シラカシは落葉広葉樹の一種で生育旺盛な丈夫な樹木です。
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日本の里山に自生し、丸みのある樹形と美しい紅葉が特徴的で丸型のドングリの実をつける姿が可愛らしいです。
コンパクトなサイズのため小さな庭にも似合いますが、シラカシは成長が早く枝が伸び放題になるため、定期的な剪定が必要です。
この記事では剪定の時期や剪定方法について紹介します。
シラカシの剪定時期は開花期以外のほぼ通年
シラカシは、新芽が伸びている最中である4月中旬~5月中旬を除いて、ほぼ1年中剪定することができます。回復力が強いので、時期を問わず剪定しても枯れる心配が少ないです。
ただし常緑樹なので、冬の寒さには強くありません。寒冷地ではなるべく冬の剪定は避けましょう。また、真夏も木が弱りやすい時期なので、できるなら暑さが落ち着いてから剪定するほうが望ましいです。
シラカシの剪定方法
シラカシは生長が早く、葉が茂りすぎてしまうので年2回の剪定が必要です。
剪定をしないままだと数年で10mを超えることもあるので、どういった樹形にしたいかによって剪定方法が変わります。
小さく育てたいときは強剪定
シラカシを小さく育てる場合は強剪定が必要です。
強剪定は通常の切り戻しより短く切りながら、多くの枝葉をばっさりと切り落とすことです。
強剪定の手順
1.主幹を選定
シラカシは複数の主幹が伸びる傾向があるので、1本の主幹に集中させましょう。
主幹は樹形の骨格となるため、太く健全な幹を選んで維持することを意識してください。
2.主枝の整理
主幹から伸びる太い枝を3~5本程度に整理しましょう。
枝同士が密集しすぎないように適度な間隔を空けてください。
3.内部の枝の除去
主幹と枝の内部に入り込んだ細い枝を全て除去しましょう。
これにより、日光と風通しを良くします。
4.枝の剪定
残した枝を適切な長さに剪定しましょう。
枝の長さは主幹の太さの1.5~2倍程度が目安です。
5.切り口の処理
切り口は下向きに斜めに切り、切り面は平滑に仕上げましょう。
そうすることで傷の治りが良くなります。
6.枝肉の保護
枝の付け根部分にできる枝肉は残しましょう。
この部分は生長点があるので、新しい枝の発生を促します。
整えるときは透かし剪定
透かし剪定の目的は日光や風通しを良くして生長を促進させ、病害虫の予防をすることです。
枝を大きく切り戻すことはせず、必要最小限の剪定にとどめてください。
透かし剪定の手順
1.枯れ枝の除去
樹木の内部や上部にある枯れ枝や弱った枝を全て取り除きましょう。
日光と風通しを良くします。
2.密集した枝の間引き
主幹から伸びる枝が密集している部分を間引きします。
枝が混み合いすぎないよう、適当な間隔を空けるようにしましょう。
3.上部の枝の短縮
樹冠の上部に伸びた枝は、全体の樹形を損なわない範囲で短く剪定しましょう。
下部の枝へも日光が入りやすくなります。
4.下部の枝の保護
下部の枝は基本的に残しましょう。
下枝を残すことで樹勢を維持することができます。
5.切り口の処理
断面は下向きに斜めに切りましょう。
傷の治りが早くなります。
不要枝の見分け方は以下を参考にしてください。
不要枝の種類 | 不要枝の特徴 |
---|---|
ふところ枝 | 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。 |
かんぬき枝 | 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。 |
逆さ枝 | 幹に向かって伸びた枝。 |
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝。 |
下り枝 | 下に向かって伸びた枝。 |
絡み枝 | まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。 |
徒長枝 | 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。 |
車枝 | 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。 |
平行枝 | 同じ方向に伸びる上下2本の枝。 |
胴吹き枝 | 幹から新たに直接伸び出した枝。 |
ひこばえ | 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。 |
不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。
- 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
- 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
- 平行枝・胴吹き枝
- 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
- ひこばえ
- 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は切り取る
生垣として育てるときはこまめな剪定が必要
シラカシは丸みを帯びている樹形なので生垣としても人気です。
生垣にするには外からキレイな形に見える刈り込み剪定を行いましょう。
目隠しの効果もあるため、内側の枝を切りすぎると生垣としての見た目を損なってしまいます。
ただし、枯れた枝や絡まっている枝は取り除く必要があるので、こまめに剪定していくことが大事です。
シラカシを剪定するときの注意点
シラカシは生育が旺盛で丈夫な樹木ですが適切な剪定を行わないと樹形が乱れ、枯死する可能性もあります。
シラカシを健康的に長く育てるためには、剪定時の注意点を理解しておくことが重要です。
木の上部を強めに剪定する
シラカシは上へ上へと成長し、上部の枝が大きく伸びる傾向にあります。
上部の枝を強めに剪定することで、樹高をコントロールしましょう。
また、上部の枝を短く剪定することで下部の枝が良く育つようになり、見た目のバランスも取れた美しい樹形を保つことができます。
剪定するときは付け根から切る
不要な枝を切るときは付け根から切りましょう。
中途半端な位置で切るとそこから枝が生えてしまい、樹形が崩れてしまいます。
小枝はひとつの節からまとまって生えるので、よい枝を2~3本残して切り取るようにしましょう。
シラカシの剪定に必要な道具
自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。
道具 | 用途 |
---|---|
剪定バサミ![]()
|
枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安) |
植木バサミ |
特に細かい枝の切断に使用する |
剪定ノコギリ![]() |
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する |
園芸用の脚立![]() |
高い位置の枝を切るときに使用する 屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ |
園芸用の手袋![]() |
作業中の手を守る 軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ |
癒合剤![]() |
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る |
他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。
シラカシのお手入れ方法
シラカシは比較的丈夫な性質を持ち合わせているため、あまり人間が手を入れなくても育つ樹木ですが、長くキレイな樹木を保つためには、適切なタイミングでお手入れしましょう。
水やり
シラカシは基本的には水やりは必要ありませんが、以下のポイントに注意してください。
- 雨が降らない日が続いたときは水やりを行う
- 土の中まで十分に水が届くようたっぷりと与える
- 過剰な水やりは根腐れの原因となるため注意する
- 水やりは午前中に行う
また、植え付けのときは根腐れを防ぐため、排水の良い場所を選んでくださいね。
肥料
シラカシは比較的強健な樹木ですので、年1回程度の施肥で十分です。
春先に緩効性の化成肥料を与えましょう。
また、腐葉土などの有機質肥料を表土に混ぜ込むのも効果的ですよ。
小さく育てたいなら株立ちがおすすめ
シラカシを小さく育てたい場合は株立ちがおすすめです。
株立ちにすることで樹高を抑え、コンパクトな樹形を保つことができます。
株立ちは複数の幹を残すよう主幹を切り戻してください。
低めの樹高を維持しつつ、シラカシならではの丸みのある樹形を楽しめます。
シラカシの病気・害虫対策
シラカシは比較的丈夫な樹木ですが、かかりやすい病気や害虫もいます。
かかってしまった場合は早期に対処する必要があるので、どんな症状が出ているかしっかり確認しましょう。
病気:紫かび病
シラカシの葉や枝に紫色のかび状の菌糸が広がる病気です。
湿気の多い環境で発生しやすく、放置すると枝枯れが進行してしまいます。
発生初期に薬剤による防除を行い、剪定で樹木の通気性を改善することが大切です。
病気:うどんこ病
シラカシの葉に白い粉状の菌糸が広がる病気です。
日光不足や高温多湿な環境で発生しやすく、被害が進むと葉が変形し、早期落葉してしまう危険性があります。
薬剤による防除と、剪定による通気性の向上が有効な対策です。
害虫:クリオオアブラムシ
シラカシの新芽や若い葉を吸汁する害虫です。
クリオオアブラムシが大発生すると、葉が萎れたり変形したりするなど、見た目が損なわれます。
さらに、吸汁によって樹木の生育が阻害されてしまう危険性も。
早期発見し、殺虫剤の散布や水洗いによる除去を行うことが大切です。
害虫:カイガラムシ
カイガラムシはシラカシの幹や枝に固着して吸汁する害虫です。
カイガラムシが大発生すると、枝が枯れ上がったり、全体の樹勢が衰えたりする可能性があります。
特に老木のシラカシでは被害が深刻化しやすいので注意が必要。
カイガラムシの駆除には、ブラシなどを使って物理的に取り除くのが効果的です。
シラカシの剪定はプロに依頼するのもおすすめ
「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。
庭木の剪定料金相場
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
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