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キンモクセイ(金木犀)の剪定時期はいつ?正しい方法やコツも解説

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最終更新日: 2024年06月28日

キンモクセイの剪定は何のために行う?

キンモクセイは枝が茂りやすいので、剪定することで木の風通しをよくして病気や害虫の予防をする必要があります。残した枝に栄養を行き渡らせて成長を促したり、樹形を整えて美しく見せる役割もあります。

キンモクセイを剪定しすぎるとどうなる?

葉がない状態まで切ってしまうと、枯れやすくなります。切りすぎには注意が必要です。

キンモクセイの剪定時期は11月と2月~3月

キンモクセイ

キンモクセイ(金木犀)の剪定時期は11月と2月~3月です。9~10月に花を咲かせた後、11月のタイミングでは樹形を崩さないような軽めの剪定を行い、2月~3月に多くの枝を短く刈り取って樹形を整える剪定を行います。

ただし寒さには弱いので、冬に枝を切りすぎることは避けましょう

春~夏の剪定は避けるのがベター

キンモクセイは9月~10月に開花期を迎える樹木です。香りが特徴的なキンモクセイの花を楽しむためには、5月中旬から花が咲き終わるまでは剪定しないようにしましょう

キンモクセイは5月中旬から新梢が伸び始め、6月~8月に花芽が形成されます。夏の剪定は花芽も同時に切り取ってしまうことになり、秋ごろに咲く花を楽しめなくなってしまいます。

どうしても成長期に剪定する必要がある場合は、花芽の位置を見ながら、花芽の少ない枝を選んで切り落としましょう。花芽は葉の付け根に付いています。

花が付かなくてもいい場合は、剪定を避けるべき時期を考える必要はありません。切りすぎに注意すれば1年中剪定できます。

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キンモクセイの剪定で得られるメリット

満点の青空とキンモクセイ

キンモクセイを育てるときには定期的な剪定が望ましいですが、剪定の目的は主に以下の4つです。

  • 密集した枝を減らして風通しをよくし、害虫や病気を防ぐこと
  • 残した枝に栄養を行き渡らせ、花付きや実付きをよくすること
  • 樹形を美しく整えて見た目をよくすること
  • 新しい枝の成長を促すこと

常緑小高木であるキンモクセイは、大きくなると樹高が7~8mにまで成長します。枝葉が対の形で付くため、混み合って茂りやすいという特徴も。花や美しい樹形を楽しむには剪定が必要不可欠です。放置しておくと木の内部の風通しが悪くなり、蒸れて害虫の発生や病気につながります。

樹木の健康や美しさのために、剪定は重要な手入れなのです。ただし、剪定を行う際は樹木ごとの環境に合わせて適切に行うことが重要です。見た目を重視しすぎて、樹木の生育に適さない剪定にならないよう気をつけましょう。

【1年に1回】樹形を整える剪定の方法

キンモクセイの木

毎年行っておきたいのは、枝が伸びすぎて樹形が乱れるのを防ぐ剪定と、全体の形を整える剪定です。

「切り詰め剪定」で枝の伸びすぎを防ぐ

枝の剪定

その年に伸びた部分の枝を切り詰めます。3つに分かれた枝の真ん中は付け根から切り、左右の枝は一節または二節の部分で切るとよいでしょう。

「刈り込み剪定」で樹形の表面を整える

刈り込み剪定のイメージイラスト

不要な枝の剪定が終わったら、樹木の外側を刈り込んで形を整えましょう。

まずは木から離れて理想の形をイメージしてください。形が決まったら、側面から刈り込みを始めます。側面を下から上に丸みを持たせるように刈り込みましょう。

つぎに上面を刈り込みバサミで刈り込みます。最後に再び木から離れてバランスを見て、微調整してください。

さまざまなキンモクセイの樹形

キンモクセイの木はいろいろな形にすることができます。

  • 長玉作り:円柱の形に整える仕立て方。生垣に多い。
  • 玉物:球体にする仕立て方。シンボルツリーとして育てるときにぴったり。
  • 盃型:おちょこのような、自然の樹形を活かした形。

【3~4年に1回】枝を間引き、高さを抑える剪定の方法

キンモクセイ

キンモクセイは枝枯れを起こしやすい樹木です。強剪定をするとダメージを受けるので、直後は一時的に花付きが悪くなります。全体的に枝を減らすような強い剪定は3~4年に1回にしましょう。

「切り戻し剪定」で高さを抑える

樹木が高く伸びている場合は、最初に枝先から約50cmの部分から切り戻しましょう。切り戻しは枝の付け根で切るのがポイントです。キンモクセイの木が大きくなり過ぎた場合は必ず行いましょう。

不要な枝を見分けて切り落とす

次に不要枝を切り落とします。不要枝とは、樹形を乱したり、風通しを悪くするような枝のことを指します。枯れた枝や折れた枝、病害虫の被害を受けた枝の他にも以下のような枝があった場合は切り落としましょう。

剪定すべき忌み枝のイラスト

①腹切枝 幹と交差する太い枝。
②交差枝 他の枝と交差してしまっている枝。
③平行枝 複数の枝が平行に伸びてしまっているもの。
④車枝 枝の一部から多数の枝が出ているもの。
⑤懐(ふところ)枝 幹付近から伸びた弱々しい枝。害虫の温床になりやすい。
⑥ヤゴ・ひこばえ 樹木の根元から生えてくる枝。
⑦下がり枝 垂れ枝ともいい、下に向かって伸びている枝。
⑧からみ枝 枝が絡み合ってしまっているもの。
⑨徒長(とちょう)枝 真上に伸びすぎてしまった枝。
雨風で折れやすい。害虫の温床にもなりやすい。
⑩かんぬき枝 主幹を挟んで左右対称に生えている枝。
樹形のバランスを考え、どちらか一つを剪定する。
⑪逆さ枝 幹に向かって生えているもの。

「透かし剪定」で風通しを良くする

不要枝を切り落としたら、バランスよく枝を残す透かし剪を行いましょう。透かし剪定とは、枝が密集している部分を透かすように整え、全体のバランスが均一になるように剪定する方法です。図のように密集している枝を根元から切り落としましょう

透かし剪定のビフォーアフターイラスト

透かし剪定を施すことで、風通しや日当たりが良くなり、病害虫の被害を予防できます。また養分が全体に行き渡りやすくなることや、樹形を整えやすいこともメリットです。

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剪定を失敗しないためのコツ・注意点

キンモクセイ

キンモクセイの剪定に失敗しないためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。これから紹介することに気を付けて剪定してください。

葉を残して剪定する

枝を切り落とすときには、必ず葉が残るように切りましょう。葉の先にできるだけ枝を残さないように切るのがポイントです。樹木が吸い上げた水分は葉までしか達さないため、先の方に葉がない枝の部分は枯れてしまいます。

また花を付けたい場合は、花芽を意識して剪定することも大事です。花芽は葉の付け根に出ることから、葉を落としすぎると花芽も少なくなります。

さらに枝を剪定するときは、わき芽の向きにも注意しましょう。幹の方を向いているわき芽を残すと樹形が乱れます。そのため、できるだけ外側を向くわき芽を残すのがコツです

外芽の上を切るイラスト

枝枯れしないよう強剪定をなるべく避ける

強剪定とは、1回の剪定で多くの枝や芽を切り落としたり、主枝などの太い枝を短く切り詰めたりすることです。強剪定を行うと樹木に大きなストレスがかかり、回復力が弱い樹木は枝枯れを起こしやすくなります。

キンモクセイは強剪定に向かない樹木です。1度枝枯れを起こすと、元に戻るまで数年かかってしまうこともあります。3月ごろの剪定で枝を多めに切り落とす時も気を付けてください。

丸坊主に剪定しない

前述の通り、キンモクセイは枝枯れしやすいです。丸坊主になるまで枝をたくさん切り落としてしまうと、そのまま全体が枯れてしまうおそれがあります。

枯れなかったとしても、翌年以降の花数が減ってしまったり、育ちにくくなったりするかもしれません。

キンモクセイは成長が早く枝が密集しやすいので、葉をすべて落とす「丸坊主」の状態にしたくなるかもしれませんが、これは絶対にやめましょう。

上枝と下枝のバランスが重要

キンモクセイは上枝の成長が早い傾向があります。そのため全体を同じような強度で剪定すると、上部が大きくなりすぎてバランスが悪くなることもあるでしょう。上枝ほど伸びやすいことを意識し、上部をより深く切るようにすれば、全体のバランスを保てます

また日当たりの良い外側の枝にも注意が必要です。外側の枝は伸びやすいため、全体のバランスを保つために、枝数が少なくなるような剪定を心掛けましょう。

剪定時に確認!キンモクセイにつきやすい害虫

キンモクセイの枝と花

キンモクセイは害虫のつきやすい木です。剪定する際には、害虫がいないか確認しましょう。

キンモクセイに付きやすい主な害虫としては、カイガラムシ・ハダニ・イラガ・マエアカスカシノメイガの幼虫などが挙げられます。

カイガラムシやイラガは、枝の付け根の裏など、日当たりが悪く見つけにくい場所でよく見られます。見つけたら殺虫剤など、適切な方法ですぐに駆除しましょう。

また乾燥した日が長く続くと、葉の裏側にハダニが発生しやすいです。ハダニが発生している葉は黄ばんできます。傷んだ葉を除去し、樹木全体に水をたっぷりとかけておきましょう。

関連記事:カイガラムシはガーデニングの天敵!駆除の方法と予防策を解説|ミツモア

剪定に必要な道具と使い方

キンモクセイ

キンモクセイを剪定するときには、4種類のハサミ高枝ノコギリを準備しましょう。高所作業には脚立が役立ちます。

4つのハサミ

キンモクセイを剪定するときは、以下の4種類のハサミを用意しましょう

剪定に必要なハサミ

植木バサミ 細めの枝を切るなど、細かい作業に向いているハサミ
剪定バサミ 花の茎や直径1.5cm程度の枝を切るハサミ
刈り込みバサミ 広範囲の葉や枝を切り落とすハサミ
高枝切りバサミ 手の届かない部分の枝を切るハサミ

高枝ノコギリ

手の届かない場所に太い枝がある場合は、高枝ノコギリが便利です。高枝切りバサミでは切れない枝でも、腕の太さ程度までなら切り落とせるでしょう。

慣れないうちは刃の薄いノコギリは扱いにくいため、刃に厚みのあるタイプがおすすめです。腕が疲れないように、できるだけ軽い商品を選びましょう

枝を切るときは、持ち手の端に近い部分を持ち、腕を固定したまま体全体を動かして切るのがコツです。

脚立

高い場所の枝を切るときには、脚立があると作業が楽になります。切りたい場所の真下ではなく、少しずらした場所に置き、斜めに見上げるようにして使いましょう。

脚立を使って枝を切る際は、踏み段に身体を密着させ、中心に体重をかけましょう。左右の動きには弱いため、横に離れた枝を切るときには体を伸ばさず、面倒でも脚立を移動させるのがポイントです

またアスファルトのような硬い地面の上で使う場合はロープで固定するなどして、安全面に十分注意しながら使用しましょう。なお四脚はバランスを崩しやすいので、三脚の方がおすすめです

庭木の剪定はいくらでプロに依頼できる?

キンモクセイの剪定の費用相場

キンモクセイ

キンモクセイを自分で剪定するのは大変な労力を要します。忙しい時は植木屋さんなど、専門業者に依頼するのも良いかもしれません。費用相場は表の通りです。

高さ 費用(1本あたり)
3m未満 3000~4000円
3~5m 6000~8000円

【ちなみに】キンモクセイの特徴と育て方のポイント

キンモクセイ

植物名 キンモクセイ(金木犀)
学名 Osmanthus fragrans var. aurantiacus
科名 / 属名 モクセイ科モクセイ属
原産地 中国
開花期 9月~10月
花の色 オレンジ
樹高 5m~8m
特性 常緑性、育てやすい、甘い香り

秋に開花するキンモクセイは、オレンジ色の可愛らしい花と甘い香りで人々を癒します。キンモクセイを剪定する上で知っておきたい特徴を解説します。

甘い香りが特徴

キンモクセイは9月下旬~10月中旬に小さくて可愛らしい、オレンジ色の花を無数に咲かせる植物です。ジンチョウゲ、クチナシと共に「三香木」の1つであり、その香りが特徴的です

小さな花から放たれる甘い香りにはリラックス効果があり、人々を魅了しています。その香りの強さから「千里香」とも呼ばれ、最近ではキンモクセイの香りがする香水なども販売されています。

日当たりの良い場所で育てよう

キンモクセイは日当たりを好む陽木であり、寒さには弱いです。日当たりが良く、暖かい場所で育てましょう。

また風通しの良い場所で育てることも大切です。キンモクセイは大気汚染が激しい場所だと花付きが悪くなる傾向があるため、換気扇の近くなどは避けましょう。

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