剪定の目的は、日当たりと風通しをよくして木を健康に育てること、厳選された果実に栄養を集中させ、おいしい果実を作ることが主な目的です。
この記事ではぶどうの剪定時期と方法をわかりやすく解説。年数や品種によって異なるため、正しい剪定を心がけましょう。
ぶどうを剪定するのに適した時期は?
ぶどうをバッサリ剪定するのに適した時期は1月です。ただし北海道など冬に雪が降る地域は、11月のうちに剪定しておきましょう。
剪定を業者に依頼すると料金はいくらかかる?
樹高が3m未満の場合、費用相場は3,000円〜8,000円です。3m以上5m以下の場合、12,000円〜18,000円です。
ぶどうの剪定時期は1月(積雪地域は11月)
ぶどうを大がかりな剪定するのに適した時期は1月です。
ただし北海道など冬に雪が降る地域は、11月のうちに剪定しておきましょう。積雪がある冬のあいだはぶどうを棚から下ろし、地面に寝かせておきます。
1月にぶどうを剪定する理由
①切るべき枝の判別がしやすい
秋から初冬にかけて果実の収穫を終えると、葉は枯れ始め落ちていきます。落葉したぶどうの木は枝がよく見えるようになり、生長具合がよく分かるのです。そのため切るべき枝の判別も容易になり、剪定しやすくなります。
②冬以外の剪定はぶどうが傷むリスクがある
春を迎えてから剪定してしまうと、育とうとする勢いを止めてしまいます。また樹液が流れる切り口がふさがらず、病気などの原因になりかねません。それゆえ冬の間に行うことが重要なのです。
伸びすぎた枝の調整は5~7月頃
間引き剪定・摘心
上手く管理していれば夏季の剪定は必要ないこともあります。枝を間引いたり、伸びすぎた枝を切ったりしながらバランスを調整しましょう。
春以降に新しく伸びた枝のうち、花が咲く前に1m以上伸びている枝は、花付きが悪くなります。花が咲く1週間前を目安に、先端を摘心しましょう。ただし必要以上に切ってしまうと樹が弱ってしまうので、最低限の剪定にします。
芽かき
冬季剪定が不十分だった場合は、早い時期に芽かきをすることで調整します。新梢の勢いを揃えたり、枝が混み合わないようにする効果があります。
参考記事:ブドウの剪定方法を解説!ポイントまとめ|セイコーエコロジア |
ぶどうの剪定に必要な道具
ぶどうの剪定に必要な道具
ぶどうの剪定には剪定バサミ・太枝切バサミ・ノコギリ・癒合剤があると便利です。
それぞれおすすめの商品も紹介します。
剪定バサミ |
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太枝切りバサミ |
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ノコギリ |
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癒合剤 |
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1年目のぶどうの剪定方法:成長を促し仕立て方を決める
樹齢によっても剪定で気を付けるべき点や意識することは異なります。
ここからは木の年齢別に剪定の仕方を見ていきましょう。
1年目は植え付け時に幹を剪定する
1年目の剪定ポイント! |
幹を切り詰めて樹高を抑えるように剪定する |
植え始めの時期は将来の木の形や育ち方に大きく影響があります。そのため初期段階から、丁寧な剪定を心がけることが大切です。
1年目は植え付けを行いますが、このタイミングでは幹を切り詰めるように剪定します。株の生長を促進するためには、樹高を抑えておくことが必要だからです。
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切り口を放置しておくと菌や害虫が入り込んでしまうので、癒合剤の塗布は大切です。
また、整枝の形の例は以下の通りです。参考にしてみてくださいね。
鉢植え:あんどん仕立て
支柱に枝を巻き付ける方法で、スペースが小さくて済みます。枝を2周ほど巻いて固定します。
地植え:垣根仕立て
支柱とワイヤーで作った平面に枝を誘引する方法で、庭に一定のスペースがある場合に適しています。
参考記事:栽培管理|ぶどう【地植え】の育て方 |
地植え:一文字仕立て
最も簡単な仕立て方。まず主枝を好きな方向に誘引したあと、反対方向に側枝を誘引します。
ちなみに、どの枝を伸ばすかだけ決めて、枝を自然な形に伸ばしていくやり方は「自由整枝」といいます。自由整枝は樹勢を保ちやすく、力のある枝を残しやすいのが良いところです。
2年目のぶどうの剪定方法:樹形を整える
2年目の剪定ポイント! |
数ある仕立て方の中からどの樹形に仕立てるかを決める |
2年目に意識するのは、樹形を仕立てていくことです。この「樹形を整える作業」を整枝と呼びます。
この時期はまだ生長した木の姿をイメージしにくいかもしれません。しかし若い頃からどのような樹形に育つかを想像しながら、剪定することが大切です。
地植えか鉢植えかによって、適切な樹形が異なります。
それぞれポピュラーな樹形の例は、「1年目のぶどうの剪定方法:成長を促し仕立て方を決める」で図とともに紹介しているので、ぜひご覧ください。
3年目以降のぶどうの剪定方法:実付きをよくする
3年目以降はぶどうの果実の収穫を見据えながら、品種に適した剪定を行うことが大切になってきます。成長の具合によって使い分ける「短梢剪定」「中梢剪定」「長梢剪定」のそれぞれについて解説しましょう。
短梢剪定に向いている品種と方法
短梢剪定とは前年の枝に2~3個の芽を残して切り落とす方法をいいます。
木や枝の先端を「梢」といいますが、この部分を短く残すことから付いた名前です。
短梢剪定は作業がしやすく、誰でもできるのが特徴です。ぶどうの栽培初心者であれば、短梢剪定で育てやすい品種を選ぶとよいかもしれません。
短梢剪定に向いている品種 |
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短梢剪定の方法 |
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育ちのよい枝を残すのは、生長の著しい枝はそれだけ養分を吸い取ってしまい、果実の生長を阻(はば)む要因になりかねないからです。
広い敷地があればいろいろな品種の生長の違いを比べられますが、庭の広さが限られているとそうもいきません。一般的な家庭ならコンパクトに育てられる短梢剪定が適しているといえるでしょう。
中梢剪定に向いている品種と方法
中梢剪定に向いている品種 |
ナイアガラなど。幹の生長が旺盛で枝の伸びに勢いがある品種、新梢の生育が著しい品種。 |
中梢剪定では実が付いた枝を4~5芽ほど残して剪定します。
植え付けから3年を経ると、樹形が次第に形づいてきます。とはいえまだまだ変化がある時期です。丁寧に生長を見守るためにも有効な剪定方法でしょう。
長梢剪定に向いている品種と方法
長梢剪定は残す枝の見極めが重要になるので、経験が必要になります。
樹勢の調節がしやすい、樹齢を長く維持できる、初期の成長を活発にできるなどのメリットがあります。
長梢剪定に向いている品種 |
巨峰やピオーネ |
長梢剪定の方法 |
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そのままにしておく芽の数は、木の生長具合や全体のバランスによって違います。さまざまな点で難しい判断を迫られるため、上級者向けの方法といえるでしょう。
ぶどうの樹の寿命は10~15年
ぶどうの寿命は10~15年です。
樹齢が15~20年を超えると、いいぶどうが収穫出来なくなってしまいます。
果樹園の場合は定期的に新しい樹に植え替えているのです。
植えてから3~4年は収穫できないので、収穫したい年の執念前から若木の苗を植えておくことがポイントです。
ぶどうの誘引の方法
「誘引」は剪定と並んで、ぶどうを育てるうえでとても大切なものです。やり方次第で育成に影響を与えるため、適切に作業する必要があります。
正しく行うために誘引を行う時期や方法について解説しましょう。
誘引とはツルや枝を支柱に固定する作業!
支柱を使って植物の茎や枝を結び付け、固定する園芸作業を「誘引」といいます。
大きな実を付ける植物やウリ科や豆科の植物でよく行われるものです。つるが伸びるぶどうにおいても、上手に育てるためにはとても大切な作業といえます。
ぶどうの場合はつるを結び固定させることで、伸ばしたい方向へと向かわせます。
- 樹形を希望の形にする
- 株への負担を軽減し、果実の重量や風圧で苗が倒れてしまわないようにする
- 枝や芽、果実に日光が均等に当たるようにし、花や果実が付きやすくする
などの効果があります。
誘引は剪定後1〜2カ月後に
誘引をする時期としては、剪定を終えてから1~2カ月後が適しています。しばらく時間をおいてから作業するようにしましょう。
ぶどうの剪定は落葉後の冬場に行うものです。この時期は空気がとても乾燥していて、幹や枝、つるにも湿気がありません。
そのため剪定した後すぐに誘引作業をしてしまうと、湿気が少なく、乾燥した枝やつるが折れてしまう可能性が高まるのです。
しかし芽が出る前の時期に誘引しておかないと、樹形を整えるという目的が叶いません。剪定後でかつ春を迎える前、つまり剪定した1~2カ月後が剪定に適した時期なのです。
誘引の仕方
誘引の仕方は地植えか鉢植えかによって異なります。
地植えの場合 |
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鉢植えの場合 |
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ぶどうのお手入れ方法
ぶどうの魅力は甘く美味しい実を付けることです。たくさんの果実を実らせる方法について紹介しましょう。
ぶどうのおおまかな栽培カレンダーは図のようになっています。開花時期は5~6月、収穫時期は8~10月、肥料の時期は9月です。
花穂整形を行う
開花時期の花穂(かすい)から不要な穂を除去する「花穂整形」は、果実の育成に重要な作業です。よいぶどうを収穫するためには不可欠なものといえます。
花穂には当初たくさんの粒が付き、その数はひとつの房に1,000粒程度にも及びます。
ところがお店に並ぶぶどうに付いている実の数は、通常30~40粒です。つまり日本のぶどうは1,000粒から30~40粒へと減らすことを前提に栽培されているといえます。
減らすといっても900粒以上をひとつずつ選んで外すわけではありません。「車」と呼ばれる粒が密集し塊(かたまり)となって左右に伸びている軸を、はさみで切り落としていきます。
車の数が8~15になるように、上から順に切っていくのです。
ぶどうの木を増やして収穫量を上げる
剪定などで切った枝を新たに植え付け、別の木へと生長させることを挿し木といいます。
<挿し木に適した時期> |
生長が早まる3~4月。寒い時期に選定した枝をビニール袋などにしまい、冷蔵庫で保管しておきます。 |
<挿し木の方法> |
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ぶどうの病気・害虫対策
植物を健康に育てていくうえで、病害虫には注意が必要です。ふどうの育成にあたり気を付けるべき病気や害虫について解説します。
ぶどうがかかりやすい病気
ぶどうの代表的な病気は以下の2つです。かからないよう、事前に対策をしましょう。
かかると花や果実を腐らせてしまう病気です。
発症しやすい時期は5月頃で、時間とともに感染部位が広がっていきます。
感染すると完治させることは難しいため、徹底した予防が肝心です。感染源の多くは雨水からの雑菌なので、梅雨には果実に袋を被せるといった対策で防ぎます。
各部に灰色のカビが現れ徐々に果実を腐らせてしまいます。
こちらも完全に直すことが困難で、事前の防衛策が求められる病気です。
湿気が原因となり症状を引き起こすケースがほとんどです。そのためぶどうの木の周辺の風通しを改善しておくと効果があります。
ぶどうにつく害虫
ぶどうを育てるときに気をつけるべき害虫は以下の通りです。
最も注意したい害虫です。
幼虫のときは白い芋虫で、成虫になると黒と黄色が混ざった細長い蜂のような姿になります。
ぶどうの枝を次々と食い荒らし、損傷を与えてしまう虫です。一部が食い荒らされてしまうとその先の枝は生長しにくくなり、枯れてしまう場合が多く見られます。
初夏に活動を活発化させるため、5~6月にかけて専用の殺虫剤を撒いて予防しておくと効果的です。
幹に巣を作り、幹の中心に向かって食い進んでいきます。
幼虫は地上で成長しますが、5~6月になると木への侵入を始めます。幹の内部を食べることで、サナギになるための養分を得るのです。
予防策として中央の幹に幼虫を寄せ付けない薬剤を塗布します。周辺の草もエサにするので、こまめな除草もコウモリガ対策として有効です。
業者にぶどうの剪定を依頼する場合の費用相場
ぶどうの剪定方法は品種ごとに適した樹形が異なったり、残す枝や芽の見極めが難しかったりと、気にしなければいけないことがたくさんあります。
自分で全て行うのが不安という場合は、業者に剪定をお願いするのがおすすめです。
ぶどう剪定の費用相場
ぶどうの剪定にかかる1本あたりの料金の目安は以下の表の通りです。
樹高 | 費用相場 |
3m未満 | 3,000円〜8,000円 |
3m以上5m以下 | 12,000円〜18,000円 |
ただし剪定したい果樹の本数やぶどうの生えている場所・枝葉の処分方法・お住いの地域の状況などにより剪定費用は異なります。詳しい費用を知りたい場合は見積もりを取って確認しましょう。
ミツモアで庭木の剪定を依頼した人の口コミ
「ミツモア」を通して庭木の剪定を依頼した利用者からの口コミを紹介します。
「迅速に対応していただき大変感謝しております」
利用時期:2022年12月
評価:★★★★★ 5
庭木の剪定をお願いしました。 丁寧でこちらの要望にも迅速に対応していただき大変感謝しております。 同居している両親も綺麗な仕上がりにとても喜んでいました。 掃除や片付けも丁寧にしていただきました。 何より今回来ていただいた○○さんのご対応が大変好感が持てました。 是非末永いお付き合いをお願いしたいと思います。 本日はお世話になり本当にありがとうございました。
説明の丁寧さ | 評価5:それぞれの樹木に合った剪定をきっちりと説明していただきました。 |
仕上がりへの満足度 | 評価5:ご近所の方も綺麗になったと言われるほど、仕上がりには大変満足しています。 |
料金・費用の納得感 | 評価5:お一人での作業で掃除までしていただいてるので充分納得のできる料金です。 |
対応の早さ | 評価5:日程の打ち合わせや作業について迅速に対応していただきました。 |
日程調整のしやすさ | 評価5:ショートメール等で随時ご連絡いただき、調整をしてもらえました。 |
「 とても丁寧なお仕事で、後片付けもきっちりしていただきました」
- 利用時期:2023年11月
- 評価:★★★★★ 5
普段住んでいない家のため、管理ができず、庭木が伸びて手がつけられなくなっていました。どのようにしたら良いのかの相談やご提案をいただきとても助かりました。 見積もり時も、剪定当日も立ち会いができなかったのですが、剪定前後の写真を送っていただけました。 とても丁寧なお仕事で、後片付けもきっちりしていただきました。 助かりました。ありがとうございました。これから毎年お願いすることにします。 今後ともよろしくお願い致します。
説明の丁寧さ | 評価5:チャットでとても丁寧にご対応いただけました |
仕上がりへの満足度 | 評価5:剪定も後片付けもバッチリ綺麗です |
料金・費用の納得感 | 評価5:良心的な価格でとても助かりました |
対応の早さ | 評価5:依頼してから2週間くらいで対応していただけてスピーディでした |
日程調整のしやすさ | 評価5:日程もご提案していただきとてもよかったです |
「見違えるような庭になりました」
- 利用時期:2023年1月
- 評価:★★★★★ 5
今日は、庭木を3本剪定して頂きました。 大変、丁寧に、こちらの要望を聴いて下さり、他の草花等と合った形に整えて頂きました。 大切に育てた木達を、どこに依頼しようか悩んでいましたが、今回、良いご縁に恵まれて、本当に嬉しかったです。 月桂樹は、私が利用する枝を分けてよけてくださって、切り方がおかしかった他の木も切って頂き、見違えるような庭になりました。 ありがとうございました。
説明の丁寧さ | 評価5:最初に、こちらのイメージを汲んで説明して貰える |
仕上がりへの満足度 | 評価5:センスが良いです |
料金・費用の納得感 | 評価5:良心的で助かりました |
対応の早さ | 評価5:メッセージも細やかでした |
日程調整のしやすさ | 評価4:ご多忙中でしたが、折り合いをつけて頂きました |
ぶどうの剪定に困ったらプロに依頼を
「自分でうまく剪定できるか不安」「剪定にかける時間がない」という方は、プロに依頼するのがおすすめです。
見積もりプラットフォーム「ミツモア」では、庭木の剪定経験が豊富なプロをすぐに探すことができますよ。
ミツモアで簡単な質問に答えて見積依頼
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