アジサイはゆううつな梅雨の季節を慰めてくれる美しい花木です。日本では自宅で栽培する人も多い品種ですが、冬の手入れについてはあまり知られていません。翌年もまた美しい花を楽しむために、アジサイの手入れについて確認しましょう。
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梅雨を彩るアジサイの特徴
歴史ある寺院や西洋風のガーデン・公園・道端・個人の邸宅の庭など、アジサイはさまざまな場所で見かけるポピュラーな花木です。なかでも雨で濡れた姿は、思わずはっとするほどの美しさでしょう。
ガーデニング初心者にも育てやすいアジサイをもっと楽しむために、まずはアジサイの特徴について解説します。
初夏に花をつける落葉低木
アジサイは、アジサイ科アジサイ属の落葉低木です。樹高は30cm〜2mと低く、ちょうど人の目線の高さに美しい花を咲かせます。開花期は5~7月の初夏で、日本では梅雨の時期に咲く花とイメージする人が多いでしょう。
アジサイの品種は多数あり、日本原産のガクアジサイや西洋で品種改良された西洋アジサイが代表的です。品種改良も盛んに行われており、次々に新しい品種が登場しています。土の酸性度によって色が変わる性質があるため、花色も青・紫・ピンク・緑などバリエーションが豊富です。
十分な日光と水が必要
梅雨に咲く花という印象が強いアジサイですが、多くの花をつけるためには十分な日光が必要な植物です。耐陰性があるため、日当たりが悪い場所でも育ちはします。しかし、日当たりの良い場所で栽培したほうが元気に成長するでしょう。
さらにアジサイは水切れに非常に弱いという性質も持っています。土が乾きすぎると最悪の場合には枯れてしまいます。真夏には水切れをおこさないよう特に注意し、朝晩にわけてたっぷり水やりをするなど工夫が必要です。
アジサイを冬越しさせる手入れの方法
初夏に花をつけ多くの日光を必要とするアジサイは、耐寒性はあるものの冬が苦手です。翌年の開花に向けて力を蓄えている冬のアジサイを、上手に冬越しさせる方法を解説します。
鉢植えで育てる場合
冬になり葉が落ちたアジサイにとって、一番大切なのは「寒さから守る」ことです。たくさんの日光を浴びせる必要はありません。家の軒先や日の当たる室内の窓際など、冷たい風があたりにくい場所へ移動させましょう。大きめの鉢を利用して、二重鉢にするのもおすすめです。
水やりは頻度を下げつつ、しっかりと行うことが大切です。土の表面が乾いて葉や茎が萎れそうな感じになったら、鉢の底から水が流れるまでたっぷりと水を与えましょう。
寒さの影響を受けないためにも、水やりは暖かい午前中に済ませることが大切です。
地植えで育てる場合
気温が10度を下回るようになったら、アジサイを囲むように支柱を立て寒冷紗や不織布で覆い、寒さ対策をしましょう。こうすることで霜によって葉が傷むのを防げます。
また腐葉土や堆肥・バークチップ・落ち葉などでアジサイの株元を覆うのもおすすめです。
地植えの場合は、基本的に水やりの必要はありません。ただしあまりにも雨が降らず葉や茎が萎れてきた場合には、暖かい日を選んでしっかりと水を与えると良いでしょう。
アジサイの剪定と植え替え
アジサイは剪定や植え替えをすることによって、美しさをさらに長く楽しめます。しかし正しい方法で行わなければ、花が少なくなり最悪の場合は枯れてしまいます。剪定や植え替えを行う前に、正しい方法を確認しておきましょう。
剪定は花が咲き終わった後に
アジサイの剪定は花が終わった7月半ば頃を目安に行います。この時期を逃すと株全体が大きくなりすぎてしまうだけでなく、翌年の花の量にも影響が出てしまいます。
アジサイの花は時期が終わっても自然に落ちることはありません。時期をしっかり見極めて剪定しましょう。
鉢植えで栽培している場合には、地植えよりも早めの剪定を心がけるぐらいが良いとされています。咲いた花は切り花としても楽しめます。翌年を楽しみにするのも、アジサイの楽しみ方の一つです。
花が咲いた枝を選定
アジサイの花は「前年に伸びた枝の根元に花芽をつける」という特徴を持っています。剪定する際には、花から2節ほど下にある脇芽をしっかりと確認し、芽の2cmくらい上を切ります。その際に花柄も一緒に取り除くと良いでしょう。
しかし大きく育ったアジサイや剪定時期を逃してしまった場合には、どうすれば良いのか迷ってしまうかもしれません。そんな場合には剪定のプロに依頼することを検討しましょう。
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暖かい時期に植え替えるのがおすすめ
アジサイを鉢植えで栽培しているのであれば、根詰まりを防ぐための植え替えが必要です。一般的には、休眠期に入る11〜3月の間、寒冷地なら寒さが穏やかな3〜4月頃に行うと良いでしょう。植え替え頻度は2~3年に1回が目安です。
鉢植えから地植えに変える場合や、移植する場合にも同じ時期がおすすめです。
株分けをしたい場合には、花の体力が充実した5〜9月が適しています。植え替えはアジサイにとって体力が必要なことです。目的に合わせて時期を見極め、植え替えした後はたっぷりと水分を与えながら、こまめに様子を見るようにしましょう。
また挿し木をしたいのであれば、花終わりの時期に剪定と一緒に済ませればOKです。
アジサイを冬越しさせて育てよう
きれいに咲いたアジサイは、雨が多い季節にある楽しみの一つです。毎年その姿を愛でるためにも、寒さからアジサイの株を守ってしっかり冬越しをさせましょう。
アジサイは決して弱い花ではありません。ポイントを守れば力強く冬を越し、たくさんの美しい花をつけてくれるでしょう。
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