美しい花を咲かせる常緑低木として人気のトキワマンサク。トキワマンサクの美しい姿を長く楽しむためには、適切な剪定が欠かせません。
しかし、「いつ剪定すればいいの?」「どんな枝を切ればいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、トキワマンサクの剪定時期や頻度、剪定方法についてわかりやすく解説します。忌み枝の見極め方や剪定時の注意点、プロに依頼する際の費用相場についてもまとめました。トキワマンサクの剪定について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
トキワマンサクの剪定時期と頻度
トキワマンサクの剪定時期を間違えると、翌年の花芽を切ってしまい、花付きが悪くなる可能性があります。
剪定時期は花が終わった後の春~初夏
トキワマンサクの剪定に適した時期は、花が咲き終わった後の5月〜6月頃です。分化が始まる前の時期に剪定を行うことで、翌年の花芽を傷つけることなく樹形を整えることができます。
トキワマンサクは4月から5月にかけて花を咲かせます。その後6月下旬ごろから翌年の花芽を形成し始めるため、それまでに剪定を済ませておくことがおすすめです。とはいえ基本的には真夏以外のタイミングであれば、どの時期に剪定をしても大きな問題はありません。
また生垣として利用している場合は、整った形状を維持するために、年1〜2回程度軽い剪定を行ってもよいでしょう。
トキワマンサクの剪定に必要なアイテム
トキワマンサクの剪定を自分で行う場合は、適切な道具を用意することから始めましょう。以下では、トキワマンサクの剪定に必要なアイテムを紹介します。
それぞれの用途と特徴について解説していきます。
剪定バサミ
剪定バサミは、トキワマンサクの剪定に欠かせない道具です。主に細い枝や新芽の剪定に使用します。片手で使用するタイプと両手で使用するタイプがありますが、細かい剪定には片手タイプがおすすめです。
剪定バサミを選ぶ際は、手に馴染むサイズと重さのものを選びましょう。また、刃の切れ味が良いものを選ぶことで、枝を傷つけることなくきれいに切ることができます。
剪定する時は、枝の付け根や分岐点から切ることがポイントです。枝の途中で切ると、そこから小枝が発生し、樹形が乱れる原因となってしまいます。
使用後は必ず手入れを行い、錆びや汚れを取り除いて保管するようにしましょう。
剪定のこぎり
剪定のこぎりは、剪定バサミでは切ることができないような太い枝を切るときに使用します。トキワマンサクは比較的細い枝が多いですが、古くなって太くなった枝や、病気にかかった枝を除去する際には剪定のこぎりが必要になります。
剪定のこぎりを選ぶ際は、軽量で扱いやすいものを選びましょう。また、細かい刃のものを選ぶと切り口がきれいになります。
使用する際は切る枝の下側から少し切り込みを入れてから、上側から切り落とすようにして使用しましょう。
軍手
手を保護するために、軍手も用意しましょう。トキワマンサクには小さな棘があり、素手で作業をすると手を傷つける可能性があります。また、剪定バサミやのこぎりを使用する際にも、軍手があることで手を守れます。
軍手を選ぶ際は作業性も考慮して、指先の感覚が失われないものを選ぶとよいでしょう。また、滑り止めがついているものを選ぶと、道具をしっかりと握ることができます。
動きやすい服装
服装は長袖のシャツと長ズボンを着用し、肌の露出を最小限に抑えることで、枝による擦り傷や虫刺されを防ぎましょう。
靴は滑りにくく、つま先を保護できる作業靴やスニーカーが適しています。また、日差しから守るために、夏場は帽子も必須のアイテムです。
トキワマンサクで剪定するべき忌み枝の見分け方
以下の表に、忌み枝の種類と特徴をまとめています。トキワマンサクは強剪定は必要ありませんが、健康な枝の成長を妨げてしまうような枝は切り落とすようにしましょう。
加えて、枯れていたり、腐ったりしている枝があれば、それらも切り落とすようにしていきます。
枝の種類 | 特徴 |
---|---|
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝 |
絡み枝 | 近くの主枝に、つるのように絡まりついている枝 |
逆さ枝 | 主枝の向きに逆らって、幹に向かって生えている枝 |
ひこばえ | 樹木の根元から生えている枝で、ヤゴとも呼ばれる 養分が樹の上まで届かずに衰弱したり、見栄えが悪くなったりする |
下がり枝 | 主枝から分かれて、下に向かって伸びる枝 |
かんぬき枝 | 幹を中心として、左右対称に伸びた2本の枝 |
ふところ枝 | 幹付近から伸びた枝 風通しや日当たりが悪くなりやすい |
平行枝 | ほかの枝の近くに平行に伸びている枝で、「重なり枝」とも呼ばれる |
車枝 | 1か所から何本も生えた枝 |
胴吹き枝 | 幹から直接伸びた枝 |
トキワマンサクの剪定方法
続いて、トキワマンサクの基本的な剪定方法を紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
1.樹木の高さを整える
まずは樹木全体の高さを整えましょう。管理のしやすさと見た目の美しさを考慮して、1〜2mほどの高さに刈り込む場合が多いです。
高さを整える際は、まず樹木の頂点となる位置を決めます。その位置に紐を地面と平行に張ることで、均一な高さを保ちながら剪定することができます。剪定バサミを使用して、紐の位置に合わせて上部の枝を刈り込んでいきましょう。
ただし、一度に大きく刈り込んでしまうと、大きなストレスを与えてしまうことがあります。高さを大幅に低くしたい場合は、数回に分けて少しずつ高さを調整していくのがよいでしょう。
2.両サイドを整える
高さを整えた後は、両サイドを整えていきます。特に生垣として育てている場合には重要な工程となります。
サイドの剪定は、垂直に刈り込んでいくことがポイントです。剪定バサミを使用して、上から下へと順に枝を刈り込んでいきます。作業中は定期的に後ろに下がって全体のバランスを確認しながら、必要に応じて調整を加えていきましょう。
また、片側だけが極端に刈り込まれすぎないよう、両サイドのバランスにも注意を払いながら進めてください。
3.枝の間を間引く
最後に、枝の間を適度に間引いていきます。枝が密集しすぎると内部まで日光が届かず、通気性も悪くなってしまいます。間引きは、病気や害虫の発生リスクを軽減するために重要です。
まず枯れ枝や病気にかかった枝を取り除きます。その後、樹形を乱す枝や、他の枝と交差している枝を選んで剪定していきましょう。樹木の中心部に向かって伸びている枝(内向枝)も取り除きます。
なお、間引きの際は、樹形が乱れないように枝の付け根から切り取るようにしてください。
適度な間引きにより、トキワマンサクの内部まで光が届き、風通しが良くなります。
トキワマンサクを剪定するときの注意点
トキワマンサクの剪定では、いくつか注意点があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
前年切ったところまで刈り込む
トキワマンサクは成長が早いため、管理を怠ると急速に大きくなってしまいます。適切な生垣の高さを保つために、剪定の際は前年に切った位置まで刈り込むようにしましょう。前年の剪定位置を目安にすることで、一定の形を保ちやすくなります。
枝は途中から切らない
先に触れた通り、枝は付け根部分から切り取ることが重要です。枝を途中で切ると、その切り口から複数の新芽が出てしまい、樹形が乱れてしまうため注意しましょう。
また、太い枝を切る際は、まず下側から少し切り込みを入れてから上側から切り落とすことで、枝の重みで樹皮が裂けるのを防げます。
トキワマンサクを美しく保つには剪定業者への依頼もおすすめ
トキワマンサクの剪定は、適切な知識と技術があれば自分で行うことも可能です。しかし、より美しく健康的な状態を保ちたい場合や、大規模な剪定が必要な場合は、専門の剪定業者に依頼することをおすすめします。
業者への依頼がおすすめな理由
自力で剪定することでコストを抑えられる場合もありますが、失敗のリスクや準備、後処理の手間などを考えると、プロへの依頼がおすすめです。不安な場合やトキワマンサクの成長を最優先に考える場合は、専門家に頼ることも検討しましょう。
業者に頼めば、経験豊富なスタッフが正しい方法で剪定してくれます。トキワマンサクのストレスも最小限に抑えられることはもちろん、ケガや失敗のリスクもありません。
また、業者によっては、剪定後のごみ回収まで依頼できたり、お庭の手入れについてアドバイスをくれたりするところもあります。
トキワマンサクの剪定にかかる費用相場
トキワマンサクの剪定にかかる費用相場は、1本あたりの単価制の場合は高さに応じて2,500~25,000円/本、日給制であれば20,000~30,000円/日です。
ただし、上記はあくまで目安の金額です。実際の金額は依頼するエリアやトキワマンサクの状況、サイズなどによって異なる場合があります。
正確な見積もりを知るためには、複数の業者からの相見積もりを取得しましょう。
トキワマンサクには定期的な剪定が必要!
トキワマンサクの剪定について解説しました。トキワマンサクは成長が早い樹木であるため、定期的な剪定が欠かせません。適切なタイミングに正しい方法で剪定を行うことで、より魅力的なトキワマンサクを楽しみましょう。
「自分で手入れをするのが大変」「お庭の生垣を綺麗にしてほしい」といった場合には、プロの剪定業者を頼るのもひとつの方法です。エリアや業者によって費用が大きく異なるため、複数の業者を比較検討して選ぶと良いでしょう。