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イチジクの剪定方法(夏果/秋果)・正しい剪定時期!失敗しないためのコツや切る枝の判断方法も

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最終更新日: 2024年02月15日

イチジクは種類(夏果・秋果)によって剪定方法が少し異なる植物です。剪定方法や時期を間違えると、実がつかなくなってしまうこともあるので注意が必要です。

この記事では切る枝の判断方法・剪定時の注意点など、イチジクの剪定について知っておきたいことを詳しく解説していきます。

またイチジクの剪定は難しいので、自信がない人におすすめの方法も紹介します

イチジクを剪定するのに適した時期は?

剪定に最適なのは、葉が落ちた12月頃から成長が始まる前の2月頃までです。また、剪定が必要なのは植えてから2~3年後の「実をつけるようになってから」です。

剪定を業者に依頼すると料金はいくらかかる?

樹高が3m未満の場合、費用相場は3,000円〜8,000円です。3m以上5m以下の場合、12,000円〜18,000円です。

イチジクの剪定時期は12月頃~2月頃

イチジク

イチジクは暖かくなり始める春頃から成長し、夏から秋にかけて実が収穫できる落葉果樹です。

剪定が必要なのは植えてから2~3年後の「実をつけるようになってから」。植えて数年は剪定が必要ありません。代わりに、仕立てという作業を行います。詳しくは「イチジクの誘引方法(仕立て方)」をご覧ください。

剪定に最適なのは、葉が落ちた12月頃から成長が始まる前の2月頃までです。この時期は果樹が休眠している状態なので、大胆な剪定にも耐えられます。

なおイチジクを育てる時のスケジュールは、おおまかに以下の通りです。

イチジクの栽培カレンダー
イチジクの栽培カレンダー

イチジクは落葉性の果樹で夏から秋にかけて果実が収穫でき、11月頃に落葉します。剪定は休眠期である12月から2月にかけて行います。

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イチジクの剪定に必要な道具

剪定道具

イチジクの剪定に必要な剪定道具は以下の通りです。

  • 剪定バサミ
  • 剪定ノコギリ
  • 植木バサミ
  • 脚立
  • 剪定に向いた服装

順に詳しく用途を解説していきます。

剪定バサミ

‎岡恒 剪定鋏 200mm|Amazon
‎岡恒 剪定鋏 200mm|Amazon

剪定バサミは、直径1.5cmくらいまでの枝を切断するのに向いています。

上刃と下刃の両方が動くバイパスタイプは、切れ口がきれいで枝を傷つけにくいため細めの枝の剪定向きです。片方だけに刃が付いたアンビルタイプは、力が伝わりやすく太めの枝の剪定に使用します。

剪定ノコギリ

アルスコーポレーション アルス カーブソー 生木剪定用鋸替刃式 GR-17|Amazon
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剪定バサミでは切れない太めの枝や幹を切るのに使用します。

剪定ノコギリには以下の3種類があります。

  • コンパクトな折りたたみ
  • しっかり力を入れて枝を切れる非折りたたみ型(棒型)
  • ゆるやかに刃がカーブして握りやすいピストル型

また刃の粗さも「荒目」「細目」「中目」の3種類があります。中目は最も使いやすく汎用性が高いので、最初の1本には中目がおすすめです。

植木バサミ

植木バサミは直径1㎝以下の細い枝を切るためのハサミです。グリップ部分が輪っか状になっており、通常のハサミのように片手で持って使えます。

脚立

大きく成長してしまったイチジクを剪定する時には、脚立が必要です。剪定には凸凹があり地面でも安定して立てやすい三脚タイプがおすすめです。脚立の素材は軽くて持ち運びしやすいアルミ製を選ぶと良いでしょう。

剪定に向いた服装

剪定バサミや剪定ノコギリを使って作業をする時は、手を怪我をしないように必ず作業用手袋を装着しましょう。また虫刺されや日焼けなどからも身を守れるよう、長袖・長ズボン・帽子などの着用をおすすめします。

なおイチジクの白い樹液にはフクロマリンという物質が含まれており、皮膚に付着すると紫外線による光過敏症(かぶれ)を起こすことが知られています。肌の弱い方は樹液に触れないようにしっかりと対策してくださいね。

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【品種別】イチジクの実付きをよくする剪定方法

いちじく

イチジクの剪定は「間引き剪定」と「強剪定」を組み合わせて行います。

また、イチジクには、夏に実をつける品種と秋に実をつける品種、夏秋どちらもに実をつける品種の3種類があります。

それぞれ「夏果専用種」「秋果専用種」「夏秋兼用種」と呼びます。実がつく枝が異なるため、種類に合わせた方法で剪定を行います。

種類 収穫時期の目安 剪定方法 代表的な品種
夏果専用種 6月下旬~7月上旬 二年枝1本につき花芽を5個から8個残し枝の先端を切る。そのあいだの冬に新梢の大幅な切り戻しはしない。不要枝の切除が中心。
  • ビオレドーフィン
  • ザ・キング
  • サンペドロミロ
  • コナドリア
秋果専用種 8月下旬~11月中旬 二年枝に2~3個の花芽を残し大幅に切り詰める。
  • 蓬莱柿(ほうらいし)
  • 久留米くろあま
  • ゼブラスイート
  • バローネ
  • イスラエル
  • セレスト
  • ビオレソリエス
夏秋兼用種 6月下旬~11月中旬 夏果種の剪定と秋果種の剪定を並行して行う必要がある。
  • 桝井(ますい)ドーフィン
  • とよみつひめ
  • ホワイトゼノア
  • ブラウンターキー
  • アーティナ
  • カリフォルニアブラック
参考記事:イチジクの剪定方法について教えてください。|タキイネット通販
参考記事:いちじく【地植え】の育て方 | 植物栽培ナビ

夏果専用種の剪定方法

夏果の品種では、二年目になる枝(二年枝)の先端に花芽がつき翌年にその花芽が実をつけます

夏果の剪定では、下図のように二年枝1本につき花芽を5個から8個残し枝の先端を切りましょう

花芽を一緒に切るとその年は実をつけなくなるので、下や内側に向かって生えている不要な枝や伸びすぎた枝を中心に切っていきます。

イチジク 夏果専用種 剪定

なお二年枝かどうかの判断は「枝の色」を見ます。一年枝は緑色なのに対し、二年枝は緑色から茶色に変わっているので、色を目安にして切る枝を判断しましょう。

秋果専用種の剪定方法

秋果の品種は春に伸びた新しい枝(一年枝)に花芽がつき、夏から秋にかけて成熟し秋に実が収穫できるようになります。

そのため秋果の剪定では、下図のように二年枝に2~3個の花芽を残し切っていきます

混み合っている枝や、下向き・内向きの枝の場合は枝の根本から切りましょう。

イチジク 秋果専用種 剪定

ここでも枝の色(茶色いかどうか)で、二年枝かどうかを判断しましょう。

夏秋兼用種の剪定方法

夏秋兼用果の品種では、夏果が二年枝に、秋果は新梢(しんしょう)に実ります。つまり夏果種の剪定と秋果種の剪定を並行して行う必要があります

夏果のために二年枝は芽を2~5個程度残して先端を切り、秋果のために一年枝も数本剪定せずに残しておきましょう。

【全種共通】イチジクの間引き剪定の方法

剪定した切り口からは新しい枝が生えてきます。枝が多すぎると各枝に栄養が十分行きわたらず結実しにくくなったり、日当たりや風通しが悪くなり病害虫が発生してしまったりします。

そのため間引き剪定を行い、混み合っている枝や、真っ直ぐ伸びていく枝(徒長枝)などの不要な枝を切りましょう。

1カ所から枝が複数生えている場合は、分岐点から枝を1~2本残し、他の枝は枝の根本から切り落とします。

【全種共通】イチジクのリフレッシュ剪定の方法

イチジクの木を常に若い状態に保ち、美味しい果実を収穫できるようにするために行う「リフレッシュ剪定」という剪定方法があります。

下図のように、木の骨格となる主枝を毎年入れ替える剪定方法です。

イチジク リフレッシュ剪定

主枝をずっと同じものにする剪定方法に比べて、果実の品質が上がるほか、成長が早かったり障害になりにくかったりといった効果が期待できます。

また大きくなりすぎてしまった場合も、このように大胆に切り詰めて主枝を入れ替えて大丈夫です。

▽一文字仕立てのイチジクのリフレッシュ剪定の様子は、この方が以下の動画内で詳しく解説してくれています。参考にしてみてくださいね。

1~3年目のイチジクの仕立て方(誘引方法)

イチジクは、植え付けから3年以内の幼苗のうちは、誘引が必要です。どんな樹形に育てるかを決めて、そのような形になるように支柱やフェンスを使って誘引していきます。

杯状仕立て

杯状仕立ては、下図のように枝をワイングラスのような樹形にしていく仕立て方です。

イチジク 杯状仕立て

スペースをあまり必要としないため、家庭の庭や鉢植えでイチジクを育てる方におすすめです。

<苗木を植えてから3年目までの流れ>

<1年目の冬>
冬に地上から高さ50cmほどの箇所で主幹を切り、枝を分岐を促す。
<2年目の冬>
主幹から生えた主枝を四方に4本残して、それよりも下から生えている枝は根元から切り落とす。

3月に、それぞれの枝を2芽(40cmほど)残して切り戻す。真上から見たときに、枝が「+」の形になっているのが理想である。

枝の真ん中を紐で誘引して、枝を地面に向かって引っぱるようにする。

<3年目の冬>
主枝の強剪定を行う。(品種によって方法が違うので注意。詳しくは後述)

実がついた結果枝を全て切り戻す。

<4年目以降の冬>
樹形が安定したら、誘引を外す。

一文字仕立て

一文字仕立て イチジク 初期
一文字仕立て

一文字仕立ては、2本の主枝をT字のように左右に伸ばして、そこから生える枝を上に伸ばしていく仕立て方です。

果樹農家の方がよくやる樹形で、広いスペースがある方におすすめです。

<苗木を植えてから3年目までの流れ>

<1年目の冬>
主幹を地上から50cmの高さの箇所で切り戻す。
<2年目の冬>
前回切り戻した部分から分岐している主枝を2本選び、T字のような形になるようにフェンスやトレリスなどに誘引する。

主枝の先端は、芽の上で切り戻しておく。

<3年目の冬>
主枝から上に向かって伸びる側枝の間隔が30cmほどになるように、他の枝を根元から切る。

実をつけた結果枝は、品種ごとの方法に従って剪定する。

▽一文字仕立てで育てているイチジクが実をつけた後の剪定方法については、こちらの方が実演で詳しく解説してくれています。参考にしてみてくださいね。

イチジク剪定の注意点やよくある失敗

イチジク

イチジクは比較的剪定に強い果樹ですが、いくつか注意点もあります。ここではイチジクを剪定する時に気をつけたいポイントをご紹介します。

剪定時期を間違える

成長のスピードが速くなる春先から夏にかけて大胆な剪定を行うと、切り口から大量の樹液が出ることがあります。また雨の多い梅雨時や気温の上がる夏には、切り口から菌が入って病気になる可能性も高くなります。

イチジクは剪定に強く比較的丈夫な果樹ですが、剪定時期を間違えると最悪枯らしてしまうことになるので注意が必要です。

切る枝を間違えると実をつけない

イチジクには夏果専用品種・秋果専用品種・夏秋兼用品種の3種類がありますが、それぞれ切るべき枝と場所が異なります。間違えてその年に実るはずの花芽も一緒に切ってしまうと、翌年まで実をつけなくなってしまいます。イチジクの種類を確認して、切るべき枝を見極めて剪定しましょう。

剪定後の切り口のケアをしっかり行う

太い幹や枝を剪定した後の切り口は、人間の皮膚で言うと生傷ができているのと同じ。そのままにしておくと切り口から病害虫の影響を受け、場合によっては木全体が枯れてしまうこともあります。

切り口の保護には癒合剤(ゆごうざい)を使用します。癒合剤を切り口に塗っておくことで、雑菌や害虫の侵入を防ぐことができますよ。

関連記事:癒合剤は剪定の必須アイテム!役割や使うシーン、おすすめ商品を紹介|ミツモア

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剪定したイチジクの枝を挿し木にして増やす方法

 

挿し木の手順を説明している図解

剪定した枝を挿し木にすれば、イチジクの木を増やすことができます。

2月~4月頃に、前年に伸びた枝を使用して行います。

<挿し木の方法>
  1. 枝を2~3節(15〜20cmほど)の長さに切る
  2. 枝の切り口を斜めに切り、水に約2時間浸けておく
  3. 土を入れた大きめの鉢を用意する
  4. 枝の2/3が埋まるように挿す
  5. 水をたっぷりやり、発根するまでビニール袋を全体に被せる
  6. 土が乾かないよう日陰で管理する

庭で地植えで育てる場合には、芽が出たら日の当たる場所に植え替えてあげます。

業者にイチジク剪定を依頼する場合の費用相場

植木職人

剪定に失敗すると実をつけなくなってしまうこともあります。

イチジクの剪定に少しでも不安がある場合は、業者に依頼することも検討してみましょう。特にイチジクの木が育ちすぎてしまった場合には、知識・技術・道具などの面で負担が大きくなりがちです。

イチジク剪定の費用相場

イチジクの剪定にかかる1本あたりの料金の目安は以下の表の通りです。

樹高 費用相場
3m未満 3,000円〜8,000円
3m以上5m以下 12,000円〜18,000円

ただし剪定したい果樹の本数やイチジクの生えている場所・枝葉の処分方法・お住いの地域の状況などにより剪定費用は異なります。詳しい費用を知りたい場合は見積もりを取って確認しましょう。

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イチジク剪定をプロに依頼するメリット

イチジクの剪定をプロに依頼するメリットはたくさんあります。

  • 剪定についてのアドバイスを受けることができる

何年も放置して枝が伸び放題になっているイチジクを、美味しい実のなる美しい樹形に整えるのは慣れている人でも難しいのではないでしょうか。

このような時は一度きちんとした状態になるように業者に剪定してもらい、その後の管理についてのアドバイスを受けるのがおすすめです。切る枝やタイミングについて教えてもらえば、その後の剪定は自分で行いやすくなりますよ。

  • 剪定道具を揃える必要がない

イチジクの剪定には複数の道具を使用しますが、持っていない場合は一から揃える必要があります。小規模の剪定では使う道具も少ないですが、やはりイチジクが大きくなってしまうと道具の準備も大掛かりになってきます。

イチジクの他に剪定する木がない、剪定道具を収納するスペースがないといった場合などには業者に任せた方が良いでしょう

  • 安全に剪定ができる

イチジクが塀・フェンス・建物・他の庭木などの近くにある場合は、大きな枝を切り落とす際に周囲の建造物や庭木を傷めてしまわないように注意しなくてはいけません。

特に枝が近隣の住宅の敷地にまではみ出ている時などは、近隣の住民に配慮した剪定作業が不可欠です。プロの剪定業者に依頼すれば、近隣への配慮も含め周囲の安全を確認しながら剪定してもらえるので安心ですよ。

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