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金柑(キンカン)の剪定時期は?樹齢に合わせた剪定のコツ

最終更新日: 2025年02月10日

金柑の木に毎年おいしい果実をつけるには、1つ1つの実にしっかり養分を行き渡らせることが大切です。そのためにいつ、どのように剪定をすべきなのかを解説します。

金柑(キンカン)の剪定に適した時期

金柑の剪定時期カレンダー

金柑の剪定に適しているのは、果実の収穫期が終わる3月中旬~4月上旬ごろです。

その年に伸びた枝から6月頃に花芽が出るので、その前に不要な枝を間引いてすっきりさせ、新しい枝が伸びる余地を作っておきましょう。

実付きが悪くなった古くて太い枝も、この時期に切り落として枝を更新します。

常緑樹である金柑は冬に弱いので、極端に寒い時期の剪定は避けましょう。

【3年目まで】金柑の樹形を仕立てる剪定方法

金柑は、植え付けてから3年目ごろまでは、将来の果実収穫に向けて理想的な樹形に整えるための剪定をします。

金柑は自然樹形に近い「ほうき仕立て」にする

金柑の樹形は横に広がりにくいため、自然のままの樹形を生かし、ほうきを逆さにしたような形に仕立てましょう。主幹から枝が放射状に広がるように伸ばします。

枝を横に引っ張って誘引し、おうぎ形に広げる開心自然形に仕立てる方法もおすすめです。

細かい枝が生えやすいので、主となる枝を決めたらそれ以外を間引きます。

樹形を作る剪定の手順

植え付けてから3年目まで、金柑の樹形を整える工程を解説します。

1年目の金柑の剪定

植え付けた1年目の金柑は、地面から40~50cmの高さを目安にして主幹を切り戻します。翌年以降、切った部分から脇芽が出て、新しい枝が伸びていくでしょう。

2年目の金柑の剪定

切り戻した主幹からいくつも新しい枝が伸びてきたら、放射状にひろがるように主枝を2~3本決めて、それ以外の枝はすべてつけ根から切り落とします。

3年目の金柑の剪定

2年目で残した2~3本の主枝を軸に、金柑の木の全体的なバランスを整えます。

放射状に広がる樹形から外れた生え方をしている枝や、密集して生えている細かい枝は剪定しつつ、枝数を増やしていきます。

園芸店で販売されている金柑の苗は、ほとんどが接ぎ木で増やしたものです。うまく育てば、植え付け後3年程度で実がなりますが、株が充実してくるまでは、実ができていても切り落とした方が良いでしょう。

木が十分に大きくなるまでは、実に栄養を取らせないようにして、枝に栄養を行き渡らせることが大切です。

【4年目以降】金柑の実付きを良くする剪定方法

金柑(キンカン)

金柑の木が育って樹形ができあがってきたら、それ以降は充実した果実を収穫するための剪定を行います。

実付きのよい木にするための剪定方法を解説します。

3~4月:強剪定

春先に行う金柑の剪定では、枝の切り戻しや芯止め、誘引で樹形を整え、実付きがよくなるように促します。主な手順は以下の通りです。

  1. トゲがある場合は半分くらいの長さに切る
  2. 長く飛び出した枝を切り戻す
  3. 主幹を切り戻す
  4. 上に立ち上がった枝を誘引する
  5. 混み合った枝を間引く
  6. 古くなった枝をつけ根から切る(数年に一度)
  7. 枝の切り口に癒合剤を塗る

①トゲがある場合は半分くらいの長さに切る

柑橘類には、害獣から実を守るためのトゲがある種類も多く、金柑にもトゲが出ることがあります。

剪定作業をするときは、剪定バサミでトゲの先端から半分くらいの位置で切り取り、とがった部分をなくしましょう。トゲの根元ギリギリで切ると、枝が弱ってしまうので注意してください。

なお、トゲを切っても金柑の実付きや成長には影響を与えません。

②長く飛び出した枝を切り戻す

樹冠から長く飛び出した枝は、1/3あたりの位置で切り戻します。切るときは外側を向いた芽のすぐ上にハサミを入れましょう。

③主幹を切り戻す

金柑の木が高くなりすぎないように主幹を芯止めします。1~2mくらいの高さを目安に、枝分かれしている部分で切り詰めましょう。

④上に立ち上がった枝を誘引する

上に勢いよく伸びた徒長気味の枝には、実が付きにくいです。枝数が多い場合は付け根から切り落としてしまって構いません。

枝数が少ない場合は無理に間引かず、ひもなどで縛って、横向きに伸びるように誘引してもよいでしょう。

⑤混み合った枝や不要な枝を間引く

不要な枝を根元から切り落として、樹形の芯になる必要な枝に養分を集中させましょう。

カサカサに乾いていたり、樹皮の中まで茶色く変色した枝はすでに枯れています。枯れ枝を放置すると病気や害虫の原因になるので、最優先で取り除きましょう。

次に、以下のような生え方をしている不要な枝を切り落とします。

不要な枝を剪定するときの見分け方

不要枝の種類 不要枝の特徴
ふところ枝 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。
かんぬき枝 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。
逆さ枝 幹に向かって伸びた枝。
立ち枝 真上に向かって伸びた枝。
下り枝 下に向かって伸びた枝。
絡み枝 まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。
徒長枝 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。
車枝 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。
平行枝 同じ方向に伸びる上下2本の枝。
胴吹き枝 幹から新たに直接伸び出した枝。
ひこばえ 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。

不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。

  • 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
    • 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
  • 平行枝・胴吹き枝
    • 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
  • ひこばえ
    • 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は切り取る

金柑は細かい枝が密集して生えやすいので、伸びる方向がおかしい枝や元気のない枝は思い切って間引きましょう。

⑥古くなった枝をつけ根から切る(数年に一度)

年月が経って太くなった枝は実付きが悪くなるので、数年に一度のペースで枝の更新をします。

普段は不要な枝として切り取る胴吹き枝(主幹から新たに直接伸びた枝)を残して育て、古くなった枝を根元から切り落としましょう。

⑦枝の切り口に癒合剤を塗る

病原菌や害虫が侵入しないように、剪定が終わったら枝の切り口に癒合剤を塗りましょう。断面のゴミを取り除いて、切り口全体に薄く均一に塗り広げます。

特に果樹は比較的病気になりやすいので、以下のようなケースはなるべく癒合剤を使うことをおすすめします。

  • 枝の切り口が大きいとき(直径3cm以上)
  • 主幹から直接生えた枝や近い枝を切り落としたとき(3cm以内)

基本的には自然にはがれ落ちるので、塗った後はそのままにしておいて大丈夫です。

9月:摘果

金柑にたくさん実をつけたまま育てると、1つ1つの実が小さくなります。また、エネルギーを消費して木が消耗するので、翌年の実付きが悪くなります。

実がつきはじめた9月に、小さな実や傷がついた実を中心に取り除きましょう

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金柑の剪定に必要な道具

自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。

道具 用途
剪定バサミ

FORESIA 剪定ばさみ | Amazon
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枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安)
植木バサミ

特に細かい枝の切断に使用する
剪定ノコギリ

高儀(Takagi) シャークソー | Amazon
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剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する
園芸用の脚立

アルインコ(ALINCO) 三脚脚立 | Amazon
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高い位置の枝を切るときに使用する
屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ
園芸用の手袋

POTATOガーデニング手袋 | Amazon
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作業中の手を守る
軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ
癒合剤

富士商事 カルスメイト 150g|Amazon
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剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る

他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。

金柑の栽培で気を付けること

オレンジ色のキンカンの実

金柑は基本的な剪定さえできていれば、枝先にたくさんの実を付けてくれますが、栽培中に問題が発生することもあります。健康的に育てるために、気を付けたいことを見ていきましょう。

水はけの良い土で育てる

金柑は日当たりが良い場所で、水はけが良い土に植えるとよく育ちます。庭の水はけが悪い場合、苗よりも大きめに穴を掘って「たい肥」や「腐葉土」を入れ、土壌改良をしましょう。

すぐに植え付けず1週間程度置いた方が、土が落ち着いてよく根付きます。極端な粘土質などでなければ比較的土を選ばないので、他の庭木が元気に育っている環境なら問題ありません。

鉢植えの場合は「鉢底石」と「果樹栽培用の培養土」を利用することがおすすめです。鉢植えで育てる場合は土をリフレッシュするために、2年に1回程度は新しい用土で植え替えをしましょう。

カイガラムシなどの害虫に注意

カイガラムシは草花だけでなく、野菜や果樹にもつく害虫です。白や茶色などの色をしていて、幹や葉などに「粒状」につきます。

風通しが悪い環境で発生しやすくなるため、見かけたら剪定方法を見直すことも大事です。混み合った枝を十分に剪定できていないかもしれません。

成虫は殺虫剤が効きにくく、大量に発生すると厄介です。早い段階で駆除するために、日頃から金柑の幹・枝・葉をよく観察することをおすすめします。

その他にも蝶の幼虫やアブラムシなどが付くことがあり、注意が必要です。いずれも植物の汁を吸って成長し、発生すると新芽がつかない原因にもなるので、見つけたら捕殺しましょう。

金柑の剪定はプロに依頼するのもおすすめ

「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。

庭木の剪定料金相場

単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。

庭木の高さ 1本あたりの料金相場 剪定ゴミの回収料金
1m以下 950~1,200円 950~1,200円
1~2m以下 1,900~2,400円 950~1,200円
2~3m以下 2,900~3,600円 950~1,200円
3~4m以下 4,200~5,400円 1,400~1,800円
4~5m以下 5,700~7,200円 1,900~2,400円
5~6m以下 8,600~10,800円 2,900~3,600円
6~7m以下 12,400~15,600円 3,800~4,800円
7~8m以下 16,200~20,400円 5,000~6,000円

※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出

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庭木の剪定をプロに依頼する流れ

庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。

「ミツモア」では、地域で活躍する植木屋・庭師をかんたんに見つけられます。

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見積もりの料金や口コミ評価を比較して、気になる庭師に剪定を依頼してみましょう。正式な依頼前に、チャットで疑問点を相談することもできます。

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