緑樹であるオリーブは寒さが苦手なので、落葉樹と違い、冬に強い剪定をするのは避けたいです。一方で、4月に入ると気温が上がり、枝葉がぐんぐんと生長を始めます。この時期は新芽の生長にエネルギーが使われているので、枝を切った時に回復する余力が少ないのです。
4月中旬~5月中旬以外ならいつ剪定しても大丈夫
前述の通り、4月中旬から5月中旬までは、オリーブが新芽を伸ばすことに集中している時期なので、剪定を控えましょう。剪定によって受けたダメージの回復ができない可能性があります。
その他の時期であれば、軽い剪定は基本的にいつでも可能です。
オリーブは萌芽力(新たな芽を出す力)が強いので、定期的な剪定を放置すると枝が密集しやすく、風通しや日当たりが悪くなりがちです。新芽が出やすい性質を活かし、年1回~2回程度の定期的な剪定を習慣にすると、常に健康的で美しい樹形をキープできます。
オリーブの木の剪定でおさえておきたいポイント
オリーブの木を剪定するときに意識すべきポイントは以下の2点です。
芽吹く力が強く枝が混み合いやすいので、多めに枝を間引く
オリーブは萌芽力が強く、枝のあちこちから不定芽(枝の先端や節以外にできる不規則な芽)が多く出ます。そのまま伸ばしていると、すぐに木全体が茂って混み合った印象になってしまいがちです。
風通しや日当たりが悪くなり、病気や害虫の被害を受けやすくなるので、強剪定ができる時期には思い切って枝の数を減らしましょう。
根の張り方が浅く倒れやすいので高さを抑える
オリーブは根の張り方が浅く、強風にあおられると木が傾いたり、倒れてしまうことがあります。
放っておくとオリーブは10m近くまで高くなりますが、倒れるのを防ぐために、樹高2~3mを維持できるように調整しましょう。
また、幼木のうちは支柱を立てて木を支えます。成木になってからは枝を多く間引き、オリーブの木の内部を風が抜けやすいようにして、衝撃を受け流せるようにします。
オリーブの成木の剪定方法(透かし剪定で樹形を整える)
オリーブの成木は基本的に透かし剪定で枝数を減らし、樹冠から飛び出した枝については切り戻し剪定も交えて切っていきます。
オリーブの剪定は以下の手順で進めます。
3月の強剪定以外のタイミングでは、①の不要枝の剪定だけで十分です。
①枯れた枝や不要な枝を切る
まずは、枯れた枝や樹形を乱す不要な枝を最初に切り落とします。
カサカサに乾いていたり、樹皮の中まで茶色く変色している枝は枯れています。枯れ枝を放置すると病気や害虫の原因になるので、最優先で取り除きましょう。
次に、以下のような生え方をしている不要な枝を切り落とします。
不要枝の種類 | 不要枝の特徴 |
---|---|
ふところ枝 | 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。 |
かんぬき枝 | 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。 |
逆さ枝 | 幹に向かって伸びた枝。 |
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝。 |
下り枝 | 下に向かって伸びた枝。 |
絡み枝 | まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。 |
徒長枝 | 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。 |
車枝 | 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。 |
平行枝 | 同じ方向に伸びる上下2本の枝。 |
胴吹き枝 | 幹から新たに直接伸び出した枝。 |
ひこばえ | 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。 |
不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。
- 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
- 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
- 平行枝・胴吹き枝
- 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
- ひこばえ
- 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は切り取る
②バランスを見ながら混み合った枝を間引く
不要な枝を一通り切り落としたら、オリーブの木全体のバランスを見ながら、混み合った部分を間引いて枝の数を減らしていきます。
具体的なバランスのとり方は以下が目安です。
- 主幹から四方にバランスよく枝が広がった状態にする
- 枝と枝の間隔をどこから見てもなるべく均等にする
「遠くから眺めたときに、枝の密度が均等になっているか」を確認しながら進めましょう。
オリーブの木は不定芽が芽吹きやすいので、新しく出てきた不定芽から枝が伸び、バランスを崩すことが多いです。
③樹冠から飛び出た枝を切り戻す
ある程度透かし剪定が終わったら、樹冠(枝葉の茂った部分)から飛び出している枝を外芽の上で切り戻して、全体を整えます。
④枝の切り口に癒合材を塗る
病原菌や害虫が侵入しないように、剪定が終わったら枝の切り口に癒合剤を塗りましょう。断面のゴミを取り除いて、切り口全体に薄く均一に塗り広げます。
癒合剤を使ったほうが良いのは以下のケースです。
- 枝の切り口が大きいとき(直径3cm以上)
- 主幹から直接生えた枝や近い枝を切り落としたとき(3cm以内)
- 病気になりやすい木(サクラ、果樹など)
基本的には自然にはがれ落ちるので、塗った後はそのままにしておいて大丈夫です。
オリーブの幼木の剪定方法(ひょろひょろな幹を太くする)
小さな苗木の状態からオリーブを育て始めた場合、幹が細くひょろひょろの状態です。
成長旺盛なので細い枝がどんどん伸びますが、そのまま伸ばし続けても幹や枝は太くなりません。
オリーブの幹を太くするまでの剪定では、以下のポイントをおさえましょう。
- 枝の途中で切り戻し剪定を繰り返す
- 自立するまで支柱を立てる
- 鉢植えの場合も外で日光に当てる
ひょろひょろなままサイズが大きくなってしまったオリーブも、基本的にこの方法で太くしていきます。
枝の途中で切り戻し剪定を繰り返す
幹を太く育てるには、葉がついている位置で枝を切り戻す剪定を繰り返しましょう。
オリーブは根と枝がバランスをとって生長するので、幹を太くするためには、根が太くしっかり張るようにしなければなりません。
枝を切り戻すと、切ったところから新芽が複数出てくるので、根も伸びて幹が太くなっていきます。
せっかく伸びた枝をばっさり切るのは勇気がいるかもしれませんが、若い木は思い切って切り詰めましょう。
自立するまで支柱を立てる
オリーブは根が張りづらく、幹が太りにくいので、自立するまで時間がかかります。
安定して自立するまでは支柱を立てて育て、強風によって倒れたり折れたりしてしまうのを防ぎましょう。
オリーブの主幹が細いまま樹高が高くなると、枝や葉の重みに幹が耐えられません。支柱で支えながら枝を剪定して新芽の増加を促し、地道に幹を太くすることが必要です。
鉢植えの場合も外で日光に当てる
苗木で入手したオリーブを鉢植えで育てているという方もいるかもしれません。
オリーブの幹を太くするためには、盛んに光合成をさせる必要があります。鉢植えであっても必ず室内ではなく屋外に置き、葉に日光をたくさん当てて育てましょう。
オリーブが二股に分かれてしまったらどうする?
オリーブを育てていると、根元に近い部分から枝が二股に分かれて成長してしまうことがあります。
そのままにしても大丈夫ですが、見栄えが悪いと感じたり枝同士がぶつかっていたりする場合は「細い方の枝」を剪定しましょう。
剪定直後はくの字のように曲がった見た目になりますが、支柱を立てて矯正することができます。
支柱に主幹の曲がっている部分をくくりつけ、週1〜月1のペースで誘引し直していきましょう。 支柱を立ててから1か月ほど経つと、だんだんと支柱の方向に育ち始めます。
オリーブの剪定に必要な道具
自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。
道具 | 用途 |
---|---|
剪定バサミ![]()
|
枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安) |
植木バサミ |
特に細かい枝の切断に使用する |
剪定ノコギリ![]() |
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する |
園芸用の脚立![]() |
高い位置の枝を切るときに使用する 屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ |
園芸用の手袋![]() |
作業中の手を守る 軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ |
癒合剤![]() |
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る |
他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。
切った枝は挿し木にして増やせる
剪定した枝は挿し木で増やすことができます。
挿し木とは、切った枝を土に挿して、根をはらせて育てることです。
しかしどの枝でも挿し木として活用できるわけではありません。挿し木に向いた枝の選び方や方法について紹介します。
挿し木の適期は3~4月(暖地)・4~5月(寒地)
挿し木は、オリーブの木が休眠している時期に行う「休眠挿し(きゅうみんざし)」が一般的です。
オリーブが休眠している時期に行うことで、挿し木の成功率がアップします。
挿し木を行う時期は地域や温度によって異なります。
- 暖かい地域では3~4月
- 寒い地域では4~5月
に挿し木を行いましょう。
桜が咲く頃を目安にするのがおすすめです。
挿し穂には若い枝を選ぶ
挿し穂とは挿し木のためにカットした枝のことです。
剪定で切り取った枝を低い温度の中で保存した枝、あるいは挿し木の直前に切り取った枝から作ります。
剪定で切り取ったすべての枝が挿し穂に使用できるわけではありません。
前の年に伸びた若い枝を使うことが挿し木を成功させるポイントです。元気のある枝を清潔な枝切りばさみでカットしましょう。
挿し木の手順と上手な育て方
挿し木を行う際の手順について紹介します。
|
上手に育てるコツは枝が伸びてきても、しっかりと根が生えるまでは土を触らないようにすることです。むやみに触ってしまうと、挿し穂が弱ってしまいます。
翌年の3月頃までは、そのまま様子を見ましょう。
オリーブの剪定が難しい場合はプロに依頼するのもおすすめ
「樹形が乱れてしまったオリーブを剪定でリカバリーしたい」「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。
庭木の剪定料金相場
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。庭に植えているオリーブの場合、2~3mであることが多いので、1本あたり2,900~3,600円が目安です。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
ミツモアでオリーブの剪定を依頼した人の声
「ミツモア」を通してオリーブの剪定を依頼した利用者からの口コミを紹介します。
「オリーブの特性や、剪定方法についてもとても親切に教えていただきました」
- 利用時期:202年3月
- 評価:★★★★★ 5
庭のオリーブの木1本の剪定をお願いしました。チャットのやり取りも迅速スムーズで、当日来ていただいたご担当の方もすごく感じの良い方でした。オリーブの特性や、剪定方法についてもとても親切に教えていただきました。カミキリ虫にやられていることも判明し、薬剤での措置もしていただきました。初めて業者さんに剪定を依頼しましたが大変満足です。さすがプロですね!!また何かあれば○○さんにお願いしたいと思います。
「要望に添った仕上がりで大変満足しております」
- 利用時期:2022年3月
- 評価:★★★★★ 5
今回、大きくなり過ぎたオリーブの剪定をお願いしましたが、こちらの要望に添った仕上がりで大変満足しております。 荒れた庭のご相談にも乗っていただき、前向きな気持ちになり楽しみが増えました。 また、お願いしたいと思っています。 ありがとうございました。
「掃除や片付けも丁寧にしていただきました」
- 利用時期:2022年12月
- 評価:★★★★★ 5
庭木の剪定をお願いしました。 丁寧でこちらの要望にも迅速に対応していただき大変感謝しております。 同居している両親も綺麗な仕上がりにとても喜んでいました。 掃除や片付けも丁寧にしていただきました。 何より今回来ていただいた○○さんのご対応が大変好感が持てました。 是非末永いお付き合いをお願いしたいと思います。 本日はお世話になり本当にありがとうございました。
庭木の剪定をプロに依頼する流れ
庭木の剪定を業者に依頼したい場合、地域のプロを探す際はミツモアの一括無料見積もりをご利用いただくと手間なくご自身の希望通りの業者を見つけることが可能です。
ぜひミツモアを利用してみてはいかがでしょうか。