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レモンの木の剪定時期は?毎年実をつける剪定のコツ

最終更新日: 2025年02月04日

レモンの木に毎年たくさん実をつけるには、養分がしっかり1つ1つの実に行き渡るように、枝や実の数、樹形を調整することが大切です。実付きをよくする剪定のコツを解説します。

レモンの木の剪定時期

レモンの剪定時期カレンダー

レモンの木の剪定は3月中旬~4月上旬をメインに行います。その他の時期にも、軽い剪定や実を大きく育てるための摘果というお手入れをします。

レモンは常緑樹であり寒さには弱いので、冬の剪定は避けましょう。

3月中旬~4月上旬:樹高の調整や枝の更新をする

3月中旬~4月上旬にかけては、高さを抑えたり太い枝を切り落としたりする強剪定を行います。

レモンの木を育てて数年経つと、古くて太くなった枝には実がつかなくなってくるので、胴吹き枝を残して古い枝を切り落とし、枝を更新しましょう。

また、大きくなりすぎないように主幹を切り詰めます。あわせて、不要な枝を切り取る透かし剪定はこの時期にも行います。

5月中旬~6月:春に伸びた枝や不要枝を切る

5月中旬~6月にかけては、不要な枝を適宜切り落とすほか、春に伸びた枝のうち飛び出て長い枝を切り戻し、バランスを整えます。

7月・10月頃:摘果をする

レモンは四季咲き性の品種が主に出回っており、5~10月ごろにわたって花を咲かせ、6月~12月に実をつけます。しかし、夏から秋にかけてできた実は摘み取り、収穫するのは11~12月のみにしましょう。

たくさん実をつけたまま育てると、1つ1つの実が小さくなります。また、エネルギーを消費してレモンの木が消耗するので、翌年の実付きが悪くなります。

3年目まで:レモンの樹形を作る剪定方法

青いレモンの実

レモンの木は、植え付けてから3年目ごろまでは、将来の果実収穫に向けて理想的な樹形を作る剪定をします。

横に広がる「開心自然樹形」に仕立てる

レモンがよく実を付ける理想の樹形は、樹高を抑えて横に広がる「開心自然樹形」です。鉢植えは卵型、地植えは扇型をイメージしましょう。

主幹を短くして、枝分かれする大きな枝を2〜3本に絞ることで、栄養が分散されにくい樹形に仕上がるのです。枝を低く横に伸ばすと、収穫も楽になります。

樹形を作る剪定の手順

1年目の剪定

植え付けた年の剪定は、主幹の高さを整えます。鉢植えでは鉢と同じ高さ、地植えでは苗木の2/3ほどが樹高の目安です。切り落とす部分に芽があっても、残った部分から発芽するため心配はいりません。

2年目の剪定

翌年の剪定ではメインにする主枝を選んで残し、樹形のベースを作ります。地植えであれば2本、鉢植えなら3本が残す枝の目安です。他の枝は根元から切ってしまって構いません。残す枝は先端から1/3ほどに切り詰めます。

3年目の剪定

3年目に切る枝はその年に実を付けた枝が中心です。レモンは実がなった翌年は同じ枝に実を付けません。他にも根元から生えた若芽(ひこばえ)や日当たりを悪くする枝は、根元から切り落としましょう。

4年目以降:レモンの実付きをよくする剪定方法

レモンの実

レモンが大きく育ち、樹形ができあがってきたら、以降は果実を収穫するための剪定を行います。

実付きのよい木にするための剪定方法を解説します。

3~4月:春剪定

春の剪定では、枝の切り戻しや誘引、芯止めを行い、レモンの実付きがよくなるように樹形を整えます。

  1. トゲを半分くらいの位置で切る
  2. 長く飛び出した枝を切り戻す
  3. 主幹を芯止めする
  4. 上に伸びた枝を横向きに誘引する
  5. 混み合った枝を間引く
  6. 古くなった枝を根元から切り落とす(数年に一度)
  7. 枝の切り口に癒合剤を塗る

①トゲを半分くらいの位置で切る

レモンの木には鋭いトゲがあり、刺さるとケガをする恐れがあります。

剪定作業をするときは、剪定バサミでトゲの先端から半分くらいの位置で切り取り、鋭利な部分をなくしましょう。トゲの根元ギリギリで切ると、枝が弱ってしまうので注意してください。

なお、トゲを切ってもレモンの実付きや成長には影響を与えません。

トゲの処理が面倒、子どもが触れるのは心配という人は、トゲがない品種を選ぶのも一つの手です。「ユーレカ」「ビラフランカ(ビアフランカ)」といった種類は枝にトゲがありません。

②長く飛び出した枝を切り戻す

樹冠から長く飛び出した枝は、1/3あたりの位置で切り戻します。切るときは外側を向いた芽のすぐ上にハサミを入れましょう。

③主幹を芯止めする

レモンの木は高くなりすぎないように主幹を芯止めします。1~2mくらいの高さを目安に、枝分かれしている部分で切り詰めましょう

④上に伸びた枝を横向きに誘引する

上に勢いよく伸びた徒長気味の枝には、実が付きにくいです。枝数が多い場合は付け根から切り落としてしまって構いません。

枝数が少ない場合は無理に間引かず、ひもなどで縛って、横向きに伸びるように誘引してもよいでしょう。

⑤混み合った枝を間引く

不要な枝を間引き、レモンの木全体の日当たりや風通しをよくします。

このとき、「亜主枝」と呼ばれる木全体を支える枝を切らないように注意します。亜主枝はメインとなる「主枝」から分かれて生えている枝で、栄養分を運ぶ役割を持っているため、切ってしまうと樹木全体が栄養不足に陥りかねません。

亜主枝からさらに分かれて生えてきた枝葉は、切ってもよい不要な枝です。下に向いていたり伸びすぎていたりする枝を中心に、樹形が整うように切っていきましょう。

不要な枝の見分け方は次の章を参考にしてください。

⑥古くなった枝を根元から切り落とす(数年に一度)

年月が経って太くなった枝は実付きが悪くなるので、数年に一度のペースで枝の更新をします。

普段は不要な枝として切り取る胴吹き枝(主幹から新たに直接伸びた枝)を残して育て、古くなった枝を根元から切り落としましょう

⑦枝の切り口に癒合剤を塗る

病原菌や害虫が侵入しないように、剪定が終わったら枝の切り口に癒合剤を塗りましょう。断面のゴミを取り除いて、切り口全体に薄く均一に塗り広げます。

特に果樹は比較的病気になりやすいので、以下のようなケースはなるべく癒合剤を使うことをおすすめします。

  • 枝の切り口が大きいとき(直径3cm以上)
  • 主幹から直接生えた枝や近い枝を切り落としたとき(3cm以内)

基本的には自然にはがれ落ちるので、塗った後はそのままにしておいて大丈夫です。

5~6月:夏剪定

初夏は樹形を大きく変えるような剪定はせず、枯れた枝や不要な枝を取り除きます。また春に伸びた枝のうち、樹冠をはみ出して長くなった枝は、枝先を切り戻します。

不要な枝の見分け方は以下を参考にしてください。

不要な枝を剪定するときの見分け方

不要枝の種類 不要枝の特徴
ふところ枝 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。
かんぬき枝 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。
逆さ枝 幹に向かって伸びた枝。
立ち枝 真上に向かって伸びた枝。
下り枝 下に向かって伸びた枝。
絡み枝 まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。
徒長枝 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。
車枝 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。
平行枝 同じ方向に伸びる上下2本の枝。
胴吹き枝 幹から新たに直接伸び出した枝。
ひこばえ 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。

7月・10月:摘果

多く出回っている四季咲き性のレモンは、6~12月の半年にわたって実をつけますが、夏から秋にかけてできた実は摘果し、11~12月に収穫します。

以下のポイントを意識して摘み取りましょう。

  • 1本の枝に2~3個を目安に残す
  • 形の悪い実や傷がある実、小さな実を優先して摘み取る

摘果せずにたくさん実をつけたまま育てると、養分が分散されてしまい、1つ1つの実が小さくなってしまいます。木が消耗するので、翌年の実付きにも影響します。

レモンの剪定に必要な道具

自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。

道具 用途
剪定バサミ

FORESIA 剪定ばさみ | Amazon
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枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安)
植木バサミ

特に細かい枝の切断に使用する
剪定ノコギリ

高儀(Takagi) シャークソー | Amazon
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剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する
園芸用の脚立

アルインコ(ALINCO) 三脚脚立 | Amazon
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高い位置の枝を切るときに使用する
屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ
園芸用の手袋

POTATOガーデニング手袋 | Amazon
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作業中の手を守る
軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ
癒合剤

カルスメイト 1Kg|Amazon
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剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る

他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。

レモンの木のお手入れのコツ

光るレモンの木

害虫対策をしっかりと行う

レモンの木を健康的に育てるためには害虫への対策も大切です。レモンの木が被害を受けやすい害虫として以下の4種類が挙げられます。

  • アオムシ
  • アブラムシ
  • カイガラムシ
  • ハダニ

アオムシはアゲハチョウなどの幼虫で葉を主食としています。周辺の葉を食べ尽くしてレモンの生育を悪くするため、見つけたら駆除しましょう。アブラムシは新芽を食べてしまうだけでなく、排出物が細菌を引き寄せる原因になります。

風通しが悪くなると付きやすくなるのが、カイガラムシです。幹から栄養を吸い取ってしまいます。幼虫は薬剤で退治できますが、殺虫剤が効きにくい成虫はこすり落としましょう。ハダニは葉の裏に付き養分を吸い取ってしまいます。

どの病害虫もレモンの実付きに大きく影響するため、日頃から防虫対策をしっかり行う必要があります。

レモンの剪定はプロに依頼するのもおすすめ

「何度挑戦してもレモンの実がならない」「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。

庭木の剪定料金相場

単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。庭に植えているレモンの場合、1~2mであることが多いので、1本あたり1,900~2,400円が目安です。

庭木の高さ 1本あたりの料金相場 剪定ゴミの回収料金
1m以下 950~1,200円 950~1,200円
1~2m以下 1,900~2,400円 950~1,200円
2~3m以下 2,900~3,600円 950~1,200円
3~4m以下 4,200~5,400円 1,400~1,800円
4~5m以下 5,700~7,200円 1,900~2,400円
5~6m以下 8,600~10,800円 2,900~3,600円
6~7m以下 12,400~15,600円 3,800~4,800円
7~8m以下 16,200~20,400円 5,000~6,000円

※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出

庭木の剪定をプロに依頼する流れ

庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。

「ミツモア」では、地域で活躍する植木屋・庭師をかんたんに見つけられます。

ミツモアでプロに仕事を依頼する流れの図解

「依頼内容」「希望の日程」「作業場所」などの質問に答えると、最大5社から自動であなたにカスタマイズされた見積もりが届きます。

見積もりの料金や口コミ評価を比較して、気になる庭師に剪定を依頼してみましょう。正式な依頼前に、チャットで疑問点を相談することもできます。

自動の見積もりをもらうだけなら無料でできるので、自宅の庭木の剪定料金を確認してみてはいかがでしょうか?

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