家庭の庭先でも育てるさくらんぼの木には、定期的な剪定が必要です。時期やタイミング・必要なものを確認して、剪定に備えましょう。
さくらんぼの剪定時期は?
さくらんぼの剪定時期は、2月・5月・7月です。枝が乾燥しにくい7月は、思い切って太い枝を剪定しても問題ありません。
2年目のさくらんぼの剪定ポイントは?
幼木である2~3年目のさくらんぼの木は、左右対称に枝が生えている「かんぬき枝」や真上に枝が伸びている「徒長枝」を切ることがポイントです。
さくらんぼの剪定時期
さくらんぼの適切な剪定時期や開花・収穫の時期を紹介します。
剪定は年3回が理想的
さくらんぼの木は2月・5月・7月の年3回、剪定を行うのが理想的です。定期的に剪定を行わないと実だけでなく、樹木全体にも悪影響を及ぼします。
枝木が生い茂ってくると湿気がたまりやすくなり、病害虫を増加させ樹木全体を枯らしてしまう可能性もあります。
年3回の剪定では時期ごとに違う目的で剪定を行い、実の付きや木の健康状態を良くしていきましょう。適切に剪定を行えば多くのさくらんぼを実らせる健やかな木に育つはずです。
開花時期と収穫期
さくらんぼの木として代表的は西洋実桜の場合、開花の時期は4月中旬です。つぼみが大きくなり白い花を咲かせます。
この時期は沢山のさくらんぼを実らせるために大切な時期です。受粉の手伝いや環境管理など丁寧な手入れが必要になってきます。
受粉に成功した花は4月下旬〜5月中旬にかけて、緑色の実を付け次第に赤みがかる姿が印象的です。40〜50日ほどで真っ赤なさくらんぼの実へと生長し、5月下旬〜6月下旬に収穫時期を迎えます。
【図解】1年目のさくらんぼの剪定方法
1年目のさくらんぼの木は、長い枝を短くする「切り戻し剪定」をします。2月に主幹が60cm~80cmの長さになるよう切ってください。
「主幹を切るなんてもったいない」と感じる方もいるかもしれませんが、果実が一番育つ樹形にするために主幹は短くしましょう。
【図解】2年目~5年目のさくらんぼの剪定方法
2・3年目のさくらんぼの木は、真上に伸びている「徒長枝」や左右対称に生えている「かんぬき枝」を中心に切ってください。
4・5年目は、主幹や若い枝を残し、曲がった古い枝を切ることを意識するとよいでしょう。
さらに詳しい剪定方法を知りたい方は、以下の動画をご覧ください。
【図解】6年目以降のさくらんぼの剪定方法
1年~5年目の幼木の剪定は「木を育てる」ことが目的でしたが、成木の剪定は「果実に十分な養分を届ける」ことが目的です。成木の剪定方法について季節ごとに紹介します。
【2月】さくらんぼの剪定方法
2月の寒い季節に行う剪定は、不要な枝を取り除いて日当たりや通気をよくする「透かし剪定」です。切るべき不要な枝は以下の図解をご覧ください。
暖かくなってくる季節に備えて不要な枝を切り落とすと、さくらんぼの木が光合成をしやすくなります。また風通しがよくなるため、病害虫を寄りつきにくい木にすることができます。
この時期の剪定では枝が乾いてしまわないように、切り口が大きくなる太い枝を避けるのがポイントです。
内向きに生えていたりメインの枝の後ろに生えたりしている枝を選び、間引き・切り詰めをすると満遍なく日光が当たります。
【5月】さくらんぼの剪定方法
春を過ぎた5月の剪定では新梢(しんしょう)を切り落とし、整えることが目的です。
当年の春に新しく伸びてきた枝のことを「新梢」と言います。新梢を放置しておくと養分をどんどん吸収してしまい、実の生長を阻害します。
元気がないさくらんぼの木や、次の年は実を期待しない老木であれば切らなくても問題ありません。
【7月】さくらんぼの剪定方法
梅雨が明けた7月に行う剪定の目的は、木全体の大きさや高さの調整です。木が大きくなりすぎると養分が枝に取られ、さくらんぼの実が大きく育ちません。
冬場と違って枝が乾燥しにくい季節のため、太い枝を思い切って剪定しても問題ありません。2月・5月に行う間引きや新鞘の剪定もしながら、伸びすぎている枝を切り詰めましょう。
実に葉が覆いかぶさっていると日光が実に届かず、糖度が低いさくらんぼになってしまいます。実の日当たりが良くなるよう、葉や枝を剪定してください。
花束状短果枝は定期的にカット
花束状短果枝(かそくじょうたんかし)も定期的にカットしましょう。花束状短果枝とは、さくらんぼの実がなるごく短い枝のことを言い、「葉芽」と「花芽」で構成されます。
葉芽とその両隣にある花芽を残し、残りは摘芽してください。指で押し倒すようにして取ることもできますよ。
【図解】さくらんぼの木を大きくしたくない場合
「さくらんぼの木を大きくしたくない」「さくらんぼの木が予想以上に育ちすぎているので小さくしたい」という方もいるのではないでしょうか。自分好みの木の大きさにする剪定方法を紹介します。
新梢を摘み取って生長をコントロールする
さくらんぼの木を大きくしたくない場合、新梢を摘み取って生長をコントロールしましょう。1年~5年目の幼木の段階から、新梢をこまめに摘心することが大事です。
新梢を摘み取っても主幹の大きさはコントロールできないので、主幹は自分ごのみの大きさで剪定して下さい。
既に大きいさくらんぼの木は強剪定で小さくする
既に大きいさくらんぼの木をコンパクトにしたい場合、枝をバッサリ切る「強剪定」をしましょう。
さくらんぼの木が枯れないよう2~3年かけて徐々に剪定し、作業後は切り口に癒合剤を塗るのがポイントです。
さくらんぼの強剪定の方法は以下の図解をご覧ください。
主幹だけでなく、横に伸びている枝も忘れずに切ってくださいね。
さくらんぼの剪定に必要な道具
時期別の剪定方法をチェックした後は、実際に作業を進めるための準備が必要です。さくらんぼの剪定にはどのような道具を用意すればよいのでしょうか?
扱いやすい剪定ばさみ/のこぎり
枝を切り落とすために使う道具は「剪定ばさみ」と「のこぎり」です。
値段はおおよそ3,000〜10,000円です。手の出しやすい値段の剪定ばさみでも、手入れをきちんとすれば切れ味は問題ありません。
大きさによって異なりますが、のこぎりの値段はおおよそ2,000~6,000円です。
高い場所の剪定には脚立を使用
脚立を使った作業の流れは以下の通りです。
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剪定中に動いてしまうと落下の危険もあるため、地面が雨で湿っていない日に作業をしてください。
切り口には癒合剤が効果的
木は切り口から入った雑菌によって病気にかかり、枯れてしまう場合もあります。さくらんぼの木も切り落とした枝の切り口を放置すると、病気になって全体を枯らしてかねません。
翌年もさくらんぼの実を楽しむためにも、剪定後は必ず切り口を保護してあげましょう。
剪定に自信がないときは業者に依頼しよう
剪定を始めて行う・いまいち自信が持てないという場合は、剪定業者にお願いしましょう。さくらんぼの木は剪定の方法や時期を間違えてしまうと、木が枯れてしまう場合もあります。
剪定を依頼する場合の費用相場
さくらんぼの剪定を依頼する場合、料金は「日給制」と「時給制」どちらかのパターンで決まることが多いです。
職人1人あたりの費用相場は以下の通りです。
日給制 | 20,000~30,000円/日 |
時給制 | 2,000~3,000円/時間 |
出張代や作業後のゴミを捨てる処理代など、追加料金がかかる会社もあります。詳しい料金説明については以下の記事をご覧ください。
剪定業者は高い技術を持っており、色々な木についての知識を備えています。さくらんぼの木の特徴や状況に適した方法で、剪定をしてもらえるでしょう。
業者探しは一括見積もりを活用
剪定業者に依頼する前に必ず見積もりを取りましょう。複数社から見積もりを取ることで、剪定にかかる適正価格を把握できます。
見積もりを確認するタイミングで作業工程に過不足がないかも、一緒にチェックしておくと安心です。口コミ情報も調べて比較すれば、ニーズに合った依頼先を選びやすくなるでしょう。
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こまめな剪定でさくらんぼの木を大切に
植物名 | さくらんぼ |
学名 | Prunus pseudo-cerasus |
科名 / 属名 | バラ科 / サクラ属 |
原産地 | トルコ |
開花期 | 3~4月 |
花の色 | 白 |
花言葉 | 小さな恋人、上品、善良な教育、幼い心 |
特性 | 耐寒性、耐暑性 |
品種の数 | 日本…約30種、世界…1000種以上 |
代表的な品種 | 西洋実桜 |
さくらんぼの木は花をめでる桜と同じく、バラ科サクラ属の木です。中でも果実を付ける「桜桃」がさくらんぼの木と呼ばれています。
おいしい実を楽しむためにも、適した時期にさくらんぼの木を剪定をする必要があります。2月・5月・7月の年に3回それぞれの時期に必要な剪定を行いましょう。
自力でさくらんぼの木を剪定するときは、枝を切る剪定ばさみやのこぎり・癒合剤といったアイテムを準備します。樹高が高いなら脚立と滑りにくい靴も必要です。
剪定に慣れていない・失敗したくないという人は、剪定業者に依頼するという方法があります。複数社から見積もりを取って適正価格を見極め、納得のいく作業を頼めるプロを見つけましょう。
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