サルスベリは、夏の終わりから秋にかけて美しい花を咲かせ、庭を彩る植物です。しかし剪定を怠ると枝が乱れ、翌年の花つきが悪くなることもあります。
この記事では、サルスベリの剪定時期や方法、不要な枝の見分け方について詳しく紹介します。
サルスベリの剪定時期は11~3月
サルスベリの剪定は、11月から3月の時期がおすすめです。この時期は、サルスベリの葉が落ちて休眠期に入ります。休眠期に入ると、サルスベリは幹に栄養を蓄えながら体力を温存し、外部からの刺激に対しても耐性が高くなります。そのため、剪定による負担が最小限に抑えられるのです。
またサルスベリは春に芽を出し、その新しい枝に花芽がつきます。そのため、芽吹く前の3月までに剪定を完了しておくことで、誤って花芽を切り落とすといったトラブルも回避しやすいです。
このような理由から、サルスベリの剪定は11月から3月までの落葉期に済ませるように心がけましょう。
サルスベリの剪定方法
ここからは、サルスベリの剪定方法について解説します。サルスベリの剪定方法で着目すべきポイントとしては、以下の2つです。
それぞれわかりやすく解説していきます。
基本は「透かし剪定」を行う
サルスベリの剪定の基本は「透かし剪定」です。特に、伸びすぎた徒長枝や絡まった枝を適切に剪定することが重要です。形を乱している忌み枝を取り除き、全体の枝の数を減らしてバランスを整えましょう。
基本的には、サルスベリの剪定は風通しや日当たりが悪いと感じる場合に、最小限の範囲で行うのがポイントです。太い枝は避け、混み合った枝や不自然な方向に伸びている枝だけを切り落とすようにしましょう。これを「弱剪定(小透かし)」と呼びます。
樹高を低くしたい場合は「強剪定」を行う
樹形を低く整えたり、枝の伸びる方向を調整したい場合には、強剪定を行いましょう。
幹から直接出ている太い枝(主枝)を基準に、全体のバランスを見ながら剪定を行い、枝の数を減らしていきます。ただし、強剪定では一気に枝を多く切り落とすため、木にかかる負担も大きくなります。そのため、強剪定は木が休眠している冬の時期に実施するようにしてください。
理想の高さに整えた後は、木を小さく保つために毎年同じ場所を剪定すると良いでしょう。同じポイントを切り続けることで、形も美しく仕上がります。
サルスベリの剪定に必要なアイテム
サルスベリを剪定する際に揃えておきたいアイテムは以下の通りです。
- 剪定ばさみ:細い枝を切るのに使用
- 剪定のこぎり:太い枝や高い位置にある枝を切る際に使用
- 高切りばさみ:高い位置の枝を切るための専用ばさみ
- 脚立:高い場所の作業を安定して行うために必須
- 園芸用手袋:手を保護するための手袋
剪定ばさみやのこぎりは、切れ味によって作業効率が変わってくるので、扱いやすいものを選びましょう。園芸用手袋は軍手でも代用可能ですが、鋭い枝で怪我をする可能性があるため、できれば専用のものを用意するのがおすすめです。
上記のアイテムは、ホームセンターやAmazonなどのネットショップで揃えられます。
また、剪定後に切り落とした枝葉を片付けるための熊手や、集めた枝葉を捨てるためのフレコンバッグなどがあるとより便利です。
サルスベリの剪定するべき枝の見分け方
以下は、剪定するべき枝(忌み枝)の種類と特徴です。一般的な樹木の不要な枝の見分け方をまとめたものですが、サルスベリでも忌み枝は切り落とすことが基本となります。
ただし、多くの枝を切ってしまうと枯れてしまうリスクもあるので慎重に進めましょう。
また、腐っている枝や枯れてしまっている枝があれば、忌み枝とあわせて切り落とすようにします。
枝の種類 | 特徴 |
---|---|
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝 |
絡み枝 | 近くの主枝に、つるのように絡まりついている枝 |
逆さ枝 | 主枝の向きに逆らって、幹に向かって生えている枝 |
ひこばえ | 樹木の根元から生えている枝で、ヤゴとも呼ばれる 養分が樹の上まで届かずに衰弱したり、見栄えが悪くなったりする |
下がり枝 | 主枝から分かれて、下に向かって伸びる枝 |
かんぬき枝 | 幹を中心として、左右対称に伸びた2本の枝 |
ふところ枝 | 幹付近から伸びた枝 風通しや日当たりが悪くなりやすい |
平行枝 | ほかの枝の近くに平行に伸びている枝で、「重なり枝」とも呼ばれる |
車枝 | 1か所から何本も生えた枝 |
胴吹き枝 | 幹から直接伸びた枝 |
サルスベリをきれいに剪定するポイント
きれいに剪定するためには、枝の切り方や位置が重要です。サルスベリをきれいに剪定するポイントは、以下の通りです。
切りたい枝を握って垂直に力を入れる
枝を切るときは、ハサミを持っていない方の手で剪定対象の枝をしっかり握り、下方向に力を入れながら切るようにしましょう。こうすることでハサミとの摩擦が減り、スムーズに切断できます。
枝とハサミが密着しすぎると摩擦が増えて切りにくくなるため、切りにくいと感じた場合は意識してみてください。
外芽の上で剪定する
サルスベリの枝には「外芽」と「内芽」があります。このうち、内芽を残すと不自然な方向に伸びてしまうため、外芽の上で剪定するようにしましょう。
芽に近すぎる場所で切ると芽を傷つける可能性があるため、芽よりも5~10mm程度上の位置にハサミを入れて、芽の方向に沿って切るのがポイントです。
太い枝は少しずつ切断する
太い枝を切る場合、一気に根元から切り落とすと危険です。そのため、必ず段階的に切断するようにしましょう。まずは根元から少し先の部分の下側に半分ほど切り込みを入れ、その後、少し離れた箇所で枝の先端部分を上から切り落とします。
最後に根元から切り落とすことで、安定的に切断でき、樹形が整います。
サルスベリは剪定する場所で花の大きさが変わる
サルスベリは、「剪定する枝の太さによって花の大きさが変わる」という特徴があります。これは、春に伸びる「新梢」にのみ花がつくためです。
例えば太い枝を残した場合は大きな花が育ちやすく、細い枝を残すと小さな花が咲く傾向にあります。そのため、花にこだわりがある場合は剪定する枝の太さにも着目しましょう。
サルスベリを剪定するときの注意点
ここからは、サルスベリを剪定するときの注意点を解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
幹を切ることは避ける
サルスベリの剪定では、幹を切ることは避けましょう。幹の周りが混み合っている場合や、枯れた枝が密集している場合でも、幹を直接切るのはサルスベリにとって大きなダメージとなります。幹に近い分かれ目で切り落とすことで、必要な養分の流れを保ちつつも整った見た目に仕上がります。
隣家とのトラブルに気をつける
庭木の剪定では、隣家に枝が落ちないよう配慮することが必要です。隣家にサルスベリの枝が越えている場合、トラブルの元になることがありますので、枝の方向に気を配りながら剪定を行いましょう。また、剪定作業時の音や枝葉の飛散についても配慮が必要です。
サルスベリを自分で剪定するのが難しければプロに依頼するのがおすすめ
サルスベリは自分で剪定することも可能ですが、不安な場合はプロに任せることをおすすめします。
特にサルスベリは剪定箇所によって花のバランスが変わるので、見た目の美しさにこだわりたい場合は専門家に任せるのが一番です。適切な方法で剪定してくれるため、サルスベリの負担も軽減できるでしょう。
なお、剪定を業者へ依頼する際の費用は以下が目安です。
木の種類 | 1本当たりの単価 |
---|---|
低木(高さ 3m未満) | 2,500円〜5,000円 |
中木(高さ 3〜5m) | 5,000円〜10,000円 |
高木(高さ 5m以上) | 10,000円〜25,000円 |
サルスベリは3〜7m程度が一般的なので、1本あたり5,000円〜25,000円程度の価格帯となります。
ただし、上記はあくまで参考価格です。サルスベリのサイズや状態によって実際の価格は異なるので、問い合わせの際に必ず見積もりを依頼しましょう。
サルスベリの剪定に関するよくある質問
最後に、サルスベリの剪定に関するよくある質問をまとめました。
サルスベリを剪定しないとどうなる?
剪定をしないまま育てると、無駄な枝葉にも栄養が分散してしまい、次の年に花がつきにくくなったり、病気になりやすくなったりしてしまいます。
つぼみや健康な枝に栄養が行き渡るよう、定期的に樹形を確認して剪定することが大切です。
サルスベリは花が終わった後に剪定が必要?
サルスベリは6〜9月頃に花が咲きます。早めに咲いた花のついた枝を軽く切り戻すと、再度開花する可能性があります。
ただし、花後の剪定は必須ではありませんので、必要に応じて行ってください。
サルスベリを正しい方法で剪定しよう!
サルスベリは11月から3月の間に正しい剪定を行うことで、美しい花を毎年楽しむことができます。ハナミズキを適切に剪定して、美しい樹形を保ちましょう。
自分で剪定するのが難しい場合は、専門の業者に依頼するのもおすすめです。業者によって依頼内容や料金が異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取得しましょう。
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