フェイジョアはフトモモ科の常緑樹で、ブラジル南部やウルグアイなどの中南米が原産です。
南国の植物らしい鮮やかな花の色が特徴で、10~11月には果実をつけ、フルーツとして食べることもでき、人気があります。
病害虫や寒さに強く比較的育てやすい植物ですが、適切な剪定を行わないと花や果実をつけることができません。
この記事では、フェイジョアの剪定の時期や剪定時のポイントについて紹介します。
フェイジョアの剪定時期は3~4月
フェイジョアの剪定は3~4月に行いましょう。
この時期は新芽が出る前で、花芽も付いていないので間違えて切る心配がありません。
全体的に樹形を整えつつ、不要な枝を切りましょう。
枝葉が混みあっている場合は、6月頃にも透かし剪定を行うのがおすすめです。
また、フェイジョアは8月過ぎに花芽をつけるので、それ以降に剪定を行うと花芽を切り落としてしまうおそれがあります。
寒さにも弱く、冬季の剪定はおすすめできません。
フェイジョアの剪定に必要な道具
フェイジョアの剪定に必要な道具を紹介します。
剪定用手袋
剪定用の手袋を準備しましょう。
普通の軍手ですと剪定中に枝や葉が刺さってケガをする場合があります。
手のひら側が樹脂コーティングになっているものがおすすめです。
剪定バサミ
フェイジョアの枝や植物の枝を切断するための専用ハサミで、片刃が鋭利な刃物、もう片方の刃は平らな受け刃になっています。
植物の枝を傷つけることなく、きれいに切断することができ、高炭素鋼やステンレス鋼などで作られているので長期間、切れ味を保つことができます。
サイズは色々あるので手の大きさ、左手用など自分にあったものを選びましょう。
植木バサミ
普通のハサミと同じような形をしています。
刃先が細く、小回りが利くため、込み入ったところにも入りやすいです。
細かい枝や最後の仕上げに使用します。
剪定ノコギリ
剪定バサミでは切れないような直径2cm以上の太さの枝を切るのに使います。
通常の木工用ノコギリとは異なり、刃が引く方向にのみ鋭利に切れる一方向切断刃が特徴です。
脚立
脚立は背の高い樹木を剪定するときに使用します。
剪定では幹や枝の隙間に足をねじ込んで脚立を立てることが多いので、三脚を使いましょう。
脚立を使う際には、以下の注意点を守って使用してください。
- 登る前に調節器具がロックされていることを確認する
- 一番上の段に載って作業しない
- 上を向いて作業しない
- 悪天候下では使わない
癒合剤
太い枝の剪定後の切り口に塗ることで病気や菌から守ることができます。
保護剤を塗ることを忘れると病気や菌が侵入し、多大なダメージを受ける可能性があるので、清潔なハケ等で塗りましょう。
フェイジョアの剪定方法
フェイジョアの剪定は基本は透かし剪定(間引き)です。
混み合っている枝や葉を付け根から切り落とし、内部への日光と風通しのよさを確保して、ひこばえ(ヤゴ)を取り除き、樹勢を維持してあげましょう。
このとき、下向きに垂れた枝は切らないことを意識してください。
また、樹齢によって少し剪定方法が変わるので注意が必要です。
植え付けから1~2年目の剪定
植え付けから2年経たないうちは樹形の基礎を作る大事な時期です。
「枝数を増やす」「理想的な樹形を作る」の2つを目的に剪定します。
まず、幹から伸びてきた長い枝を3分の1にカットしましょう。このとき、芽や枝の成長方向を整えることを意識します。
次に、交差する枝や内側に向かって伸びている枝を取り除きましょう。樹の中心から外側に向かって均等に枝を配置することを意識します。
剪定を行う際は枝の切り口を斜めに外側に向けて切ることで、新芽の成長を促進させます。
植え付けから3年目以降の剪定
植え付けから3年目以降のフェイジョアの剪定は果実を実らせることと、樹形の維持を意識して剪定します。
まず、地面から50~60cmの高さになるように主幹の切り戻しを行いましょう。切り口は必ず斜めになるように、芽や枝の外側に向けて切ります。
大きな枝を切る際は、段階的に切断してストレスを与えないようにしてください。
次に混みあっている枝を間引き、日光と風通しを良くしましょう。内向きに伸びている枝など、生える方向が不自然な枝を中心に切り落として整理します。
細い枝は付け根から剪定してください。これらの枝は栄養価が低く、樹木の栄養を無駄に消費してしまいます。
付け根から切り落とすことで、太い枝へ栄養の流れを集中させられるので、実つきがよくなります。
フェイジョアを剪定するときの注意点
フェイジョアを剪定するときは以下の点に注意してください。
寒さに弱いので切る時期に注意
フェイジョアは南国の植物なので、寒さに弱いです。
そのため、冬前に剪定をしてしまうと剪定のダメージを引きずったまま冬を迎え、ダメージが回復できないままで木の健康が損なわれてしまいます。
剪定を行う際は必ず時期に注意し、3~4月遅くとも6月までに終わらせるようにしてください。
下向きに垂れた枝を切らない
フェイジョアは下向きに垂れた枝に良い果実が実りやすいです。
そのため、花が咲き終わった後から収穫するまでは、下向きに垂れている枝は切らない方が良いでしょう。
フェイジョアのお手入れ方法
フェイジョアは丈夫で比較的育てやすい植物ですが、気を付けるべきポイントもあります。
それぞれのポイントを守ってキレイな花や果実をつけましょう。
水やり
根付いた後は自然の雨のみで育ってくれます。
ただ、乾燥に弱いので、夏場などの乾燥しやすい時期や雨が降らない日が続く場合は、水やりを行ってください。
水やりは涼しい時間帯(午前中か夕方)に行うのがおすすめです。
肥料
植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜて植えましょう。
また、新芽が出てくる前に有機質肥料を与えると新芽の生育を促進します。
果実を収穫後にも有機質肥料を与えると、その後の回復や次の果実の実りが良くなるのでおすすめです。
実を付けたいときは人工授粉もおすすめ
なかなかフェイジョアの果実がならない時は人工授粉もおすすめです。
人工授粉の手順
1.花の選択
開花したばかりの雄しべが十分に発達している花を選んでください。
2.花粉の採取
異なる2~3種類の花から、柔らかい絵筆で花粉を採取しましょう。
できるだけ新鮮な花粉が望ましいです。
3.受粉の方法
採取した花粉を雌しべに優しく塗布します。
この時、複数回、異なる個体の花粉で受粉すると実りやすくなります。
人工授粉は花が完全に開いた直後がおすすめです。
湿度が適度で、風があまりない朝の涼しい時間帯に行うと良いでしょう。
フェイジョアの病気・害虫対策
フェイジョアは病気に葉かかりにくいですが、いくつかの病害虫に注意が必要です。
病気:うどんこ病
うどんこ病は、フェイジョアの葉に白い粉状のカビが発生する真菌性の病気です。
特に湿度が高く、風通しの悪い環境で発生しやすいです。
発生環境
- 高湿度な環境
- 通気性の悪い樹形
- 過度の窒素肥料
予防と対策
- 樹の剪定で通気性を改善する
- 過度の窒素肥料を避ける
- 症状が出た葉の早期除去を行う
- 有機系の殺菌剤使用をする
- 銅水和剤などの予防散布する
害虫:コウモリガ
コウモリガは果樹の幹や枝に潜り込み、フェイジョアの生育に深刻なダメージを与える害虫です。
コウモリガの特徴
- 夜行性の蛾
- 幼虫が樹の内部を食害し、樹勢を低下させる
対策
- フェロモントラップを設置する
- 幼虫侵入部位を定期的に点検する
害虫:カイガラムシ
カイガラムシは小さいながらも、フェイジョアの生育に大きな影響を与える厄介な害虫です。
被害の特徴
- 樹液を吸収する
- 黒い煤状のカビが発生する
対策
- 冬期に薬剤を散布する
- 早期発見し、粘着テープで物理的に取り除く
害虫:ハダニ
ハダニはとても小さい害虫ですが、大量発生するとフェイジョアの生育に深刻な影響を与えます。
ハダニの特徴
- 極めて小さい
- 葉の裏側に寄生する
- 繁殖スピードが速い
対策
- 定期的に葉の裏面をチェックする
- 適切な水分管理を行う
- 天然由来の殺虫剤を使用する
業者にフェイジョアの剪定を依頼する場合の費用相場
フェイジョアの剪定を業者に依頼する場合、費用の算出方法は主に2つのパターンがあります。
樹木の状態や規模、地域によって大きく異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
樹木のサイズによる料金
樹木の大きさを基準に費用が決定されます。
一般的には樹高や枝の広がり、幹の太さなどが考慮されます。
剪定金額の目安は、以下の通りです。
剪定金額の目安料金
高さ | 料金 |
3m未満 | 3,000~5,000円 |
3m~5m未満 | 5,000~15,000円 |
5m以上 | 16,000円~ |
作業時間別の目安料金
剪定に要する時間を基準に費用が決定されます。
時間 | 料金 |
30分未満 | 5,000円〜8,000円 |
1時間程度 | 8,000円〜15,000円 |
半日(4時間) | 15,000円〜30,000円 |
剪定料金の詳細はこちらの記事を参考にしてください。
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