キンモクセイの剪定は何のために行う?
キンモクセイは枝が茂りやすいので、剪定することで木の風通しをよくして病気や害虫の予防をする必要があります。残した枝に栄養を行き渡らせて成長を促したり、樹形を整えて美しく見せる役割もあります。
キンモクセイを剪定しすぎるとどうなる?
葉がない状態まで切ってしまうと、枯れやすくなります。切りすぎには注意が必要です。
キンモクセイは枝が茂りやすいので、剪定することで木の風通しをよくして病気や害虫の予防をする必要があります。残した枝に栄養を行き渡らせて成長を促したり、樹形を整えて美しく見せる役割もあります。
葉がない状態まで切ってしまうと、枯れやすくなります。切りすぎには注意が必要です。
常緑性で秋に花を咲かせるキンモクセイは、新芽が芽吹く前の3月下旬~4月上旬に剪定するのが適しています。花後の10月中旬~11月に剪定しても構いませんが、軽い刈り込みや間引き剪定にとどめましょう。
暖かくなり木が剪定に耐えられるようになってから、新芽の生長が活発になるまでの3月下旬から4月上旬にかけては、キンモクセイの剪定に最も適した時期です。この時期には主幹を切り落としたり、多めに枝を間引いても大丈夫です。
新芽の生長が落ち着いてから本格的に気温が上がるまでの5月中旬~6月にも剪定することはできます。
なお、キンモクセイは8月に分化した花芽がその年の9~10月に咲きます。春に剪定をしても、花芽を切り落としてしまう心配はありません。
9~10月中旬がキンモクセイの開花時期ですが、花が終わってから軽い剪定を行っても大丈夫です。
ただしこの時期に葉を減らしすぎると、冬越えや春の芽吹きに向けて葉にたくわえた養分がなくなってしまうほか、光合成量が減ってエネルギー生成もできなくなってしまいます。
軽い刈り込みや、枯れ枝・不要枝を切り落とす程度にしましょう。
寒い地域では花後の剪定そのものを避け、春になってから剪定してください。
キンモクセイは枝枯れを起こしやすい樹木です。強剪定をするとダメージを受けるので、直後は一時的に花付きが悪くなります。全体的に枝を減らすような強い剪定は3~4年に1回にしましょう。
毎年行っておきたいのは、枝が伸びすぎて樹形が乱れるのを防ぐ剪定と、全体の形を整える剪定です。
次に不要枝を切り落とします。不要枝とは、樹形を乱したり、風通しを悪くするような枝のことを指します。枯れた枝や折れた枝、病害虫の被害を受けた枝の他にも以下のような枝があった場合は切り落としましょう。
①腹切枝 | 幹と交差する太い枝。 |
②交差枝 | 他の枝と交差してしまっている枝。 |
③平行枝 | 複数の枝が平行に伸びてしまっているもの。 |
④車枝 | 枝の一部から多数の枝が出ているもの。 |
⑤懐(ふところ)枝 | 幹付近から伸びた弱々しい枝。害虫の温床になりやすい。 |
⑥ヤゴ・ひこばえ | 樹木の根元から生えてくる枝。 |
⑦下がり枝 | 垂れ枝ともいい、下に向かって伸びている枝。 |
⑧からみ枝 | 枝が絡み合ってしまっているもの。 |
⑨徒長(とちょう)枝 | 真上に伸びすぎてしまった枝。 雨風で折れやすい。害虫の温床にもなりやすい。 |
⑩かんぬき枝 | 主幹を挟んで左右対称に生えている枝。 樹形のバランスを考え、どちらか一つを剪定する。 |
⑪逆さ枝 | 幹に向かって生えているもの。 |
不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。
不要な枝を一通り切り落としたら、木全体のバランスを見ながら、混み合った部分を間引いて枝の数を減らしていきます。具体的なバランスのとり方は以下が目安です。
「遠くから眺めたときに、枝の密度が均等になっているか」を確認しながら進めましょう。
透かし剪定を施すことで、風通しや日当たりが良くなり、病害虫の被害を予防できます。また養分が全体に行き渡りやすくなることや、樹形を整えやすいこともメリットです。
その年に伸びた部分の枝を切り詰めます。3つに分かれた枝の真ん中は付け根から切り、左右の枝は一節または二節の部分で切るとよいでしょう。
不要な枝の剪定が終わったら、樹木の外側を刈り込んで形を整えましょう。
まずは木から離れて理想の形をイメージしてください。形が決まったら、側面から刈り込みを始めます。側面を下から上に丸みを持たせるように刈り込みましょう。
つぎに上面を刈り込みバサミで刈り込みます。最後に再び木から離れてバランスを見て、微調整してください。
さまざまなキンモクセイの樹形
キンモクセイの木はいろいろな形にすることができます。
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キンモクセイは放置していると5~10mまで樹高が高くなる植物です。一般家庭においては、庭のサイズに合わせて、高さを抑えましょう。
まっすぐ伸びている主幹を、枝が分かれて出ているすぐ上あたりで切り取ります。高さは2~3m程度で維持するのが目安です。
かなり背が高くなってから大幅に切り戻すのは、キンモクセイにとっても負担がかかるので、定期的に主幹を切り戻して高さを維持しましょう。
キンモクセイの剪定に失敗しないためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。これから紹介することに気を付けて剪定してください。
枝を切り落とすときには、必ず葉が残るように切りましょう。葉の先にできるだけ枝を残さないように切るのがポイントです。樹木が吸い上げた水分は葉までしか達さないため、先の方に葉がない枝の部分は枯れてしまいます。
また花を付けたい場合は、花芽を意識して剪定することも大事です。花芽は葉の付け根に出ることから、葉を落としすぎると花芽も少なくなります。
さらに枝を剪定するときは、わき芽の向きにも注意しましょう。幹の方を向いているわき芽を残すと樹形が乱れます。そのため、できるだけ外側を向くわき芽を残すのがコツです。
強剪定とは、1回の剪定で多くの枝や芽を切り落としたり、主枝などの太い枝を短く切り詰めたりすることです。強剪定を行うと樹木に大きなストレスがかかり、回復力が弱い樹木は枝枯れを起こしやすくなります。
キンモクセイは強剪定に向かない樹木です。1度枝枯れを起こすと、元に戻るまで数年かかってしまうこともあります。3月ごろの剪定で枝を多めに切り落とす時も気を付けてください。
前述の通り、キンモクセイは枝枯れしやすいです。丸坊主になるまで枝をたくさん切り落としてしまうと、そのまま全体が枯れてしまうおそれがあります。
枯れなかったとしても、翌年以降の花数が減ってしまったり、育ちにくくなったりするかもしれません。
キンモクセイは成長が早く枝が密集しやすいので、葉をすべて落とす「丸坊主」の状態にしたくなるかもしれませんが、これは絶対にやめましょう。
キンモクセイは上枝の成長が早い傾向があります。そのため全体を同じような強度で剪定すると、上部が大きくなりすぎてバランスが悪くなることもあるでしょう。上枝ほど伸びやすいことを意識し、上部をより深く切るようにすれば、全体のバランスを保てます。
また日当たりの良い外側の枝にも注意が必要です。外側の枝は伸びやすいため、全体のバランスを保つために、枝数が少なくなるような剪定を心掛けましょう。
自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。
道具 | 用途 |
---|---|
剪定バサミ![]()
|
枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安) |
植木バサミ |
特に細かい枝の切断に使用する |
剪定ノコギリ![]() |
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する |
園芸用の脚立![]() |
高い位置の枝を切るときに使用する 屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ |
園芸用の手袋![]() |
作業中の手を守る 軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ |
癒合剤![]() |
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る |
他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。
キンモクセイを育てるときには定期的な剪定が望ましいですが、剪定の目的は主に以下の4つです。
常緑小高木であるキンモクセイは、大きくなると樹高が7~8mにまで成長します。枝葉が対の形で付くため、混み合って茂りやすいという特徴も。花や美しい樹形を楽しむには剪定が必要不可欠です。放置しておくと木の内部の風通しが悪くなり、蒸れて害虫の発生や病気につながります。
樹木の健康や美しさのために、剪定は重要な手入れなのです。ただし、剪定を行う際は樹木ごとの環境に合わせて適切に行うことが重要です。見た目を重視しすぎて、樹木の生育に適さない剪定にならないよう気をつけましょう。
キンモクセイは害虫のつきやすい木です。剪定する際には、害虫がいないか確認しましょう。
キンモクセイに付きやすい主な害虫としては、カイガラムシ・ハダニ・イラガ・マエアカスカシノメイガの幼虫などが挙げられます。
カイガラムシやイラガは、枝の付け根の裏など、日当たりが悪く見つけにくい場所でよく見られます。見つけたら殺虫剤など、適切な方法ですぐに駆除しましょう。
また乾燥した日が長く続くと、葉の裏側にハダニが発生しやすいです。ハダニが発生している葉は黄ばんできます。傷んだ葉を除去し、樹木全体に水をたっぷりとかけておきましょう。
「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。
「ミツモア」では、地域で活躍する植木屋・庭師をかんたんに見つけられます。
「依頼内容」「希望の日程」「作業場所」などの質問に答えると、最大5社から自動であなたにカスタマイズされた見積もりが届きます。
見積もりの料金や口コミ評価を比較して、気になる庭師に剪定を依頼してみましょう。正式な依頼前に、チャットで疑問点を相談することもできます。
自動の見積もりをもらうだけなら無料でできるので、自宅の庭木の剪定料金を確認してみてはいかがでしょうか?