レンギョウとは黄色い花を咲かせるモクセイ科・レンギョウ属の落葉広葉樹です。
繁殖力が旺盛で樹高は1~3m程度まで育ち、生垣や庭木として楽しむことができます。
レンギョウは生育旺盛なため、剪定せずに放っておくと枝が伸び放題になり、樹形の悪化や病害虫の増加につながります。
そうならないためにも、しっかりレンギョウの剪定時期やポイントを確認しておきましょう。
レンギョウの剪定時期は12~3月と5月頃の年2回
レンギョウの剪定時期は年2回です。
12~3月は強めの剪定を行い、花が咲き終わった後の5月頃には軽い剪定を行いましょう。
12~3月の冬剪定は強めの剪定
冬の剪定では不要な枝をばっさり切り落としましょう。
基本は不要な枝や樹冠からはみ出ている枝を切り落とす剪定で問題ないですが、4~5年に一度は古い幹を中心に切り落とす場合もあります。
全体の枝の量を2/3程度切り落とすことで、若い枝の生育が良くなります。
また、この時期は花芽がついているので、切り落とさないように注意が必要です。
5月の花が咲き終わった後の剪定は軽い剪定
花が咲き終わった後は、冬の剪定で切り残していた部分やはみ出ている枝を少し切るなどの軽い剪定を行います。
花が散ってから1ヶ月足らずで翌年の花の芽がつくので、6月以降に剪定するとまだ小さい花の芽を切り落としてしまう可能性があります。
そのため、花の芽がついていない5月中に剪定をすることで、翌年もたくさんの花を咲かせられますよ。
レンギョウの剪定に必要な道具
レンギョウの剪定に必要な道具は下記の通りです。
どれもインターネットショッピングで購入可能ですし、園芸店やホームセンターでも販売されています。
剪定用手袋
剪定用の手袋を準備しましょう。
普通の軍手ですと剪定中に枝や葉が刺さってケガをする場合があります。
手のひら側が樹脂コーティングになっているものがおすすめです。
剪定バサミ
レンギョウの枝を切断するための専用ハサミで、片刃が鋭利な刃物、もう片方の刃は平らな受け刃になっています。
植物の枝を傷つけることなく、きれいに切断することができ、高炭素鋼やステンレス鋼などで作られているので長期間、切れ味を保つことができます。
サイズは色々あるので手の大きさ、左手用など自分にあったものを選びましょう。
植木バサミ
普通のハサミと同じような形をしています。
刃先が細く、小回りが利くため、込み入ったところにも入りやすいです。
細かい枝や最後の仕上げに使用します。
剪定ノコギリ
剪定バサミでは切れないような直径2cm以上の太さの枝を切るのに使います。
通常の木工用ノコギリとは異なり、刃が引く方向にのみ鋭利に切れる一方向切断刃が特徴です。
脚立
脚立は背の高い樹木を剪定するときに使用します。
剪定では幹や枝の隙間に足をねじ込んで脚立を立てることが多いので、三脚を使いましょう。
脚立を使う際には、以下の注意点を守って使用してください。
- 登る前に調節器具がロックされていることを確認する
- 一番上の段に載って作業しない
- 上を向いて作業しない
- 悪天候下では使わない
癒合剤
レンギョウの太い枝の剪定後の切り口に塗ることで病気や菌から守ることができます。
保護剤を塗ることを忘れると病気や菌が侵入し、多大なダメージを受ける可能性があるので、清潔なハケ等で塗りましょう。
レンギョウの剪定方法
12~3月の冬の強剪定の方法
冬の強剪定は、レンギョウの樹形を整え、健康的な成長を促進するための作業です。
まず、枯れた枝や病気にかかった枝を丁寧に取り除きます。これらの枝はレンギョウの栄養を無駄に消費し、病気のリスクを上げるため、できるだけ早く処理することが大切です。
次に、混み合った枝を間引き、枝と枝の間隔を適切に保ち、樹木の内部に光と風を通しやすくしましょう。これにより、樹木全体の健康を維持できます。
また、4~5年に一度は古い枝を切り戻します。花の咲いた枝の3分の1から2分の1程度を、芽の上で切り戻してください。
これにより、エネルギーを新しい枝の成長に集中させることができます。 ただし、強剪定を行う際は、樹木の健康状態と成長具合を確認しながら行ってください。
一度にすべての枝を切り返すのではなく、段階的に行うことで、レンギョウに与えるストレスを軽減することができます。 剪定する際は枝の付け根から、斜めに切り返しましょう。これにより、雨水が枝から滑り落ちるので、病気の発生を防ぐことができます。
5月の花が咲き終わった後の軽い剪定の方法
この時期の剪定は、軽い剪定に留めておきましょう。
軽い剪定は風通しや日光のあたりをよくするために不要な枝を取り除いたり、樹形を維持するために整える剪定です。
枝の種類 | 枝の状態 | その他 |
---|---|---|
枯れ枝 | 変色し、周囲の枝と比べてツヤがない | 残しておくと病害虫の発生原因 |
徒長枝 | 勢い良く伸びた枝 | 他枝の生長を妨害、樹形を乱す原因 |
車枝 | 幹の一ヵ所から数本の枝が放射線状に伸びている状態 | 樹形を乱すので1~2本だけ残す |
平行枝 | 長さや太さ同じの枝が上下、左右に平行して伸びている枝 | 樹形を乱すので1~2本だけ残す |
下り枝 | 主枝からわかれて、下に向かっている伸びる枝 | 樹形を乱す原因 |
逆さ枝 | 主枝の向きに逆らって、幹に向かって生えている枝 | 樹形を乱す原因 |
絡み枝 | 枝同士が交差しながら生長しあっている枝 | 通気性の悪化、樹形を乱す原因 |
かんぬき枝 | 幹の左右前後に対象に伸びる枝 | 片方の枝を剪定する必要 |
胴吹き枝 | 幹から直接生えている枝 | 栄養分を過剰吸収し、樹形を乱す原因 |
ふところ枝 | 幹付近から伸びた枝 | 樹形を乱す原因 |
ひこばえ | 樹木の根元から出ている細い枝 | 樹木を衰弱させたり、樹形を乱す原因 |
冬の強剪定で切り残していた部分や枯れた枝などの不要枝を取り除く程度にしてください。
ただし、レンギョウの健康状態があまり良くない場合は、軽めの剪定でも控えた方が無難です。
レンギョウを剪定するときの注意点
レンギョウを剪定する際に注意しなければならない点は以下の通りです。
切る枝の位置と角度に注意
レンギョウを剪定する際、枝を切る位置と角度を意識してください。
枝は常に、健康に育っている芽や枝の真上で斜めに切り返しましょう。この角度は、水滴が枝から滑り落ちやすく、病気の発生を防いでくれます。
切る位置は、芽から5ミリメートルほど上で切るのが理想的です。芽に近すぎると芽を傷つけ、遠すぎると枯れ枝が残る可能性があります。
また、枝の太さや方向にも注意を払い、樹形のバランスを保つようにしてください。
剪定後のケアが必要
剪定後はレンギョウに十分な水と栄養を与えて、回復を促しましょう。
切り口には、癒合剤を塗布して、病気や害虫の侵入を防いであげると、より良いです。
レンギョウのお手入れ方法
レンギョウを健康的に育てるためには、剪定以外の日々のお手入れも大事になってきます。
水やり
レンギョウは比較的乾燥に強い植物ですが、定期的な水やりは健康な成長に欠かせません。
特に、植え付け後の1〜2年間は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
夏の暑い時期は、週に2〜3回の水やりをすると良いでしょう。 水やりの際は、根元にじっくりと水を与え、葉や枝に直接水をかけないように気を付けてください。
朝か夕方の涼しい時間帯に行うと、蒸発を最小限に抑えることができます。
肥料
レンギョウは、春と秋の年2回、緩効性の肥料を与えてあげましょう。
有機質肥料や化成肥料を樹木の根元に均一に施します。肥料は、樹木の成長を促進して花芽の形成を助けてくれます。
肥料を与える際は、それぞれのパッケージの指示に従い、与えすぎないように注意してください。
肥料を与えすぎると、植物に害を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
植え付け
レンギョウの植え付けは、春か秋が最適です。
1年中日当たりの良い場所を選び、排水性の良い土壌に植えましょう。
ただし、日差しが強すぎると乾燥してしまうので、西日が当たる場所は避けてください。
植え付け後は、たっぷりと水を与え、根が土壌になじませましょう。
レンギョウの病気・害虫対策
レンギョウにかかりやすい病気や害虫は以下の通りです。
病気:うどんこ病
うどんこ病は、糸状菌による感染症で、葉の表面に白い粉状の病斑が現れる特徴があります。
初期には葉の一部に白い粉のような斑点が見られ、徐々に葉全体に広がり、感染が進むと葉が萎縮し、黄変や落葉を引き起こします。
予防
過度の湿度を避ける
治療方法
硫黄剤や銅剤などの殺菌剤を使用する
有機系の防腐剤や天然素材の溶液を散布する
病気:白門羽(しろもんぱ)病
白門羽病は、葉に白い斑点や不定形の病斑を引き起こす糸状菌による感染症です。
感染初期は小さな白い斑点として現れ、徐々に拡大してしいき、葉が枯れ落ちて樹勢が衰えていきます。
予防
過湿を避ける環境を整備する
健康的な土壌を管理する
対策
殺菌剤を使用する
樹木の全体的な健康状態を良くする
害虫:カイガラムシ
カイガラムシは、枝や葉に寄生し樹液を吸収する微小な害虫です。
症状
樹勢が衰退する
枝の成長が阻害される
煤病が発生する
対策
手作業で取り除く
必要に応じて適切な殺虫剤を使用する
害虫:アオバハゴロモ
アオバハゴロモは、葉の表面に寄生して樹液を吸収する害虫です。
症状
樹木の成長阻害
二次的な感染リスク
予防
定期的に点検する
周辺環境の衛生管理を徹底する
対策
必要に応じて殺虫剤を使用する
業者にレンギョウの剪定を依頼する場合の費用相場
レンギョウの剪定を業者に依頼する場合、費用の算出方法は主に2つのパターンがあります。
樹木の状態や規模、地域によって大きく異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
樹木のサイズによる料金
樹木の大きさを基準に費用が決定します。
一般的には樹高や枝の広がり、幹の太さなどが考慮されます。
剪定金額の目安は、以下の通りです。
剪定金額の目安料金
高さ | 料金 |
---|---|
3m未満 | 3,000~5,000円 |
3m~5m未満 | 5,000~15,000円 |
5m以上 | 16,000円~ |
作業時間別の目安料金
剪定に要する時間を基準に費用が決定されます。
時間 | 料金 |
---|---|
30分未満 | 5,000円〜8,000円 |
1時間程度 | 8,000円〜15,000円 |
半日(4時間) | 15,000円〜30,000円 |
剪定料金の詳細はこちらの記事を参考にしてください。
レンギョウの剪定に困ったらプロに依頼を
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