庭のもの寂しさを埋めるために、クリーピングタイムの栽培を検討している人もいるでしょう。クリーピングタイムは、ガーデニングに時間をあまり割けない人でも育てやすいです。クリーピングタイムの特徴や育て方を解説します。
クリーピングタイムの特徴
そもそも、クリーピングタイムとはどのような植物なのでしょうか。まずはクリーピングタイムの特徴を解説します。
地面をはうように広がりピンク色の花が咲く
クリーピングタイムはヨーロッパを中心に分布する多年草で、日本では北海道南部から九州にかけて生息しています。その名の通り、地面をはうように繁殖するほふく性の植物で、初夏にナルトピンク色の花を咲かせることが特徴です。
育っていくと、庭一面をピンクの花で彩ることができ、梅雨前の庭をおしゃれに飾ることができます。鑑賞だけでなく、料理やハーブティーにも使うことができることも魅力の1つです。
シソ科のハーブ「タイム」の一種
クリーピングタイムは、大きく分けるとタイムと呼ばれるシソ科のハーブの一種です。タイムは立性のコモンタイムと、ほふく性のクリーピングタイムにわけられます。
特徴 | |
コモンタイム |
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クリーピングタイム |
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クリーピングタイムのおすすめポイント
クリーピングタイムは、ガーデニングにあまり時間を取れない人や、初心者におすすめの植物といえます。クリーピングタイムのおすすめポイントを2つ解説します。
放っておいても繁殖し育てやすい
クリーピングタイムは、特に何もしなくても繁殖してくれるので、忙しい人の味方といえるでしょう。繁殖力も強すぎないため、思わぬ方向に育ってしまう心配も少ないです。
管理の手間がかからず、ガーデニング初心者にもおすすめです。あまりに手入れが簡単で、逆に心配になる人もいるかもしれませんが、問題はありません。
雑草対策に最適
クリーピングタイムのようなほふく性の植物は、グランドカバーとして雑草対策に適しています。庭の土がむき出しになっていると、夏になると雑草が生い茂ってしまいます。また、土がむき出しになっている庭は、見た目もあまりよくないでしょう。
クリーピングタイムを植えることによって、庭をおしゃれにできるだけでなく、雑草の繁殖も抑制できます。グランドカバーに向いている植物は踏まれても枯れないものが多いこともメリットのひとつです。
クリーピングタイムの育て方
これからクリーピングタイムを育てる人に向けて、育て方のコツを解説します。以下の内容をしっかりと押さえておけば、初心者でも簡単に育てられるでしょう。
植え付けのタイミングは春か秋
クリーピングタイムを植え付けるのに最適なタイミングが、3〜5月ごろの春と、9〜10月ごろの秋の2回です。苗を育てる際は、土をよくほぐし、育つまでのしばらくの間は、こまめに水をやりましょう。
種から育てる場合は、苗用のポットにまきます。タイミングは秋がおすすめです。植え付け後は、年に1〜2回土の入れ替えを行いましょう。その際、根を傷つけないよう注意が必要です。
暑い・寒い時期の注意点
クリーピングタイムは夏の暑さと冬の寒さ自体には強いですが、湿気や霜は苦手としています。そのため、クリーピングタイムを育てる場所は日当たりがよく、水はけのよいところを選びましょう。
夏は風通しを良くするため、剪定をするのがコツです。また、霜に触れると葉が黒ずんでしまうので、予防したい場合はわらをかけるなどの霜よけ対策が有効です。
元気に育てるお手入れのコツ
クリーピングタイムを元気に育てるためには、いかに夏を越すかが重要です。夏が本格化する梅雨前の時期を目安に、枝を1/3〜半分程度刈り込んでおき、通気性を確保しましょう。
茎や下葉が育ちすぎると、絡まることで株に栄養が行き渡らなくなり、枯れる原因となってしまいます。茎や下葉が育ちすぎたと感じたときは、機を見て刈り込んでおくと、長きにわたって育ってくれるでしょう。
クリーピングタイムは庭の彩りにぴったりな植物
クリーピングタイムは特に何も手入れをしなくても良く育つ植物なので、普段忙しくてガーデニングに時間をかけられない人や、ガーデニング初心者におすすめです。
手入れが簡単にもかかわらず、初夏になるとピンク色のきれいな花を咲かせてくれ、さらに雑草対策にもなるので、一石二鳥といえます。ものによってはハーブや料理に使えるものもあるので、パッケージに記載されている用途を確認するとよいでしょう。
クリーピングタイムは丈夫ではありますが、湿気や霜には弱いという特徴があります。そのため、日当たりが良くて風通しの良い場所に植えるようにし、梅雨前にはせん定を行って風通しを確保しましょう。少し手間をかければ、長く楽しむことができます。