この記事では、つる植物の種類やおすすめの植物、育てる際の注意点について紹介していきます。自分のお庭にぴったりのつる植物を見つけてくださいね。
観葉植物におすすめのつる植物は?
育てやすい「ポトス」や「グリーンネックレス」「ハートカズラ」は観葉植物としておすすめのつる植物です。
常緑のつる植物は?
代表的な常緑のつる植物は、「オオイタビ」「ヘデラ」「ハゴロモジャスミン」「アイビー」です。常緑性のつる植物は、観葉植物として人気が高いです。
つる植物には4つのタイプがある
つる植物は「つる性植物」と言われることもあります。自力では直立できず、地面やオブジェを這ったり絡みついたりして伸びていく性質をもった植物です。
日本においては「葛(かずら)」という漢字がついている植物や「つる〇〇」のような名前を持つ植物は、つる植物と判断できますよ。英語ではvineといいます。
つる植物は大きく分けて以下の4つのタイプがあります。1つずつ紹介します。
つる植物①巻きひげタイプ
巻きひげタイプは、その名の通り「巻きひげ」という部位を伸ばし、ネットや支柱に巻きつきながら成長していきます。
その性質を利用して夏場のグリーンカーテンなど、視線遮断に使われることが多いです。
放置しておいても自動的に巻きつきますが、紐などで誘引すると全体がより美しくまとまりますよ。
つる植物②気根や吸盤を持つタイプ
2つ目のタイプは、気根(※)や吸盤を使って伸びていくタイプです。茎から気根や吸盤を伸ばして、壁や地面に引っ付きながら成長していきます。
壁面の飾りや西洋風の庭を作りたい時のアクセント、グランドカバー(土表面を覆い隠す)などに使われます。
気根や吸盤を持つタイプは、引っ付いたところを傷つける可能性が高い上に、引っ付くところがなければ成長は遅くなります。大切な外壁の近くでは育てない方がいいかもしれません。
※気根(きこん)
茎もしくは付け根にあたる部分から空中に生える根のようなもの(トウモロコシについている白い根など) |
つる植物③根が這うタイプ
3つ目のタイプは、根が地面や壁を這うタイプです。吸盤タイプのように引っ付くことはないので扱いは簡単です。
植物の成長によって壁やフェンスを傷めたくないという方は、根が這うタイプのつる植物を選びましょう。
つる植物④若茎が巻きつくタイプ
若茎が巻きつく植物です。茎から巻き毛を生やすのではなく、茎そのものが巻きついて伸びていきます。
育てやすいので、鉢植えやグリーンカーテンとして育てられたり、門をゴージャスにするために使われたりしています。
【巻きひげタイプ】おすすめのつる植物3選
おすすめの巻きひげタイプのつる植物を3つ紹介します。「この夏野菜を育てたい」と考えている方は、巻きひげタイプの野菜を検討してみてはいかがでしょうか。
ゴーヤ
ウリ科の植物ゴーヤはグリーンカーテンによく使われる植物です。
大きなカエデのような形をした葉は青々として美しく、さらにビタミンが豊富な実もなります。夏バテに効果があると言われ、観賞用にも食用にも使えて便利ですよ。
インゲン
インゲンはマメ科の野菜ですね。ゴーヤと同じく実が食べられるため、お得感の強い植物ですよ。赤い花と綺麗な緑色が目に鮮やかな、巻きひげタイプのつる植物です。
トケイソウ
時計のような複雑な構造をもつ花が特徴的なトケイソウは、花が終わるとパッションフルーツがなります。
パッションフルーツは赤いゼリーのような実で、優しい甘さがある人気の果物です。日本で多くみられるのは、トケイソウの中のカエルレアと呼ばれる品種です。
【気根・吸盤タイプ】おすすめのつる植物2選
おすすめの気根・吸盤タイプのつる植物を2つ紹介します。
クレマチス
クレマチスはつる植物の女王と呼ばれるほど、つる植物の中では代表的な存在です。吸盤タイプで、壁やフェンスにぴったりとひっついて伸びていきます。花びらは大きく、白やピンク、紫の美しい色をしています。
春から秋まで長い間楽しめますが落葉するので、時期によっては見た目が悪くなってしまうことも。壁に這わせるよりは、管理が簡単なフェンスに巻きつけて育てる方法がおすすめです。
ヘデラ(アイビー)
ヘデラは、別名アイビーといいます。ヘデラは学名ですが一般的にもよく使われており、アイビーと同じ植物であることを知らない方もいます。
根を伸ばして成長するつる植物です。乾燥・暑さ・寒さのすべてに強く、とても育てやすい植物です。
常緑性で冬でも庭が寂しくならないので、根強い人気があります。ガーデニング初心者にもおすすめですよ。
【根が這うタイプ】おすすめのつる植物2選
おすすめの根が這うタイプのつる植物を2つ紹介します。
コンボルブルス
小さなアサガオのような可愛い花を咲かせるつる植物です。日当たりや風通し、水はけがよい場所ならぐんぐんと成長し、どんどん根を伸ばして広がっていきます。
病害虫を心配する必要はなく、世話もさほど必要ないため育てやすいですよ。品種が非常に多い植物なので、花色など自分好みのものを見つけてくださいね。
タイム
タイムは独特の気品ある香りをもつハーブです。品種が250以上もありますが、大きく2つに分けることができます。
- ほふく性(地を這うように伸びる性質)のあるもの
- 自立性のあるもの
ほふく性がある方がつる植物ですね。開花は5月で、一斉に紫の花を咲かせます。高さがある花壇に植えると自然と垂れ、おしゃれな庭になりますよ。
【茎を巻きつけるタイプ】おすすめのつる植物2選
おすすめの茎を巻きつけるタイプのつる植物を2つ紹介します。
つるバラ・クライミングローズ
つるバラはつる性のバラの総称で、大変多くの種類が存在します。
その中の1つ「クライミングローズ」は、上品な濃いピンク色の小輪の花が大量に咲き乱れ、開花時期は見た目がゴージャスですよ。
アサガオ
一年草であるアサガオは、若茎がどんどん絡みながら育っていきます。美しい花付きの、夏場のグリーンカーテンとしても人気ですね。
多くの品種が販売されており、自分好みの種類や色を選ぶことができます。
つる植物の選び方
「種類が多すぎて、何を基準につる植物を選べばよいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。つる植物を選ぶ3つのポイントを紹介します。
①常緑かどうかで選ぶ
一年中緑が楽しめるので、常緑性があるつる植物は人気です。冬場に枯れてしまったり落葉してしまったりすると、根だけが残り見栄えが悪くなります。
特に壁に這わせたりアーチに絡ませたりする場合、常緑であればいつでも綺麗で雰囲気がありますよね。
②つるの伸び方や特徴で選ぶ
記事の前半で紹介した「つるの4タイプ」の中から、お好みの植物を選んでもいいですね。
つるのタイプ | こんな人におすすめ |
巻きひげタイプ | 常緑のこだわりがなく、夏場に涼しいグリーンカーテンを作りたい人 |
気根/吸盤タイプ | 壁一面に這わせてクラシックな雰囲気を出したい人 |
根が這うタイプ | 花壇からこぼれ落ちるような緑が欲しい人 |
茎が巻きつくタイプ | 玄関前のアーチや庭のオブジェに絡ませたい人 |
まずは自分が作りたいお庭をしっかりイメージすることが大切です。イメージに合うタイプを選んだら、その中から育てやすさ・花や葉の特徴などをみていきましょう。
③花の色で選ぶ
花の好みで選ぶのもおすすめです。例えば、コンボルブルスやトケイソウは、種類が非常に多いです。
品種によって育てやすさや花の模様、色などが異なるので、自分に合った植物を選ぶことができますよ。
好みの花を見つけたら、自分の庭に合うかどうかを調べてみましょう。どのように伸びるか、栽培環境は適しているかなどを確認すれば、庭の完成イメージもわきやすくなります。
つる植物を観葉植物として育てる方法
つる植物は観葉植物としても育てられます。住まいが賃貸物件で柵や壁は使えず、庭もないという方でも大丈夫ですよ。
上へ伸びていく「巻きひげタイプ」と「茎が巻きつくタイプ」の場合、伸びたひげや茎が絡みつく場所を作らなければなりません。観葉植物用の支柱がおすすめです。
根が伸びて下へと垂れさがる「根が這うタイプ」は、ハンギングなどで天井からつり下げるとよいでしょう。
マンションのベランダのような狭い場所でも育てることはできますが、根を伸ばす場所を確保するようにしてくださいね。
観葉植物として育てることのメリットは、季節によって場所を移動できることです。植物によっては直射日光がダメだったり、霜に弱かったりします。環境を変えやすいため、あえて鉢植えでつる植物を育てる方もいますよ。
つる植物で注意すべきこと
つる植物を扱う時に注意すべき点を2つ紹介します。
①壁面を傷つけることがある
気根・吸盤タイプの植物は、強い力で張り付き壁の表面を傷つける可能性が高いです。
吸盤のような根は壁面に引っ付き、育つにつれて剝がせなくなります。無理やり剥がそうとすると、壁の表面も一緒にはがれてしまうケースも。
剥がすのは手間がかかる上、隣の家に根が伸びたり、家の中に侵入したりすることもあります。
植えつける場所はしっかり慎重に選ばなければなりません。壁面緑化用の壁(※)に変えることも検討してもよいでしょう。
デメリットを知らずに植えると、後悔する可能性が高いので注意してくだい。
※壁面緑化用の壁
表面に金網などを取り付けて、そこにつるが伸びるようにした壁のこと。 |
②マメな管理を必要とする種類がある
生育旺盛なつる植物は、放置しておくと蒸れて病害虫のリスクが高まります。生長スピードの速いつる植物は要注意です。
頑丈で初心者でも失敗することは少ないものの、丈夫であるがゆえに放置すると手がつけられなくなります。
年に1度、伸びすぎた葉や茎を剪定したり、花がらを摘み取ったりして、通気性を良くしましょう。
特に「ナツユキカズラ」というつる植物は、管理に手間がかかります。葉も花もどんどん内側に密集して生えるため、普段からマメな剪定が欠かせません。
万が一病害虫や剪定で困ったら、業者に頼むのも一つの手です。その場合はぜひミツモアを利用してみてください。簡単な質問に答えるだけで複数業者から見積もりが届くサービスです。無料で複数の業者の見積もりを比較できるので、費用・内容がより良いところを選べますよ。
【番外編】つる性の雑草を駆除する方法
つる性の雑草も多く存在します。よく見かけるつる性の雑草と駆除方法について紹介します。
よく見かけるつる性の雑草
よく見かけるつる性の雑草を4つ紹介します。
①葛(クズ)
荒れ地で自生することが多いつる植物です。繁殖力が強く、長さ約1.5mの根を地面に張るため、完全に駆除するのは難しいでしょう。
②ヤブガラシ
庭や山などいたるところで見かけるつる植物です。ヤブガラシは繁殖スピードが非常に速いので、見つけたら早めに駆除しましょう。
③ヘクソカズラ
ヘクソカズラの花はとても可愛らしいですが、葉や果実に傷がつくと悪臭が漂うため、雑草として駆除する人が多いです。
④ガガイモ
ガガイモは地下茎を使って繁殖します。地下茎が途中で折れても繁殖力は変わらないため、昔から雑草として認識されています。
毒性があり、口に含むと頭痛や吐き気などの症状が出ます。
除草剤をまくのが効果的
つる性の雑草は根を四方に伸ばす性質があるため、手作業で取り除くのは大変です。除草剤
を使えば、根まで枯らすことができるので根本的な駆除ができますよ。値段は3,000円前後です。