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ローズマリー剪定の基本を紹介!最適な時期や切る枝の見分け方は?

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最終更新日: 2024年03月27日

ローズマリーは爽やかな香りが特徴の常緑低木。背があまり高くならず、強風や乾燥にも強いのでガーデニング初心者でも育てやすい品種といえます。

ローズマリーの剪定・収穫に適した時期

ローズマリー

ローズマリーの剪定は4~6月がおすすめ

剪定は4~6月の梅雨に入るまでに行うのがおすすめです。ローズマリーは暑さや蒸れに弱いので、遅くても7月になる前には、剪定で全体をすっきりさせ、風通しを良くしておきましょう。

また枝が多すぎると、本来育てたい部分に栄養が行き渡りません。それゆえ、剪定をして不要な部分を取り除き、限られた養分を育てたい場所にしっかりと届けてあげるのです。

剪定を兼ねて収穫しよう

ローズマリーは鑑賞だけでなく、料理の香りづけや部屋の消臭といったさまざまな用途があります。ハーブとして使うために育てているという方も多いでしょう。

収穫可能な時期は4~11月頃と比較的長いですが、特に4~6月の剪定に適した時期は、剪定を兼ねてたくさん収穫するのがおすすめです。生長が早い植物なので、枝が伸びすぎないように、この時期は葉を残しながらも大きく刈り込みましょう。

ただし夏以降に剪定をしすぎると花芽がなくなってしまい、直後の秋から春にかけて花が咲かなくなるので注意が必要です。

春にたくさん剪定・収穫をして、それ以外の時期は使いたいときに必要な量だけ摘み取ると良いでしょう。

夏の剪定は避ける

「暑くて蒸れそうだから、剪定して風通しをよくしよう」と考えて、夏場に枝をカットしてしまう人がいます。しかし、夏に入ってからの大幅な剪定はおすすめできません。

ローズマリーは夏の高温多湿な気候に弱いので、この時期に剪定すると木へのダメージが大きくなってしまうからです。夏の気候に耐えていることに加えて新たな負荷が加わると、必要以上のエネルギーを消費します。その結果、ローズマリーの葉が枯れたり花が付きにくくなったりするケースも考えられます。

使う枝だけ少し摘むのは構いませんが、真夏になってから大幅な剪定をするのは避けましょう。

ローズマリーに剪定は必須!4つの目的

ローズマリーを選定する様子

ローズマリーを育てる上では、定期的な剪定は必須といえるでしょう。その目的を4点お伝えします。

枝が固くなる「木質化」を防ぐ

ローズマリーは成長するに従って、緑色で柔らかみを帯びていた枝が次第に太く固くなり、茶色に変色します。この変化を「木質化」あるいは「木化(もっか)」といいます。

木質化してしまった茎からは、新しい枝がほとんど生えず、葉も花もつきません。それ以上の生長が期待できなくなってしまうため、注意が必要です。

剪定によって古い枝を切り取り、毎年新しい枝が生長できる状態を保つことで、常に新鮮なローズマリーを楽しめます。

成長を促し、枝の数を増やす

剪定で先端から刈り込むことで、脇芽を伸ばして枝の数を増やすことも目的の1つです。

ローズマリーは、茎の表面に付く脇芽に比べて、先端の芽(頂芽)の生長が優先される「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という特性を有しています。このタイプの植物は、剪定をせずそのまま育つと、頂芽が優先されることにより脇芽が成長しなくなってしまうのです。

樹形を整える

伸びすぎた枝をカットして形を整える。さまざまな方向に向かった枝を剪定することで、樹形をスマートにできます。

あまり細かく手を加えなくても、順調に生長してくれるのがローズマリーの利点のひとつです。それだけに短期間で伸びた枝葉が、気づくと混み合っていることもあります。

手入れをせずに放置しておくと、枝が無造作に伸びてバランスの崩れた形になってしまうでしょう。

日当たりと風通しを保ち、病気や害虫を防ぐ

ローズマリーは「高湿度」や「蒸れ」が苦手です。湿気が多すぎると葉が黒ずんでしまうといった症状があらわれます。

枝が混み合っていると風通しが悪くなり、湿気が溜まって蒸れやすくなります。湿度が高い季節に通気が悪くなると、うどんこ病などの病気を誘発することがあるので注意が必要です。

弱った葉は徐々に変色し、生気を失い、ついには枯れ落ちてしまう場合もあります。剪定によって日当たりと風通しを確保し、生き生きと育つ環境を整えておきましょう。

形を整えるための剪定方法

ローズマリーの剪定

ここでは形を整え、見栄えをよくするための剪定のしかたとコツについて説明します。また、剪定をすることで木質化や病気を防ぎ、枯れにくくすることにもつながります。

清潔な剪定専用のハサミを使う

剪定をする際に使うハサミは以下の2点を意識するとよいでしょう。

  • 清潔なハサミを使う
  • 剪定専用のハサミを使う

ハサミの刃が不衛生だと切り口から雑菌が入り込み、病気にかかる場合もあります。

最悪の場合には、全体が枯れ果ててしまうケースも考えられるため、断面をきれいな状態で裁断できる、清潔なハサミを使用しましょう。

またローズマリーの枝は硬いため、よく切れる剪定専用のハサミを使用するのがよいでしょう。

切れ味の悪いハサミだと、切り口が粗くなり断面に傷がついてしまいます。そこから雑菌が侵入する危険性も考えられるので注意が必要です。

ハサミは刃が細いタイプよりも、太さ・硬さのある枝も切ることができる、しっかりした刃を持つものがおすすめです。

枝元や花がらの下部を切り取る

形を整えるためにはどんな枝を切ればよいのでしょうか。

  • 枯れ枝
  • 下向きの枝
  • 混みあった枝
  • 伸びすぎた枝

上記の状態のような枝は枝元から切り落としましょう。また、残っている花がらの下部を切るよう意識することが大切です。

枝の途中で剪定してしまうと、そこから枝分かれを始め、ボリュームが出すぎてしまいます。枝が混み合い、窮屈な状態になると見栄えが良くないばかりでなく、害虫も寄生しやすいので注意しましょう。

ローズマリーは間引くことを基本とした剪定が大切です。それにより、枝に日光や風が当たり、健康に育っていくでしょう。

切っていい枝の見分け方

剪定する場合、葉が残る位置で切ることがポイントです。枝から葉がなくなってしまわないように、葉の多い枝を選んで切るようにしましょう。

葉が付いていない枝は、木質化しやすくなってしまいます。枯れる原因ともなり得るため、葉を残す必要があるのです。

剪定の対象は、15cm以上の長さのある茎です。それを10cmほど残してカットしましょう。それ以上短くしてしまうと、枯れてしまうおそれがあります。

種を取るための最低限の枝だけ残しておく

開花の時期を終えると、枝には種を持つ花がらが付きます。ローズマリーの種を収穫し自分で育てたい場合は、花がらを大切に守る必要があります。

しかし、たくさんの種を集めようとして、多数の花がらを枝に残しておくのは避けなければなりません。種を取るために必要最低限の花がらが付いた枝だけを残しておきましょう。

開花後のローズマリーは花を咲かせるために体力を消耗し弱っています。その状態で多くの花がらを育てると、さらにエネルギーを消耗させダメージが加わってしまうでしょう。

こちらの動画ではローズマリーの剪定を実際に行いながら、わかりやすく説明してくれているので参考にしてみてください。

枝を増やすための剪定方法

ローズマリー

先端の芽を切り取る

脇芽の成長を妨げている先端の芽(頂芽)を切り取ることを「摘心」といいます。

この作業を行うことで植物の枝分かれを促し、枝の数を増やすことができます。

摘心は通常7月に行います。方法は先端から1~2cmのところを切り取って、頂芽をつむだけです

【ローズマリーの樹形別】剪定のコツ

ローズマリーは「木立(こだち)性」と「匍匐(ほふく)性」という2つの種類にわけられます。2種類は見た目が異なりますが、色や香りなどはほとんど変わりません。

  • 木立性・・・まっすぐに上に向かって伸びる
  • 匍匐性・・・垂れ下がり地を這うように伸びる

それぞれの剪定のコツを紹介します。

木立性ローズマリーの剪定

木立性ローズマリー

枝の本数自体を減らしたいときは、途中まで切り詰めるのではなく枝の根元から切り落としましょう。

枝が旺盛に伸びるので、上のほうの枝が重みで曲がってくることがあります。倒れかけている枝は適度なところで切り詰めて、上にまっすぐ伸びるように整えます。

匍匐性ローズマリーの剪定

匍匐性ローズマリー

匍匐性のローズマリーはどんどん横へ地面を這うように伸びます。そのままにしていると、下のほうの枝と地面の風通しが悪くなります。木の蒸れは病気や害虫、枯れの原因なので要注意です。

枯れてしまった枝や、混みあっている枝は根元からばっさり切り落とします。地面に近いあたりを重点的に間引くとよいでしょう。

花が咲かないのは剪定の仕方が原因かも

ローズマリーの枝

ローズマリーは通常11~5月頃に青紫色の花を咲かせますが、お世話をしているはずなのに花が咲かない……と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

花が咲かないときの原因をいくつか紹介します。

剪定が足りなくて枝の木質化が進んでいる

ローズマリーを大きく育てようとして、あまり剪定や収穫をしないようにしている方は要注意です。

ローズマリーは新しく伸びた若い枝に花を咲かせます。つまり定期的に剪定をして新しい芽を成長させることが大切なのです。

古くなった枝は茶色く固い枝に変化します(木質化)。木質化した枝からは新芽も伸びず、花も咲きません。上のほうしか葉や花がつかず、見た目も不格好になってしまうので、大きく茂らせたい場合はむしろ定期的に刈り込みましょう。

剪定時期を間違えている

花を咲かせるには、適切な時期に剪定をすることも大切です。

ローズマリーの花はその年に伸びた新しい枝に咲くので、新しい枝を切りすぎると花芽も一緒に切り取ってしまうことになります。

花が咲き終わり、次の新しい枝が伸びる前の4~6月頃に剪定をするのがベストです。

ローズマリーの増やし方

ローズマリー

切った枝を「挿し木」することでローズマリーを増やすことが可能です。以下のアイテムを用意しましょう。

  • 鉢(駄温鉢など)
  • 用土(赤玉土やバーミキュライトなど)
  • 剪定バサミ
  • 発根促進剤

手順は次の通りです。

  1. 若い枝を切り、切り口を1時間ほど水に浸す
  2. 挿し穂の切り口に発根促進剤を塗る
  3. 十分水を与えた用土に挿し穂を差す
  4. 挿し穂に隙間なく用土を寄せる
  5. 鉢を日光が直接当たらない場所に置く

発根するまでは、土が乾燥しないように注意が必要です。

順調であれば2~3週間で発根するので、新しい葉が出た段階で鉢上げを行い、新しい苗として育成を開始しましょう。

剪定したローズマリーの使い道3選

ローズマリーと肉

ローズマリーの枝はハーブとして料理やアロマ、消臭などさまざまな使い道があります。生垣やガーデニング用に育てている方も、剪定した枝を活用してみてはいかがでしょうか。

ここでは3つの活用方法を解説します。

料理の香りづけとして活用

ローズマリーは料理の香りづけとして使うことができます。

香りが強いローズマリーは魚や肉のくさみを消してくれるので、チキンステーキやアヒージョなどを作る際にもよく使われます。生のまま

ローズマリーを使ったレシピは他にもたくさんあるので調べてみるとよいでしょう。

乾燥させて消臭剤にする

靴やシューズラック、トイレなどにおいが気になるところに乾燥させたローズマリーを置くと、殺菌・消臭効果が期待できます。同じく消臭作用のある重曹と合わせて、天然の消臭剤を作ってみましょう。

重曹とローズマリーの消臭剤の作り方

  1. ローズマリーを摘み取り、軽く洗う
  2. 葉に虫がついていないことを確認し、ヒモなどで少量ずつ束ねる
  3. 逆さにして風通しの良い場所に吊るす(天日干しにはしない)
  4. 乾燥したローズマリーの葉を枝から取り、重曹と混ぜる

器に入れてにおいが気になる場所に置いたり、お茶パックやガーゼで包んで靴の中に入れたりするとよいです。

お風呂に入れてリラックス効果

ローズマリーにはリラックス効果や血行促進効果があるといわれており、入浴剤として活用することもできます。

方法は、ローズマリー3~4本を洗濯ネットに入れ、そのままお風呂に投入するだけです。爽やかな香りが日頃の疲れを癒してくれるでしょう。簡単にできるのでぜひやってみてくださいね。

ローズマリーを剪定・収穫して生活に活用しよう

ローズマリー

ローズマリーはハーブとして消臭、料理の香りづけなどさまざまな用途に使えます。収穫できる期間は4~11月と長いですが、中でも4~6月は剪定もかねてたくさん枝を切るのがおすすめです。

ローズマリー以外にも、植えるときれいなだけでなくさまざまな役に立つ植物があります。以下の記事では役割ごとにおすすめの植物を紹介しているので参考にしてみてください。