ラベンダーを健康に育てるためには、定期的な剪定が重要です。時期や方法についてきちんと理解しておくことで、きれいな花を維持でき、園芸がより楽しくなるでしょう。剪定の適切な時期や正しい方法、注意すべきポイントを紹介します。
ラベンダーの剪定時期はいつ?
目的によりますが5月下旬から7月上旬の間で切っておけば間違いないでしょう。目的と時期については記事内で詳しく解説しています。
ラベンダーの挿し木に向いている時期はいつ?
ラベンダーの挿し木に向いている時期は4月から5月です。
まずはラベンダーを知ろう
色や香りで有名なラベンダーとは、どのような植物なのでしょうか。特徴や系統、収穫適期を解説します。
ラベンダーとは
シソ科に分類されるラベンダーは、木としての性質を持つ多年生植物です。一般的には草花やハーブとして扱われており、花壇やコンテナに植えて花や香りを楽しまれています。
紫・白・ピンクなどの花色をまとい、青みがかった紫色はラベンダー色として色の名前にもなっています。
また心地よい香りを放つことも特徴です。ラベンダーの香りとして、芳香剤や香水などの香料に使われています。
原産地は地中海沿岸地域であり、ヨーロッパでは古くから栽培されていた植物です。基本的には日当たりと水はけのよい環境を好みますが、細かい特性は種類により異なります。
ラベンダーには複数の系統がある
ラベンダーの種類は見た目・香り・耐寒性・耐暑性の違いにより、大きく5つの系統に分類されます。
最も一般的な種類が、富良野のラベンダーに代表されるイングリッシュ系です。耐寒性が高く、暖地では育てにくい特性を持ちます。香料の原料として使われるほど香りが強いことも特徴です。
また見た目がユニークなフレンチ系は、半耐寒性の特性があるため、暖地でも栽培しやすい種類です。正しく育てれば西日本地域でもきれいな花を咲かせられます。
暖地で楽しみたいなら、暑さに強いラバンディン系やデンタータ系がおすすめです。ラバンディン系は病気にも強いため育てやすいでしょう。
他にも葉の見た目が印象的なレース系は、香りが弱い特徴を持ちます。四季咲き性ですが耐寒性は低く、栽培には高いテクニックが必要です。
ラベンダーの花の収穫時期
花を収穫し、切り花やドライフラワーなどで楽しめることも、ラベンダー栽培の魅力です。開花後すぐに収穫すれば香りも持続します。
ラベンダーの開花時期は、一般的に5~7月ごろです。北海道では7~8月上旬に見頃を迎え、富良野では7月中旬から下旬にかけて見頃がピークに達します。
ラベンダーを収穫する場合は、5月下旬から7月上旬が適期です。ただし、きれいな花を咲かせる時期は、品種や地域により異なります。
ラベンダーの剪定の必要性
ラベンダーの剪定は風通しや日当たりをよくし、結果として株への負担を減らすことにつながります。ラベンダーが育ちやすい環境と剪定の重要性を理解しておきましょう。
ラベンダーが好む環境
ラベンダーは日当たりと風通しのよい環境を好む植物です。日当たりが悪いと花つきが悪くなりやすいため、育てる場所に注意する必要があります。
ただし、高温多湿の環境に弱い品種を育てる場合は、日当たりのよさを確保しながら、高温多湿にならない環境を作らなければなりません。
高温多湿になりやすい夏場に栽培するときは、西日や直射日光が当たらないような工夫を凝らすことが大事です。
株への負担を減らすため
一般的なラベンダーは、春から夏にかけて花を咲かせます。植物にとって花をつけることは、多くのエネルギーを消耗する活動であり、花期には十分な体力をためておかなければなりません。
しかし、ラベンダーの花期は湿度が高くなりやすい梅雨時期にあたるため、剪定で通気性を確保してあげる必要があります。
剪定せずにそのまま放置しておくと、枝葉の密度が高まり、風通しが悪くなります。体力が弱まればきれいな花をつけられないばかりか、枯れてしまうこともあるでしょう。
不要な部分を剪定で取り除くことで、太陽の光をさえぎる葉が減るため、多くの葉に日が当たりやすくなることもメリットです。
ラベンダーを剪定する目的とその時期
ラベンダーの剪定には、樹形を整えることや収穫量を増やすこと、健康を維持することなどの目的があります。それぞれの時期についても解説します。
形を整える目的と時期
生育環境が整った場所で育つラベンダーは、勢いよく生長します。しかし、1~2年ほど経過すると茎がさまざまな方向に伸びていくため、樹形が崩れてしまいかねません。
ラベンダーは花や香りだけでなく、樹形でも楽しめる植物です。正しく剪定することで樹形の崩れを抑えられ、見た目を整えやすくなります。
樹形を崩さないようにする目的で剪定する場合は、花をつける5月下旬から7月中旬や、3月・9月・12月が剪定の適期です。
この時期に、伸びた分だけ切り落とせば、すっきりとまとまるでしょう。前年よりの古い花茎は、付け根からカットしても問題ありません。
収穫量を増やす目的と時期
ラベンダーの花は、開花した後の収穫のタイミングが早いほど、香りを放つつぼみが残りやすく、切り花にしたときの香りが強くなります。
また、開花するたびに花を収穫すれば、花を咲かせ続けるためのエネルギーを消耗せずに済むため、次の花がつきやすくなり収穫量が増えます。
さらに正しく剪定を行うことでも花つきがよくなり、収穫量もより増えるでしょう。できるだけ多くの花を収穫したい場合は、剪定で生育環境を整えてあげる必要があります。
収穫に適した時期は5月下旬~7月上旬です。収穫する際は、翌年にも花を咲かせるように、ラベンダーの根元から4~6節程度残して切るようにしましょう。
健康を維持する目的と時期
ラベンダーを剪定せずに放置しておくと、風通しが悪くなり病害虫の被害を受けやすくなります。葉や茎への日当たりが悪くなることもデメリットです。
風通しや日当たりが悪くなると、良好な健康状態を維持しにくくなり、場合によっては枯れてしまうこともあるでしょう。
湿気がこもりにくく、太陽の日がよく当たる環境を作るには、剪定作業が必須です。
花を収穫する時期と同じ5月下旬から7月上旬に、込み入った茎や伸びすぎた茎など、不要な茎をカットしましょう。この際、根元から2~3節残して剪定するのがポイントです。
ラベンダーの剪定に便利なハサミ
ラベンダーの剪定には、剪定バサミ・植木バサミ・刈り込みバサミを使うと便利です。それぞれの特徴や使い方を確認しておきましょう。
剪定バサミの特徴と使い方
剪定バサミは枝や茎を切る際に使う、剪定道具の基本となるハサミです。直径1~2cm程度の枝や茎を切るときに役立ち、初心者が使いやすいこともメリットです。
剪定バサミを選ぶときは、サイズを重視しましょう。指先から手首までの長さと同程度のサイズが理想です。左利きの人は左利き用を選びましょう。
また剪定バサミの種類には、上下に刃が付いたタイプと片側のみ刃が付いたタイプがあります。慣れないうちは、切れ味のよい片側のみ刃が付いたタイプがおすすめです。
枝や茎を切るときは、普通のハサミと同じように使えば問題ありません。太くて切りにくい枝や茎は、両手でハサミを持てば切りやすくなるでしょう。
植木バサミの特徴と使い方
植木バサミは刃先がとがっており、細かい作業に適したハサミです。細い枝・枯れた葉を切るときや切り戻しを行うときによく使われます。
植木バサミには剪定バサミのようなバネが付いていないため、長時間使い続けても手が疲れにくいのが特徴です。切る際に周囲の枝や葉を傷付けないように、柄の指を入れる部分が大きめに設計されています。
また植木バサミを使用するとき、細い枝や茎は刃先で軽く切るのがポイントです。太めの枝や茎は深く挟めば切りやすくなりますが、力を入れすぎると柄の部分で手のひらを挟んでしまうことがあるため注意しましょう。
刈り込みバサミの特徴と使い方
一気に何本もの葉や枝を切る場合は、刈り込みバサミを使えば効率よく作業できるでしょう。生け垣を整えるときによく使われるハサミです。
刈り込みバサミの種類には、庭木に向く両手刈り込みバサミや、狭い範囲に向く片手刈り込みバサミなどがあります。
ラベンダーの剪定では、古い枝などをすべて切り落とす「強剪定」と呼ばれる作業があります。このとき両手刈り込みバサミを使うと、一気に枝が切れるため便利です。
また刈り込みバサミの使い方は、両手を動かさずに片手だけ動かすのがポイントです。片方の手を固定し、もう片方の手を開閉するように動かせば、うまく使えるでしょう。
ラベンダーの剪定方法は2つ
ラベンダーの剪定には、花の剪定と枝の剪定の2種類があります。それぞれの方法を覚えておきましょう。
咲き終わった花を剪定する方法
咲き終わった花をつけたままにしておくと、余分な栄養が花に届いてしまい、ラベンダーの生育に悪影響を及ぼす可能性があります。
行くべき場所に栄養を行き渡らせるためにも、咲き終わった花は剪定で落としていきましょう。
剪定方法は、咲き終わった花をハサミで茎ごと切っていくだけです。枝の剪定が面倒な場合も、花の剪定をしておくだけでラベンダーの生長が促されます。
また丁寧に花の剪定をするなら、花茎の下部に新芽が出始めている部分を探し、そこから少し上を切りましょう。
枝を剪定して風通しをよくする方法
高い通気性を確保するための枝の剪定も重要です。風通しがよくなれば、湿気が多くなりがちな梅雨の時期や、高温になりやすい真夏の時期を乗り切りやすくなります。
枝を剪定する際は、地面に触れてしまっている枝から最初に切っていきましょう。枝の根元からばっさりと切り取ります。
また枝葉が込み合っている中から、色が茶色になっている枝や伸びすぎて先端が垂れ下がっている枝を切っていきます。ただしこの際、新芽を切ってしまわないように気をつけましょう。
剪定の仕方「強剪定」について
ラベンダーの手入れでは、思い切った切り込みを行う強剪定が必須です。具体的な方法や注意点を解説します。
強剪定とは
剪定の種類は、強度の違いにより「強剪定」と「軽剪定」の2つに分けられます。強剪定とは、枝や茎を思い切って深く切ったり、1度に何本もの枝や茎を取り除いたりすることです。
強剪定は植物に強いストレスを与えるため、植物の種類によっては強剪定により枯れてしまうこともあります。そのため、強剪定をしても元に戻れる回復力を持っていることが、対象となる植物の条件です。
ラベンダーの手入れでは、病気になりやすい不要な枝や茎を取り除いたり、株の形を整えたりするために、強剪定を行います。
強剪定を行うことで株をコンパクトにできるうえ、老化を防ぎつつ新しい枝を増やせるでしょう。
強剪定の仕方
強剪定では、不要な枝を付け根から切り取る「枝抜き」や、枝分かれした小枝を分かれた部分から切り取る「切り返し」を行うのが基本です。
5~6年経過したラベンダーの株には、太くなった古い枝が数多く残っています。これらの枝は、できるだけ根元で切り戻しましょう。
その他の枝も、新芽があれば少し上で切り落とし、枝抜きや切り返しも行いながら、最後に高さが2/3程度になるまで剪定すれば完了です。
強剪定が終わった後の株は、木の根っこのような印象を受けるでしょう。しかし、春が近づくと新芽が生長し、シーズンを迎えた頃には一回り生長した姿を見せてくれます。
強剪定の注意点
ラベンダーの株は、早ければ3年目くらいから花のボリュームが減ってきます。茎が増えすぎてエネルギーが分散されてしまうことが原因です。
強剪定は2~3年目から行い、その後は毎年行うのが理想です。2年以上放置していると、株が大きくなりすぎてしまい、強剪定自体ができなくなってしまうでしょう。
ただし、風通しや水はけのよい場所で育てている場合は、ラベンダーの衰えが緩やかなため、毎年の強剪定が必要ないケースもあります。
ラベンダーの剪定の仕方「切り戻し」
ラベンダーでは強剪定のほかに、切り戻しと呼ばれる剪定を行う必要があります。切り戻しの方法や注意すべきポイントを押さえておきましょう。
切り戻しとは
伸びすぎた枝や茎を切り落とし、樹形を整えながら株をコンパクトにする剪定方法が切り戻しです。
切り戻しを行うと不要が枝や茎が減るため、新芽や花に養分が行き渡りやすくなり、生長が促進されます。また風通しがよくなり、病気や害虫を予防できることもメリットです。
ラベンダーは開花した後、収穫と同時に切り戻しを行うことで、次回の花つきがよくなります。全体の半分程度は切り戻しを行いましょう。
切り戻しの仕方
切り戻しで切る枝の部分は、基本的に枝元と枝の途中のみです。何も考えずに切っていくと、切り落とした枝から新しい枝が生え、樹形が崩れる原因にもなってしまいます。
枝の途中で切る場合は、新芽の5cm程度上の部分を切るようにしましょう。
また、花数や枝の本数を減らしたい場合は、枝の付け根から切り落としても問題ありません。株の様子を見ながら、状況に合わせて切り戻しを進めていきましょう。
切り戻しは切る枝に注目して行う
切り戻しの対象となる枝は「不要枝(ふようし)」「忌み枝(いみえだ)」と呼ばれます。主なものには、徒長枝・絡み枝・下がり枝・内向き枝・車枝などがあります。
徒長枝とは枝の節がほかの枝に比べて長く生長してしまい、勢いよく伸びている枝のことです。樹形を崩しやすいため、枝元から落としても大丈夫。
また絡み枝・下がり枝・内向き枝は、名前のとおり絡まっていたりほかとは違う方向に向いていたりする枝です。絡み枝は、片方の枝を付け根から切り取りましょう。
車枝は、1本の枝から複数の枝が生えている枝のことです。1~2本残し、ほかの枝は全て枝元から切り落とす必要があります。
剪定時は病害虫の確認も忘れずに
ラベンダーを剪定するときは、病気や害虫の被害を受けていないかも確認しましょう。かかりやすい病気やつきやすい害虫について解説します。
ラベンダーがかかりやすい病気
風通しの悪い場所で栽培しているラベンダーがかかりやすい病気が「うどんこ病」です。白いうどんの粉をかけたような様子になることから、このように呼ばれています。
うどん粉病にかかると、葉の全面に白い斑点が広がります。黄色くなったり縮んだりして、最終的には枯れてしまうこともあるでしょう。
初夏や秋の雨と晴れが交互に繰り返されるケースで、よく発生する病気です。1度発生した場所で同じ品種のラベンダーを育てると、次の年も発病しやすくなります。
うどん粉病にかかったラベンダーには、殺菌剤を使用して症状を抑えましょう。防除する場合は、前年に発病した時期の前に、あらかじめ殺菌剤をまいておくのが効果的です。
ラベンダーにつく害虫
ラベンダーにつきやすい害虫は「アブラムシ」と「ハダニ」です。どちらもラベンダーの生育に悪影響を及ぼすため、早めの処理と事前の対策が重要です。
アブラムシは大きさが約2~4mmで、赤・黒・緑などさまざまな種類がいます。繁殖力が非常に強く、あっという間に数を増やします。
殺虫剤以外の駆除方法としては、粘着テープで取り除く方法がおすすめです。また肥料で窒素を与えすぎないことや、防虫ネットなどでラベンダーを覆うことが予防のポイントです。
一方ハダニは葉の裏に寄生し、白い斑点や小さな傷を付けます。気温が高く乾燥した環境で発生しやすいことが特徴です。
ハダニが少ない状態なら、粘着テープなどで取り除くか、牛乳を水で割ったものを吹きかけて窒息死させる方法が有効です。普段から葉の裏へ水を吹きかけておけば、湿気に弱いため防除できるでしょう。
ラベンダーの剪定時の注意点
ラベンダーを剪定する際は、清潔なハサミを使うことや、秋までに剪定を終わらせることに注意しましょう。それぞれについて詳しく解説します。
ハサミは清潔なものを使う
剪定時に使うハサミは、清潔な状態にして使いましょう。刃の部分が不潔な状態のまま使用すると、切り口から菌が侵入し、ラベンダーが病気にかかる恐れがあります。場合によっては枯れてしまうこともあるため注意が必要です。
またハサミの状態が不安な場合は、癒合剤を使うのもよいでしょう。癒合剤とは、切り口をふさぐ成分や殺菌成分が含まれている植物用の薬です。
癒合剤を塗ったハサミで剪定すれば、剪定しながら切り口のケアができるため、安心して剪定を進められます。
秋までに剪定を済ませる
雪が積もりやすい場所でラベンダーを育てる場合は、ラベンダーの上に雪が積もる前提で手入れすることが大事です。秋までには剪定を済ませておきましょう。
剪定しない状態で雪が積もると、葉や茎が雪の重みで折れてしまい、そのまま放置すれば枯れてしまうこともあります。
どうしても剪定できない場合は、雪が積もらない場所にラベンダーを移動するか、雪の重みに耐えられる屋根代わりのものを設置するなどして、ラベンダーの上に雪が積もらない対策を講じる必要があります。
ラベンダーの花が咲かない、枯れる原因は?
適切な剪定ができていなければ、ラベンダーの花が咲かなかったり、ラベンダーが枯れたりします。それぞれの原因を理解しましょう。
咲かないのは適切な剪定ができてないから
毎年ラベンダーを育てていると、前年より花のボリュームが少なかったり、花のサイズが小さかったりするのを感じることもあるでしょう。
花のボリュームが少ないのは、古い枝が増えすぎたことによる影響が大きい可能性があります。強剪定を行い、株をコンパクトにする必要があるでしょう。
また花のサイズが小さい原因は、必要な栄養が足りていない可能性があります。剪定により枝を減らしたり、日当たりや風通しをよくしたりすることで改善するでしょう。
このように、花が咲かないのは適切な剪定ができていないことが原因です。毎年きちんと剪定を行うようにしましょう。
枯れるのは根腐れの可能性が高い
ラベンダーが枯れる大きな原因のひとつが根腐れです。土中の水分量が多くなることで根が窒息状態に陥り、根から養分を吸収できなくなるため、ラベンダーが枯れてしまいます。
土中の水分量が多くなる原因は、茎が込み合うことによる土の乾燥の遅れです。茎が密集すると日当たりや風通しが悪くなるため、土の表面も乾燥しにくくなります。
根腐れを防ぐためには、適切な剪定が大事です。根腐れの原因はほかにもあるため、一概に剪定不足だけが原因とはいえませんが、大きな要因のひとつであることは確かです。
剪定以外で行うラベンダーの手入れ
水やり・肥料やり・植え替えなど、剪定以外にも重視したいラベンダーの手入れについて解説します。上手に育てるための知識として覚えておきましょう。
水やりは土の状態や季節に合わせて行う
やや乾燥した状態を好むラベンダーには、控えめな水やりを意識しましょう。こまめにかけるのではなく、土が乾いてきたり葉に元気がなくなってきたりしたときが、水やりの適切なタイミングです。
水やりを行う際は、朝にたっぷりとかけましょう。この際、葉に水がかかると蒸れやすくなるため、株元のみにかけるのがポイントです。
また夏場は過湿に注意し、開花中は水切れを起こさないように気をつける必要があります。鉢植えで育てている場合、梅雨時期など長雨が続くときは、雨をよけられる場所へ移動させましょう。
肥料は与えすぎないように注意
ラベンダーは生育にそれほど肥料を必要としない植物です。ラベンダーに過度な肥料を与えると、肥料やけを起こして生育に悪影響を及ぼす恐れがあります。
肥料やりを行う場合は、緩やかに効き目が表れる遅効性肥料を、春と秋に与えるとよいでしょう。
また液体肥料を与える場合は、商品のパッケージに記載されている目安量より、少なめの量を与えるのがポイントです。
定期的に植え替えを行う
地植えの場合は根が大きく張るため、植え替えの必要はありません。しかし、鉢植えの場合は定期的な植え替えを行う必要があります。
鉢植えの場合、大きく育ってくると鉢の中で根が窮屈になります。そうなると排水性が悪くなり、うまく吸水できず水切れを起こしやすくなるでしょう。また土の中の通気性も悪くなることから、根の窒息状態を引き起こしかねません。
植え替えの目安は1~3年です。開花前の3~5月に植え替えれば、移植時のダメージから早く回復するでしょう。
ラベンダーを剪定して元気に育てよう
ラベンダーは、日当たりや風通しのよい場所を好む植物です。生育に適した環境を整えるためには、適切な剪定を行う必要があります。
またラベンダーの剪定では、花と枝の両方を剪定することが大事です。毎年のようにきれいな花をつけるためには、強剪定や切り戻しも意識しておく必要があります。
手入れの重要性や正しい剪定方法をしっかりと理解し、定期的な剪定でラベンダーを元気に育てましょう。